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サードパーティレンズで振り返るCP+ 2015。NOKTON 10.5mm F0.95参考展示など - Engadget Japanese


2月12日から15日まで開催された写真映像関連イベントCP+ 2015では、今年もサードパーティのレンズメーカーから個性的な交換レンズの数々が出展されました。

展示会の魅力は、なんといっても各メーカー最新製品の現物に触れられること。発売前の製品や参考展示品、通販限定商品などを直接目にすることができ、場合によっては試作品を試せる場合もあります。特に一部のサードパーティ製レンズは家電量販店などでは試用できないケースが多く、制限なく試せる機会は多くありません。

カメラメーカーでもいくつかの純正レンズを展示していましたが、ここではサードパーティ製交換レンズに絞って今回のCP+を振り返ります。

CP+2015 サードパーティレンズまとめ

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25 枚


興和

バードウォッチングなどに用いられるスポッティングスコープや双眼鏡などの光学機器で知られる興和は、同社が2014年秋より展開するプロミナーブランドの交換レンズ3本を展示。

プロミナー8.5mm F2.8


プロミナー25mm F1.8

焦点距離と開放F値は広角側から8.5mm F2.8(35mm判換算で19mm相当)、12mm F1.8(24mm相当)、25mm F1.8(50mm相当)。いずれもマイクロフォーサーズマウントのMFレンズで、金属鏡筒を採用。ヘリコイドのトルク感もこだわったポイントといいます。

ブラック、シルバー、グリーンの3色を用意しており、このうちグリーンはスポッティングスコープのカラーリングにも用いられている伝統的な緑色で、プロミナーを象徴する「コーワグリーン」と呼ばれています。


興和のスポッティングスコープ(フィールドスコープとも)のカラーリングは伝統的にグリーン

広角寄りのレンズは像が歪む歪曲収差(ディストーション)が出やすい傾向にありますが、本シリーズではいずれも歪曲収差を抑え、周辺画質も高画質で撮影できるよう設計されているのが特徴。同社は工業用の高性能レンズを製造している側面もあり、そうした用途のレンズには像の収差を極限まで抑え、さらに高い解像を求められる場合が多いことから、本シリーズにも工業用レンズの製造ノウハウが活かされているのでしょう。

現在はマイクロフォーサーズマウントのみラインナップしていますが、興和のスタッフによれば、他マウントへの対応や、さらなるラインナップの充実についても追い追い検討していきたいとのこと。

コシナ

コシナは、カールツァイスやフォクトレンダーブランドの交換レンズを製造・販売する長野県のレンズメーカー。キヤノンEFマウントやニコンFマウントの一眼レフカメラ用交換レンズのほか、ソニーαEマウントや富士フイルムXマウントの交換レンズ、ライカMおよびLマウント用レンズ、業務用ビデオカメラ用レンズなどを幅広く手掛けています。

参考展示品としては大口径マイクロフォーサーズ用単焦点レンズのNOKTON 10.5mm F0.95がありました。35mm判換算で21mmの広角レンズとして使えます。

NOKTON 10.5mm F0.95

NOKTONシリーズは、2010年にマイクロフォーサーズマウント用として登場した、フォクトレンダーブランドの大口径単焦点レンズ群。これまで17.5mm(35mm相当)、25mm(50mm相当)、42.5mm(85mm相当)の焦点距離をリリースしており、開放F値はすべてF0.95。発売時期や価格などは未定ながら、シリーズを通して初出時の価格は10万~12万円前後だったことから、本機も同等の価格帯になることが予想できます。

ちなみにいずれのレンズもフォーカシングはMFです。

シグマ

レンズ一体型デジタルカメラdp Quattroシリーズのラインナップ拡充が話題のシグマですが、交換レンズにもいくつかの新製品が登場しています。

このうち画質重視のArtラインに属する大口径広角単焦点レンズ24mm F1.4 DG OSMは、Artラインとしては35mmと50mmに続く3本目の35mmフルサイズセンサー対応単焦点レンズ。型番のDGは、35mmフルサイズのイメージセンサー(およびフィルム)に対応することを示します。

シグマでは2012年秋より、それ以降に発売する交換レンズに関しては、レンズの性質に合わせてプロダクトラインをArt、Sports、Contemporaryの3ラインに分類。Artは画質を追求した高級路線。Sportsはその名の通りスポーツ撮影に向いた望遠/超望遠レンズが属します。Contemporaryは標準ズームレンズなど光学性能とコンパクト性を両立させたラインです。

プロダクトラインを3つに分類し始めてから約2年半で12本のレンズが登場しましたが、このうち半数がArtライン。従来はタムロンと並んで「純正よりも比較的安価に買える、そこそこの性能のレンズ」というイメージでしたが、Artラインに関しては大口径単焦点レンズを多くラインナップしており、現在は従来よりも高級なイメージへブランディングの真最中という状況です。

タムロン

CP+に合わせて発表された新製品はありませんが、2014年12月に発売した超広角ズームレンズSP 15-30mm F/2.8 Di VC USDのタッチ&トライが盛況でした。

35mmフルサイズ対応のDiシリーズレンズとしては最も広角寄りであり、ズーム全域でF2.8という使いやすさと、このクラスとしては手頃な14万円という価格もあいまって、かなり好調な売れ行きとのこと。ちなみにカメラメーカー純正でF2.8通しのフルサイズ対応広角ズームレンズを検討すると、20万円は下りません。

レンズスペックに対して高いコストパフォーマンスが人気のタムロンは、良い意味でいつも通り、という印象でした。

毎年恒例のレンズクリーニングコーナー

トキナー

撮影用品メーカーのケンコー・トキナーブースで展開していたトキナーのコーナーでは、35mmフルサイズ対応の大口径標準ズームレンズAT-X 24-70mm F2.8 PRO FXを参考出品。発売時期はキヤノンEFマウントが7月、ニコンFマウントが6月。価格は未定です。

現在は広角ズームレンズ中心のラインナップですが、トキナーの24-70は過去に名玉と呼ばれた製品もあります。モデルチェンジとなる今回の新製品も、その描写性能に期待が高まっています

トミーテック

天体望遠鏡ブランドのBORG(ボーグ)は、天体望遠鏡をカメラ用の望遠レンズとして使用できるオプションパーツを取り揃えています。正確には交換レンズとは違いますが、鳥や天体、航空機など超望遠レンズが必要になる被写体を撮影したい場合の選択肢として人気の高い組み合わせです。

BORGのシステムは写真用の望遠レンズと比べて軽いので運用しやすく、カメラマウントもパーツ単位で用意しているので、マウントを問わず比較的安価に1000mmクラスの超望遠レンズを構築できる点がメリット。

メインとなる構成は対物レンズ、ピント調整用のヘリコイドとドロチューブ、鏡筒、カメラマウントですが、オプションとしてレデューサーのほか各種アダプタ類も用意されており、目的に応じて細かくシステムを組み替えることが可能です。システム的にはやや複雑なのでとっつきにくさもありますが、同社では最初からカメラで使えるセット販売も行っています。


参考展示のBORG107FL(上)。螢石レンズを用いた大口径レンズです。発売未定。BORGはシステム全体の軽さも特徴の一つなので、ある程度大きなシステムになると、下のように軽量なカーボン鏡筒も必要になってきます。


何もイベントに足を運ばなくても、製品には家電量販店で触れるじゃないか、というご意見もあろうかと思いますが、すべての製品を店頭で試せるとは限らず、メーカーによっては試用品を用意していない場合もあります。多くのメーカーブースでは現行のレンズを自由に付け替えて試せるレンズバーを用意しているので、少し移動するだけで、量販店よりも制約が少ない条件でいろいろなメーカーの製品を試せる点でメリットがあります。

また、展示会はメーカーのスタッフと直接話せる機会でもあります。運が良ければ商品企画や技術者といった製品づくりの中心メンバーに自分の意見を直接言える可能性もあり、そうした意味でも、CP+のようなコンシューマ向け製品が並ぶ展示会は、メーカー/ユーザー双方にとって特別な機会なのです。

次回のCP+開催期間は、2016年2月25日(木)~2月28日(日)。会場はこれまでと同じくパシフィコ横浜です。
サードパーティレンズで振り返るCP+ 2015。NOKTON 10.5mm F0.95参考展示など

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