アップル辞めてテスラにいった150人があげる転職理由
どんな人材も引き抜き放題のアップルが、どうしたわけかリンゴ泥棒テスラにだけは人材を引き抜かれてしまうという話がブルームバーグに載ってました。
記事で紹介しているのはたとえば、2008年から勤続5年で辞めたDoug Fieldさん。セグウェイCTO、フォード開発エンジニアを歴任し、アップルではMacBook Air、MacBook Pro、iMacのハードウェアデザインを総括し、アップル辞めるなんて一生ないだろうなーと思っていたんだけど、イーロン・マスクから声がかかったらひとつ返事で高飛びしちゃったんだそうな。いや~どうなっちゃってるんでしょうね~マスク。
テスラ(従業員6,000人)がこれまでにもぎとったアップル社員は総勢150名超。どの自動車メーカーからの引き抜きよりも多く、アップルOBはテスラ社内で最大派閥を形成しています。
自動車メーカーがどこもシリコンバレーの人材引き抜きで苦労する中、誰もが羨む転職希望先アップルから楽勝で一本釣りするテスラ。これは「不公平と言っていいぐらいだ」とモルガン・スタンレーのアナリストはブルームバーグに語っていますよ。「自動車に占めるソフトウェアの価値は今の10%から向こう10年で60%に上がる。他社はますます不利な状況に立たされるだろう」
アップルになくてテスラにあるもの
気になるのは転職理由ですが、転職した元アップル社員が挙げるのはずばり、クルマとCEOです。
イーロン・マスクは女性誌が選ぶ今もっともディスラプティブな男で、すぐテンパるところとか、細部にこだわるところとか、ジョブズそのものですものね。というか匿名希望の元テスラ社員によると、マスク自身、大のアップルファンでジョブズと自分を比べて悦に入ってるらしいので、意識して真似っこしてるのかもしれませんが。テスラに就職する人とアップルに就職する人の間には「強いリーダーを求める働き者」という共通点があると、シリコンバレーのリクルーターは語ってますよ。
イーロン曰く、自分が直に面接してコードの話とかで盛り上げると、アップルのギークはひょいひょい面白いように釣れるのだとか。逆にアップルは25万ドル(約3,000万円)のボーナスつけて60%の昇給を約束してもテスラからは引き抜けないそうでして、「これまでに転職した人は本当に数えるほどだ」と豪語するイーロンなのでした。
source: Bloomberg
(satomi)
- イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者
- 竹内一正|朝日新聞出版
- ジョナサン・アイブ
- リーアンダー・ケイニ―|日経BP社