律「すいそう!」
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7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:28:19.23
音楽室!
「あなたが田井中さんね?」
律「お、おう。っていうかなんだよ。誰だよ。」
「私は吹(すい)。吹奏楽部の部長よ。」
律「あ、っていうことは先輩っすか。それで、吹奏楽部の部長さんがなんの用ですか?」
吹「軽音部、目障りなのよ。」
律「はい?」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:29:06.81
吹「あなた達が音楽室を占領するようになってからというもの・・・
私達吹奏楽部は空き教室で練習をする毎日なのよ!」
律「ふーん、で?」
吹「で?じゃないわよ!合奏もまともに出来ない状況なのよ!?
あなた、吹奏楽部が現在何人いるかわかってるの!?」
律「えー?ww10人くらいっすか?」
吹「×6よ!60人よ、60人!」
律「うひゃー、そりゃ大所帯っすね。」
吹「私達、夏にコンクールを控えてるの。音楽室を使えないなんて、痛すぎるわ。」
律「でも音楽室は私ら軽音部が使ってるんで。それじゃ。」
吹「ちょっと!・・・知ってるのよ?」
律「何を?」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:29:58.94
吹「あなた達が毎日音楽室でろくに練習もしないで遊んでばっかりいることよ!」
律「(う、痛いとこ突かれたな)そんなこと言ったって・・・。
ただ遊んでるだけじゃないっすよ?練習もちゃんとしてます。」
吹「その割に練習の音は全く聞こえてこないけど?」
律「(やべ・・・。)そうっすか?タイミングが悪いだけですよ。」
吹「いい加減にして!とにかく、部員数や実績で勝っている吹奏楽部こそが音楽室を使うべきよ!それに、
ただ目標もなくダラダラやってるあなた達とは違うの。わたし達にはコンクールという、明確な目標があるの。」
律「今のは聞き捨てならないですね。私達だって学園祭のライブに向けて頑張ってますよ。」
吹「学園祭のライブとコンクールを一緒にしないで。」
律「そっちこそ。次のコンクール?とやらに出ればいいじゃないですか。」
吹「馬鹿にしてるの!?吹奏楽のコンクールといえば、野球部で言うところの甲子園よ?」
律「だからなんですか?」
吹「年に一度しかないの。私達にとっては本当に特別なものなの!」
律「学園祭だって年に一度です。」
吹「それこそ、それがどうしたっていうのよ。そこら辺のライブハウスで演奏するのと何が違うのよ。」
律「桜高のみんなの前で演奏できるのは私達だって年に一度ですよ。」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:36:02.82
律「学園祭のライブのことなんだけど。・・・すっげぇいい演奏して、吹のヤツを見返してやろうぜ!」
梓「いいですね!乗りました!」
澪「見返すってことばっか考えてちゃいい演奏できないのかもしれないけど。
確かに、ずっと音楽室占領してたのにみっともない演奏してたら、それこそ吹奏楽部の人達に失礼だよな。」
唯「うん!頑張ろうね!」
紬「うふふ、やりましょう!」
バタンッ!
さわこ「みんな!聞いたわよ!吹奏楽n」
律「あ、それもう解決したよ。」
さわこ「」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:31:14.01
吹「どうしてわかってくれないの?そんなものと一緒にしないでよ・・・!」
律「・・・。」
澪「ごめん、遅れたっ!」
律「あー澪か。大丈夫だ。まだ私しか来てないからさ。」
澪「えーと、どちら様?」
吹「吹奏楽部部長の吹よ。あなたね、副部長の秋山さんっていうのは。」
澪「え?私、副部長なんですか?」
吹「呆れた・・・。」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:31:55.20
律「えーと、ごめん。申請書に勝手に澪の名前書いといたんだ。」
澪「初耳だぞ!?」
律「うん、初めて言ったからな!」
ゴチンッ
律「いっつ~・・・!!!」
澪「そういうことは予め相談しろよ!」
吹「ねぇ、私にはあなた達の漫才を見てる暇はないの。」
澪「あ、はい。すみません・・・(なんだ、この人。怖いな)」
吹「はぁ・・・。とりあえず、そういうことだから。猶予を3日あげる。
それまでに私物を撤去しておいてね。」
律「・・・。」
澪「え、何?何の話してたんだ?」
吹「さわ子先生への報告は私がしておくわ。」
律「私達だってさわちゃんに」
吹「あなた達がするのは『報告』じゃなくて、これからどうしようっていう『相談』でしょ。」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:32:36.16
律「なんだ、あんた。いちいちつっかかるな。」
吹「あと。さっきから気になってたんだけど・・・。
口の利き方、誰かに教えてもらった方がいいんじゃない?」
律「あぁ?」
吹「先輩に対してそんな口の利き方してると社会に出てから大変よ?」クスクス
律「てm」
澪「律!」
澪「事情は大体わかりました。部内で話し合っておきます。」
吹「あそ。それじゃあね。」
バタンッ!
律「・・・というわけなんだ。」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:33:17.18
唯「そんなことがあったんだね・・・。」
紬「確かに、吹奏楽部にとってコンクールは最大のイベントと言っても過言ではないわ・・・。」
唯「えっと、だからみんなちょっとピリピリしてるだけだよね?軽音部、なくなったりしないよね?」
澪「なくならない!」
一同「!?」
澪「えっと、あの、大きい声出してごめん・・・。」
律「澪・・・。」
澪「なくならない、なくならないよ。でも、どうしたらいいかわからない・・・。」
律「スタジオって手もあるけど、部費で落ちるかな。」
紬「それは、どうかしら・・・。5人しかいない部活だし、難しいかも。」
梓「でも、アンプやドラムセットがある場所と言ったら音楽室かスタジオくらいしか思いつきませんね。」
唯「ムギちゃ~ん、お家にスタジオなんて・・・ない、よね・・・?」
紬「あるわよ♪」
律「マジか!」
澪「それだ!」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:33:59.25
紬「屋敷の方は一ヶ月前に予約を入れないとだけど、スタジオは離れにあるから多分今日からでも使えるわよ♪」
梓「もうなんでもありですね・・・wwwっていうか屋敷って言い方がwwww」
紬「梓ちゃん。金に物言わせるって、素晴らしいと思わない?」
梓「今回に限り、同意させていただきます。」
唯「ムギちゃんすごい!ダメ元でも言ってみるもんだね!」
梓「ははwその意見には全面的に同意ですwww」
律「・・・。」
澪「どうしたんだよ、律。」
律「いや、練習場所が確保できたのはいいけど、やっぱなんか納得いかねー!」
澪「おい、練習場所があるだけでいいだろ?それに吹奏楽部の吹さん?が言ってるのは、悔しいけど正論だよ。」
律「だけどよー。」
澪「なんだよ。」
律「『そんなものと一緒にしないでよ』って・・・。言われたんだ・・・。」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:34:42.41
澪「律?」
律「そりゃ、吹奏楽のコンクールなんかよりも、ずっとささやかなものかも知れないけど・・・それでも。」
律「私達だって・・・!」
澪「なるほど。音楽室が使えないことよりもそっちを気にしてるのか。」
律「・・・あぁ。部室の使用権に関しては、あいつの言うことが正論だと思う。」
唯「そうだよね・・・音楽室でみんなとお茶できなくなると思うと寂しいけど、仕方ないことなんだよね・・・。」
梓「寧ろ今までずっと吹奏楽の人達は我慢してきたんですもんね・・・。」
紬「とりあえず、明日からスタジオを使えるように斉藤に指示を出しておくわね。」
律「・・・みんな。」
一同「?」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:36:44.12
律「先生、いままですみませんでした。私、吹奏楽部のことなんて何も考えてなかった・・・。」
さわこ「りっちゃん・・・。」
律「きっと、板ばさみになって先生も辛かったよね・・・。」
さわこ「そんなこと気にしなくていいのよ。でも、ごめんね。
せめて、コンクールまでは吹奏楽部に音楽室を使わせてあげてもらえないかしら。」
律「うん。私達はそれまでムギの家のスタジオ使わせてもらえることになったから、大丈夫。」
さわこ「コンクールが終われば交代に使ったりもできると思うから。」
律「うん、わかったよ。」
律「みんなもそれでいいよな!?」
一同「うん!」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:37:43.58
一週間後
律「っていうかムギのスタジオ反則だぜ、こりゃ。」
唯「すごいよねー!アンプもドラムセットも新品だし、全然音漏れしないもんね!」
澪「あぁ!でも、早くもこの環境の良さに慣れてしまっている自分が怖い・・・。」
梓「ここ使っちゃったら、他のスタジオなんて使えないですよねww」
紬「あらあらまぁまぁ、そんなに喜んでいただけるなんて光栄だわ♪」
律「なにがすごいって、設備や環境もそうなんだけど・・・。」チラッ
律「このスタジオの広さがまた凄いよな。」
澪「あぁ、まさかスタジオの中でティータイムを過ごせるとは、夢にも思わなかったよ。」
紬「うふふ♪ちょうど切りのいいところだったし、お茶にしない?」
唯「さんせー!」
梓「あ!先輩、抜け駆けは許しませんよ!?」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:38:24.42
~~~~~~~~~~~~
律「ふぃー、やっぱこの時間は私達にとって必要なんだよなー、うんうん。」
澪「ったく、調子いいんだからw」
律「なんだよー、いいじゃんかー!」
紬「学園祭まで、1週間切ったわねぇ。」
律「あぁ・・・!でもみんな、今まで以上の出来だよな!?」
唯「そりゃあもちろん!ばっちぐーです!」
律「うんうん!」
梓「私もです。この間ギターの点検も済ませましたし、まさに万全の体制ですよ!」
律「うんうん!」
澪「私は・・・やっぱり・・・歌いたくないかなぁ、なんて・・・。」
律「このどヘタレ!」
澪「あぅ。律に怒られるなんて・・・。」
紬「うふふふ♪」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:39:16.53
次の日の放課後!
律「(やべぇ、音楽室に忘れ物だ・・・。)ごめん、みんなケータイ忘れたから取って来る!」
唯「じゃあ私達もいくよ!」
律「なんでwwwwwww」
唯「なんでwwwいいじゃんwww」
律「うんwwwww」
音楽室!
きぃぃぃ・・・
律「失礼しまーす」
さわこ「あら、どうしたの?」
律「あの、さっきの授業でケータイ忘れちゃって・・・ww」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:39:57.99
吹奏楽部「・・・。」
律「(吹奏楽のミーティング中だったか?タイミング悪いときに来ちゃったな・・・。)」
さわこ「それなら私が預かってるわ。はい、どうぞ。」
律「おぉ!ありがとう、さわちゃん!」
律「(それにしても、重い空気だな・・・)」
「グスッ・・・グスン・・・。」
律「(あの子、泣いてる・・・?)」
唯「りっちゃんどうしたのー?早く行こうよー?」
律「あ、あぁ。」
律「(よく見たら、みんな暗い表情をしてる・・・さわちゃんまで深刻そうな顔しちゃって)」
澪「おい、律?」
律「え?あぁ!わりぃわりぃ!行こうぜ?」
「グズッ・・・待って、ください・・・。」
律「へ?私?(泣いてた子だ)」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:40:42.23
「はい、グスッ。」
律「えーと、何?」
「田井中、田井中律さんですか?」
律「え、あぁ、うん。」
「田井中さん、ドラム叩けますよね?」
律「え?あぁ、そうだね。」
?「ちょっと!楽(がく)!やめなさい!」
律「!?」
吹「お久しぶり、田井中さん。」
律「どうも。」
吹「今この子が言ったことは気にしないで。」
律「(なんだよ、意味わかんねぇ)わかりました。んじゃ、お言葉に甘えて。それじゃ」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:41:24.06
楽「待ってください!田井中さん!吹さんも!このままでいいんですか?」
吹「いいのよ、しかたがないわy」
楽「意地張らないでください・・・!奏(そう)ちゃんの代わりは吹奏楽部の中にはいないんですよ!?」
吹「楽!黙ってて!」
楽「イヤです!」
律「(なんだなんだ?内輪もめか?)」
吹「部内に代わりがいないかどうかなんて、まだわからないじゃない!」
楽「本当にそう思ってるんですか?」
吹「・・・!」
唯「ねぇねぇ、何の話をしてるの?何か困ってるの?」
律「(ある意味バッサリだー!)唯、お前、よくこの空気の中でそれが聞けたな。」(小声)
梓「天然って怖い・・・。」
紬「あらあらうふふ♪・・・でも、なんだか深刻そうね。」
楽「実は・・・。」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:42:13.06
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
律「つまり、だ。コンクールメンバーの一人が左手を怪我して出れなくなった、と。」
楽「そうなんです。」
律「それで、運の悪いことに、その子にはソロがある、と。」
唯「大変だぁ。」
澪「唯、黙ってような?」
唯「だって大変だよぅ」
紬「うん、わかったから。」
唯「あずにゃーん・・・」
梓「とにかく今は静かにしていてくださいね。」
唯「ちぇー。」
律「でも、それがなんで『私がドラム叩けるか確認したこと』と関係があるんだ?・・・って、まさか。」
吹「そう、怪我をしたのはうちのパーカッションのエースよ。」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:43:01.72
唯「パーカッションって何?」
梓「打楽器のことですよ。はい、静かにしてましょうね?」
唯「はーい。」
吹「今回の自由曲はね、彼女がいたから思い切ってスネアソロの難しい曲を選んだのよ。」
律「そんなに上手いのか。」
吹「えぇ、まだ2年生だけど、スネアの腕で彼女に敵う人はいないわ。」
楽「かと言って、今更コンクール曲を変更することは出来ないし・・・。
奏ちゃん以外にあのソロを叩ける人もいないし・・・。」
律「それであんな暗い雰囲気だったのか。」
楽「そうなんです・・・。もう、どうしたらいいかわからなくて。」
律「・・・。スコア、見せてくれないか?」
吹「・・・!」
律「見るだけだ。そんなに難しいソロなんだろ?ドラマーとして興味があるだけだよ。」
楽「今持ってきますね!」タタタタッ
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:43:46.08
律「確かに・・・難しいな。なんだこりゃって感じだ。」
澪「(うわ、なんだこの楽譜。装飾音符だらけで真っ黒じゃないか・・・。こんなの高校生が叩けるのか?)」
吹「初見じゃそうなるでしょうね・・・。」
律「これ、他のパーカッションの人達は叩けないのか?」
吹「それなりに叩ける子達はバスドラムやシンバル、ティンパニーを担当しているからパートの変更は難しいわ。」
律「そうなのか・・・。」
吹「残っているのは高校から始めた子達ばかりだから・・・。」
律「・・・。」
唯「りっちゃん、なんとかならないの?」
梓「唯先輩・・・。(静かにしろって言ってるだろーが)」
楽「お願いします!田井中さん!」
?「私からも、是非。」
一同「!?」
吹「奏・・・!?病院に行ったんじゃなかったの?」
奏「病院?行って来ましたよ?やっぱり骨いっちゃってました。たはは。」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:45:28.01
楽「奏ちゃん・・・。」
奏「みんな!本当にごめん!あたし、やっぱりみんなと一緒にコンクール出られない・・・!」
楽「・・・。」
一同「・・・。」
奏「田井中さん、あたしはあなたのドラムの腕を知っている。」
律「そ、そうですか。」
奏「あなたなら、コンクールまでに叩けるようになると思う。本番まで残り3週間、きっと間に合うとはず。」
律「・・・。」
奏「一生のお願いです。あたしの代わりに、この曲を叩いてくれませんか?」
律「 」
唯「りっちゃん・・・。」
律「・・・いいよ。」
吹・奏・楽「!?」
律「ただし、条件がある。」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:46:13.79
楽「なんですか!?」
律「私達は3日後に学園祭でライブをするんだ。だからその演奏を聴いて、私にスネアを任せるかどうか
吹奏楽部全員で話し合って決めて欲しい。」
奏「それは、どうして?」
律「今まで吹奏楽部のみんなで作ってきた音楽に部外者の私が混じるんだ、それを快く思わない人がいても不思議じゃない。」
吹「・・・。」
律「だから、私達の演奏を聴いて『コイツとなら一緒に音楽やってもいい』って思ったらまた声をかけてくれ。」
奏「・・・わかった。」
吹「確かにあなたのいう事にも一理あるわね・・・。」
楽「こちらがお願いしてるのに、最終的に律さんを認める認めないの決定権が私達にあるなんて・・・。」
唯「あー、それ私も思った!」
梓「唯先輩ー!!!静かに!!」
澪「唯、少しは空気読めって!」(小声)
奏「いや、唯さん?の言ってることは正しいよ。田井中さん、ごめん。」
律「いいんだよ。私が言い出したことなんだから。」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:46:54.86
律「それよりも。私達のライブ、楽しみにしとけよー?今回は滅茶苦茶気合入ってるからな!!」
吹「今回『は』・・・?前回は?」
律「ももっもちろん前回も気合入ってたよ!?なぁ!?」
唯「うん!いつも気合満々!マンマン!」
一同「」
澪「やっぱり唯はちょっと黙ってようなー?」
紬「唯ちゃんったら、白昼堂々と・・・大胆ね♪」
梓「(もう、つっこむまい・・・。)」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:47:40.58
帰り道
澪「なぁ。あんな安請け合いしちゃって大丈夫なのか?」
律「あー吹奏楽の話?」
澪「うん。」
律「正直、微妙だな。」
澪「だよなー。細かい音が入り組んでるせいで、あの楽譜真っ黒だったもんな。」
律「あぁ・・・。あーゆーちまちました曲は、正直得意じゃないな・・・。」
澪「しかもさ、速いテンポだろ?」
律「相当しんどいな・・・。」
澪「やっぱり今からでも遅くないよ、断r」
律「やるよ。」
澪「律・・・。」
律「お前も見ただろ、吹奏楽部のみんなの表情。」
律「私さ、前に吹さんに『あなた達と一緒にしないで』って言われて、怒ったことあっただろ?」
澪「あぁ、覚えてるよ。部室のことで吹さんと揉めたときだろ?」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:48:24.62
律「うん。今なら、吹さんがああ言ったのもわかる気がするんだ。」
澪「・・・そっか。」
律「確かに、あそこまでの必死さはあたし達にはなかったかなー、って思っちゃったよ。」
澪「・・・。」
律「私は・・・吹奏楽部を救いたくてこの話を引き受けたわけじゃないんだ。
救うって言い方をあえてするなら、それは自分だと思う。
私は罪滅ぼしがしたかったんだと思う。」
澪「律・・・。」
律「私達が音楽室でワイワイ遊んでいる間、吹さん達は一生懸命練習してきたんだと思うと、申し訳なくてさ。
だからこそ・・・」
澪「・・・。」
律「どうにかできるなら、どうにかしてやりたいんだ。」
澪「・・・そっか、やっぱ、お前。変わらないな。」
律「へ?」
澪「律ってさ、昔からそういうところあるよな。」
律「ん?あぁ、まぁそうかもな。」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:49:05.19
澪「でもさ、私は好きだよ。律のそういうところ。」
律「へ?///」
澪「律は、やっぱり優しいよ。確かに部室を占領してた私達も悪いけどさ。
それでも普通、罪滅ぼしのためだけに、あんな難しいソロのある曲を引き受けるなんてできないよ。」
律「な、なななな・・・///」
澪「何?照れてるの?」
律「ちがわい!あんなの全然難しくないもんね!朝飯前だもんね!」
澪「さっきと言ってること、全然違うじゃないか・・・ww」
律「うううるさい!・・・それに言っただろ!罪滅ぼしみたいなもんだって!」
澪「それもわかるけどさぁ・・・。でも、それだけじゃないだろ?」
律「でも優しさだけでもないもん。今までのことへの後ろめたさはあるよ。」
澪「でも律は優しいの!幼馴染の私が言うんだから間違いない!」
律「うー・・・まぁ、まだ正式にお願いされるかはわからないけどなww」
澪「それもそうだったなww」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:50:04.26
学園祭当日!
律「いよいよだな!」
唯「うん!」
梓「やってやるです!」
紬「楽しみましょう!」
澪「観客はかぼちゃ観客はかぼちゃ観客はかぼす観客h」
律「おーい、帰ってこーい。」
唯「円陣組もうよ!」
律「よっしゃ!えいえい・・・!」
一同「おー!」
紬「もう一声~♪」
一同「おー!!!!!!!!!!!」
アナウンス「続きまして、軽音楽部による、バンド演奏です・・・」
パチパチパチ・・・
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:50:11.09
すっげえ厳しい雰囲気の中で一人だけ怒られて泣いてるのかと思った
パトリ会議とかどっかで入れてほしいねぇ
パトリ会議とかどっかで入れてほしいねぇ
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:52:36.22
>>37
うわ、確かにそれいいな。その場面取り入れればよかった・・・orz
~~~~~~~~~~♪
~~~~~~~♪
~~~♪
ジャジャッジャッジャッジャーン!♪
パチパチパチパチ・・・!!!
音楽室
律「お疲れ!」
唯「りっちゃんお疲れ!楽しかった!」
梓「お疲れ様です!私はすっごい楽しかったです!」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:53:17.07
澪「なっ!じゃあ私はすっごすっごい楽しかったぞ!」
紬「じゃあ私はすっごい×∞楽しかったです♪」
唯「ムギちゃんその言い方反則だよ!」
一同「あはははは!」
コンコンッ
吹「お疲れ様!」
唯「あ、吹さんだ!お疲れ様です!」
澪「奏さん、楽さんも・・・!」
奏・楽「お疲れ様でした!」
律「おう、お疲れ様!」
吹「あなた達の演奏、すごくよかったわ!」
律「そうですか?ありがとうございます。」
吹「・・・それで、この間の話覚えてる?」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:53:58.48
律「パーカッションの代理の話ですね?」
吹「えぇ。今この場で、お返事させてもらうわね。」
律「あ、はい。どうぞ。」
楽「みんな入ってきてー!」
ぞろぞろ・・・
唯「吹奏楽部の、人達・・・?」
澪「やっぱ部員数多いな・・・。」
吹「それでは、田井中さん。」
律「はい。」
吹奏楽部一同「よろしくお願いします!!!」ペコッ
律「」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:54:52.15
奏「田井中さん、あたしからも改めて言わせていただきます!よろしくお願いします。」
律「・・・お、おう。」
唯「よかったね、りっちゃん!」
梓「よかった・・・んですかね?」
澪「律も叩きたいって言ってたし、よかったんじゃないか?」
紬「コンクールの当日は予定空けておかないとね!」
梓「そうですね!」
律「おう!絶対聴きにこいよ!?」
楽「あの・・・。」
律「うん?なになに?」
楽「はい、これどうぞ!」
律「えっと・・・楽譜?もしかして・・・」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:55:33.97
楽「はい、もちろん!コンクールの譜面になります!よろしくお願いしますね!」
律「よっしゃー!任しとけ!」
吹「もう本番まで時間がないわ。無理を言うようだけど、3日でこの楽譜を頭に叩き込んで頂戴。」
律「三日ぁ!?」
吹「えぇ、あなたにはこの楽譜を丸暗記してもらうわ。」
律「本番は楽譜見ちゃいけないルールなんですか・・・?」
吹「いいえ、そんなことないわ。」
律「じゃあ丸暗記までしなくても・・・!」
吹「譜面の暗記は必須よ。演奏中は指揮者を見る。これが基本。」
律「そういうもんなのか・・・。」
吹「あなた達だって、楽譜見ながら演奏なんてしていないじゃない、それと一緒よ。」
律「そりゃそうだけど・・・!」
吹「・・・お願い、時間がないの。」
律「・・・うーん、わかりました。」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:56:14.54
吹「ありがとう。」
奏「わからないところがあればなんでもあたしに聞いてね。」
律「あぁ、わからないところだらけになりそうだから、付きっ切りで教えてもらえるか?」
奏「もちろん!」
楽「田井中さん、頑張ってください!」
唯「りっちゃんファイト!」
さわこ「話は終わった?」
唯「あ、さわちゃん先生!」
律「おう、終わったぜ。」
さわこ「今後のそれぞれの部の活動についてなんだけど・・・。吹奏楽部のコンクールは2週間後、
りっちゃんにはコンクールまで吹奏楽部に来てもらうわ。」
澪「まぁ、時間もありませんし、当然ですね。」
さわこ「それで、2週間の間は軽音部は自主練習の期間にするわ。」
紬「りっちゃんがいないとみんなで合わせることもできないですものね・・・わかりました。」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:56:55.47
澪「ちょっと待って。先生、それは暫くの間は事実上活動停止になるってことですよね?」
さわこ「えぇ、そうなるわね。」
澪「じゃあ・・・。自主練の期間でもいいと思うんだけど、曲作りに専念するっていうのはどうかな。」
唯「曲作り?」
澪「あぁ、律が頑張っている間、私達もじっとはしていられないだろ?」
梓「いいですね!私も曲は作れませんが、ギターのアレンジを考えるくらいはできますし!」
唯「じゃあ私もあずにゃんと一緒にギター考えるね!」
紬「うふふ、なんだかいい曲が書けそうだわ♪」
澪「よし、じゃあ決定!場所は今まで通りムギのスタジオな!」
さわこ「そうそう、コンクールが終わった後の音楽室はやっぱり、ローテーションで使って貰うことになるわ。」
律「全然オッケー!」
吹「私達もそれで構いません。」
さわこ「それじゃ決まりね!」
吹「じゃあ、早速明日から練習に参加してもらうわね。明日は朝の9時に音楽室に来て頂戴。」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:57:36.65
律「9時・・・わかりました。」
唯「明日は学園祭の次の日だから学校はお休みなのに・・・。大変だね。」
澪「それだけ時間がないってことだろ?」
吹「あら、休日の練習はコンクール前だけじゃないわよ?」
梓「そうなんですか?」
楽「はい。吹奏楽部の土日練習はない日の方が珍しいくらいですよー。」
律「うーん、聞けば聞くほど私達がどれだけ緩くやってきたかってのが身に沁みるなw」
吹「いいのよ。あなたたちが緩かったお陰で土日は音楽室使えてたんだから。」
律「う・・・本当にすみませんでした。」
吹「とりあえず、いままでのことは水に流しましょう。
田井中さんがこの話引き受けてくれたこと、本当に感謝してるわ。」
律「うん、それじゃお言葉に甘えて。水に流せるだけの演奏できるように頑張りますよ。」
唯「りっちゃんガンバ!」
律「おうよ!」
吹「うふふ。それじゃ、また明日ね。」
バタン
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:58:17.81
唯「行っちゃったね。」
律「あぁ。とりあえず、この楽譜の解読しようかな・・・。」
梓「・・・確かに、これは難解ですね・・・。」
紬「・・・打楽器の楽譜は独特でさっぱりね。」
律「コンクール、間に合うのかなー。いや、間に合わせるしかないんだけどっ。」
澪「律。」
律「うん?」
澪「頑張れ。」
律「・・・おう!」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:59:00.37
次の日!
律「うわ、すげぇみんなマジで朝っぱらから来てる・・・!」
楽「あと5分くらいしたら出欠とりますからね、もうみんな揃ってるハズです。」
律「みんな真面目だな・・・(私達が休日練習に集まったら、唯あたりが遅刻してくるな、確実に)」
楽「真面目な子ももちろんいますけど・・・。みんな罰ゲームが怖いんですよ。」
律「罰ゲーム?」
楽「遅刻5回で罰ゲーム1回なんですよーw」
律「マジか・・・!罰ゲームって?」
楽「それは罰ゲームになってからのお楽しみです☆」
律「あ、やっぱ私も参加させられるんだな・・・ww」
楽「えぇ♪こういうところからみんなと同じでいた方が連帯感出ると思いません?」
律「うん、まぁ一理あるな。」
奏「おはよー・・・。」
楽「あ、奏ちゃんおはよー!ギリギリで罰ゲーム免れたね!」
奏「だよね、私もちょっと焦ってたんだww」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 01:59:41.71
楽「奏ちゃん朝弱いもんねww」
奏「うん・・・wあ、田井中さんもおはよう。」
律「おう。おはような。」
「みんな揃ってる?」
一同「おはようございます!」
吹「おはよう。じゃあ早速だけど、これから出欠をとるわね。・・・阿部さん・・・荒井さん・・・」
・・・
・・・
・・・
吹「というわけで、今日はいつも通り2時間パート練習をした後に合奏ね。
各パートの練習場所は黒板に書いてあるから確認して頂戴。
ちなみに今日は視聴覚室が使えないからフルートとサックス、クラリネットは同じ教室で練習してもらうことになったわ。
あ、それと。いつも言っていることだけど、合奏の10分前には音楽室に戻ってきてね。
では、解散。」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:03:38.55
律「まずはパート練習か。・・・そういえば楽って何の楽器なんだ?」
楽「私?私はクラリネットですよ。」
律「あー、なんか『っぽい』な!」
楽「えへへ、よく言われるwwでも田井中さんもドラムっぽいって言われません?」
律「うー悔しいがその通りだw・・・っていうか同学年だろ?敬語じゃなくていいよ。」
楽「えーと、うん!わかった!」
律「これも言わないとそのままだから言うぞ?」
楽「うん、なになに?」
律「田井中さんじゃなくて名前で呼んでくれ。」
楽「律・・・でいいのかな。」
律「違う、りっちゃんだ!」
楽「それあだ名じゃないの!?」
律「なんか最近はそっちの方がしっくり来るんだよなー。」
楽「オッケー、じゃありっちゃんって呼ぶね。」
律「おう!奏もだぞ!?」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:04:23.00
奏「う、うん、わかったよ、りっちゃん。」
律「ふふーん♪」
楽「なんか満足げだねw」
奏「っていうか嬉しそうwww」
律「・・・あれ?」
奏「どうしたの?」
律「そーいや、吹さんってなんのパートなんだ?」
奏「吹さんはトランペットだよ。」
律「あー、やっぱ『っぽい』なー。」
奏「そうかな?吹さんはフルートとかも似合いそうだなー。」
律「っていうか一番『っぽくない』のが奏だよなー。」
楽「そう?私、奏ちゃんはパーカッション!って感じするけどなー。」
奏「それはねー。だって小学校の器楽部のときからずっと一緒じゃん。」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:05:11.18
楽「あー確かにwwイメージが定着してるのかもねww」
律「そもそも奏は吹奏楽部っていうよりバスケ部って感じだな!」
奏「ちょwwwでもそれ、よく言われるよ。運動部っぽいとかね。」
律「そうそう、そんな感じ!」
楽「奏ちゃんずっとパーカッションなのにねwww」
奏「あはははwww」
律「あははww」
律「・・・。」
楽「どうしたの?」
律「いや、吹さん。パート練習いかないのかなーって。」
楽「あ、あぁ・・・。」
奏「吹さんはね、生徒指揮だからあまり楽器の練習はしないんだよ。」
律「生徒指揮って?指揮者か?」
奏「うん、去年までは市民吹奏楽団の人が指揮してくれてたんだけどね。
不景気で色々と仕事の関係が忙しいらしくて・・・今回は指揮を断られちゃったんだ。」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:06:25.44
律「そうだったのか。」
楽「全然指揮してくれる人が見つからなかったときに、吹さんが自ら立候補したの。」
律「・・・。」
楽「吹さんだって、高校最後のコンクールでトランペット吹きたかったハズなのに・・・。」
律「・・・。」
奏「吹さんが覚悟決めてトランペット吹くの諦めたっていうのに、怪我しちゃうあたしって・・・。」
楽「それとこれとは話が別だよ、奏ちゃん!」
奏「うん、そうだよね・・・。」
楽「ほら、気にしない気にしない!」
奏「うん、ありがとっ。」
律「・・・。」
律「よっしゃー!!!」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:07:07.48
音楽室で楽器の準備をしていた一同「!?!?」
律「練習するぜ!やってやろうじゃねぇの!」
楽「なんかよくわからないけど、気合が入ったんだね?」
律「おうよ!」
奏「りっちゃんは元気だね。」
律「スネアだろうがスネ夫だろうが叩いてやろうじゃねぇの!」
楽「やめてりっちゃんスネ夫は無実だよ!」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:19:03.47
吹「何故走るの?」
律「それは私がドラマーだから。」
吹「よし、全国のドラマーに謝って来なさい。」
律「ごめんなさい、嘘つきました。」
今日は合奏無し、ずっとパート練習の日だった。
意外なことに、コンクールメンバー揃っての合奏は毎日ってわけじゃないみたいだ。
なんとか譜面を丸暗記した私は細かい奏法なんかを奏に教えてもらう。
もちろん、聞いたことのある奏法がほとんどだ。
しかしそれは『こういうちまちましたテクニックはパス!』と、私が練習するのを避けてきたものばかりだった。
全く、こんな形でツケが回ってくるとは思わなかったぜ。
音の強弱のバランスや周りの楽器との掛け合いなど、バンドとは勝手が違うこともたくさんあった。
さらに、元々走り気味の演奏をする私だけど、合奏の際にはそれを改めて痛感させられた。
私が吹奏楽とバンドの違いで一番悩まされていること、それは指揮者の有無だ。
走ってしまった・・・と慌ててテンポを落とすと笑っちゃうくらいぎこちない演奏に聴こえる。
かと言って指揮棒の動きに合わせて演奏していると、自分の中のリズムが崩れていくのだ。
どうしようか、なんて考えながらの帰り道。
私の思考を遮ったのはとある人物の一言だった。
「お疲れ。調子はどう?」
律「あぁ、吹先輩お疲れ様っす。どうもこうも・・・私、本番までに間に合うのかな・・・。」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:22:04.97
律「先輩がこんなに面白い人だとは思わなかったですw」
吹「あら、ありがとう。」
律「先輩・・・先輩なら、きっとできますよ。」
吹「田井中さん・・・?」
律「バンドの音を一つに、先輩ならできると思います。」
吹「ありがとう。」
律「私もその輪を乱さないようにしないとなー・・・なんて。」
吹「走ること、やっぱり気にしてるのね?」
律「そりゃ気にしますよ・・・。」
吹「こんなこと言うのも変だけど・・・それは気にしないで。」
律「え、いやーそりゃ無理っすよww」
吹「・・・なんであなたがズレるかわかる?」
律「そりゃ、わたしが走るからっすよ。」
吹「正確には違うわ。」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:16:35.06
一週間後
吹「・・・。」
奏「・・・。」
楽「・・・。」
律「な、なんだよ?私間違えたか?」
楽「いえ・・・えっと、その。」
奏「その逆だよ。正直、りっちゃんが譜面渡されて一週間でここまで出来るなんて、思ってなかった・・・。」
律「え!?なんだよぅ!奏が言ってくれたんだろ?『田井中さんならできる』ってさー!」
奏「それはそうなんだけど。あれは『りっちゃんならギリギリ本番に間に合わせられる』って意味で言ったんだ。」
律「」
奏「まさか一週間でここまで叩けるようになるなんて思ってなかったよ。」
律「そ、そりゃあ私だってやるときはやるぜ!」
吹「確かにアクセントやフラムといった細かい表現に関してはまだぎこちないけど・・・。この調子でいけば、もしかしたら・・・!」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:18:22.36
奏「りっちゃん、吹奏楽の経験があるとか?」
律「ないないwぶっちゃけ未だに立ちながらスネア叩くのに違和感があるぜ。ドラムではいつも座って叩いてたからなー。」
奏「確かに。体勢が変わるとちょっと叩きにくくなったりするよね。」
律「それにハイハットもシンバルもないし・・・。基礎練習もドラムとスネアじゃ結構違うのな。」
奏「そうか、色々とありがとう。」
律「それは言わねぇ約束だって。」
奏「あ、ごめん。」
奏「田井中さんの演奏、ホントね、雰囲気はすごいいい感じなんだ。」
楽「うん、そうそう。ただ、なんていうか・・・。」
奏「うーんと、単刀直入に言うとねー・・・。」
吹「走りすぎ、ね。」
律「(この人もバッサリだー!!)」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:19:47.08
吹「それはあなたの努力次第よ。」
律「まぁ、そうなんすけど。」
吹「正直ね、私も驚いた。たいしてテクも無いように見えたあなたの実力がこれほどまでとは。」
律「うわひでぇ。」
吹「だって事実よ?ライブでは走るし、そのくせ人一倍楽しそうに演奏するし・・・最初はワケがわからなかったわ。」
律「最初・・・?」
吹「去年の学園祭よ。」
律「聴いてくれてたんですか。」
吹「えぇ。・・・私ね、部活に関してひとつ悩み事があるの。」
律「それは、私が聞いてもいいことなんですか?」
吹「えぇ。むしろあなたに聞いてもらわないと意味がないことだわ。」
律「え?」
吹「私達吹奏楽部の演奏、どう思う?」
律「どうって、自分もその中に入って演奏してるんで客観的には・・・。」
吹「例えば・・・あなた、第二楽章ずっと休みじゃない?」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:20:28.28
律「はい、そうですね。」
吹「その時のみんなの演奏聴いて、どう思う?」
律「音のこととかはよくわからないけど・・・一生懸命だなって思います。」
吹「・・・やっぱりね。それが今の私の悩み事なの。」
律「え?なんで?いいことじゃないですか。」
吹「もちろん、悪いことじゃないわ。でも・・・」
律「でも?」
吹「あなたはそんな演奏を聴いてて感じる?『楽しい』って。」
律「・・・。」
律「確かに、『楽しい』の前に曲の展開に食らいつこうという必死さが伝わってくるっていうか。」
吹「そう・・・私ね、あなた達軽音部が、実はすごく羨ましいの。」
律「そうですか?」
吹「だってあんなに楽しそうに演奏できるんだもの。それって素晴らしいことだと思うわ。」
律「・・・。」
吹「テクニックがどうとかじゃなくて、あなた達の音は常に一つになっているわ。」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:21:24.32
律「それは・・・そうかもしれませんね。なんてったって私が部長ですかr」
吹「私達もね、そんなバンドになりたいの。」
律「(遮られたww)・・・あれ、吹奏楽部でも『バンド』って言い方するんですか?」
吹「?えぇ、するわよ。」
律「じゃあ私バンド掛け持ちしてるのか!」
吹「うふふふ、そういうことになるわね。」
吹「この浮気者ぉ!」
律「ち、違うんだ、澪。浮気じゃない、浮気じゃないぞー!?・・・って先輩!?」
吹「あははは!引っかかったわね!あの子の声真似、結構似てたでしょ?」
律「ちょ、せんぱーい!脅かさないで下さいよ!wwでもすっごい似てたwww」
吹「でしょう?家で練習したもの。」
律「ちょwww先輩、家で何やってるんすか!wwww」
吹「ふふw」
律「あははww」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:23:04.01
律「どういうことですか?」
吹「あなたは指揮者に合わせようとしていないのよ。」
律「な・・・そんなことないぞ!?」
吹「あなたはね、指揮者の手の動きに合わせようとしているだけなのよ。」
律「・・・!」
吹「指揮者も機械じゃないの、人間なの。」
吹「だからね、もちろん気分が乗って多少リズムが揺れたりすることもあるのよ。」
吹「指揮者だって一緒に演奏している仲間の一人なのよ。私とあなたの違いなんて、
言ってしまえばあなたがスティックを握って、私はタクトを握ってる、それくらいなの。」
律「先輩・・・。」
吹「あなたライブの時はみんなとアイコンタクトとったりするわよね?」
律「そりゃ・・・みんなと合わせようと思うと、自然とそうなりますね。」
吹「何が言いたいかっていうとね、指揮棒じゃなくて私を見て欲しいの。」
律「・・・!」
吹「私はあなたと演奏がしたい。でも、あなたは私をメトロノームくらいにしか思っていない。
それって凄く悲しいことよ・・・?」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:23:44.93
律「・・・先輩の言う通り、っすね。私は指揮者に合わせようと、先輩じゃなくて
先輩の手の動きばっかり追っていた気がします。」
吹「えぇ。もちろん、あなたが軽音楽と吹奏楽との勝手の違いに戸惑っているのはわかるわ。」
律「・・・。」
吹「でも、あまり固く考えないで。バンド経験のない私がこんなことを言っても説得力に欠けるかも
しれないけど・・・。些細なことに惑わされないであなたはあなたの音楽をすればいいと思うの。」
律「・・・はい!」
吹「明日の合奏、楽しみにしてるわね。」
律「任せてください!」
吹「今度私をメトロノーム扱いしてみなさいよ?罰ゲーム発動するからね!」
律「そ、それは勘弁してください!www」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:24:39.14
ムギのスタジオ!
紬「りっちゃん、上手くやってるかしら。」
澪「大丈夫だよ、あいつなら。」
唯「コンクール楽しみだね!」
澪「あいつの走り癖にみんな戸惑ってるんだろうなww」
梓「・・・案外逆かも知れませんよ?」
唯「あずにゃん、なんで?」
梓「バンドと違って吹奏楽には指揮者がいますからね。」
澪「うーん、確かにやりにくいかもな。」
梓「やりにくいのももちろんですが、私思うんです。律先輩一人が走っちゃうんじゃないかなーって。」
紬「それはあるかもね。私達はりっちゃんが走ったらそれにブレーキをかけつつ、りっちゃんのリズムに合わせることができるけど・・・。」
梓「吹奏楽の場合、みんな指揮者に合わせようとしますからね。指揮者が律先輩に合わせようとしても、
それに他の人がついて来れるかどうかは甚だ疑問です。」
紬「そもそも指揮者とパーカッションのリズムがズレるっていうのが致命的なのよね・・・。最悪、走ってしまったとしても、
両方のテンポが合っていれば走るだけでズレることもないと思うんだけど・・・。」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:25:21.66
梓「えぇ・・・。バンドでは指揮者が居ない分ドラムを頼りつつ、みんなでテンポの修正ができますからね。吹奏楽では
なかなかそれが敵わないんです。ダイレクトでリズムを共有できるバンドと違って、一度指揮者という媒介を通して演奏していますから。
パーカッションと指揮者がズレればみんな混乱しちゃいますよ。」
澪「・・・なんか心配になってきたな。」
唯「大丈夫だよ!」
一同「!?」
唯「だってりっちゃん一生懸命だもん!休み時間だってずっと譜面と睨めっこしてるんだよ!?」
澪「唯・・・。」
唯「りっちゃんはやれば出来る子だから大丈夫なんです!何も心配はいりません!以上!」
澪「唯、その通りだ・・・。」
唯「でしょ?澪ちゃんもそう思うでしょ?」
澪「あぁ。ただ、唯に言われてはっと気付いた自分がちょっと悔しいや・・・ww
律のこと、私が一番信じていてやらないといけないのにな。」
唯「夫婦のすれ違いってヤツだね!」
澪「すれ違ってないぞ!?不覚にもちょっと心配しちゃっただけだ!」
紬「つまり、澪ちゃんは旦那様の様子が気になって仕方がないのね!?」
澪「ちょ!律は旦那じゃないぞ!」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:26:14.39
紬「あらあらまぁまぁ!りっちゃんが嫁だったなんて、私はてっきり」
澪「わー!だからそもそも夫婦じゃないってば!梓、なんとか言ってくれ!」
梓「噂をすれば旦那様じゃないですか。」
澪「へ?」
律「よっ!」
澪「律!」
律「えっと、私は誰の旦那様なんだ?」
唯・紬・梓「澪ちゃん!(先輩!)」
律「あーあー。なるほど、そういうことかww」
澪「お前もつっこめ!」
ガツンッ
律「あだっ!・・・いってぇー!」
唯「これは亭主関白なの?カカア天下なの?どっち、ムギちゃん!?」
紬「はぁはぁ」
唯「聞こえてないや。」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:26:55.54
律「で、曲の方はどんな感じ?いい感じ?」
紬「えぇ、あとはCメロが出来れば完成ってところかしら。もちろん、
ドラムはりっちゃんに任せようと思ってたからノータッチだけど。」
律「そっか!早く聴きたいなー!そうだ、出来てるところまで聴かせてくれよ!」
梓「それはできません。」
律「なんでwwwwwwww」
澪「ちゃんと完成したら聴かせるから、な?」
律「むー、嫁が言うならしょうがないな!」
澪「その話をひっぱるな!」
ゴチンッ
律「~~~!」
唯「今のはかなり痛そうだね!」
紬「ぶしゅあぁぁ・・・」
唯「・・・ムギちゃん、服に鼻血ついてるから後で拭きなよ?」
澪「それで、調子はどうだ?」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:27:38.84
律「余裕のよっちゃんだぜ!」
澪「強がるなよ。」
律「あう。うーん・・・難しいけど、多分なんとかなるってところかな。」
梓「やっぱり、音を合わせるの、難しいですか?」
律「そうなんだよなー・・・。」
私は話した。
走ってしまうこと。音が一つにならないこと。吹さんと話したこと。その内容。
てっきり心配されるかと思っていたが、何故かみんなの表情は納得した時のもの、そのものだった。
紬「やっぱり・・・。」
律「やっぱりってなんだよ、もしかしてここまでお見通しだったとか?」
梓「まぁ律先輩の走り癖を理解していれば想像は容易いですよ。」
律「にゃんだとー!このっ!」ぐりぐり
梓「痛いっ痛いですよー。・・・でも、その様子だと・・・。」
紬「出口、見つけたみたいね。」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 02:29:10.56
律「・・・あぁ。吹さんのアドバイスでなんとなく、わかった気がするからな。」
澪「結局、ジャンルとか形態に囚われずに、音楽すればいいだけなのかもな。」
律「あぁ、私もそう思う。」
唯「りっちゃん!」
律「なんだ?唯。」
唯「りっちゃんなら出来る!」
律「おう!あたぼーよ!」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 03:48:05.84
次の日~合奏~
♪
♪
♪ ♪
律「(ここら辺だ。ここら辺でいつもズレ始めるんだ。この間の合奏でもそれはわかっていた。
だから私はリズムが狂わないように吹先輩の手の動きに集中したんだ。)」
♪ ♪
♪
♪ ♪
律「(それが逆効果だった。この間の私とは一味違うぜ。)」ニカッ
吹「(そう!私の動きに合わせようとしないで。私とあなたのリズムを共有するのよ・・・!)」ニコッ
♪。
律「」
吹「」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 03:50:10.55
律「(やべぇー!!リズムど忘れした!)」
吹「(ちょwwwwここで止まるとかwwwwwww)」
律「(うわー・・・。やべぇ!合わせる以前の問題だぜ!!
どこだ!今みんなはどこを演奏している!?
ここか?いや、違うかも。リピートは終わってるからこっちに飛んだハズ・・・。
いや、ちょっと待て。やっぱりまだリピートまでいってないかも。
どこを演奏すればいいんだ!?
・・・。
ちきしょー!!!入れねぇー!!!!!!)」
吹「(この調子だと、次の楽章まで入ってこれなさそうね・・・。)」
奏・楽「(・・・りっちゃん、頑張れw)」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 03:51:56.06
帰りのミーティング!
吹「・・・というわけで、明日は今日と同じスケジュールで動いてね。それでは、今日は解散!」
一同「お疲れ様でしたー!」
楽「奏ちゃん、帰ろっか。」
奏「うん。・・・あの、りっちゃん・・・?」
律「燃え尽きたぜ、真っ白によぉ・・・。」
吹「全く、途中まではとてもいい感じだったのに・・・。」
律「うー・・・ごめんなさい。」
奏「でも、りっちゃんの演奏、変わってきたよね。」
楽「うん、この間の合奏よりも合わせやすかったよ!・・・途中までは。」
律「あぁぁぁぁ・・・orzまさかあそこでリズムパターンすっ飛ぶとは・・・。全部覚えたハズなのに・・・!」
奏「でもわかるよ。そういうときのために楽譜があるのに、焦ってどこやってるかわからなくなったりするんだよね。」
律「あぁ、まさにその通りだったぜ・・・。ちきしょー。」
吹「でも、意識が変わったのは伝わってきたわ。私の話、本当の意味で理解してくれたみたいで嬉しかったわ。
時間はないけど、焦らないでね。明日もその調子で頑張って。期待してるわ。」
律「はい!よっしゃー!頑張るぜ!」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 03:55:34.18
最近は本番が近いから毎日合奏だ。
次の日も、そのまた次の日も。
上手く行ったり、行かなかったり。
一筋縄でいかないのはわかってる、だから時間さえあれば練習してる。
元々練習はあまり好きじゃないけどな!ww
忘れたとか、覚えてるとかじゃなくて。
何も考えなくても体が勝手に動いてくれるまで、私は体に曲を沁み込ませようとした。
練習でそれくらいできないと、本番じゃ通用しない。
吹さんがとりあえず楽譜を丸暗記しろと言った意味、今ならそれが痛いくらいにわかる。
そのおかげか、少しずつ譜面に書かれたことを淡々と叩くだけじゃない、
『私が本当にやりたい演奏』に近づいている・・・気がする。
スネア奏者として演奏するのはこれが始めてだから、凄く漠然としたものだけど。
それでもやっと、おぼろげに輪郭が見え始めてきたんだ。
どんなジャンルだろうと、編成だろうと・・・関係ないぜ。
みんなと楽しくやりたい。
そんな思いが日増しに強くなる。
丁度、夏の天辺。
本番は翌日に迫っていた。
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 03:59:04.29
律「本番、明日か。」
私は意味もなく赤い空を見上げて呟いた。
隣では澪が心配そうに私を見つめている。
澪「律・・・いよいよ明日だな。」
律「あぁ・・・。」
澪「楽しみにしてるからな。」
律「おう、みとけよー?」
私は本心を言っているだけかもしれない。
明日が楽しみなのかもしれない。
私は強がっているのかもしれない。
明日が怖くて逃げ出したいのかもしれない。
『しれない』ばっかだ。・・・ここまで考えても私は自分の感情の中心がわからない。
私は・・・
律「正直さ、色んな思いがぐちゃぐちゃになってよくわかんねぇや。」
澪「あぁ。・・・わかるよ。私もライブの前日はいつもそうだ。」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:01:02.40
律「澪の場合は当日もそうだろー?www」
澪「バカww言うなwww」
律「なんでかなー、ライブの前日は『よっしゃ!』って感じなのに。」
澪「そりゃ、ライブじゃないからなぁ。」
律「まぁそうなんだけどさ、ちょっと不思議。」
澪「・・・きっと、律は色んな人の想いを知っているからだと思う。」
律「へ?」
澪「吹さん、トランペット諦めてみんなのために指揮者やってるんだろ?
奏さんは出たくてしょうがないけど、怪我をしてるから律に自分のパートを委ねざるを得ない。
楽さんだって・・・帰ろうとする律を引きとめた時、相当思いつめていたと思うぞ。」
律「・・・。」
澪「そんな色んな想いを律は一心に背負ってるんだ、いつもと違うのは当たり前だよ。」
律「そう、だな。」
澪「言ったろ?律は優しいって。」
律「あぁ、言ってたな。」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:01:51.82
澪「やっぱり私は正しかったな。」
律「う・・・うるへー!」
澪「何怒ってんだよww」
律「いーの!はい、その話はおしまい!」
澪「照れてるんだ?ww」
律「あーもー、そうだよ悪いかほっとけ!」
澪「あはははwwそーいや今日唯がさ・・・
律「え、マジかよ!ww」
澪「ホントホント!」
律「(・・・澪、サンキューな。)」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:07:04.11
本番!~10分前~
私たちは今、舞台袖にいる。
プログラムは順調に消化されていて、ちょうど私たちの1つ前の学校が演奏を始めたところだった。
吹「今までの練習の成果を出し切るのよ。いつも通り演奏すれば大丈夫。」
みんな吹さんの小声に耳を傾ける。
2つ前の学校が演奏していたときはみんな『今ちょっとピッチずれたね』だとか
『この学校のホルン、上手いなぁ』なんて言い合う余裕があったみたいだが・・・。
出番が近づくたびにそんな強がり、誰も言わなくなった。
10分前後の演奏時間に自分達の夏をかけるんだ、みんな緊張してるんだろう。
吹「田井中さん。結局、通しでは上手く息を合わせられなかったけど・・・。私、あなたを信じているから。」
律「・・・はい。」
私だって信じているさ。
軽音部のみんなと同じように、吹さんを。楽を。吹奏楽のみんなを。
奏だって客席で見守ってくれているんだ、きっと大丈夫。
律「吹さん。・・・私、吹さんのこと、最初は大っ嫌いでした。」
吹「ふふふ。奇遇ね、私もよ。あなたが大嫌いだったわ。」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:07:05.01
律「サンキュー!サンジュ!」
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:09:36.85
>>99
書き終わった後の見直しで『律「(澪、サンジューな)」』って読み間違えた自分が言える立場じゃないが・・・。
や め ろ w
律「でも、今は違います。一緒に音楽ができて、本当によかった。感謝してます。」
吹「ふふふ。奇遇ね。」
吹「私もよ。」
その時だった。拍手が聴こえる。
前の学校の演奏が終わったみたいだ。
ステージの幕が下りる。
吹「みんな、行くわよ!」(小声)
一同「おー!」(小声)
楽器の搬入が始まる。
運搬係の人が手伝ってくれる。
こんな状況なのに、慣れた手つきだな、なんて関心してしまう。
楽器の搬入が終わり、私はスネアの前に立った。
みんなも持ち場についたみたいだ。
吹さんが裏方のおっちゃんにアイコンタクトで準備完了を知らせる。
ブザーと共に、ゆっくりと幕が上がった。
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:23:29.22
華やかで、それでいて荘厳なファンファーレ。
ホールを揺らす金管楽器のフォルテッシモ。
小鳥の囀りのような軽やかなフルートのトリル。
爽やかでいて、尚且つ目の覚めるような音のシンバルがアクセントで入ってくる。
みんな、落ち着けよ。
吹さんだって言ってたろ?いつも通りの演奏をしろってさ。
なのに・・・これじゃ、いつも以上の演奏じゃないか。
私は私でロールを刻む。
これも吹奏楽の練習に参加するようになって出来るようになった奏法の一つだった。
そしてティンパニーもスネアと同じようにシングルストローク独特の心地よいロールを響かせる。
この演奏が聴いてる人の心にも響けばいいのにな、なんつって。
♪~♪~
♪~~~♪~
♪~~♪~~
ここまでは完璧。むしろ実力以上かもしれない。
中盤を終え、曲はフィナーレへと向かう。
あと4小節でこの楽章も終わる。
そしていよいよ最終楽章、アタマから私のソロだ。
一瞬、ホールが静寂に包まれる。
私と吹さんはせーので最終楽章へと切り出した。
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:24:40.64
律「(よっしゃ、やってやるぜ・・・!)」
音楽室とは音響がまるで違う。当たり前だと思うけど、音の一つ一つが綺麗に響く。
小さな音だからと言って手を抜くことは許されない。
ホールでのソロは、知り合いが一人もいない寂しい世界のようだ。
誰も私を助けてくれないなんて下らない妄想が頭を過ぎる。
スティックを振り下ろす度、音と言う名の責任が私にプレッシャーをかける。
それでも私は吹さんの指揮と共に曲を進めていく。
広いホールの海で迷子にならないように、私達は目を合わせた。
あぁ、やばい。
これはやばい、かなり上出来だぜ。
ドラッグとアクセントの入り組んだめんどくさい、ソロ最後の小節。
初めて楽譜を見た時は叩ける希望なんて1mmもなかったけど、
逆に今の私には間違える不安なんて微塵もなかった。
タタスタスタンタン!
ソロが終わった瞬間、吹さんは確かに笑った。
私のソロが終わったと同時にみんなが入ってくる。
あとはフィナーレへ突っ走るだけ。
みんな死ぬほど息を吐け。そんで吸え。
一瞬音が鳴り止む。
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:25:25.08
そこから最後の8小節はグランディオーソ。
厳かに、威風堂々と行こうぜ。
残り4小節
吹さんは最高に気持ち良さそうだった。
残り3小節
客席にいる澪と目が合った気がした。
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:26:17.89
残り2小節
普段おっとりしてる楽のヤツも、このときばかりはかっこよかった。
残り1小節・・・・・
律「」
吹「」
楽「」
一同「」
パチパチ・・・。
遠くで拍手が聴こえる。
刹那なのか永遠なのか、よくわからない時間が終わった瞬間だった。
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:27:25.94
ドラマーなのにスネアロールできなかったのか律wwwwwwwwwww
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:29:19.07
>>105
高校生でバンド組んでるヤツでまともなロール出来るヤツって案外少なくないか?
ロビーにて
奏「お疲れ様!」
律「おう!」
奏「りっちゃん最高だったよ!みんなの演奏も普段とは迫力が段違いで凄いかっこよかったよ!」
楽「ありがとう!」
奏「・・・楽、また泣いたでしょ?」
楽「へ?・・・ばれちゃった?w」
奏「ばれるっていうか、楽は毎年コンクールの後は泣いてるからね・・・www」
楽「そっかw」
「律!」
律「おう!澪!どうだったー!?」
澪「えと、その・・・。」
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 14:44:47.49
>>107から
唯「すっごいかっこよかったよ!」
律「そっか!ありがとう!」
澪「あー!私のセリフ!!」
律「なんだよ、かたいこと言うなよー。」
紬「りっちゃんお疲れ様。素晴らしかったわ!」
梓「私も、鳥肌が立っちゃいましたよ!」
律「ムギ、梓も。ありがとな。」ニカッ
澪「楽さんも、すごくかっこよかったよ。」
楽「え、私なんて・・・そんな、とんでもないですよっ!」
奏「ううん、楽はかっこよかったよ。」
楽「えへへ、そうかな・・・。あ、こっちに歩いてくるの、吹先輩だ!」
吹「みなさん、お疲れ様。」
一同「お疲れ様でした!」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 04:27:32.33
楽器搬入通路にて
吹「お疲れ様!!」
一同「お疲れ様です!」
楽「うっ・・・ぐすっ・・・」
律「おいおい、泣くなよ。」
楽「だっで・・・先輩、達とのコンクール、が、終わっちゃった・・・よぅ・・・!」
律「でも私達いい演奏出来たじゃん!悔いはないだろ?」
楽「うっ・・・うん・・・!ぐすっ・・・すっごい、気持ち、良かった・・・!」
吹「楽さん・・・。私も最高の演奏だったと自負しているわ。
こんな不甲斐無い生徒指揮について来てくれて本当にありがとう。」
楽「そんなこと、言わないでください・・・!」
律「・・・。」
吹「みんな、ここにいたら搬入の邪魔になるわ!一旦外に出ましょう。」
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 14:45:45.48
吹「今日は本当に楽しかったわ。私ね、生徒指揮をやってよかったと心から思ってるの。」
奏「吹さん・・・。」
楽「私たちだってみんな吹さんが指揮してくれてよかったって思ってますよ!」
律「もちろん、私も。」
吹「ありがとう・・・!」
律「こっちこそ!貴重な体験と最高の瞬間をありがとうございました。」
吹「軽音部のみなさんも。田井中さんを長い間お借りしちゃって悪かったわね。」
澪「いえいえ、こんなヤツでよかったらいつでも拉致ってやって下さいね。」
律「澪ひでぇ!」
一同「あはははwwww」
吹「律さんだけ?折角だから他のみんなもまとめて拉致っちゃいたいんだけど。」
澪「はい?」
吹「これはみんなにはまだ言ってないんだけど・・・。」
律「??」
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 14:46:26.42
吹「秋に定期演奏会があるの。それで、もしよかったらあなた達も出ない?」
紬「えっと、それはどういう・・・」
吹「もちろん、軽音部としてよ?細かいことは全部私がなんとかするわ。どう?」
唯「楽しそう!!」
梓「ホールでの演奏・・・気持ち良さそう・・・!」
吹「じゃあ決まりね。今年の定期演奏会は軽音楽部と合同ね!」
律「よっしゃ!今年はもう一回ライブできるな!」
軽音部一同「おー!」
吹「そろそろ集合の時間だわ。私達は先に行ってるから、田井中さんもすぐに入り口前まで来てね。」
律「へ?いや、一緒に行きますy」
吹「話、まだ終わってないんでしょう?それじゃ、また後でね。」
律「ちょっ・・・!ちょっとm」グイ
律「(誰だ、袖引っ張ってるの)・・・澪?」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 14:47:08.54
紬「それじゃ私達飲み物買ってくるわね。」
梓「ほら、唯先輩も行きますよ。」
唯「いやだよぅ、あずにゃん私の分も買ってきてよぅ。」
梓「先輩!少しは空気読んd」
紬「唯ちゃん、行くわよ。」
唯「でも」
紬「あ?」
唯「やっぱり自分で飲み物選びたくなっちゃったなー(ムギちゃん怖いよぅ)」
梓「(ムギ先輩は怒らせちゃいけないな、うん。)」
スタスタ・・・
律「みんな行っちゃった。んで、澪、どうした?袖なんか引っ張っちゃって。」
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:11:22.05
>>149
澪「あのさ・・・。」
律「うん?」
澪「律、すっごいかっこよかったからな・・・///」
律「え・・・///う、うん。ありがとう。」
澪「それだけ伝えたかったんだ、それじゃ私も飲み物買ってくるな。」タッタッタッ
律「・・・。」
律「澪のヤツ、ハズいっつの・・・///」
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:12:39.11
入り口前に遅れて到着した私はみんなの空気が演奏前のように、再び張り詰めていることにすぐ気付いた。
律「(なんなんだ?)」
吹さんとさわちゃんを中心に、私を含めた吹奏楽部の輪が出来上がっている。
これ以上一体何があるっていうんだ?
私は人と人の間をすり抜け吹さんの近くにいた楽と奏のところまでなんとかたどり着く。
吹さんと目が合った。
すると吹さんは待ってましたと言うように口を開いた。
吹「みんな揃ったみたいね。」
さわこ「それじゃ早速だけど、審査員の方々の評価を一つずつ読み上げるわね。」ぴらっ
吹「はい、お願いします。」
さわこ「読むのは私じゃない、あなたよ。吹さん。」
吹「え?」
さわこ「決まってるじゃない。自分で言うのもなんだけど、今回私は何もしてないもの。
みんなを引っ張ってきたのも、指揮をしたのもあなた。だから、これはあなたが読むべきだわ。」
吹「・・・はい!」
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:13:38.44
吹「まず、発表の通り、私たちは関東大会への切符は逃してしまったわ。
でもね、関東大会推薦へマルをつけてくれている審査員の方もいるの。そのことを忘れないでね。
それじゃ読むわね・・・。
A氏『気迫のある演奏に圧倒されました。選曲も自分達のスタイルをよく理解したいい選曲だったと思います。
バラバラの音ではなく、きちんとブレンドされた旋律が審査員席まで届き、ホール全体に響いていました。
ただ、ピッチずれが少々気になりました。心を込めて演奏するのは素晴らしいことですが、次回はピッチや
リズムの揺れなどを克服できるようにしてみてください。来年も期待しております。』
B氏『仲間の音を良く聴き、音楽をしようという姿勢が大いに見受けられます。バンドの音が一つになっていて
バランスも良く、随所で仲間の見せ場を引き立てる演奏が出来ています。非常に好感が持てました。』
C氏『少々走りすぎではないでしょうか。ですが、バンドの音自体は一つになっているので安定感はあります。
また、第三楽章のリズムに切れが足りません。正確に音を当てながらタイミングを合わせるのは難しいですが、
それが出来ればもっと鋭さを増すと思います。この曲を選んだ勇気には頭が下がります。」
D氏『自分達は何をしたいのか、がはっきりとわかる、聴いていて心地よい演奏でした。金管楽器は音を
もっと正確に音を当てられるように、木管楽器は細かい音一つ一つを丁寧に。弦バスは全音符など音を
長く伸ばすときの弓の引き方を研究してください。パーカッションについては文句無し。最終楽章のソロには
鳥肌が立ちました。素晴らしいひと時をありがとう。』」
吹さんはゆっくりと各審査員の評価を読み上げた。最後の方は声が震えていた。
それもそのはずだ、指摘されていることはもちろんある、それでも・・・。
どの審査員もバンドの音が一つになっていると評価してくれているのだから。
楽の方を見る。
律「(やっぱり・・・。)」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:14:34.70
今にも泣き出しそうだ。・・・まぁ、私も人のことは言えないんだけどな。
これで終わりかと思ったら、奏が口を開いた。
奏「・・・E氏からは、なんて書いてあるですか?」
律「(E氏?)」
確かに審査員は5人いた。でもE氏って誰だ?
私は思ったままを楽に聞いた。
楽「え?えーと、凄い厳しい人、かな。」
吹「E氏っていうのはね、どの高校にも毎年酷評を叩きつけることで有名な審査員なの。
各パートごとに課題点を指摘し、次のコンクールでそれが改善されていなければさらにお叱りの言葉を頂戴することになるのよ。」
奏「参加校全ての去年の演奏と課題点を覚えてるんだからある意味すごいよね。」
なるほど、ただの偏屈な人ってワケでもないんだな。
E氏の評価を読むため、吹さんは紙をめくる。
すると、吹さんの目からは大粒の涙。
まだ読み上げられていないそれに、私達は完全においていかれた。
吹さんがいまにもしゃくり上げそうになりながら、なんとか声を振り絞る。
吹「『・・んど・・・た・・・。』」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:15:27.22
上手く読めないと判断したのだろうか、吹さんはくるりと紙を私達の方に向ける。
A4の紙には達筆で一言、こう書かれていた。
『感動した。』
急に何かがこみ上げてくる。
頭の中でここ最近のことがフラッシュバックする。
吹さんと音楽室の使用権で喧嘩したこと。
あの日、音楽室で楽に呼び止められたこと。
学園祭のライブの後、吹奏楽部全員にパーカッションを頼まれたこと。
合奏についていけなかったこと。
吹さんとふざけあったこと。
軽音部のみんなが励まして、支えてくれたこと。
練習して少しずつみんなと音を合わせられるようになったこと。
私は泣いていた。
みんなも泣いていた。
吹さんは私達の涙を見るとさらに泣いた。
こうして3週間の私の吹奏楽生活は終わりを告げた。
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:16:32.18
後日!
梓「それにしても、残念でしたね。」
律「なにがだ?」
梓「コンクールですよ。」
律「えと、なんで?」
梓「だって次の大会いけなかったじゃないですか。」
律「あぁ、そういうことか。」
唯「でも凄いいい演奏だったよ!」
澪「うん、勝ち負けじゃないよな。確かに常連校に次の大会の切符持ってかれたのは悔しいけどさ。」
紬「そうね。・・・でも、澪ちゃんは複雑なんじゃないかしら?」
澪「へ?」
紬「もし次の大会に行ってたら・・・またしばらくりっちゃんを貸し出すことになっていたものね?」
澪「ばばばバカ、そんなこと気にしてないしっ!」
律「なんだよ、そこ全力で否定するなよ!」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:17:15.81
澪「うるさい、バカ律っ。」
律「ぶー。・・・そういえばムギ、今日のお菓子はなんだ!?」
ムギ「今日はアップルパイよ♪寧ろアップルπ♪」
梓「いや、意味がわかりませんよ。」
唯「あずにゃんのつっこみには愛がないよね。」
梓「なんですか、愛って・・・。」
唯「澪ちゃんを見習わないと駄目だよ?」
律「そうだ梓!澪を見習うんだ!」
梓「それってどういう」
律「こういうことだぁ!」タッタッタッ・・・
スカートぺろーん
澪「お前は何してんだ!!」
ゴスッ!
律「いでぇ・・・!!」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:17:57.87
唯「あずにゃん、見て!愛に満ち溢れているでしょう!?」
梓「怒りの間違いじゃないですか?」
紬「(学校祭のときと同じ縞々パンツ、だと・・・!?)」
澪「ムギもなんか言ってやってくれ!」
紬「澪ちゃん、パンツくらい私が何億枚でも買ってあげるからね・・・!!」
澪「どうしてそうなった!?」
律「いや、澪のパンツは私が選ぶ!そう、私好みn」
澪「黙ってろ!」
ダコッ!
律「さっきと同じところとかー!!」
ガチャ
吹「あらあら、相変わらず騒々しいのね・・・ww」
律「すすす、吹さん!?」
吹「定期演奏会のタイムテーブルを持ってきたんだけど・・・。」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:18:49.79
律「いや、違うんですよ、サボってないですよ?今から練習しようと思ってたんですよ。」アセアセ
吹「そう?」
律「もちろんっ、なあ唯!?」
唯「え?あー・・・。そうだっけ?」
律「このバカー!」
吹「ふふふ・・・wwまぁいいわ。ムギさん?」
紬「は、はい?」
吹「お茶、いただけないかしら。」
律「」
紬「・・・はい!」
律「へ・・・?今、なんて?」
吹「練習ばかりではなく、こういう時間も大切。そうでしょ?」
律「・・・へへへ!その通り!」ニカッ
終わり
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:20:15.62
おつかれさま
よかった
よかった
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:22:01.03
乙!面白かったよ!
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/27(日) 16:41:27.30
>>1乙
すげぇ良かった
すげぇ良かった
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