366:シンジ「綾波がニコニコ動画に『踊ってみた』を投稿してる!?」:2012/12/23(日) 13:52:24.53ID:8ExebvXCP
綾波『~♪』フリフリ



『レイたそテラモエスwwwww』


『パンツ見せてー』


『かわいいいいいいいいいいいいいい』


『ブルマ( ゚∀゚)o彡゜ ブルマ( ゚∀゚)o彡゜』




シンジ「なんだよこれ、なんなんだよ……っ!!」







369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 13:54:30.16ID:8ExebvXCP
―――数週間前


ジャーン!!


綾波「……」ビシッ



ミサト「いやぁ、いつ見てもレイのダンスはお見事ねぇ」

綾波「ありがとうございます」

ミサト「うんうん、文句なく満点……と、いきたいところだけど」

綾波「……?」


ミサト「表現力がちょーっち足りないかな? 一点減点っと」

綾波「……!」




370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:00:42.11ID:qzWDSX5e0
綾波「私のダンスは、駄目ですか」

ミサト「技術的には完璧なんだけどねぇ、魂がこもってないというか」

綾波「魂……」

ミサト「見る人のハートを揺さぶるような、そういう要素がないのよねぇ」

綾波「……」

ミサト「ま、訓練でそこまで言うのはアレだし、気にしなくていいわよ?」



ミサト「―――って、あれ、レイ?」

ミサト「帰っちゃたのかしら。まぁいっか」




371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:02:32.66ID:qzWDSX5e0
綾波「……」トボトボ


綾波「魂」

綾波「ハート」


綾波「……」

綾波「私には、ハートがない?」

綾波「……」


綾波「いえ、それはダンスの話」

綾波「……」


綾波「練習、しないと」




372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:05:17.46ID:qzWDSX5e0
―――ジャーン!!


綾波「……」ビシッ



綾波「ふぅ」

綾波「ビデオで、確認」ピッ


綾波「……」ジー

綾波「……」

綾波「……」


綾波「自分では分からないわ」

綾波「……」

綾波「誰かに、見てもらう?」




373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:07:48.87ID:qzWDSX5e0
綾波「……」

綾波「碇、君に」


綾波「……」



『魂がこもってないというか』

『ハートが揺さぶられない』



綾波「……っ!」

綾波「……」


綾波「駄目」

綾波「……碇君には、見せられない」




374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:09:29.70ID:qzWDSX5e0
綾波「どうすれば……」

綾波「……」

綾波「……!」


綾波「インターネット」

綾波「動画共有サービス」

綾波「不特定多数の人間に、自分が投稿した動画を見てもらえる」


綾波「……」

綾波「……」カタカタ




376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:12:24.86ID:qzWDSX5e0
綾波「……」ジー

綾波「色々、あるのね」


綾波「youtube」

綾波「ツイキャス」

綾波「ニコニコ動画……?」


綾波「……」

綾波「ニコニコ動画」

綾波「投稿された動画に、直接コメントを打つことが出来る」


綾波「……」

綾波「これが、よさそうね」




378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:14:03.94ID:qzWDSX5e0
l
綾波「……」カタカタ

綾波「……」

綾波「……」


綾波「ふぅ」

綾波「準備は終わったわ」

綾波「後は、動画を投稿して」カチッ


綾波「……」

綾波「もう、こんな時間」

綾波「寝ないと」


綾波「……」スゥ




379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:15:39.79ID:qzWDSX5e0
綾波「朝」

綾波「……」


綾波「……そう、昨日の夜は動画を投稿したわ」

綾波「どうなっているかしら」

綾波「……」


綾波「五万再生」

綾波「……?」


綾波「よく分からないけど、多くの人に見てもらえたのね」

綾波「コメントを確認しないと」

綾波「……」




381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:17:29.93ID:qzWDSX5e0
『え、めっちゃ可愛くね?』


『大型新人キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!』


『レオタードたまらんwwww』


『中学生? このエロさで?』


『ごめん、俺は恋に落ちてしまったかもしれない』


『←俺も』




綾波「……」ジー




386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:20:35.02ID:qzWDSX5e0
綾波「すごく、喜んでもらっている」

綾波「なぜ?」

綾波「……」


綾波「でも、私の目的はそうではないわ」

綾波「ダンスを批評してもらわないと」


綾波「……」

綾波「……」


綾波「……あまり、ダンスに関してのコメントがないわ」

綾波「もっと、探さないと」




387:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:22:42.09ID:qzWDSX5e0
『可愛いし、ダンスも上手いけど、これじゃない感がすごい』


『見た目に反して、ダンスが本格的過ぎてちょっと引く』


『可愛くてダンスも上手い、それでええやないか』


『なにこの音楽? ボカロの曲で踊れよ!!』


『ブスの嫉妬が酷い』


『もっと楽しそうに踊ってる姿が見たい』



綾波「……」




388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:25:58.07ID:qzWDSX5e0
綾波「楽しそうに、踊る?」

綾波「……」

綾波「魂とは、そういうこと?」

綾波「……」


綾波「他の人の動画を見れば、いいのね」

綾波「……」


綾波「楽しそうに踊る人」

綾波「それは人気がある人」

綾波「魂のこもっている人」


綾波「……」

綾波「再生数が、多い人」カタカタ




389:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:27:42.34ID:qzWDSX5e0
綾波「……」ジー

綾波「……」

綾波「楽しそう?」


綾波「よく分からないわ」

綾波「でも、同じような曲で踊っている人が多いのね」

綾波「……」カタカタ


綾波「……ボーカロイド」

綾波「人間の声をもとに、歌声を合成することが出来る」

綾波「誰でもオリジナルの楽曲を作り出せるツール」


綾波「そう」

綾波「全てがオリジナルであることが、人気の出るポイントなのね」

綾波「オリジナル……」




391:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:29:16.49ID:qzWDSX5e0
綾波「……」ジー

綾波「……」

綾波「……」


綾波「振りつけは、覚えたわ」

綾波「後は踊るだけ」


綾波「……」

綾波「レオタードは、だめ」

綾波「レオタードに関してのコメントが多すぎる」


綾波「……」

綾波「体操着にしましょう」ゴソゴソ




393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:29:37.28ID:qt6F5fkV0
綾波それは逆効果だ




394:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:31:33.48ID:qzWDSX5e0
―――ジャーン!!


綾波「~♪」ビシッ



綾波「ふぅ」

綾波「これで、大丈夫」


綾波「エンコード」

綾波「動画投稿」

綾波「……」


綾波「もう、こんな時間」

綾波「今日は、学校とNERV」


綾波「行かないと」




395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:32:52.96ID:qzWDSX5e0
―――ガチャ


綾波「……ただいま」

綾波「遅くなってしまったわ」


綾波「……」

綾波「……」


綾波「動画を確認しないと」

綾波「……」カタカタ


綾波「十万再生……?」




396:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:34:52.47ID:qzWDSX5e0
>
『ブルマとか媚過ぎwwwwだがそれがいい』


『ブルマ( ゜∀゜)o彡゜ ブルマ( ゜∀゜)o彡゜』


『足きれい……すべすべ……踏んで欲しい……』


『きゃ、きゃわわわわ』


『!?』


『おにんにんがにょっきしちゃったお』



綾波「……」




398:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:37:01.87ID:qzWDSX5e0
綾波「……そう」

綾波「ブルマは、すごいのね」


綾波「……」ジー

綾波「……」

綾波「……」


綾波「いけない」

綾波「ダンスの評価を、探さないと」


綾波「……」




399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:39:42.71ID:qzWDSX5e0
『ダンスもいいわぁ』


『すげぇキレあるな』


『二作目にしてこの成長とは……』


『心なしか前より楽しそう』


『完璧だわ』


『それはともかく、ブルマがいい』



綾波「……」




400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:41:00.70ID:qzWDSX5e0
綾波「……」グッ

綾波「……」


綾波「私は、良いダンスが踊れたのね」

綾波「魂が、こもったのね」

綾波「……これなら碇君にも」

綾波「……」


綾波「もう、ニコニコ動画に投稿する必要はないわ」

綾波「動画も、きっと、消した方が良い」


綾波「……」




401:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:42:25.69ID:qzWDSX5e0
『なにこれ天使?』


『リピート再生が止まらない。助けて』


『この子に出会えたことが、今まで生きてきた中で最大の幸せだと思う』


『愛してる』


『新作も楽しみにしてる』


『次はどんな曲を踊るんだろう』



綾波「……」




402:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:45:01.58ID:qzWDSX5e0
>
綾波「みんな、楽しんでいる」

綾波「みんな、楽しみにしている」


綾波「これで、終わりにしていいの?」


綾波「……」

綾波「……」


綾波「……もう一曲」

綾波「もう一曲だけ、踊って」


綾波「それで、最後にする」

綾波「……」




403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:45:48.73ID:qzWDSX5e0
―――数週間後


ケンスケ「おはよう、碇」

シンジ「おはよ、ケンスケ」


ケンスケ「なあ、ちょっと」ヒソッ

シンジ「なに?」

ケンスケ「……直接言おうかとも思ったんだけど、碇に任せた方が良いと思ってさ」

シンジ「?」

ケンスケ「ニコニコ動画って知ってる?」

シンジ「ニコニコ動画?」




405:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:50:11.90ID:qzWDSX5e0
シンジ「知ってるけど」

ケンスケ「よく見てるか?」

シンジ「いや、会員になれないと見れないから。名前だけ」

ケンスケ「そうか……あのさ、これ、俺のIDとパスワード」

シンジ「え?」

ケンスケ「これ使って、ニコニコ動画にログインしろ」

シンジ「いいけど、どうして?」

ケンスケ「……それで、綾波レイで検索しろ」

シンジ「綾波?」




407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:51:37.76ID:71mJ2/PL0
本名かよwwww




409:ごめん、みす:2012/12/23(日) 14:54:19.23ID:qzWDSX5e0
シンジ「なんで綾波の名前で検索するの?」

ケンスケ「いいから、検索すれば全て分かる」

シンジ「教えてよ」

ケンスケ「俺の口からは言い出しにくいんだよ!」

シンジ「なんだよ、もう」


ケンスケ「とにかく、帰ったらすぐにだぞ、いいな?」

シンジ「分かった」


ケンスケ「……ま、俺は保存済みだけどな」ボソッ

シンジ「?」




411:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:56:42.34ID:qzWDSX5e0
―――ガチャ


シンジ「ただいまー」

シンジ「えーっと、ご飯作るのは……まだけっこう時間あるか」


シンジ「なにしようかな」

シンジ「……」


シンジ「あっ、そうだ」

シンジ「ケンスケに、ニコニコ動画にログインしろって言われてたんだっけ」


シンジ「パソコン、パソコンっと」




413:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:58:10.67ID:qzWDSX5e0
シンジ「ニコニコ動画……」カタカタ

シンジ「ログインして」カタカタ

シンジ「……」


シンジ「へぇ、なんか面白そうだな」

シンジ「ふーん」

シンジ「……」


シンジ「いけない、いけない」

シンジ「綾波レイっと」カタカタ


シンジ「……」

シンジ「…………!?」




414:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 14:59:26.53ID:qzWDSX5e0
シンジ「これって、綾波……だよね?」

シンジ「綾波が投稿した動画、なのかな?」


シンジ「……」

シンジ「見てみれば、分かるか」

シンジ「……」カチッ



綾波『~♪』フリフリ



シンジ「―――うわあああああああああああ!!」ガタガタッ




415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:01:26.31ID:qzWDSX5e0
シンジ「なにやってんだよ、綾波!!」

綾波『~♪』フリフリ


シンジ「踊るのをやめてよ、綾波!!」

綾波「~♪」フリフリ




シンジ「お尻をふらないでよ、あやなみぃいいいいいいいいいいい!!!」

綾波「~♪」フリフリ




416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:02:55.42ID:8ExebvXCP
アスカ「―――ちょっと、なにパソコンに向かって騒いでるのよ、バカシンジ!」

シンジ「あ、アスカ! 助けてよ、アスカ!!」

アスカ「はぁ?」


シンジ「いいから、これ見てよ!」グッ

アスカ「なによ……って」

シンジ「ううう」

アスカ「これ、なに?」

シンジ「あ、綾波が、ニコニコ動画で、ニコニコ動画でぇ!!」

アスカ「……」




418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:04:22.25ID:8ExebvXCP
アスカ「ちょっと、もっと見せて」

シンジ「うん……」


アスカ「うわ、再生数多すぎ。最大で五十万?」

シンジ「……」

アスカ「顔出しは当たり前のようにやってるし、本名晒しちゃってるし」

シンジ「……」

アスカ「しかも、ほぼ毎日のように投稿してるじゃない。真正のアホね」

シンジ「……」




419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:05:22.19ID:8ExebvXCP
シンジ「……あれっ」

アスカ「なによ?」

シンジ「この動画の綾波」

アスカ「これが、どうかした?」

シンジ「なんだか、すごく楽しそうじゃない?」

アスカ「……ああ、まぁね」


シンジ「最初はどうかと思ったけど、綾波が楽しそうなら、とやかく言わない方が良いのかな……」

アスカ「……」


綾波『~♪』フリフリ




420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:06:14.83ID:8ExebvXCP
アスカ「良いわけないでしょ」ピシッ

シンジ「あたっ」


アスカ「そりゃ、ちょっとくらいなら人それぞれだし、良いかも知んないけどね。これは明らかにやり過ぎ」

シンジ「……」

アスカ「顔見せて、本名出して、毎日のように投稿して……個人情報だなんだでうるさいこの時代に、自ら狂ったように情報を発信してどうするのよ」

シンジ「……」

アスカ「自分だけなら百歩譲っていいにしても、個人が特定されると、周囲の人間にも迷惑がかかるの。そこんとこ考えなさい」

シンジ「……」


アスカ「聞いてんの?」

シンジ「あ、うん」




421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:08:13.04ID:8ExebvXCP
シンジ「そっか、ならやめさせないと」

アスカ「そうね」

シンジ「じゃあ、電話してくるよ」

アスカ「……待ちなさい」


シンジ「なに?」

アスカ「ただやめさせるように言うだけじゃ、生ぬるいわ」

シンジ「えっ?」

アスカ「どうせなら、ネットの恐怖、あいつに味わわせてやりましょ」


シンジ「……?」




422:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:09:27.39ID:8ExebvXCP
『レイちゃん今日もかわいーっ!』


『毎日動画投稿して、大丈夫か?』


『←大丈夫だ、問題ない』


『レイたそのおまんまんに拙者のロンギヌスが』


『レイちゃんの動画に気持ちの悪いコメントを残すな、去れ』


『NG余裕でした』


『レイちゃんの動画が唯一の楽しみ』



綾波「……」




424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:10:33.42ID:8ExebvXCP
綾波「今日も、楽しんでもらえている」

綾波「今日も、私のダンスでハートが揺さぶられているのね」

綾波「……」


綾波「……」ジー

綾波「……」


綾波「生放送?」

綾波「……リアルタイムで、視聴者とふれあうことが出来る」

綾波「そういうのも、あるのね」


綾波「……」

綾波「……!」ブルブル




427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:11:34.95ID:8ExebvXCP
綾波「電話?」

綾波「……非通知」

綾波「……」ピッ



綾波「もしもし」


『……』


綾波「どちら様ですか?」


『……』




429:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:13:33.02ID:8ExebvXCP
『れ、レイちゃん?』


綾波「……」


『綾波レイちゃんだよね?』


綾波「はい」


『僕だよ』


綾波「はい?」


『いつも、動画にコメントしてる、僕だよ』


綾波「……」




430:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:14:52.48ID:8ExebvXCP
綾波「すいません、どなたか分かりません」


『な、なんで、僕のことが分からないの?』


綾波「……」


『いつも、僕のために踊ってくれてるでしょ?』


綾波「いえ、あの」


『新作も、僕が踊ってって言った曲、踊ってくれたもんね?』


綾波「……」


『ふぅーふぅー……れ、レイちゃんのことなら、なんでもわかるよ』


綾波「……」ゾクッ




431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:17:47.37ID:qzWDSX5e0
綾波「あ、あの」


『レイちゃんって、第三新東京市に住んでるよね?』


綾波「!?」


『今度、遊びに行ってもいいかな?』


綾波「だ、だめです」


『なんで? 僕とレイちゃんの仲なのに?』


綾波「え?」


『僕たち……はぁっはぁっ、恋人……だろ?』


綾波「……っ!」プチッ




434:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:20:07.68ID:qzWDSX5e0
アスカ「―――切れたわ」ツーツ-

シンジ「……」


アスカ「なによ?」

シンジ「そのボイスチェンジャー? どこで手に入れたんだよ?」

アスカ「前にNERVの倉庫で埃被ってたから、かっぱらっておいたの」

シンジ「どうして?」

アスカ「面白そうだったから」

シンジ「……返しておきなよ」

アスカ「こうして役に立ったんだから、これは私に拾われて良かったのよ」

シンジ「はぁ……」




435:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:22:24.23ID:qzWDSX5e0
シンジ「あっ」

アスカ「なに?」

シンジ「綾波の動画、消えていく」

アスカ「私の迫真の演技のおかげね」

シンジ「隣で聞いてる僕でも気持ち悪かったもん」

アスカ「この美少女アスカ様に向かって気持ち悪いとは、なによ!」

シンジ「え、演技力あり過ぎって褒めたんだよ!」

アスカ「ちっ」

シンジ「ご、ごめん……」


アスカ「……ま、私は部屋に戻ってるから。アンタはさっさとご飯作りなさい」スタスタ

シンジ「あ、わかった」




437:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:23:31.10ID:qzWDSX5e0
>
シンジ「……」

シンジ「うーん」

シンジ「これで、良かったのかな?」


シンジ「……!」ブルブル

シンジ「電話だ」

シンジ「綾波……?」ピッ



シンジ「もしもし、綾波?」


『……』




439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:26:02.10ID:8ExebvXCP
『碇君?』


シンジ「そうだよ」


『……』


シンジ「綾波?」


『……』


シンジ「どうかした?」


『……』


シンジ「……!」




440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:26:20.30ID:qzWDSX5e0
シンジ「もしかして怖いことでも、あったんじゃない?」


『……』


シンジ「そうなんだろ?」


『……ええ』


シンジ「ねぇ、綾波」


『なに?』


シンジ「大丈夫だよ」


『……』




441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:27:30.25ID:qzWDSX5e0
シンジ「綾波は、なにがあっても、僕が守るから」


『……!』


シンジ「……」


『本当?』


シンジ「うん、約束する」


『……』


シンジ「……」




443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:29:12.14ID:qzWDSX5e0
『電話、切るわ』


シンジ「分かった」


『ありがとう、碇君』プツッ





シンジ「……」ツーツー

シンジ「……」


シンジ「今度、謝らないとなぁ」




444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:30:27.97ID:qzWDSX5e0
エピローグ



『はぁー、レイちゃんいなくなって毎日が灰色』


『有志の再うpでも見てろよ』


『新作が見たいんだよぉおおおおおおお』


『レイちゃんは伝説になった。それだけだ』


『それより、この動画見てみろ。可愛くてエロい』


『←神降臨』


『←ぶひぃいいいいいいいいいいいい』




447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:32:37.57ID:qzWDSX5e0
シンジ「あんなに熱狂してたのに、綾波がいなくなっても、大した影響ないんだね」

アスカ「そういうもんよ。手軽な娯楽は、ハマるのも飽きるのも早いの」

シンジ「ふーん」

アスカ「アンタも最近はまってるみたいだけど、ほどほどにしなさいよ」

シンジ「うん……あ、でもさ」

アスカ「なによ?」


シンジ「アスカって、妙にニコニコ動画について詳しいよね」

アスカ「……っ!」




449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:34:11.76ID:qzWDSX5e0
シンジ「なんで?」

アスカ「それは……」

シンジ「それは?」

アスカ「うるさい!」ゲシッ


シンジ「いたっ!」

アスカ「出かけるんでしょ!? さっさと行きなさいよ!」

シンジ「え、でも」

アスカ「いいから!!」


シンジ「……ニコ厨死ね」ボソッ

アスカ「バカシンジィ!!」

シンジ「行ってきます!」




451:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:35:48.83ID:qzWDSX5e0
―――ピンポーン


ガチャ



シンジ「やぁ、綾波」

綾波「ええ」

シンジ「入ってもいい?」

綾波「……」コクリ



シンジ「お邪魔します」

綾波「……」




454:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:38:04.22ID:8ExebvXCP
シンジ「あ……この前のこと、くどい様だけど、ごめんね?」

綾波「いいえ、私も、あの時は少し変だったと思うから」

シンジ「そんなこと」

綾波「碇君たちには、感謝してるわ」


シンジ「……そっか」

綾波「ええ」




455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:39:39.65ID:vzhhK2xR0
シンジ「それで、今日はどんな用なの?」

綾波「……碇君に、踊りを見せたくて」

シンジ「踊りを?」

綾波「ダメかしら」

シンジ「ううん、そんなことないよ」

綾波「そう」

シンジ「……」


綾波「じゃあ」

シンジ「うん」




456:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:40:59.21ID:vzhhK2xR0
―――ジャーン!!


綾波「……」ビシッ



シンジ「……」

綾波「どうだったかしら」

シンジ「……綾波は」

綾波「え?」

シンジ「綾波は、うまく踊れないことが悩み……だったんだよね?」

綾波「ええ」




457:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:42:17.46ID:8ExebvXCP
綾波「今も、ダメ?」

シンジ「ぜんっぜん! すごく良かった! 本当に、感動しちゃった!」

綾波「そう」

シンジ「こんなに踊れるのに、どうして悩んでいたの?」

綾波「……」

シンジ「綾波?」


綾波「ちがうの」

シンジ「え?」

綾波「私が、うまく踊れたのは、碇君のおかげなの」

シンジ「僕?」




458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:43:47.88ID:vzhhK2xR0
綾波「最初に、動画を投稿した時は、私のダンスは良くないと言われたわ」

綾波「次に動画を投稿した時は、褒められた」

綾波「次に動画を投稿した時は、もっと」


綾波「なにが変わったのか」

綾波「それは、きっと、人に見せるという意識があったから」

綾波「人に見てもらいたいという、気持ちがあったから」


綾波「……」

綾波「だから、私は」

綾波「碇君の前でなら、いちばん、上手く踊れるわ」



シンジ「……!」




459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:44:06.01ID:8ExebvXCP
綾波「碇君、私のダンスは、好き?」

シンジ「うん、好きだよ」

綾波「そう」

シンジ「でも、それはダンスが好きだからってことじゃなくて」

綾波「……え?」


シンジ「踊っているのが綾波だから、好きなんだ」

綾波「……!」




460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:45:21.76ID:vzhhK2xR0
シンジ「ねぇ、綾波」

綾波「なに?」

シンジ「今度は、僕にも踊り、教えてくれないかな」

綾波「もちろん、いいわ」

シンジ「ありがとう」


綾波「碇君」

シンジ「うん?」


綾波「……一緒に、踊りましょ?」





終劇




463:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:46:23.42ID:8ExebvXCP
ギリギリ4時までに終わって良かった。携帯でも投下できるとなれば、もうさるは怖くないわ。
当日までにクリスマスネタやりたいけど無理かなー。まぁとりあえず、ありがとうございました。




464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:47:00.63ID:tbQHa70X0
ぽかぽかした




465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/23(日) 15:47:59.92ID:MX7SEhtA0
乙乙


転載元
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1356179701




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