写真や絵など止まった画像にリアルな動きを与える照明『変幻灯』をNTTが発表しました。ポスターや写真に変幻灯の光をあてることで、静止しているはずの肖像画やポートレート写真が笑ったり、風景が風に揺れてみえるなどの効果を与えることができます。「ドラえもんのひみつ道具かよ?!」と思ったかたは続きの動画をどうぞ。
変幻灯を開発したのはNTTの先端技術総合研究所。最近はやりのプロジェクションマッピングは立体物などをスクリーンとして映像を投影する技術ですが、変幻灯では平面の対象に対して、もとの色や形はそのままに、モノクロの「動き要素」だけの差分で照らすことで、まるで絵が動いているような錯覚を作り出します。
NTTによると、これが可能なのは人間の脳が色・形・動きを別々に捉え、脳内で統合して動く映像として知覚しているため。NTTはこうした人間の知覚機能に対する研究をもとに、色と形はもとの静止画から、動きだけをモノクロで(光の強さで)与えることで印刷物でも動いているように見せる変幻灯技術を開発しました。
プロジェクションマッピングと比較した利点は、立体物に投影した時の歪みなど複雑な事前演算が不要であること、比較的明るい場所で(もとの静止画がちゃんと見える状況で)実施できることなど。応用としては広告・インテリア・エンターテインメント分野が挙げられています。
NTTでは
2月19日・20日に開催するNTT R&Dフォーラム2015で、変幻灯を含む研究成果を展示する予定です。