VAIO株式会社(以下VAIO(株))は16日、同社の自社開発製品として初となる「VAIO Zシリーズ」発表しました。
『モンスターPCを作れ』
というコピーのもと発表されたのは「VAIO Z」「VAIO Z Canvas」の2機種。
VAIO Zはソニー時代の「VAIO Fit Aシリーズ」で見られたようなマルチフリップ機構を搭載し、ノートPCスタイルだけでなくタブレットスタイルでも使用することが可能です。一方、VAIO Z Canvasは同社が『未完成を、共有します。』として度々イベント等で見られた “VAIO Prototype Tablet” の製品版となり、クリエイティブな用途にも応えられる高性能タブレットPCです。
生まれ変わったVAIO Z
VAIO Zは13.3インチWQHD(2560 x 1440)液晶を搭載し、CPUには米Intel社製core i7-5557U、内蔵GPUにIntel Iris 6100を採用するハイスペックな2-in-1PC。外見はソニー製「VAIO Fit 13A」そのものですが、スペックは大きく引き上げられています。
VAIOにおける “Z” の型番は伝統的にハイスペックなモバイルPCに与えられ、今回発表された新しいVAIO(株)製VAIO Zもまたその流れを汲んだモデルとなります。タブレットモード・キーボードモードでTDPを使い分けることで、キーボードモードでは35Wまで対応することが可能です。
モビリティも向上させ、本体素材にアルミニウムとカーボン素材を採用することで厚さは15.0mm~16.8mm、重さは約1.34kgを実現。15時間持つと公表されているバッテリーライフと合わせて、ハイスペックを見事に凝縮したVAIO Zとなりました。
主なスペックは以下の通り。
VAIO Z(各構成は最大のもの) | |
OS | Windows 8.1 pro Update 64bit |
CPU | Intel Core i7-5557U 3.1GHz(最大3.40GHz) |
TDP | 10~35W |
GPU | Intel Iris 6100 |
メインメモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB |
液晶 | WQHD(2560 x 1440) |
光学ドライブ | 非搭載 |
インターフェイス | USB3.0 x 2 SDカードスロット x 1 HDMIポート x 1(4K出力対応) ステレオミニ x 1 |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 324.2 x 15.0~16.8 x 215.3 [mm] |
重さ | 1.34 [kg] |
バッテリーライフ | 15時間(JEITA2.0測定法による) |
発売は2月16日本日から、価格は構成によって異なるものの、約19万円からとなっています。購入は販売代理店であるソニーストアや、ソニーショップ、または一部取り扱い店舗にて可能です。
自由なVAIO Z Canvas
VAIO Z Canvasは上記の通り、VAIO Prototype Tabletの製品版となります。本体はキーボードが完全に分離されたタブレットデバイスであり、より直感的かつアクティブな用途が想像されます。
液晶もVAIO Zとは異なり、アスペクト比3:2、解像度2560 x 1704のものを採用しています。Adobe RGBを95%カバーすることで写真家やデザイナー、そして映像編集等といった広いクリエイターの要求を応えるタブレットPCとして、場所を選ばず、より活動的な創作を可能にするモデルです。
また、CPUにCore i7 Hプロセッサーを搭載し、GPUにはIris Proを内蔵。4K Camera Rawの編集も可能な、まさにモンスター級のスペックを有するタブレットに仕上がっています。
公開されている主な仕様な以下の通り。
VAIO Z Canvas | |
OS | Windows 8.1 pro Update 64bit |
CPU | Intel Core i7 Hプロセッサー |
GPU | Intel Iris Pro |
メインメモリ | 最大16GB |
ストレージ | 最大1TB |
液晶 | 2560 x 1704(アスペクト比3:2) |
光学ドライブ | 非搭載 |
インターフェイス | USB3.0 x 2 SDカードスロット x 1 Mini DisplayPort x 1 HDMIポート x 1 有線LANポート x 1 ステレオミニ x 1 |
なお、VAIO Z Canvasは今年の5月に発売開始する予定であることがアナウンスされており、想定価格は20万台後半からとされています。
ソニーのVAIOから、バイオのVAIOへ
VAIOと言えば、去年の春にソニーから部門ごと売却されたブランドです。昨年の7月にVAIO(株)として立ち上がり「自由だ。変えよう。」のスローガンは当時大きな反響を呼びました。VAIO(株)によると、その時の従業員数はわずか200人程度。長野県安曇野の拠点を中心にそこからVAIOは再スタートを切ったのです。
VAIO Zシリーズには「Z Engine」なるものが搭載されていますが、それはVAIO(株)がソニー時代から独自に培ってきた技術の総称とされており、その技術によって高品質かつ高性能な製品を生み出すことに成功したのです。特にVAIO Zについては見た目こそソニー時代の「VAIO Fit A」ですが、フリップ機構はより使いやすいものに、そして何よりも内部構造は大きく変更されています。
コピー通りモンスター級のスペックを持つVAIO Z Canvasは、「プロトタイプ」として公開することでユーザ目線での開発が行われ、持ち運んだ際に指紋が気にならないようにと本体カラーをブラックからシルバーに変更。こういった柔軟な発想のもとVAIOは生まれ変わったのです。
プラットホームにWindowsを採用するPCとしてのVAIOでは、近年のタブレット市場の拡大やAndroid・iOS等のモバイルプラットホームの台頭によって「VAIOとしての確固たるフラグシップ」が空席となりました。最近では「Duo」や「Pro」等の高性能モバイルPCが販売され、特にProにおいてはVAIO(株)でも引き続き販売が継続されていますが、高性能とモビリティを実現するVAIO Zとしての後継モデルはなかなか登場してこなかったのです。
今回のVAIO(株)の発表は一ソニーファンとして、一VAIO Zユーザとして注目していました。そして発表された2種類のVAIO Zに対して、新しい会社のもとで自由に開発され、VAIO(株)としての魅力が詰まったVAIOだったと感じています。
VAIO(株)では来期での黒字化を目標としています。今後はVAIO Zというフラグシップのもとに「VAIO P」や「VAIO X」・「VAIO 505 EXTREME」といったようなモビリティ特化モデルの “現代版” の登場にも期待したいところです。
[VAIO]
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著者
右足をガジェット沼、左足をオーディオ沼に突っ込んでいる危ないガジェッター。 好奇心を満たすことを第一目標に「とりあえず試してみる!」
宣言通り法人需要とクリエイター需要を取り込んできたね
コンシューマ向けではないね(^_^;)
法人需要で手堅くやっていくなら、法人受けの良い一体型のVaio Lシリーズを復活させたほうが良いような
カタログスペックだけ見て中小企業のPC買うような法人がそんなにおるとは思えんぞ
PanasonicやDellとかと比べて品質やサポートが不安すぎる
すみれさん!お疲れ様です!
ねぎらいのお言葉、ありがとうございます!
高すぎて手が出ない…
すぐに安くなるよ
値段が高いとかいう奴はおとなしくProとFit買っとけ
Z Engine
(笑)
MacBook Airの重さでProの性能+ギミックて感じかな。欲しいな〜、Appleみたいに学割とか無いかな(><)
Z Engine
↑
これは調べてみたけど凄いね、メインボードがあんなに小さくなるとは(驚愕)
部品間ギャップ、配線間長などについてインテルのガイドラインを守らず、ギリギリまで追い込んで設計したことで実現できたとか書いてあってワロタ
>「VAIO 505 EXTREME」といったようなモビリティ特化モデルの “現代版” の登場
法人需要見込みつつも面白いの出てきそうだね、一つ楽しみができた
VAIO meeting 2015行ってVAIO Z触ってきてきたけど確かに良いものであるから欲しいと思ったけど、せめて13万から販売して欲しかったと思ったよ。
アイソレーションキーボードはMacぽく見える・・・。
2in1とかタッチとかいらないから、シンプルに究極のクラムシェルを突き詰めて欲しかった
本当それ
モンスターマシンなのは確かなんだけど余計なもの詰め込んだ感じが否めない
VAIOにそれは求めないな
Thinkpadの役割だわ、Lenovoは応えてくれそうにないが
普通のPCだな。
別に期待してたわけじゃないので落胆もしないけど。
法人と小金持ち以上の需要でなんとか売れてほしいところ
VAIO Fit 13Aがほしくて数ヶ月前通販で残りわずかな在庫を引っかき回したのになぁ…すこし待っていればよかった
デザインとか色とかもっと冒険してもよかったのに