636 名前:おさかなくわえた名無しさん メェル:sage 投稿日:2006/04/15(土) 18:19:53 ID:8aHMr8AS
仕事帰り、車を走らせていると信号が赤になったので停車した。
止まった場所の道の横には民家があって、青信号待ち中
何気なくその民家の辺りにぼんやり目を走らせた。
するとその家の住人と思われるおっさんが飼い犬と思われる
白のでっかい雑種の犬のノミ取りを一心不乱にやっていた。
犬はごろんを腹を見せて庭先にバンザーイのかっこうでだらーんと
寝転がっている。おっさんはバンザーイの犬の腹をもしゃもしゃ
一生懸命かき回していた。
ふとおっさんは視線を感じたのだろうか、頭を上げて周りを見渡した。
まずわ私に目がとまり、それから辺りに信号待ちで止まっていた
車を順に見渡していった。どうやら皆おっさんのノミ取りを見物
していたようだった。
急におっさんの動きがぎこちなくなった。
さりげなーく立ち上がったつもりらしいが動きがロボチックになった。
そのまま犬と共に家の中に消えようとしたつもりらしかったが、
ノミ取りが気持ちよかったのか、バンザーイのまま犬が動かない。
これお前、という感じでお上品に紐を引っ張ってもびくともしない。
しまいにぎゅうぎゅう引っぱったがバンザイ犬動かない。
この時点でおっさんと犬の綱引きになっていた。
多分そこらに停まっていた車のドライバーは皆、その戦いを見物したいたと思う。
やがておっさんはバンザーイのままの犬をそのまま前足の両脇から手を入れて
仰向けのままずるずる引き摺って壁の向こう側に消えていった。
引き摺った後がずっと地面に長く尾を引いていた。
青になったので発車させたが、後からじわじわきて車の中で爆笑してしまった。
バンザーイのまま後ろ向きで引きづられて消えていく犬が忘れられん。