1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:27:02.86 ID:T91738vwd.net
男「もう朝かぁ……。ふぁ〜良く寝た……」
目が覚めた男は、ベッドの上で大きく伸びをした。
男(んっ? あれ……? なんか体に違和感が……?)
男「あるべき所にあるべき物が無い……?」サワサワ
男「ないべき所にないべき物が有る……?」ムニュムニュ
男「えっ? な、なっ、何これ? 女の子になってる!?」
男「あはは、夢? こんなのきっと夢に決まってるよね」ギュッ
男は自分の頬をつねるという古典的な方法で確めてみる。
男「いたっ! 嘘、夢じゃない……」
・妄想俺「んへへ…なぁ一緒にやらしいことしよう…」
・美少女「じゃんけんで君が勝ったらキスしてあげる」
・【R-18】女提督「大和の裏切り者!」
・ポニョ「あれからもう10年も経つんだね!」
・【二次元】 シャワー中の女の子 【主にお風呂画像】 その2
・妹の催眠にかかったふりをしてあげてたら拗ねた。
男「ど、ど、どうしよう……女の子になってる!?」
男「なにこれ……? どういう事?」
男母「男ー、今日も友君が迎えに来てくれたわよー」
パニックに陥っている所に、階下から聞こえる母親の声が焦りを余計に加速させる。
男(えーっ友!? もう来ちゃったの? あーどうしよう……)ウロウロ
男友「お邪魔しまーす、男学校いくぞー」
男「ちょ、ちょっと待って……」
男友「入るぞー?」コンコン、ガチャ
男「開けちゃ、だ、ダメーっ!」
男友「ん? 開けちゃ駄目ってなんだ? 布団なんか被ってどうしたんだよ? ほら早く用意しないと遅刻すんぞ」ガバッ
男(あーっ、もう駄目だ……)
布団を剥がされた男は、観念して目を瞑った。
男友「ようっ、おはよ。男」
男(あれ? 友は何も気づいてないや?)
男「ねぇ? 僕なにかおかしな所あるかな?」
男友「ん? おかしな所? ああ、寝癖がすげーな」ハハッ
男「え? それだけ?」
男(そっか、ダブダブのパーカー着てるから、胸の膨らみも隠れてるし、これなら分からないのかな?)
男友(はぁ……それにしても今日も男は可愛いなー……)ポーッ
男友(男とは思えないサラサラの綺麗な黒髪、大きな瞳に長い睫毛、高い鼻筋、エクボが可愛い桃色の頬、ぷっくらと柔らかそうな唇。
華奢な身体、長い手足、決めの細かい白い肌……)ジーッ
男「ねぇ、おーい? 友ー?」
男友(うーん、何度見てもやっぱり女の子みたいに見えるよな……? こいつが女の子なら間違いなく告白してる所だよな……)
男「友ったらー!」バシッ
男友「いてっ!」
男「もーっ、さっきから何ボーッとしてるの?」
男「僕着替えるから、ちょっと部屋の外に出ててよ」
男友「はっ? 何で? 別にいいじゃん。俺ら男同士なんだしよ」
男「ううっ……そ、それは……」
男「だっ、駄目だよっ! 親しき中にも礼儀有りって言うでしょ? そう言う事なんで、部屋の外に出ててね」グィ
男友「あっ、おいっ!」バタン
男友(ちぇっ……男同士なのに何を気にしてんだ、あいつは)
男(どうしよう……何もしないと、この胸目立つよね……?)
胸の膨らみを恨めしそうに見つめながら、男はどうするか思案する。
男(取り敢えず、救急箱に入ってる包帯でも巻いて……)ギュッ
男「痛っ!」
男(うぅ、ちょっと苦しいけど……これなら目立たない……かな?)
ガチャ
男「ごめんね。お待たせ」
男友「待ちくたびれたぜ」
男「さ、学校行こう」ニコッ
男友「ん……ああ……」
男友(それにしても……変だな? いつにもまして男が可愛く見える……?)ゴシゴシ、ジーッ
視線を感じた男は首を傾げ、男友に声をかけた。
男「んー? どうしたの? ともぉ? 早く行こうよ。遅刻しちゃうよー」
男友(……小首を傾げるな。女の子かお前は、可愛いすぎんだろ……)
男「?」キョトン
男「ねぇ、ところでなんで友は毎日僕の家に来てくれるの? 大変じゃない?」
男友「お前の役に立ちたくてな、引っ越してきた当初、誰とも話さないし、殻に籠ってるというか、なんというかさ」
男「だ、だって緊張してたし、こんな容姿だし、また馬鹿にされるのかなって思ったから……」
男友「馬鹿だな、そんなつまんない事を気にしてたのか?」
男「だって……今まで色々あったから……」
寂しげな横顔が男友に過去の出来事を想像させた。
男友「今の学校楽しいだろ? 過去の事なんて気にするなよ」
男「うん、友は本当優しいね」
男友「ま、まあな」
男友(女の子みたいな容姿で、きっと色々苦労してるんだな、俺が守ってやらねーとな……)
ー学校ー
男(学校着いたけど、大丈夫かな? ばれないよね……)ドキドキ
女「男君おっはよー」ポンッ
男「ひゃっ!」ドキン
そんな事を考えていた矢先に、背後から突然肩を叩かれた男は、文字通り飛び上がった。
女「わっ! 軽く肩を叩いただけで、そんなに驚かないでよー」アハハ
男「なっ、なんだ、女さんかぁ……びっくりしたぁ……」
女「ビックリしたのはこっちだよ、どうかしたの?」
男「う、ううん、べっ、別になんでもないよ。本当に」ブンブン
男友「なんだよ女、俺には挨拶なしかよ」
自分には挨拶をしない幼馴染みに男友は不満げに言った。
女「なんだあんたも居たの?」
男友「この扱いの違いは……」
女は男友の幼馴染みで、クラス委員を務めるしっかり者で優しい女の子だ。トレードマークのポニーテールがよく似合っている。
女「ふんっ! あんたなんかに挨拶する必要なんてないわよ!」
男(あはは……変わらず女さんは友には厳しいな……。
でも、しょっちゅう喧嘩してるけど、ホントはきっと仲が良いんだよね? 喧嘩する程仲が良いって言うしね)
男友「ひっ、酷ぇ……うわーん、男〜。女が苛めるよー」ギュッ
男「ちょ、とっ、友、離して……」
男友(はぁ……良い匂いがする)クンクンスーハースーハー
女「こら、変態。どさくさに紛れて男君に抱きつくな」スパン
男友「いてぇな! 誰が変態だっ! 男同士の只のスキンシップだろうが!」
女「男君が困ってんでしょ! がさつなあんたと違って男君は繊細なんだからねっ!」
女「第一あんたが、男君に抱きついてると、絵的に女の子が襲われてるみたいに見えるのよ!」
男友「……その例えは、いくらなんでも酷すぎじゃないか……?」
女「だってホントの事じゃん」
男友「流石の俺でも傷つくぞ……」
女「男君もあんまり優しくしたら駄目よ。こいつすぐ調子に乗るから」
男「う、うん……」
男友「えーっ……そんな事ないよな? 只のスキンシップだよな?」
男「う、うん……」
男友「ほら、女も聞いただろ? 俺ら親友だもんなー」エヘン
女「たくっ、男君も遠慮しないで嫌な事は、嫌って言わないと駄目よ?」
男「で、でも、友は優しいよ?」
男友「さすが男は分かってるぜ、女とは違うなー」
女「こいつは……」
男「そういえば、今日の1限って何だっけ?」
男友「体育だろ?」
女「体育ね」
男友と女は同時に答えた。
男「た、たっ、体育!?」ガタッ
男友「そうだけど……どうした? そんなに焦って?」
男(着替えどうしよう……)
男友「おい? 大丈夫か?」
男「あっ、うん……大丈夫……」
男友・女(?)
男友「おーい、早く着替えないと体育教師に怒られんぞ」
男「う、うん……」
男友「皆もうグランドに行っちゃったぞ。教室に残ってるの俺達だけだ。お前も早く着替えろよ」
男「ね、ねぇ、ちょっと後ろ向いててくれないかな?」
男友「なぁ? さっきも着替えを見られたくないとか言ってたけど、俺の事そんなに嫌か?」
男「嫌いな訳ない……友はこの学校で初めて出来た僕の大切な友達だもん……」
泣きそうな顔の男は大きく頭を振った。
男友「じゃあ何で?」
男「あの……恥ずかしい……から」モジモジ
男友「男同士なのに?」
男「うん……」
男友「全く仕方ねーな」クルッ
男友「ほらよ、これでいいか? はよ着替えちゃえよ、遅れるぞ」
男「ごめん……ありがと友」
男友「謝るなよ、別にいいよ」w
ー教室前廊下ー
DQN(あー、体育なんてかったるくてやってらんねー、教室で寝るか)スタスタ
DQN(ちっ、まだ誰か居やがる。早く出ていけよな……)
教室内に人が居る気配を感じたDQNはそーっと中を覗いた。
男(早く着替えないと……)
男(やばっ! 包帯が弛んでる。結び直さないと……)スルスル
男(もっと強く縛らないと、ばれちゃう……痛っ……)ギュッ
DQN(はぁ!? 男が女?)
男友(なんで急に裸を見られるのが恥ずかしいなんて言い出したんだろう? 女の子じゃあるまいし……)
男友がそんな事を考えてる間に背後から声が聞こえた。
男「お待たせ。ごめんね、変な事頼んで……」ハァハァ
男友「よし、じゃあ急いでグランド行こうぜ」タタタッ
男「うん」タタッ
DQN(とんでもないもの目撃したぜ。あいつ女だったんだ。くくっ、こりゃいいや)
ーグラウンドー
体育教師「よーし、今日は持久走のタイム測るぞー」
男友「げーっ、マジ? 今日の体育持久走かよ……」
男「……」
男友「お前、走る前から顔色良くないけど大丈夫か?」
男「う、うん……」
男(胸を目立たなくさせる為に包帯を強く巻きすぎたかな……ううっ……胸が苦しい……)
体育教師「じゃあグラウンド50周始め」
男友「あーあ、仕方ねーな。行こうぜ男」タッタッタッ
男「うん……」タッ
ー30周目ー
男友「うー、普段の運動不足がたたるな……」ゼーゼー
男友「男は平気か?」
隣を走る男に男友は声をかけた。
男友(ん? 居ない? あれいつの間にあんな後ろに……)
男(……元々あんまり体力に自信無かったけど……女の子になって余計に落ちてるの……かな?)ハァハァ
男友「おい、大丈夫か?」ポン
走るペースを落とし、男の横に並んだ男友は肩を叩き声をかけた。
男「あ、友……はぁ……はぁ……ぼ、僕に合わせて……ペース落とさなくて……いいよ」ゼェゼェ
男友「おっ、お前、顔が真っ青じゃねーか! もう無理すんな!」
男「だい……じょう……ぶ」ドサッ
言うと同時に男はグラウンドに倒れこんだ。
男友「あっ! おい男!」ユサユサ
男「はぁ……はぁ……」
男友「先生ーっ!」
男友の叫び声に気づいた体育教師が、駆け寄ってくるのが見えた。男友はすぐに経緯を説明した。
体育教師「軽い酸欠みたいだな、それと倒れた時に頭を打ってるかもしれないから、誰か保健室に連れていってくれ」
男友「先生! 俺が男を保健室に連れて行きます」
体育教師「安静に頼むぞ」
男友「よいしょっと、うお! こいつめっちゃ軽いな……」
男「う……うっ……」ゼェゼェ
男友(まるで本物の女の子みたいだな……)
ー保健室ー
男友「失礼しまーす」ガラッ
男友「保健の先生留守かよ」
男友「とりあえず、男をベッドに寝かせてと」ヨイショ
保健室のベッドの上に男を寝かせ、男友はベッドの淵に腰を掛けた。
男「……」ハァハァ
男友(苦しそうだな……)
男「胸……苦しい……」
苦しさからなのか、男は無意識の内に思わず言葉を漏らした。
男友(胸が苦しい? 圧迫しないように上着を脱がした方が良いのかな?)
男友(しかし、こうして寝ている姿だけ見てると女にしか見えねーな)
男友「……」ゴクリッ
男友(ち、違う。これは断じてそういう意味じゃない! 男が苦しいって言ってるからだからなっ!)
自分にそう言い聞かせ、男友は寝ている男の体操着を上に捲った。
男友(ええーい!)ペラッ
男(こいつの肌スゲー白くて、すべすべで綺麗だな。これで男だなんてとても信じられねー……)ドキン
男友(ん? 何で胸に包帯なんか巻いてるんだ。怪我してるのか?)
男友(それもこんなガチガチに巻いたら苦しいに決まってる。少し弛めてやるか)スッ
男友(えっ? ぷるんって……?)
男友「うわぁぁぁー! おっぱいが、おっぱいが……」ガタンッ
男友は驚きのあまり腰掛けていたベッドの淵からずり落ち落ちた。
男友(う、嘘だろ……お、お、おっ、男って、女の子だったの……?)
男友(目の前におっぱい丸出しで倒れてる可愛い女の子……)ジーッ
男友(周りには誰も居ない)キョロキョロ
男友(ちょっとくらいなら……気づかれないよな……)ハァハァ
欲望に負けた男友は、寝ている男の柔らかそうな膨らみに向かって、自然に手が伸びていた。
男友(はぁ……はぁ……)ゴクリッ、スッ
男「……」
男友(や、やばい……温かくて柔らかくて……)ムニュムニュ
男「んっ……」ピクッ
男「ふぁ、んっ、 なっ、何してるの……? えっ? 友……?」
覚醒した男は、上半身を露出させている自分と、その胸を触っている男友の姿に混乱しながら言った。
男友「あ、あっ、これは、その、違うんだ……」
全く説得力のない台詞を吐いた男友を無視し、男は振り払うようにベッドから起き上がった。
男「……」ダッ
男友「あっ! 男ちょっと待って……俺の話を聞いてくれ!」ギュッ
男の手をとっさに掴み男友は叫ぶ。
男「ひっ! や、やだっ!」ドンッ、タタタッ
男友「うおっ!」
男友の姿を一瞥してから男は保健室から駆け出した。
突き飛ばされた男友は、逃げ出した男の後ろ姿を見つめながら自嘲気味に呟いた。
男友「何やってんだ俺……無防備な男にあんな事して……最低だ……」
授業が終わり体育館から教室に戻る途中の女が、保健室から駆け出す男に気づいた。
女(男君? あれれ……校舎の外に走ってっちゃった?)
女「あっ! おーい友」ブンブン
少し後に保健室から出てきた男友の姿を認めた女は、男友に向かって手を振った。
女「どうしたのよ? 珍しく元気ないじゃない?」
男友「そう見えるか……?」
女「?」
女「今男君が凄い勢いで、外に駆けて行ったけど何かあったのかしら?」
男友「……」ドキッ
女「早退かなー?」
男友「あ、ああ。そうじゃね……」
女「家の事とかかな?」
男友「あ、ああ……」
女(何よ、こいつ……? 空返事ばっかり)
男友(やっぱ後で男の家に行って謝ってこよう……あいつ許してくれるかな……?)
ー放課後ー
男友(ふぅ、気が重いけど、男の家へ行かなきゃな……)
女「友ー、男君の家行くの?」
男友「あ、ああ……」
女「私も一緒に行くわよ」
男友「お前も来るの?」
女「クラス委員だもん、クラスメートの事を心配するのは当然でしょ?」
女「それとも私が行ったら邪魔かな?」
男友「邪魔って、ど、どっ、どういう意味だよ!」
女「友は男君の事が、大好きだもんねー」クスクス
全てを見透かしている女は、うろたえている姿を見て、にやにやと笑っている。
男友「ば、馬鹿、お前何言って……」カァッ
女「あらあら、真っ赤になっちゃって分かりやすーい」
男友「ぐぬっ……」
女「ふふふのふ、私の目は誤魔化せないわよ!」
男友「ちっ、昔からお前には隠し事できねーな……」
女「あんたとも無駄に付き合いが長いしね」
男友「小中高一緒だもんな……腐れ縁も極まれりだな……」
女「ふふっ、そうね」
女「だから、あんたの事なんて全部お見通しよ」
男友「それにしても、お前よくあっけらかんと笑ってられるよな?」
女「なんでよ?」
男友「なんでって、俺は男であいつも……」
言いかけてから男友は慌てて口を止めた。
男友(まさか男が女の子だったなんて、こいつにも言えねーよな……)
女「ん? もしかして男同士だからって事を気にしてるの?」
男友(ばらす訳にもいかねーし、ここは話を合わせておくか……)
男友「あたりめーだろ、男同士とか世間一般で言ったら、おかしーに決まってんだろ」
女「ふーっ、頭が古いな友君よ。世界には法律で同性婚をすでに認めてる国もあるというのに」
男友「むぅ……」
女「性的マイノリティは別に悪いことじゃないと思うわよ、私はね。だって本人達が好き同士なら、周りがとやかく言う事じゃないでしょ?」
男友「お前って以外としっかりした意見持ってるんだな」
女「だからあんたが、男君の事を好きでも別にね。それに男君はあの容姿だもんね、女の子ですって言っても全然通るよね」アハハ
男「ま、まあな」
女「ま、恋愛観なんて人それぞれってことよ、だから頑張りなさいよ」
男友(こいつなりに気を使ってくれてんだな……)
男友「気を使わせて悪かったな」
女「一応幼馴染みだもんね」
男友「お前って良い奴だな、すぐ叩いてくるけど……」
女「今頃気づいたか? あはは、気づくのが遅いぞ!」パシッ
男友「いてっ!」
女「さ、愛しの男君の家にlet's goよ! ふふふーっ」スタスタ
男友「ちっ、全くお前には敵わねーな……」
ー男家ー
ピンポーン
男母「はーい、友君に、あら女ちゃんまで、こんにちは」
男友・女「こんにちは」
男友「あのー……男は……?」
男母「せっかく来てくれたのに、ごめんなさいね。具合が悪いって学校早退して部屋で寝てるのよ」
男友「そうですか……」
女「男君が起きたら、お大事にって伝えて下さい」
男母「ええ、伝えておくわね」
男友・女「失礼します」ペコリ
男母「二人共、あの子が元気になったらまた来てね」ニコッ
男友・女「はい」
ー男部屋ー
男母「言われた通りにしたけど、本当に会わなくて良かったの?」
男「うん……」
男母「大丈夫? 何かあったらすぐ呼びなさいね」ガチャ
男「うん、ありがと……」
母親の姿を見送り、男はベッドの中で保健室での出来事を思い返した。
男(恥ずかしくて、思わず逃げだしちゃったけど……)
男(なんで友は……あんな事したのかな……?)
男(だって僕は男なんだよ? 今は何故か女の子だけど……)
男(僕の勘違い? 倒れた僕を看病してくれてただけ? で、でも友……僕の胸触ってた……)カァァッ
男(あー、気まずいよぅ……。明日どんな顔して友に会えばいいの? 学校行きたくない……)
ー帰り道ー
女「あんた男君に何したの?」
男友「ぎくっ……。おま、なっ、なんでその事を……」
女「ふぅ、全くあんた馬鹿?」
女はやれやれという風に、溜め息をつき鈍い男友に言ってやった。
女「男君のお母さんと話をしてる時も、なんかそわそわしてるし、なにか隠し事があるのバレバレよ?」
男友(こいつ……鋭すぎんだろ……)
女「何をしたのか知らないけどさ、どうせいつも通りあんたが悪いんでしょ?」
男友「それは充分に分かってるし……反省もしてる……」
女「そか、じゃあ明日学校でさっさと謝っちゃいなさいよ?」
女「私はこっちの道だから、じゃあね友」
男友「ああ……」
男友(でも、会って謝りたかったけど、会えなくてホッとした気持ちも、正直あるな……)
男友(保健室を飛び出して行った時のあいつの顔……)
男友「俺……明日もあいつを迎えに行ってもいいのかな……?」
男友は、してしまった事への後悔と不安からぽつり独り言を呟いた。
女「平気でしょ? 男君優しいから、きっと笑って許してくれるわよ」
男友「おわっ! で、出たっ!」
女「何よ! 人をお化けみたいに」
男友「まだ帰って無かったのかよ……ビックリさせんなよ……」
男友の抗議の声を無視して、女は続ける。
女「男君はホントにあんたの事を信頼してるんだからね。その信頼を裏切ったりしたら、あたしが許さないんだからねっ!」
女「じゃあ今度こそバイバイ」スタスタ
男友(信頼かぁ……その信頼を裏切るような事を俺は、やっちまったんだよな……)
男友(はぁ……自業自得とはいえ……気が重い……)
ー翌朝ー
男友(あいつ許してくれるかな?)ピンポーン
男母「あら、友君おはよう。昨日は来てくれてありがとね」
男友「おはようございます。い、いえ……」
男友(元はといえば、俺のせいでとは、とても言えない……)
男母「男ー、友君が迎えに来てくれたわよー」
男は母親の呼び掛けに10秒も経たず、玄関に現れた。
男「あっ……おはよう、友……」
男友「あっ、ああ、おはよう男」
昨日の出来事からお互いに、ぎごちない挨拶を交わす。
男母「二人共行ってらっしゃい。気を付けてね」
男・男友「行ってきます」
男「……」
男友「……」
並んで学校へ歩き出した。無言に耐えきれず、最初に声を出したのは男友の方だった。
男友「な、なぁ、男」スッ
男「ひゃぁ! なっ、何?」ビクッ
男友(肩に少し触れただけなのに……この反応、これは完璧に嫌われちまったかな……)
男友「昨日の事は、全面的に俺が悪かった……ホントにごめん……」
男「……」
少し躊躇してから、男は思いきって男友に聞いてみた。
男「なっ、なんで、あんな事を……したの……?」
男友「正直、目の前におっぱいがあったら、男なら誰でも触りたくなるよな? な? な?」
男「……」
男友「許してくだせー、お代官様。ほんの出来心だったんです……」
男「……」
男友「まさかお前が、女の子だったなんて知らなくてさ。俺、気が動転しちゃって……」
男「ふーん、友は気が動転したら、人の胸を触るんだ?」
黙って聞いていた男は、男友に意地悪く質問した。
男友「そ、それは……」
男「それに僕は男だよっ!」
男が珍しく声を荒げて抗議する。
男友「だってじゃあこれは?」ツンツン、プニプニ
男「ひゃん!」
男友は不意に男の胸を、制服の上から指で突ついた。
包帯を巻かれた胸からも微かな弾力が跳ね返り、その弾力が女の子の胸である事を主張していた。
男「な、なっ、なんで……まっ、また触って……」カァァッ
男友「わわっ、ごめん、つい……」
男「僕だって知らないよ。昨日目が覚めたら、体が突然女の子になってたんだもん……」
男友「はぁ? 何それ?」
男「僕が聞きたいぐらいだよ……」
男友「なぁ? という事は、当然下も……」ジーッ
男「……。ばっ、馬鹿ぁ!」
男友の視線に気づいた男は、両手で股間を押さえキッと睨み付ける。
男友「そんな怒るなよ、健全な男子なら、当然気になる事じゃん」
男「うぅ……どうしてこんな事に……」
男友「あはは、神様が性別を変えたんじゃね? お前は女の子みたいに可愛いからさ」
男「可愛いって……な、な、何、いっ、言って……」モジモジ
男友(この可愛さは反則だろ……ふぅ、やばい惚れ直した……)ジーッ
男友の思いとは裏腹に、 男はこれからの事を思い溜め息をついた。
男「はぁ……僕はこれからどうしたらいいんだろう……?」
男友「女の子になれるなんて最高じゃん。俺は羨ましいぞ」
男「え? どうして?」
男友「それはだな……」コホン
男友はもったいつけてわざとらしく軽く咳払いをした。
男友「女はエッチの時、男の何倍も気持ち良いらしーぞ」
男「……」カァッ
男「真面目に聞いて損した……変な事ばかり言う友なんて、もう知らない……」プィ
男友「冗談だよ。もう言わないから許して」
男「友ったら他人事だと思って……女の子の日とか……僕どうしたらいいの……」ゴニョゴニョ
男友(何ぼそぼそ言ってんだ?)
男友「ま、なっちまったもんは仕方ねーじゃん。取り合えず、誰かにバレないように気をつけようぜ」
男「う、うん……そうだね……」
ー教室ー
女「ふふふ、その様子は男君と仲直りできたみたいだな?」
男友「ああ、おかげでな」
女「良かったな!」バンッ
男友「いてっ! いちいち叩くな!」
男「あ、女さんおはよう。昨日は来てくれたのにごめんね」
女「ううん、気にしないで。元気になって良かったね」
男「うん! ありがとう」
男は男友と女との会話に夢中で、DQNから放たれる絡み付くような視線に、全く気づいていなかった。
DQN(なんであいつは女なのに、男の振りして学校通ってんだ?)ジーッ
DQN(まぁ、なんか理由あるんだろうが、これをネタにふひひ……)「」
ー昼休みー
男友「あー、腹減った……昼飯、昼飯っと……」ゴソゴソ
男友「あーっ! しまったー!」
男「どっ、どうしたの友? そんなに大きな声だして?」
男友「弁当忘れた……」ガーン
男「僕のお弁当半分あげようか?」
男友「いや、悪いから購買行ってパン買ってくるわ」
男「そう?」
男友「すぐ買ってくるから、ちょっと待っててくれ」タタタッ
DQN(よし、今がチャンスだな。俺も購買行く振りしてと)スッ
DQN(そろそろいいか)ガラッ
DQN「おい、男」
男「えっ? あっ、DQN君……なっ、何?」ビクッ
男(何の用だろ……? DQN君怖いから苦手なんだよね……)ドキドキ
DQN「男が『今日天気が良いから屋上で飯食べよーぜ』だとよ。購買でパン買ったら直接行くんで、男も屋上に来てくれだとよ」
DQN「購買で会った男からの伝言、確かに伝えたからな」
男「わざわざありがとね」ニコッ
男(なんだDQN君良い人じゃん……見た目で判断してごめんなさい)
男(じゃあ僕も屋上行かないと)タッ
DQN(上手くいったな。こんな簡単に信じてこいつ馬鹿だ) クククッ
女「?」
ー屋上ー
男(友はもう来てるかな?)
屋上へ通じる扉のドアノブを回すと、錆び付いた鉄の扉が、ギィと耳障りな音を響かせた。
男「まだ居ないや。早く来すぎたかな?」
二分後、ドアの開く音を聞いた男は扉に向かって声をかけた。
男「あっ、友ここだよー」
しかしそこに現れたのは、男友ではなくDQNの姿だった。
男「えっ? どうしてDQN君が……」
DQN「よう男。いや女かな」ニヤニヤ
男「!?」
男「えっ? お、お、女って……な、何の事……?」
DQN「お前が男の振りしてるって、もうバレてんだよ!」
男「そ、そっ、そんな訳ないじゃん……」タタタッ
DQNに追及された男は、その場から逃げ出そうと駆け出した。
DQN「おっと、逃がす訳にはいかねーな」ギュッ
男「何するのっ! 止めてよ! 離してっ!」
DQNに片腕を掴まれた男は、身を捩って激しく抵抗する。
DQN「あっ? じゃあ、これはなんなんだよ?」ビリッ
力ずくで押さえつけたDQNは、両手で男の制服とYシャツを無理矢理引き裂いた。
ぶちぶちっという音と共に、千切れたボタンが宙を舞った。
男「なっ!?」
男「なっ、何するんだっ!」キッ
男はとっさに自由になる片手で、胸を隠し、睨みつけながらDQNに向かって声を荒げた。
男「こ、この変態っ!」
DQN「あ〜ん? 何言ってやがる。男の振りをして学校に通ってるお前の方がよっぽど変態じゃねーか」
男「ちっ、違う、僕は……」
男の言葉を聞き終える前にDQNは、はだけたシャツから覗いている包帯に、ナイフを押し当てて言った。
DQN「おっと、動くと怪我すんぞ!」
男「ひっ……」ビクッ
DQN「ほれほれ動くと怪我すんぞ! へへへ……」ビリビリ
男「や、やだっ……止めて……」
男の言葉を無視して、DQNはナイフで、胸を覆っている包帯を徐々に切り裂いていく。
DQN「へへ、可愛いおっぱいしてるじゃねーか? これでもまだ男だなんて言うのか、あ?」ムニュムニュ
すっかり露になった男の胸を揉みながら、DQNは下卑た声を発した。
男「!?」ビクンッ
男「やっ! やだっ! 離せーっ! 離せったらーっ!」ジタバタ
男(うぅ、力が入らない……女の子の身体ってなんて弱いんだ……)
DQN「うるせーな! 男に力で敵うはずねーだろ? おらおら、大人しくしてろや!」バシッバシッ
男「あぅ! うぐぅ……」
DQN「へへへっ、騒いだってこんな所誰も来やしねーよ」モミモミ
男「やっ、いやだよ離して! お願いだから……もう止めてよぅ……」
DQN「ばーか! こんな楽しいこと止めるわけねーだろ」グリグリ
男「い、痛い! 痛いっ! やだーっ!」ジタバタ
DQN「じっとしてろやっ!」バシッ
男「きゃっ! うぅ……ぐすっ」
DQN「ふへへ……」
男「もう嫌だっ! だ、誰かーっ、お願い助けてーっ!」
DQN「ちっ、うっせーな!」
DQNは千切った包帯を、口の中に押し込み、更に余った包帯で男の両手を後ろ手に縛りあげ拘束した。
男「!? むーっ! んーっ!」ジタバタ
DQN「ふひひ、可愛い乳首してるじゃん?」ペロペロ
男「んーっ! んっ……ひっく……えぐっ……うっ……うっ」ポロポロ
DQN「何泣いてんだよ? おらおら気持ちいいって言ってみろや? あ、口塞がれて言えねーか」ヒャハハ
男「ふぐっ、んーっ! むぐーっ! うぅ……えぐっ……」バタバタ
DQN「嫌がってるけど、ホントは感じてんだろ?」フヘヘ
男(えぐっ……友……ともぉ……助けてよぉ……こんなの……こんなの……僕嫌だよぅ……)グスッ
DQN「お前男友の事が好きだろ? いつも一緒に居るもんな。相手があいつじゃなくて残念だったなー? ヒャッハー!」
ー購買ー
男友「どけーっ! その焼そばパンは、俺のものだーっ!」
男友「おばちゃん。焼きそばパンとコロッケパンとチョココロネね」
男友「ふーっ、やっと買えた。昼の購買はさながら戦場だな……」
男友「さ、男が待ってるから、早く教室に帰らないとな」タタタッ
男友「あれ? 男が居ない……?」キョロキョロ
女「ん? あんた屋上に行ったんじゃないの?」
男友「はぁ? 購買にパンを買いに行っただけだぜ?」
女「あれ? さっき男君とDQNが、あんたが屋上で待ってるって話をしてたけど?」
男友「屋上? DQN? なんでそんな所に……」
男友「何か嫌な予感がする……」ダッ
女「はやっ!」
ー屋上ー
DQN「おい! 包帯取るけど、騒いだらまた殴るからな!」
男「……」コクッ
すっかり抵抗の意思を削がれた男は、力なく頷く事しか出来なかった。
DQN「取るぞ」スッ
男「ゲホッ……ゴホッ……けほっ、けほっ……」ハァハァ
DQN「なぁ? 何で俺が口から包帯を取ったか分かるか?」ニヤニヤ
男「えっ? な、何で……?」
DQN「しゃぶらせる為に決まってんだろ!」ボロン
男「!?」ビクッ
男「んーっ、むーっ!」フルフル
めっちゃ勃起してきた
DQN「おら口開けろよっ! 皆にお前が女だってばらすぞ!」バシッバシッ
男「 うぅ……止めてよぅ……もう殴らないでよぅ……」ポロポロ
DQN「女の癖に男の振りなんかしやがって! おら! しゃぶれ!」グィ
DQNは髪を掴み、自分の下半身に無理やり男の顔面に押し当てた。
男「やだっ! 臭いっ、やめてよーっ!」
DQN「おらおら! 口で奉仕しろや」ズリズリ
男「ぐすっ……やだ……やだぁ……」フルフル
男(こんなの……嫌だ……助けてよぅ……友……)グスン、ポロポロ
DQN「早くしろや。まだ殴られ足りねーのか? あん?」イライラ
男「ぐすっ……ひっく……」ビクッ
屋上にかけ上がった男友が目にしたのは、全身がボロボロで後ろ手に拘束された男と、下半身を露出させたDQNの姿だった。
一瞬で状況を理解した男友は、次の瞬間DQNに向かって走り出していた。
男友「男!」
男友「DQNてめぇーっ!」ドカッ
後ろから不意打ちをくらったDQNは揉んどり打って倒れこんだ。
DQN「ぐはぁ!」ズザーッ
男「とっ、友ぉ……」ブワァ
男友の姿を確認した男は、安堵から大きな瞳から涙を溢れさせた。
男友「こいつだけは……絶対に許さない! 男に謝れーっ! 女の子にこんな酷い事しやがってー!」ドカッバキッ
怒りに震える男友は倒れたDQNに拳と蹴りの雨を浴びせた。
体を丸めて殴打から身を守っているDQNは弱々しいうめき声をあげた。
DQN「ぐふっ、げふっ」
男友「男にこんな酷い事をしやがって……このカス野郎!」
DQN「ぐぅ……もっ、もう、止めてくれ……」
男友「お前は同じ事を言った男を許したのか?」
DQN「そ、それは……」
男友「自分より弱いものにしか、強く出られない癖に……」ギリギリ
男友「この卑怯者が! 死ね! お前なんか死んじまえっ!」ドカッドカッ
DQN「がはっ……もう……許し……て……くれ」
男友「許さん! 死ね!」ガシッガシッ
男「だめ、それ以上やったらDQN君が本当に死んじゃうよーっ!」
殴り続けている男友の背中に向かって、男は必死に大声をあげた。
男友「男……でもこいつは」
男「もう許してあげて……もう充分……だから」
男友「お前……自分だってそんな酷い事されたのに……」
男友「こんな優しい奴に……DQNてめぇはー!」キッ
DQN「ひっ! ひぃ、た、助けて……」
男友「男がああ言ってるから、今日はこれだけにしておくがな」
一瞬間をおいてから男友は、低い声で続けた。
男友「もしまた男に手を出そうとしたら……今度こそ殺すからな。
それと男が女って誰かにバラしたら、どうなるか分かってるな?」ギロッ
DQN「はひぃ〜」ダダッ
男の鋭い眼光に、DQNは言葉にならない声をあげながら逃げていった。
男友「ちょっとまってろよ」
男友は男に駆け寄り、拘束している包帯を歯を使って引きちぎった。
男「友……ぐすっ」ギュッ
両腕が自由になった男は泣きながら男友の体に抱きついた。
男友「お、おい男……大丈夫なのか? 口の端から血が……」スッ
男「えぐっ……ひっく。怖かった……ホントに怖かったの……」ポロポロ
男友「そっか……可哀想に」ファサ
男友は男の上半身に自分の着てた上着をそっと掛けてあげた。
男「でも……きっと友が……助けに来てくれるって……僕信じてたんだよ」グスッ
男友「遅くなって悪かったな」
そう言って男友は、男の柔らかい髪を撫でてあげた。
男「ううんっ。助けてにきてくれて……嬉しかった……」
男は男友の胸に顔を擦り付ける。
男「君とこうしてると、何だかとっても安心……えへへ、男同士なのに可笑しいね……」
男友(あーっ、男が可愛いすぎて、俺がどうにかなりそうだ……)
男「ともぉ、もう少しだけ……こうしててもいい……?」ジーッ
男の大きな黒い瞳に見つめられ、男友はただ頷く事しか出来なかった。
男友「あ、ああ……」ドキドキドキ
男友(ふぅ……ずっとこうしていたいものだぜ)
女「男君ー? 友ー? 居るのー?」タタッ
女の目に飛び込んできたのは、まるで恋人同士のように抱き合っている二人の姿だった。
女(おやおやー? これはこれは……ひょっとしてー?)ニヤニヤ
女「あらあら、こんな真っ昼間から見せつけてくれますわね」クスクス
男友「げげっ! お、女! お前いつからそこに……?」
女「ぷぷっ、君達が抱き合って、愛を確かめあってる時からかな」
女「抱き合っちゃって……まあ、お仲がよろしいようで」クスクス
男「これは違うの……そっ、その、別にあの……えーと」アタフタ
男は男友と抱き合ったまま、必死に言い訳をする。
男友「お前、ご、誤解すんなよ! こ、これはち、違うんだからな!」
女(ぷっ……友ったら嬉しい癖に無理しちゃって。意外なのは、男君もそんなに嫌がって無い事かな?)
女(なんだかんだ言っても、この二人は案外お似合いなのかもね)フフッ
男友「な、何笑ってんだよ!」
女「べっつにー。お邪魔虫は消ーえよっと。じゃねー」タタタッ
男友「もう昼休み終っちまうな」
男「うん、そうだね」
男友「午後の授業出られるか?」
男「出たくない……」
男友(そりゃあんな目に遭えばな……DQNと同じ教室に居るのも嫌だろうな……)
男友(気分を晴らしてやりてーな、うーん……あ、そうだ!)
男友「なぁ、男? 午後の授業サボらね?」
男「えっ……?」
男友「だからぁ! たまには授業フケて遊びに行っちゃおうぜ!」
男(そっか友……僕の為に……)
男「うん……いいよ」
男友「よし決まりだな」
男(ありがとね……友)
男友(これって、ひょっとして、男とデートじゃね……?)
ー教室ー
男友「女ーわりぃけど俺と男、午後の授業さぼる事にしたからよ、先生には早退したって言っておいて」
女「ちょっとあんた! ひょっとして男君とデート? うふふ」
男友「なっ……ばっ、馬鹿な事を言うなよ」
女「まっ、いいわ。先生には言っといてあげるわよ」ニヤニヤ
男友「おぉ、サンキュー。じゃあよろしく頼んだぞ」
女「貸しだからね。今度何か奢りなさいよ!」
男友「ああ、何でも奢ってやるよ」
女(やれやれ……ま、しっかり頑張ってきなさいよ)
男友「お待たせ」
教室の前で待っていた男に、鞄と自分の予備のYシャツを手渡した。
男「ありがとう」
男友「先生に見つかる前に、さっさとずらかろうぜ」
男「うん!」
ー街中ー
男「どこ行くの?」
男友「まずは、お前の服を買わなきゃな」
男友(学校を出る前に俺の予備のYシャツを着せたけど、流石にこれじゃあな……)
男友のYシャツは小柄な男には大きすぎ、袖を何度も折り返し着ていた。
しかしサイズが大きいのが幸いし、胸の膨らみを上手く隠している。
男「でも……僕今日服を買う程、お金持ってないよ……」
男友「大丈夫バイト代出たばかりだから、金は俺に任せとけよ」
男「そんなの悪いよ……」
男友「いや、いいんだよ。その代わり……」
男「その代わり?」
男友「いや……その……ほら、お店に着いたぞ」
男「えっ? ここって……?」
ー洋服屋ー
男「あれ……えーっと……ここって女の子の洋服屋さんだよね?」
男友「ああ」
男「……」
男友「今のお前なら絶対似合うと思うぞ。なんたってホントの女の子なんだからな」
男「で、でも……」
男友「やっぱり駄目? 男の服の方が良い?」
男(友にはお世話になりっぱなしだし、さっきも助けてもらったし……)
男「ううん……いいよ」
男友(いやっほぅー!)
男(ちょっと恥ずかしいけど……友が言う通り今は女の子なんだし、これ位いいか……)
男友「すみませーん。この娘に合う服を適当に選んで欲しいんすけどー」
男「……」モジモジ
店員「いらっしゃいませー。かしこまりました」ニコッ
店員「じゃあ、彼氏さんはこちらでお待ち下さいねー」
男友「か、彼氏……?」
男友(彼氏かぁ……なんて良い響きだ〜……)ジーン
店員「?」
店員「じゃあ彼女さんは、こちらにどうぞー」
男「か、彼女……?」
男(えっ? あっ、ぼ、僕の事か)
男「は、はっ、はい!」
店員(この二人……なんか変なカップル……? この娘は、男の子の制服着てるし……?)
ー15分後ー
店員「如何でしょう?」ガラッ
カーテンの向こうから現れた男に、男友は言葉を失った。
男友「おま、お前……」
男「ど、どう? 変じゃない……?」
店員に促され、男友の前で体を一回転させると、パステルカラーのスカートがふわりと波打った。
すらりと伸びた長い脚にミニスカートがよく似合っている。
男友「お前が天使過ぎて、俺直視出来ない……ま、眩しい」
男「と、とっ、友ったらオーバーだよぅ……」カァァッ
店員「お客様は素材が良いので、コーディネートのしがいがありましたよ」ニコッ
男「そ、そっ、そんな……僕なんて……」
男友「全部でいくらですか?」
店員「あっと、失礼しました。お会計は19800円になります」
男(そんなに……するんだ……)
男友「はい。じゃあこれで」
店員「ありがとうございましたー」ペコリ
男「ともー、こんな高い服を買って貰っていいの……?」
男友「うん。だって俺が着て欲しいって言ったんだから」
男「でも……」
男友「いいんだよ、気にすんな」
男「う、うん……ありがと……」
男友「さ、行こうぜ」スタスタ
暫く歩いた後、男は何かに気がつき、男友に不安げに尋ねた。
男「ねぇ、やっぱりこの格好おかしいんじゃないかな……?」
男友「なんでだよ? すげー似合ってるのに」
男「だ、だって……さっきからすれ違う男の人が皆、僕の事をジロジロ見てくるから……」
男友「ぷっ! くすくす……」
男「なんで笑うのっ!」
桃色の頬を膨らませて、男は男友に向かって抗議の声をあげた。
男友「馬鹿だなぁ、変だから見てくるんじゃなくて、お前がすげー可愛いから、皆が見てくるんだろ?」
男「僕が凄く可愛い……?」
男友「ああそうだ。めちゃくちゃ可愛いんだよ!」
男「そんな可愛いって連呼しないで、恥ずかしいよ……」カァァッ
男友「それは無理。だってホントに可愛いんだもん」
男「あぅぅ……」
男友「さてと、じゃあこの後どこに行こうか?」
男友「映画観るか、カラオケ行くか、それともゲーセンでも行くか?」
男友「男は何がしたい?」
男「僕は何でもいいよ」
男友(むー、ギャルゲーとかだと、この選択でフラグが立つとこだな)
男友(ここはやっぱり王道の映画かな?)
男友「んじゃ、映画にしようぜ」
男「うん」
男友(さてと、ジャンルはどうするか? ここからが問題だぞ)
男友(やっぱり恋愛映画かな? いやホラーで怖がらせて、抱きつかせるのも捨てがたいな……)
男「?」
ー映画館ー
男「なんの映画観るの?」
男友「ふふふっ、それは入ってからのお楽しみだ」
男「映画館で映画観るの久しぶりだから楽しみー」ワクワク
男友(よし、ここはやっぱりホラーだろ。上手くいけば、あんな事や、こんな事にも……ぐふふ)
男友「チケット買ってくるから、ちょっと待っててな」
男「うん」
男友「『死霊の夏休み』高校生2枚下さい」
チケット売り場嬢「『死霊の夏休み』高校生2枚ですね」
男友「どうもー」
男友「お待たせ。さ、入ろうぜ」
男「お帰りなさい」
男友「さ、始まるぞ」
男「うん」ドキドキ
スクリーン『この化け物ー! 死ね! 死ねーっ!』ガシッガシッ
男「ひっ! 何これ……?」ドキッ
男友「さっき買ったパンフレットによると『全米が震撼したスプラッタームービーの最高傑作がついに日本に上陸!』だってさ」
男「えぇ? 僕ホラー映画苦手なのに……」ビクビク
スクリーンに映し出されるグロテスクな映像に男は無意識の内に、男友の手を握っていた。
男友(計画通り!)ニヤリ
スクリーン『銃で撃ってるのに、なんで死なな……うわぁー! くっ、来るな化け物ーっ!!』パーンパーン
男「もうやだよぉ……怖いよぅ……」ギュッ
握った手に思わず力が入り、男の手からは震えが伝わってくる。
男友「大丈夫だって、俺がついてるから……」ギュッ
男「うぅ……怖いよぅ……」ブルブル
スクリーン『ぎゃあー! びちゃ、びちゃ、ぐちゃ、ぐちゅ……ぶしゅー!』
男「ひぃ……! も、もう……やだぁー!」ヒシッ
男は恐怖の余り、スクリーンから目を背け、隣の席の男友にしがみついた。
男友(きたー! 胸の感触が腕に……はぁ……幸せ……)
ー映画館ロビーー
男「うぅ……こんな映画見せるなんて酷いよぅ……」グスッ
男友「わりぃ、わりぃ。俺てっきり、男もホラー映画好きだと思ってさ」
男「好きな訳無いよぉ……ぐすっ、自分の血を見ただけでも、気分が悪くなるのに……」
男友「ごめんな」ナデナデ
男「ぐすん、ひっく……」
男友(まさか泣いちゃうなんて……ちょっとやりすぎたかな……)
男友「おっ、そうだ、ちょっと待ってろよ」タタタッ
男友「ほれ、男」スッ
そう言って男友は、買ってきたソフトクリームを男へ差し出した。
男「えっ?」
うつむいて泣いていた男は、男友の声に顔をあげた。
男友「冷たい物でも食べて落ち着いてくれ」
男「……うん」
男友「じゃあこれをどうぞ」スッ
男友は姫に仕える騎士のように、男に向かって恭しくソフトクリームを差し出した。
男「えへへ……美味しい」ペロペロ
男友(機嫌直してくれたかな? それにしても舌使いがエロい……)ウッ
男「友〜? なんで前かがみになってるの?」ペロチュパ
男友「お前のせいだろ……」
男「えっ? 何で僕のせい?」キョトン
男友(天然過ぎる……)
何これ素敵
男「あっ、もうこんな時間なんだね」
映画館から出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。
男友「そうだな。そろそろ帰るか」
男「うん。そうだね」
暗くなった道を家に向かって、二人で並び歩きだす。
男「ねっ、友……今日は本当にありがとう」
男友「どうした? 改まって」
男「DQN君に襲われた時に、助けに来てくれたでしょ?」
男友「そんなの当たり前だ。お前は大切な友達だもん」
男「あの時の友……とっても格好良かった……よ」ボソッ
男友「えっ?」
男(あれ? 僕ったら何を言って……)カァァッ
男「な、何でもないよっ!」
男友「ははっ、変な奴だな」
男友「ああそうだ、忘れてた。帰る前にうちに寄っていけよ」
男友にそう言われた男は、ドギマギしながら応えた。
男「えっ? なっ、なんで?」ドキッ
男友「だって、その格好で家に帰ったら、おばさんビックリすんだろ?」
男「あっ! そっか、そうだよね……」
自分の姿を見返して男は呟く。
男(今、女の子の格好してるんだった。忘れてた……」
男友「すっかり馴染んで、俺には全然違和感無いけどな。あはは」
男「……」カァッ
男友「俺の服を貸してやるから、それを着て帰れよ」
男「うん……ありがと」
ー男友家ー
男友「ただいまー」
男「お邪魔しますー」
男「友の家に来るの久しぶりだね」
男友「そうだな、さてと、お前に貸す服を出さないとな」ガサゴソ
男友「んー。これでいいかな?」
男友はタンスの中からジーンズ、Tシャツ、トレーナーを出し、男に手渡しながら言った。
男友「部屋の外に出てるから、着替え終ったら声をかけてな」ガチャ
男「うん、分かった」コクリ
男(わぁ、ぶかぶかだ……。友は体が大きいもんね……)
男(裾と袖を折ればなんとか……こんな感じでいいかな?」
男「友いいよー」
男友「よし準備できたな。じゃあ、お前の家まで送って行くよ」
男「うん、ありがと」
ー帰り道ー
男(友と一緒に歩いているだけなのに……さっきから胸がドキドキするのは……何故だろう?)
男(僕どうしちゃったんだろう……?)
男友「おい? なんか顔が赤いけど、大丈夫か? 熱でもあるんじゃないか?」ピトッ
男友の大きな掌が男の額に触れた。
男「えっ、そ、そんな事ないと、おっ、思う……けど」アタフタ
男友「そうか?」
男「う、うん……」ドキドキ
男友(? 何か様子が変だな?)
男「あの、お、送ってくれて、あ、ありがと。もうここで、だ、大丈夫だから……」タタタッ
男は逃げるように、その場から走りだした。
男友「あ、おい友! あー、行っちゃったよ……まぁ、ここまで来れば、あいつの家は目の前だから大丈夫か」
男友(それにしても、突然走り出してどうしたんだろ? トイレかな?)
ー男部屋ー
男(はぁ……はぁ……思わず逃げ出しちゃった……)
男は自分の部屋に入るなりベッドの上に飛び乗った。
そのまま仰向けになると、ふーっと、深く溜め息を吐き、今日の出来事と男友の事を考えていた。
男(助けに来てくれた時の友……格好良かったな……)キュン
男(身体が変化してから、心も女の子になってきてる……?)ドキドキ
男(この服……友の匂いがする……)クンクン
男はベッドの上で、男友の服の匂いを嗅いでいると、何故か変な気分になり自然に手が動いていた。
男(変だよぉ……なんで友の事を考えると、胸がドキドキして……体が……熱くなって……)ムニュムニュ
男「んっ……あっ! ぁん……」
男(僕どうかしちゃったのかな……? こんな事して……)カァッ
男(でも、気持ち良くて手が止まらないよぉ……)クリクリ
『女はエッチの時、男の何倍も気持ちいいらしいぞ』男の脳裏に男友が言った言葉が浮かんだ。
男「友のいう通りだ……。んっ、はぁはぁ……んぁっ……」コリコリ
男(や、やだっ……変な声がでちゃう……) カァァッ
男(女の子の体って……んっ、な、なんで……こんなに敏感……なの)
男(ふぁ? なんか濡れてる……)ヌル
男「ぁぁ……あっ……んっ」チュクチュク
男(やだ、なっ、なにこれ……気持ち良すぎるよぉ……)ビクッ
男「友……友……ともぉ……ぁん、あっ……」クチュクチュ
男(頭がふわふわして……僕、僕、どうにかなっちゃいそうだよぉ……)
男「ぁっ、ハァ……ハァ……んっ……あっ、あっあーっ!」ビクンビクンッ
男「はぁ……はぁ……びしょびしょだ……」
男(僕……友の事を考えて……一体なにをしてるの……)カァァッ
ー翌朝ー
男母「男ー、友君が来てくれたわよー」
男「はぁーい……」
トントンガチャ
男友「男入るぞー。おはよー」
男「あっ……とっ、友……おはよ……」ドギマギ
男友「ん? どうした?」ニコッ
昨日の事を思いだし、男は男友の顔をまともに見られない。
男「うっ、ううん。なっ、何でもない……」カァッ
男友「?」
男友「部屋の外で待ってるから。着替え終ったら教えてくれ」
男「あ、あの、べっ、別に部屋の中で待ってても……いいよ」ボソッ
男友「えっ? えーっ! マジでー!?」
男「うん……」コクリ
男「……」スルスル
男友(こっちからだと……背中しか見えないけど……やべぇ)ゴクリ
男友(はぁ……白いなぁ……スベスベだなぁ……綺麗だなー)ウットリ
男(背中越しに、友の視線を凄く感じる……恥ずかしいよぅ……で、でも友になら……)
男友(それにしても、あんなに裸を見られるのを嫌がってたのに、どうしたんだろう?)
男物の制服に身を包み終った男が、放心状態の男友に声をかけた。
男「お待たせ、さ、学校に行こ」
男友「あ、ああ……」ボーッ
ー登校途中ー
男「友ー?」
男友「……」
男「ねぇ、ねぇ? 友ったらー」
男「……」
男「えいっ!」ポカッ
男友「いてっ!」
男「もうっ! さっきからボーッとしちゃって……」
男友「ん、ああ……」
男「どうしたの? 寝不足? ほーら、しゃきっとしなよー」クスッ
男友(んな事言ったって、朝からあんな刺激の強いもん見せられたら、そりゃな……)
ー教室ー
女「おはよー。男君今日も可愛いねー」
男「可愛いって僕は男なんだよ?」
女「だってホントの事じゃん」
男「うぅ……」
男友「おいっ女! あんまり男をからかうなよ」
女「はいはい。ごめんねー男君があんまりにも可愛くてさー」クスクス
男友「全くこいつは……」
男友(それにしても男の女化、よく誰にもバレないな)
男友(まあ、もともと女の子みたいな外見だったしな)
男友(DQNにはバレたけど、あんだけ脅かせば大丈夫だろうし)
男友(このまま何事もなく過ごせればいいな)
ー放課後ー
男友「あー、今日も一日勉学に励んだなー」
女「何言ってんのよ。あんた午後の授業ずっと寝てたじゃない」
男友「寝る気は無かったんだけど、気づいたら寝てた」
男「あははっ」
女「男君、こんな不真面目な奴にノート見せてって、言われても見せちゃダメだからね」
男「えっ、でも……」
女「男君が優しくすると、こいつ付け上がるからさー」
男友「そ、そんな〜……俺はお前だけが頼りなんだよ〜」ガシッ
男「頼りだなんて……そんな、僕、困っちゃう……よ」
女(ふふっ…なんだかんだで、この二人上手くいってるみたいね)クスッ
女(さてと、じゃあ邪魔者は消えてあげますかねっと)
女「じゃあ男君また明日ね。あ、ついでに友も、じゃあねー」スタスタ
男「うん、また明日ね女さん」
男友「おいっ! ついでにってなんなんだ! 全く……」
女が出て行き、他に誰も居なくなった教室が静寂に包まれた。
男「……」
男友「……」
男「僕達も帰ろっか?」
男友「そだな」
ー帰り道ー
男友「今日も誰にもバレずに、済んで良かったな」
男「う、うん」
男友「どうした?」
男「な、何でもない……」モジモジ
男友(男の様子がおかしいな?)
何かを言いたげな男は、思いきって口を開いた。
男「あの……。あのね……」
男友「ん? どうしたんだよ? 遠慮しないで何でも言えよ」
男「昨日のお礼にね、今日……僕の家に来ない?」
男友「へっ……?」
男「昨日は友にいっぱいお金使わせちゃったでしょ……? だからお礼がしたいんだ……」
男「明日土曜日だし……家に、とっ、泊まりに来ないかなって……?」モジモジ
男友「俺が、おまえの家に泊まりに行っていいの?」
男「うん……」コクリ、カァァッ
男友「マジで!? 行くっ! 行くに決まってる!」
男「そ、そう? じゃあ、僕が夕御飯作って、ご馳走するね」ニコッ
男友「おう。楽しみにしてるぜ 」
男(良かった。友が来てくれる……嬉しいな……えへへ)
男友(男の家にお泊まりかぁ……うへへ……)
ー男家ー
男(友は何を作ったら、喜んでくれるかな〜♪)
男(僕……いつから友の事をこんなに好きになってたのかな……?)
男(男のだった時も、確かに友の事は好きだったけど、それは友達としてだったのに……)
男(女の子になってから、気持ちがどんどん傾いていって……)
男(でも……友はきっと気持ち悪いよね……? 男の僕なんかに好かれてるって知ったら……)
男(はぁ……心が苦しい……僕どうしたらいいんだろう……?)
男(考えても仕方ないや……友が来る前に、買い物行かなきゃ……)ガチャ、バタン
━商店街━
男「 えーと、豚肉と人参、ジャガイモ、玉ねぎ、あとしらたきも入れなきゃね」
男「肉じゃがの材料はこんなものかなー?」
男「あとはえーと、お魚と……」
男「んーっ、こんな物で今日の夕御飯は大丈夫かな?」
スーパーで食材を買った男は、商店街の中を通り家路を急ぐ。そんな中、見覚えのある店が目に入った。
男(あ、この前、友に服を買って貰ったお店だ……)
男(そういえば僕、下着は未だに男物なんだよね……)
男(ブラしないとおっぱい擦れて痛いし……いい加減女の子の下着買っていこうかな……?)
━洋服屋━
男「……」ソロリ
店員「いらっしゃいませ。あら、あなたこの間の?」
男「覚えているんですか?」
店員「ええ勿論、特徴のあるお客さんは忘れないわよ」
男「そうなんですか?」
店員「あなたたち、ちょっと変わったカップルだったからね」
男「あ、あはは、そ、そうですね……」
店員「今日はあの背の高い彼氏は、一緒じゃないの?」
男「あ、あとで会います……」
店員「そう、若いって良いわね。ラブラブね」
男「そ、そそっ、そんなんじゃないです!」
店員「ところで今日は何を買いに来たのかしら?」
男「あ、あの……下着……なんですけど……」カァァッ
店員「そっか、勝負下着を買いにきたのね? ふふっ」
男「しょ、勝負下着!? ちち、ちがいま、ます!」アタフタ
店員「ほら、遠慮しないの。お姉さんが一緒に選んであげるから」グィ
男「あ、あの、ちょっ……」
強引に店員に引っ張られ男は、下着コーナーへ連れて行かれる。
店員「ふふ、あなた可愛いからどれも似合いそうね。これなんかどう?」
店員は黒いレースの下着を、男の前に差し出した。
店員「どう? この上下で彼氏を悩殺しちゃう?」クスクス
男「……こ、こ、こんな、なの、ぼ、僕には、むっ、無理です……」カァァッ
店員「あらそう? あなたなら肌も白くて綺麗だから似合うと思うけどなー?」クスクス
男「そ、そ、そんな訳、な、なっ、ないです……」
店員「あら残念ね、じゃあこっちは?」スッ
店員はそう言って、真っ赤なTバックを差し出した。
男「……そ、そんなえっちなの……ぼ、僕には……」カァッ
店員「あははっ、だよね。この2つは君の歳にはまだ早いかな?」
男「あぅぅ……」
店員「ごめんね、ついからかいたくなっちゃった。今度は真面目に選ぶからね。」
店員「うーん、あなたの歳なら黒や赤より、白とかピンクの方が似合うわね。これはどう?」
男「あっ、それ可愛い……です」
男「じゃあこれの上下でお願いします」
店員「ところであなたスリーサイズはいくつなの?」
男「えっ? えーと……あの、その……」
店員「自分のスリーサイズ測った事ない? 忘れちゃった?」
男「ご、ごめんなさい……」
店員「別に謝らなくてもいいのよ。じゃあ、ちょっと測ってみましょ」
店員「はい、両手をちょっと上げてね」
男「はい……」ドキドキ
店員「フムフム、トップが……で、アンダーが……で、ウェストは……、ヒップは……ね」
店員「このサイズがいいかな」
男「あっ、ありがとう……ございます……」
店員「可愛い下着だから、きっと彼氏も喜んでくれるわよ」
店員は商品を袋に詰めながら言う。
男「そ、そうかな……?」
店員「うんうん、きっと喜んでくれるわよ」
店員「うーんとおまけして1000円でいいわ」
男「えっ? こんな安くて……いいんですか?」
店員「ええ、サービスしてあげる。その代わりまた買いに来てね」
男「あっ、ありがとうございます」
店員「彼氏に宜しくね♪」
男「……は、はい」カァッ
店員「有難うごさいましたー」
男(女の子の下着買っちゃった……)
男(さ、早く帰らないと、友が家に来ちゃう)タタタッ
ー男家ー
ピンポーン
男友「男居るかー?」
男「はーい。早いねー」ガチャ
男友「そうか? ほいお土産」
男友は、買ってきたケーキの箱を男に手渡す。
男「そんな気を遣ってくれなくて、良かったのに……」
男友「ま、いいじゃん。買っちゃったんだから」
男「うん、ありがと。どうぞ上がって」
男友「お邪魔しまーす」
男友が玄関を上がると、いつも笑顔で出迎えてくれる男母の姿が見えなかった。
男友「あれ? 今日おばさん居ないの?」キョロキョロ
男「あ、母さん今日夜勤なんだ」
看護師をしている男の母は夜勤の為、家を空けていた。
男友「という事は、今日はお前と二人きり……なの?」ドキドキ
男「うん……」
男友「そ、そっ、そうか……二人きりか……」
男「そうだよ」ニコッ
男友(やばい……俺理性を抑えられるか心配だぜ……)
男「僕、夕御飯作ってるから、友は僕の部屋でくつろいでてね」
男友「お、おう……」
ー男部屋ー
男友「男の部屋は相変わらず綺麗だな。俺の部屋とはえらい違いだ……」
男の性格を表した、キチンと整理整頓されている清潔な部屋を見渡して、男友は一人呟いた。
男友(今は女の子とはいえ、奴も男、エロ本や、エロDVDの1つや2つ隠してあるに違いない)ガサゴソ
男友(ねぇよ……全くねえ……男は聖人君子か? なにか面白い本でも無いかな?)ゴソゴソ
エロ本探しを諦めた男友は、暇を潰せる物を求め、本棚に手を延ばした。
男友(むむ、これは中学の卒業アルバム)スッ
男友(おっ! この娘可愛いな)ペラッ
男友が目に止めた写真は、学芸会か何かのお姫様役っぽい、長い黒髪が可愛らしい少女の写真だった。
男友(いかん、いかん、俺は男一筋なのに……この娘はほっといて)
男友(男が写っている写真無いかな〜? おっ、いたいた)
男(今よりちょっと幼い感じだけど、この頃からやっぱり可愛いな……)
男友がアルバムに魅っていると、食事の準備を終えた男が部屋に入ってきた。
ガチャ
男「友〜っ、ご飯の準備出来たよ〜」
部屋に入った男は、卒業アルバムを見ている男友を視界に認めると、凄い剣幕で走りだした。
男「あーっ! 何見てるのー! ダメーっ!」ダダダッ、バッ
男は慌てて男友から、卒業アルバムを取り返した。
男友「なぁ、学芸会っぽい写真が有ったけど、お姫様の娘モテただろ? すげー美少女じゃん」
男「うぅ……」カァッ
男友「あれ? 男真っ赤だぞ? ひょっとして、中学の時に好きだった娘だったとか?」ニヤニヤ
男「……」ボフン
男友「その反応は図星か〜? その娘すげー可愛いもんなー」クスクス
男友はニヤニヤしながら、男をからかった。
男「ちっ、違うの……そのヒロイン役のお姫様って……ぼっ、僕なの……」
男友「はぁ? えーっ!? 嘘だろ、だ、だって髪が長いし……」
男「それ、かつら……」
男友「マジかよ……可愛い女の子にしか見えねーぞ……」
男友「それにしても何で? 中学の時は普通に男だったんだろ?」
男「あのね、クラスの女の子が面白がって、僕に化粧と女装してね……。似合うから、そのままヒロイン役もやれって、皆が言うんだもん……」
男友「マジかよ……すげーな」
男「うん……」
男友「そっかー、中学の頃から男は、女の子みたいに可愛かったんだな」
男「も、もう……またそんな事言って……」カァァッ
男友「小学生の男も見たいな」
男「だめー、これは絶対にだめーっ!」
耳まで真っ赤にした男は、小学校の卒業アルバムを後ろ手に隠す。
男友「ちぇ、見たかったなー」
男「さ、もうご飯にするよ!」グイッ
男友「あっ、おい、ちょっと」
男は男友の手を掴み、強引に部屋から連れ出した。
ー居間ー
男友「すげー……」
食卓の上に並んだ見事な料理の数々に、男友は思わず感嘆の声をあげた。
男「味は保証出来ないけどね……」
男は謙遜してそう言った。
男友「いやいや、どれも旨そうだ」
男「えへへ……」
男「さ、そこに座って」
男友「ああ」
男「じゃあどうぞ召し上がれ」
男友「おぉ、頂きます」
男「いただきます」
男友「うまいっ!」パクパク
男「そう? 良かったー」
ほっとした表情で男は応じた。
男友「ほれも、これも……むぐむぐ……皆んまい……」ムシャムシャ
男「友ったら、口に入れたまま喋ったら……お行儀悪いよ」
男友「……」ムグムグ、ゴクン
男友「わりぃ、余りにも美味しいから、ついがっついちまったよ」
男友「それにしてもお前が、こんなに料理上手とはな。びっくりしたよ」
男「ほら、うちはお母さんが働いてるから、昔から僕が結構作ったりしてたんだ」
男友「なるほどなー。男なら良い嫁さんになれそうだ」
男「も、もう友ったら、かっ、からかわないで……」カァァッ
男友「いや、マジで。だって今お前女の子じゃん」
男「内気で、言いたい事も中々言えなくて、人見知りで、人付き合いも下手で、僕なんかを好きになってくれる人なんて居るわけないもん……」
男友(目の前に居るんだけどな……)
男友「お前さ、自分の事をそんな卑下してるけど、短い付き合いの俺でも、お前の良い面いっぱい知ってるぞ」
男「えーっ……例えば?」
懐疑的な眼差しで男は友に聞いた。
男友「誰に対しても優しい所とか、他人を思いやれる気持ちとかさ。俺は男のそういう所が大好きだぞ」
男「友……」
男「……僕ね、昔から自分の容姿も性格も大嫌いだったんだ……」
男「いつも男の癖に、女みたいって言われててね。そこから引っ込み思案になって、人と話すのも、どんどん苦手になっていって……」
男友「……」
男「あ、ごめんね。変な話をしちゃって……」
男友「いや、お前の悩みや本音が聞けて嬉しいよ。それだけ俺が信頼されてるのかなってな」
男「いつも、いつも、友は優しい……ね」
男友「お前の方がよっぽど優しいよ」
男友は男の頭を撫でながら、慰めの言葉をかけた。
男友「お前にはお前の良いところがいっぱいある。だからそんな事を気にしないで、元気出せよ」ナデナデ
男「んっ……ありがと……」キュン
男(そっか……だから僕は友の事が……初めて会った時から、ずっと優しくしてくれた。いつも僕に気を使ってくれた、庇ってくれた)
男(女の子になったから好きになった訳じゃない。たぶん僕はきっと、最初から友の事を……)
男(どどどうしよう……胸の奥が凄くドキドキするよぅ……)
男友「話はその位にして、ご飯食べちゃおうぜ。折角お前が作ってくれたご馳走が冷めちゃうぜ」
男「うんっ、そ、そうだね……」
男友「ふぅー。ごちそうさま」
男「お粗末さまでした」
男友「こんなに美味しいご飯なら、毎日でも食べたいぜ」
男「そ、そう……? ホント?」ポッ
男「あっ、そうだ。食後のデザートに買ってきてくれたケーキ食べよ」
男友「ああ、そうだな」
男「わぁ、どれも美味しそう」
箱の中には苺のショートケーキ、モンブラン、チョコレートケーキ、ミルフィーユが入っていた。
男友「どれでも好きなの選べよ」
男「ん〜、どれにしようかな〜」
男「じゃあ僕はショートケーキを頂くね」
男友「俺はチョコレートケーキを貰うかな」
男「このケーキすっごく美味しいね♪」パクパク
男友「ああ、旨いな」モグモグ
男「あっ、友? ちょっとじっとしてて」
男友「ん?」
男「ほら、口の横にチョコが付いてるよ」スッ
男は身を乗り出して、男友の口の横についたチョコレートクリームを指で掬って舐めた。
男友「……」ドキン
男「あはっ、友ったら子供みたいなんだから」クスクス
男友(ああ……男は天真爛漫で、優しくて、可愛くて、料理が上手で、こんな娘を彼女に出来たらいいよなぁ……)
男友「……」ジーッ
男友(はぁ……男は誰の事が好きなんだろ、恋人になれる奴が羨ましい……)
男「黙っちゃってどうしたの? 僕が子供みたいなんて言ったから、もしかして怒った?」
男友「いや、全然怒ってなんかないよ」
男「ホントに? 僕、友に嫌われちゃったかと思った……」
男友「そんな事で、嫌いになったりする訳ねーよ」
男「良かったー」
男「僕、後片付けしておくから、友はお風呂でも入ってて」
男友「俺も手伝うよ。二人で片付けた方が早いだろ?」
男「お客さんなんだからいいのにー」
男友「いいから、いいから、美味しいご飯をご馳走になったお礼だ」
男「えへへ……」
二人で台所に立ち、後片付けを行う。食器の擦れる音と水の流れる音だけが、室内に響いている。
男「な、なんかさ、僕達……新婚さんみたい……だね」
男友「新婚か、こんなに料理が上手くて、可愛い嫁さんが貰える奴がいたら幸せだな」
男「あ、ありがと……おかげでもう片付いちゃった……」
男友「いいよ、ちょっとTVつけていいか?」
男「どうぞー」
男友「うーん、なんにも面白そうな番組やってねーな……」
男「じゃあさ、お風呂入ってきなよっ! ねっ? もう湧いてるからさ」
男友「ああ、それじゃ折角だから借りるよ」
男友(なんで男は、さっきから風呂に入れたがるんだろ?)
男「行ってらっしゃい。お風呂は廊下出て右側のドアね」ニコッ
男友「おぉ、ありがと」
ー風呂場ー
男友(なんか今日の男、様子がおかしいよな……?)スッ、パサッ
男友(やたら風呂に入れって言ってくるし……)ガラッ
男友「うぅ、さむさむ……」
男友(早く体と頭を洗って湯船に入らないと風邪引いちまうな)ゴシゴシ
身体を洗い終わった男友は、シャワーで泡を洗い流し浴槽に飛び込む。
男友「ふーっ、お風呂はやっぱり気持ちいい……」ザバーン
男友(そういや、今日あいつと二人きりなんだよな……)
男友(ま、まさか……Hの前に、体を綺麗にしてこいって意味じゃ……)
そんな事を考え出した男友は、今朝見た男の裸を思いだしていた。
男友(は、ははっ……まさかな……男に限ってそんな訳ねーよな……)
男友は、慌てて頭の中によぎった想像を振り払った。
男友(さてと、そろそろ上がるか)ザザーッ
男友「ふぅ、良い湯だった」
男友「男上がったぞー」
男「あ、はーい。じゃあ僕も入ってきちゃうね」
男友「あ、ああ」
男「適当に過ごしてて」
男友「分かった」
男「すぐ出てくるから、待っててね」パタパタ
男友(男が出て来るまで暇だな。TVもつまんないし……)
男友(……なんかポカポカしたら眠くなって……きた……)
男友「……」スースー
ーお風呂ー
男「……」パサッ、ガラッ
男(僕ほんとうに女の子になっちゃたんだね……)ジーッ
鏡に写る自分の姿をマジマジと眺めて男はそう思った。
男(友は僕の事……どう思ってるんだろう……?)ゴシゴシ
男(いつも僕に優しくしてくれるけど……きっと友達としてなだけだよね……)シャー
男(やっぱり女さんの事が好きなのかな……? 幼馴染みだし)ザブン
男(あの二人、しょっちゅう喧嘩してるけど、それだけ仲が良いって事だもんね……)
男(知り合って1ヶ月やそこらの僕が、入り込む余地なんて……)
男(あ、あれ? ぼ、僕はなんでこんな事を考えて……)
男(変なこと考えてたら、出るのに時間がかかっちゃった……)
風呂からあがった男は慌ててパジャマに着替える。
男(さっき買ってきてた下着を着けてみよ……)スッ
男(似合うかな……?)
男は鏡に写った自身の姿をみて思わず、赤面する。
男「……」カァッ
男(……さ、友が待ってるから部屋に戻らなきゃ)パタパタ
男「友ー、お待たせー」ガチャ
男(あれ? 友寝ちゃってる……)
男友「……」スースー
男は気持ちよさげに寝息を立てている男友そっと近づき顔を覗きこんだ
男(あはっ、友の寝顔可愛い)ジーッ
男(とも……あ、あれ?) トクントクン
男(ぼ、僕は、一体な、何をしようとしてるの……?)ソーッ
男は左右を見渡し、眠っている男友の唇に、そっと自分の唇を近づけた。
男(あっ! やばっ!)サッ
男友「うーん……あれ男? もう風呂から上がってたんだ?」
男「う、うんっ、い、いま、出てきたところ……」ドキドキ
男友「そっか。俺いつの間にか寝ちゃってたのか……ふぁぁ〜」
寝ぼけ眼の男友は目を擦りながら、男に視線を移した。風呂上がりの為か、濡れた髪に火照った桃色の頬が、いつもより余計に色っぽく、艶やかだった。
男友(や、やばい。可愛いというか、色っぽすぎる……)ドキン
男「ねっ、友はもう眠い?」スッ
男はそう言いながら、男友の横にちょこんと座った。
男友(はぁ……甘い良い香りがする……)
男友(これ以上起きてたら、理性が持ちそうにない……もう寝た方がいいかもな……)
男友「ん、あっ、ああ。そっ、そうだな、も、もう寝ようぜ」
男「うん……そっか、そうだね」
男友(ん? 心なしか男が、がっかりしたように見えたけど何で?)
男(友はもう眠いのか……)
男「じゃあ僕の部屋いこ」
男「僕は床に布団敷くから、友は僕のベッドを使ってね」
男友「えっ? ちょっと待て……俺もお前の部屋で一緒に寝るの!?」
男「えっ? おかしい? 君も僕も男同士だよ?」
男友「だって……お前体は女の子なんだぜ……?」
男「うん……そうだよ?」
男友「俺とお前が、一緒の部屋で寝るってのはまずいだろ……?」
男「僕はべ、べ、べっ、別に、平気だよ……」カァァッ
男友「お前がいいならいいけどよ……」チラッ
男「うん……」コクリ
男友(ホントにいいのかな……)ゴクッ
男友「せめてベットはお前が使えよ、俺が床で寝るから」
男「でも……友はお客さんなんだから……」
男友「ダメだ! 俺が床だ!」
男「もうっ、友は言い出したら、絶対に聞かないんだから……」
男友「いいんだよ。俺はこっちで」
男「うん分かった。じゃあ僕がこっちで寝るね」
男「電気消すよ」パチン
男友「ああ」
男友「せめてベットはお前が使えよ、俺が床で寝るから」
男「でも……友はお客さんなんだから……」
男友「ダメだ! 俺が床だ!」
男「もうっ、友は言い出したら、絶対に聞かないんだから……」
男友「いいんだよ。俺はこっちで」
男「うん分かった。じゃあ僕がこっちで寝るね」
男「電気消すよ」パチン
男友「ああ」
男「……」
男友「……」
男「ともぉ〜、もう寝ちゃった?」
男友「いや、起きてるよ」
男友(お前がすぐ近くに居る状態じゃ……緊張して寝られねーよ……)
男「えへへ……良かった」
男友「どうした?」
男「友とね、もうちょっと話がしたいから」
男友「そっか」
男「ねっ、友はさ、僕と初めて会った時の事を覚えてる?」
男友「ああ、よく覚えてるよ」
男友(忘れる訳ねーよな、あれは丁度1月前の事か……)
ー回想ー
教師「という訳で、今日からこのクラスにもう一人仲間が増えます。じゃあ男君自己紹介してくれるかな?」
男「あ、あの、その、ぼ、僕は、男ってい、い、言います。ミナサンヨロシクオネガイシマス……」ペコリッ
女「ね、見て友? あの転校生さ、女の子みたいに可愛い子だね?」
男友(惚れた……)ボーッ
女「おいっ友! 聞いてる?」
男友「……」ポーッ
女「はぁ……ダメだこりゃ」ポカッ
男友「いてぇ!」
男「僕、この学校で上手くやっていけるか、凄く心配だったんだ……」
男「でも、授業が始まる前に君が初めて声をかけてくれた……」
男「何処の県から来たの? 今何処に住んでるの? 趣味は何? とか他愛もない会話だったね」
男友「そうだな」
男「そのおかげで、緊張が解けた僕はそれから君と、すぐに仲良くなれたんだ」
男友「そんな事もあったな」
男「だから、ぼっ、僕は、本当に君に感謝してるんだからねっ!」
男友「へー、そうだったんだ 」
男「あっ! ひどーい。僕こんなに感謝してるのに……」
男友「ははっ、わるいわるい」
男「僕……君と仲良くなれて本当に良かったと思ってるんだよ……」
男友「俺だって……」
男「ね、友……?」
男友「な、なんだ?」
男「あのね……こ、こっちに……来て、いっ、一緒に……寝ない?」モジモジ
男友「えっ? え゛っーー!?」
男「ダメ……かな……?」
男友「いや、その……駄目って言うか……ホントにいいのか?」
男「うん……」コクン
男友「そ、そっ、そうか。じゃあ……」スッ
男友は枕を持って、男の寝ているベットに上がった。
男(友がこんなに近くに……心臓の音が聞こえちゃいそうだよぅ)ドキドキ
男友(な、なんなんだ、この夢のような展開は……)ドキドキ
男「君の事が……好き……」ボソッ
男は真横に居る男友が聴こえないくらい小さな声で呟いた。
男友「んっ? えっ? 今なんて……?」
何を言ったか分からなかった男友は、男に聞き返した。
男「ぼ、僕……友の事がね、す、す、すっ、好きになっちゃった……」カァァッ
男友「すすすすすっ、すききききーぃぃぃぃ!?」カバッ
ビックリした男友は凄い勢いで上半身を起こした。
男友(好き? 好きってようするに……そう言うことだよな?)ドキドキ
男友は混乱する頭の中で、必死に平静を保とうとする。
男「でも友は嫌だよね? 僕なんかに好きなんて言われても……」グスッ
男「友は女さんが、好きなんだもんね……ぐすっ……」
男友「えっ? お前泣いてるのか……?」
男「ずっと一緒だった幼馴染みに、僕なんかが、えぐっ、ひっく……かなうわけ……ぐすっ……ないよね……」
男「僕がどんなに君の事……好きになっても……うえーん……」ボロボロ
溜めていた想いを、全部吐き出した男は派手に泣き始めた。
男友「そ、そんな訳ないだろ! 何言ってんだ! 俺は女の事なんて何とも思ってない! ホントだぞ」
男「で、でも……ひっく……」
男友「ば、ばか! 俺が好きなのは、お前なんだよっ!」
男友の予想外の告白に、男は思わず声をあげた。
男「えっ……!?」
男友(思わず言っちまった……)
男友「あーっ、もう……仕方ないから正直に言うぞ。俺もお前が転校して来た日から、ずっと、ずっと、好きだったんだよ」
男「ぐすんっ……」ギュッ
その言葉を聞いた男は、男友の逞しい腕に身体を寄せた。
男友「よしよし。まったくそんな事で泣くなんてな」ナデナデ
男「ひぐっ……だって、だって……絶対に嫌われるって、ひっく……思ったんだもん……」ギューッ
そう言って男は、男友の身体にさらに力を込めて抱きついた。
男友「馬鹿だな……俺がお前の事を嫌う訳ないだろ?」ギュッ
男「友ぉ……」スリスリ
男友(ふぁ、男の体すげー柔らかくて、良い匂いだ……)
男「んっ……」
男友(男が目を瞑ってる! これってひょっとして、キ、キ、キ、キスをしてもいいって事かな……)
男友(えぇーい。ままよ)チュッ
男「あっ……!」
男友(ここまで来たらもう知らん。舌も入れちゃうぞ!)チュパペロ
男(……んっ、とも……友ぉ……大好き……)チュッチュ
男友(男の舌が絡み付いてくる……)
男「んっ……ぁ」
男友「ぷはぁ……」
男「……はぁ……んぁ……」
男友(か、可愛いすぎる……俺もう……無理だ……)
男友「男っ!」
男「ひゃい!」ドキッ
突然大声を出した男友に、男は驚き変な声をあげた。
男友「おっ、俺、もう……我慢出来ない!」ガバッ
男友はそう言うと同時に、男の上に覆い被さっていた。
男「い、いいよ……僕……友に……だったら……」カァァッ
男友はぎこちなく男のパジャマを脱がしていく。決めの細かい真っ白な肌が、男友の眼前に現れていく。
男友「あれ? お前いつからブラなんかしてたの?」
男「だ、だって……ち、乳首が摩れて痛いんだもん……」
男「友が服を買ってくれたお店で、さっき買っちゃった……」
男友「そっか。可愛いブラだね」
男「あ、ありがと……」
男友「外すよ」スッ
男「うっ、うん……」ドキドキ
男友がブラを外すと、大きすぎもなく、小さすぎもない、形の良い乳房が顔を出した。
男友「……」ゴクリッ
男「そ、そんなにじっくり見ないで……恥ずかしいよぅ……」
男友「男のおっぱいとっても綺麗だ……」スッ
男友はそう言いながら、男の形の良い胸に顔を埋め、乳房を優しく揉みながら乳首を舐め回した。
男「ひゃっ! んっ……あっ……」
男友(はぁ……はぁ……柔らかい……マシュマロみたいだ)
男「ふぁ……んっ……ともぉ〜、ぁん……気持ち……いい……」ピクン
男(好きな人に触られると……こんなに……ふぁぁ……僕どうにかなっちゃいそうだよぉ……)
男友「男は敏感なんだね。可愛い」チュパペロペロ
男友が乳首を刺激する度に、男の身体は小刻みに反応する。
男「やっ……んっ……」ピクッピクン
男友「乳首弱いんだ?」ペロペロ
男「ふぁ、だ、ダメ……やぁっ、恥ずかしいよぅ……」カァァ
男「あんっ、も、もう、だ、だめっ……」プルプル
男「僕、僕……気持ち良すぎて……とろけちゃいそうだよぉ……」
男友「そんなに気持ち良い?」
男「う……ん……」カァァ
男友「じゃあ、今からもっと気持ちよくしてやるな」
そう言って男友は、男のパジャマのズボンを脱がす。
男「ひゃっ!?」
男友「あれ? お前パンツもこんなに可愛らしいの履いちゃって」ニヤニヤ
男「だ、だっ、だって男物の下着だと色々困るんだもん……」カァァッ
男友「ブラといい、パンツといい、もう完璧に女の子だな」
男「う、うん……」
男「脱がすぞ」スルッ
男友「こんなに濡れてるぞ……男はHだなー」クチュクチュ
男「ひゃぁ! やん、あっ」ビクンッ
男「……んっ……そっ、そんな事……ない……もん……」
男友「こんなになってるのに?」ニヤニヤ
男友は意地悪っぽく笑い、男が敏感に感じる部分を執拗に責める。
男「やんっ、そっ、そこは……弄くっちゃ……んっ、ぁっ……」
男友「もうこんなぬるぬるだ。お前ホントに感じやすいんだな」ヌトーッ
男「ばっ……ばかぁ……友の……えっち……」カァァッ
男友(こんだけ濡れてれば……)
男友「なあ? そろそろ挿れてもいいかな?」
男「挿れる……?」
男は一瞬考えた後に、その言葉の意味を知り赤面した。
男「……」カァァッ
男友「流石にそれは嫌か?」
男「ううん……いい……よ」
男友「いっ、いいのっ!?」
男「優しくして……ね?」
男友「もっ、もちろん!」
男友「じゃあ行くぞ」
男「うん……」ドキドキ
男友「くっ、キツいな……」ミチミチ
男「!? い、痛いっ! ひぎっ! やぁぁぁっ! 痛いよぅ」バタバタ
あまりの激痛に男は、身体を激しくばたつかせている。
男友「あっ、大丈夫か? ごめん、やっぱり止めようか?」
男「おっ、お願い……もう少し優しく……して……」グスッ
男は初めて感じる痛みに涙を溜めて耐えている。その痛々しい姿に男友は少し心が痛んだ。
男友「ごめんな……痛くして」
男友「よし、ゆっくり挿れるからな……」ブチブチュ
男「んっ……あぐぅ……」ギュッ
男は爪が食い込む程に、シーツを掴んで痛みに耐えている。
男友「ほら、根元まで入ったぞ。少し動くよ」ズリュズリュ
男「くっ……んぁっ……はぁ……はぁ……」
男友「どう? まだ痛い?」ギシギシ
男「う、うん。ちょっと……だけ……」
男友「そ、そうか。はぁはぁ……俺は凄く気持ち良いよ……」チュクチュ
男「……んぁっ……少し……あっ…慣れて……ぁん」
男友「はぁはぁ……男の中キツキツで気持ちいい……」グチョグチョ
男「ぼ、僕も……んっ……ちょっと……気持ちいいかも……あっ、あっ……」
男友「少しは馴れてきたかな?」
男「う、うん……」カァッ
男友「じゃあ体位変えてみようぜ。男、俺の上に乗っかって」
男「こう?」スッ
男友「そのまま腰を、上下に動かしてみて」
男「んっ……んっ……はっ……あん……き、気持ち……いい」ビチャグチュ
男友「お、俺もやばい……」
男「友のが……熱くて、大きいのが……僕の奥まで……あっ……届いて……んっ、ぁん」クチュクチュ
男友「一緒にいこうな」ギュッ
男友は上体を起こし、再び体位を正常位に変え、男と手を繋ぎながらキスをした。
男「んっ……」ギュッ
男にキスをしながら、男友は更にピストンを速めた。
男友「はぁはぁ……もうダメだっ! 射るーっ!」パンパン、ドピュドピュ
男「あっ、あん、あっー! 熱いのが、友のが……僕の中に入って……」
男友「ふぅ……はぁはぁ」ヌポッ
男「はぁ、はぁ……いっぱい出たね、あはっ」ヌトーッ
男は自分の股から溢れ出た液体を指で掬い、荒い息を整えながら笑う。
男友「ああ、お前の中が気持ち良すぎてな……」
男「僕も……すっ、凄く、気持ちが良かった……よ」エヘヘ
男「えへへ……友のお掃除してあげるね」ペロペロ
男友「うっ……」
男「ふふっ、友の……おっひぃ」チュパチュパ
一生懸命に自分の物を舐め綺麗にしている男を見て思わず言った。
男友「お前いつから、ふぁっ……そんなにエロく……?」
その問い掛けに、男はしゃぶるのを止めて答えた。
男「女の子になってからかな? 友が変な事を言うからだよ」
男友「へっ? 俺何か言ったっけ?」
男「『女の子はエッチの時、男の何倍も気持ちが良いらしいぞ』って言ったじゃん?」
男友「ああ。そういえば、そんな事を言ったような……」
男「友があんな余計な事を言うから……僕……こんなエッチな娘に……なっちゃったんだよ」カァッ
男友「えーっ、それってただの言いがかりじゃ……?」
男友「俺が言おうが、言わまいが、男がエロいのは関係なくね?」
男「違うもん。友のせいだもん!」
男友「まぁ、別に俺のせいでもいいけどさ……」
男友「しかしなぁ、お前すげーエロい声出しちゃってさ……俺めっちゃ興奮したよ」クスッ
男「も、もう、友のばかっ……」カァァ
男友「あははっ。男はホントに可愛いな」
男「知らないっ!」プィ
耳まで真っ赤に染めて男は顔を背けた。
男友「あれ? じゃあ、これからはもうHしてあげられないけど、いいんだよな?」
男「……ヤダ」ボソッ
男友「えっ? 何、何、聞こえないなー?」ニヤニヤ
男友は聴こえているのに、わざとらしく聞き返す。
男「こ、これからも、僕とえっちをして欲しい……です……」カァァッ
男友「よく言えました」ナデナデ
男「うぅ……友の意地悪……」
恥ずかしがっている男の頬に、男友は不意にキスをした。
男「ひゃん!?」
男友「ごめんな。お前が可愛い過ぎるから、つい意地悪したくなっちゃった」アハハッ
男「う、ううん……ぼ、僕も友のせいにしちゃってごめんなさい……」
男友「気にしてねーよ」ナデナデ
男「ともぉ……これからもずっと一緒だよぅ……?」ギュッ
男は男友の厚い胸板にしがみつく。
男友「ああ、勿論だ。男大好きだよ……」
男友は男の耳元でそっと囁いた。
男「ぼ、ぼ、僕も……友の事が……大好き……」カァァッ
その言葉に満足した男友は、男を優しく包み込むように抱き締めた。
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・妹の催眠にかかったふりをしてあげてたら拗ねた。
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:31:05.51 ID:T91738vwd.net
男「ど、ど、どうしよう……女の子になってる!?」
男「なにこれ……? どういう事?」
男母「男ー、今日も友君が迎えに来てくれたわよー」
パニックに陥っている所に、階下から聞こえる母親の声が焦りを余計に加速させる。
男(えーっ友!? もう来ちゃったの? あーどうしよう……)ウロウロ
男友「お邪魔しまーす、男学校いくぞー」
男「ちょ、ちょっと待って……」
男友「入るぞー?」コンコン、ガチャ
男「開けちゃ、だ、ダメーっ!」
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:33:29.17 ID:T91738vwd.net
男友「ん? 開けちゃ駄目ってなんだ? 布団なんか被ってどうしたんだよ? ほら早く用意しないと遅刻すんぞ」ガバッ
男(あーっ、もう駄目だ……)
布団を剥がされた男は、観念して目を瞑った。
男友「ようっ、おはよ。男」
男(あれ? 友は何も気づいてないや?)
男「ねぇ? 僕なにかおかしな所あるかな?」
男友「ん? おかしな所? ああ、寝癖がすげーな」ハハッ
男「え? それだけ?」
男(そっか、ダブダブのパーカー着てるから、胸の膨らみも隠れてるし、これなら分からないのかな?)
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:37:17.71 ID:T91738vwd.net
男友(はぁ……それにしても今日も男は可愛いなー……)ポーッ
男友(男とは思えないサラサラの綺麗な黒髪、大きな瞳に長い睫毛、高い鼻筋、エクボが可愛い桃色の頬、ぷっくらと柔らかそうな唇。
華奢な身体、長い手足、決めの細かい白い肌……)ジーッ
男「ねぇ、おーい? 友ー?」
男友(うーん、何度見てもやっぱり女の子みたいに見えるよな……? こいつが女の子なら間違いなく告白してる所だよな……)
男「友ったらー!」バシッ
男友「いてっ!」
男「もーっ、さっきから何ボーッとしてるの?」
男「僕着替えるから、ちょっと部屋の外に出ててよ」
男友「はっ? 何で? 別にいいじゃん。俺ら男同士なんだしよ」
男「ううっ……そ、それは……」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:39:40.12 ID:T91738vwd.net
男「だっ、駄目だよっ! 親しき中にも礼儀有りって言うでしょ? そう言う事なんで、部屋の外に出ててね」グィ
男友「あっ、おいっ!」バタン
男友(ちぇっ……男同士なのに何を気にしてんだ、あいつは)
男(どうしよう……何もしないと、この胸目立つよね……?)
胸の膨らみを恨めしそうに見つめながら、男はどうするか思案する。
男(取り敢えず、救急箱に入ってる包帯でも巻いて……)ギュッ
男「痛っ!」
男(うぅ、ちょっと苦しいけど……これなら目立たない……かな?)
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:42:19.59 ID:T91738vwd.net
ガチャ
男「ごめんね。お待たせ」
男友「待ちくたびれたぜ」
男「さ、学校行こう」ニコッ
男友「ん……ああ……」
男友(それにしても……変だな? いつにもまして男が可愛く見える……?)ゴシゴシ、ジーッ
視線を感じた男は首を傾げ、男友に声をかけた。
男「んー? どうしたの? ともぉ? 早く行こうよ。遅刻しちゃうよー」
男友(……小首を傾げるな。女の子かお前は、可愛いすぎんだろ……)
男「?」キョトン
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:45:22.95 ID:T91738vwd.net
男「ねぇ、ところでなんで友は毎日僕の家に来てくれるの? 大変じゃない?」
男友「お前の役に立ちたくてな、引っ越してきた当初、誰とも話さないし、殻に籠ってるというか、なんというかさ」
男「だ、だって緊張してたし、こんな容姿だし、また馬鹿にされるのかなって思ったから……」
男友「馬鹿だな、そんなつまんない事を気にしてたのか?」
男「だって……今まで色々あったから……」
寂しげな横顔が男友に過去の出来事を想像させた。
男友「今の学校楽しいだろ? 過去の事なんて気にするなよ」
男「うん、友は本当優しいね」
男友「ま、まあな」
男友(女の子みたいな容姿で、きっと色々苦労してるんだな、俺が守ってやらねーとな……)
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:48:32.41 ID:T91738vwd.net
ー学校ー
男(学校着いたけど、大丈夫かな? ばれないよね……)ドキドキ
女「男君おっはよー」ポンッ
男「ひゃっ!」ドキン
そんな事を考えていた矢先に、背後から突然肩を叩かれた男は、文字通り飛び上がった。
女「わっ! 軽く肩を叩いただけで、そんなに驚かないでよー」アハハ
男「なっ、なんだ、女さんかぁ……びっくりしたぁ……」
女「ビックリしたのはこっちだよ、どうかしたの?」
男「う、ううん、べっ、別になんでもないよ。本当に」ブンブン
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:51:53.74 ID:T91738vwd.net
男友「なんだよ女、俺には挨拶なしかよ」
自分には挨拶をしない幼馴染みに男友は不満げに言った。
女「なんだあんたも居たの?」
男友「この扱いの違いは……」
女は男友の幼馴染みで、クラス委員を務めるしっかり者で優しい女の子だ。トレードマークのポニーテールがよく似合っている。
女「ふんっ! あんたなんかに挨拶する必要なんてないわよ!」
男(あはは……変わらず女さんは友には厳しいな……。
でも、しょっちゅう喧嘩してるけど、ホントはきっと仲が良いんだよね? 喧嘩する程仲が良いって言うしね)
男友「ひっ、酷ぇ……うわーん、男〜。女が苛めるよー」ギュッ
男「ちょ、とっ、友、離して……」
男友(はぁ……良い匂いがする)クンクンスーハースーハー
女「こら、変態。どさくさに紛れて男君に抱きつくな」スパン
男友「いてぇな! 誰が変態だっ! 男同士の只のスキンシップだろうが!」
女「男君が困ってんでしょ! がさつなあんたと違って男君は繊細なんだからねっ!」
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:54:58.30 ID:T91738vwd.net
女「第一あんたが、男君に抱きついてると、絵的に女の子が襲われてるみたいに見えるのよ!」
男友「……その例えは、いくらなんでも酷すぎじゃないか……?」
女「だってホントの事じゃん」
男友「流石の俺でも傷つくぞ……」
女「男君もあんまり優しくしたら駄目よ。こいつすぐ調子に乗るから」
男「う、うん……」
男友「えーっ……そんな事ないよな? 只のスキンシップだよな?」
男「う、うん……」
男友「ほら、女も聞いただろ? 俺ら親友だもんなー」エヘン
女「たくっ、男君も遠慮しないで嫌な事は、嫌って言わないと駄目よ?」
男「で、でも、友は優しいよ?」
男友「さすが男は分かってるぜ、女とは違うなー」
女「こいつは……」
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 17:57:53.45 ID:T91738vwd.net
男「そういえば、今日の1限って何だっけ?」
男友「体育だろ?」
女「体育ね」
男友と女は同時に答えた。
男「た、たっ、体育!?」ガタッ
男友「そうだけど……どうした? そんなに焦って?」
男(着替えどうしよう……)
男友「おい? 大丈夫か?」
男「あっ、うん……大丈夫……」
男友・女(?)
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:01:45.51 ID:T91738vwd.net
男友「おーい、早く着替えないと体育教師に怒られんぞ」
男「う、うん……」
男友「皆もうグランドに行っちゃったぞ。教室に残ってるの俺達だけだ。お前も早く着替えろよ」
男「ね、ねぇ、ちょっと後ろ向いててくれないかな?」
男友「なぁ? さっきも着替えを見られたくないとか言ってたけど、俺の事そんなに嫌か?」
男「嫌いな訳ない……友はこの学校で初めて出来た僕の大切な友達だもん……」
泣きそうな顔の男は大きく頭を振った。
男友「じゃあ何で?」
男「あの……恥ずかしい……から」モジモジ
男友「男同士なのに?」
男「うん……」
男友「全く仕方ねーな」クルッ
男友「ほらよ、これでいいか? はよ着替えちゃえよ、遅れるぞ」
男「ごめん……ありがと友」
男友「謝るなよ、別にいいよ」w
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:05:04.23 ID:T91738vwd.net
ー教室前廊下ー
DQN(あー、体育なんてかったるくてやってらんねー、教室で寝るか)スタスタ
DQN(ちっ、まだ誰か居やがる。早く出ていけよな……)
教室内に人が居る気配を感じたDQNはそーっと中を覗いた。
男(早く着替えないと……)
男(やばっ! 包帯が弛んでる。結び直さないと……)スルスル
男(もっと強く縛らないと、ばれちゃう……痛っ……)ギュッ
DQN(はぁ!? 男が女?)
男友(なんで急に裸を見られるのが恥ずかしいなんて言い出したんだろう? 女の子じゃあるまいし……)
男友がそんな事を考えてる間に背後から声が聞こえた。
男「お待たせ。ごめんね、変な事頼んで……」ハァハァ
男友「よし、じゃあ急いでグランド行こうぜ」タタタッ
男「うん」タタッ
DQN(とんでもないもの目撃したぜ。あいつ女だったんだ。くくっ、こりゃいいや)
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:08:05.47 ID:T91738vwd.net
ーグラウンドー
体育教師「よーし、今日は持久走のタイム測るぞー」
男友「げーっ、マジ? 今日の体育持久走かよ……」
男「……」
男友「お前、走る前から顔色良くないけど大丈夫か?」
男「う、うん……」
男(胸を目立たなくさせる為に包帯を強く巻きすぎたかな……ううっ……胸が苦しい……)
体育教師「じゃあグラウンド50周始め」
男友「あーあ、仕方ねーな。行こうぜ男」タッタッタッ
男「うん……」タッ
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:11:49.27 ID:T91738vwd.net
ー30周目ー
男友「うー、普段の運動不足がたたるな……」ゼーゼー
男友「男は平気か?」
隣を走る男に男友は声をかけた。
男友(ん? 居ない? あれいつの間にあんな後ろに……)
男(……元々あんまり体力に自信無かったけど……女の子になって余計に落ちてるの……かな?)ハァハァ
男友「おい、大丈夫か?」ポン
走るペースを落とし、男の横に並んだ男友は肩を叩き声をかけた。
男「あ、友……はぁ……はぁ……ぼ、僕に合わせて……ペース落とさなくて……いいよ」ゼェゼェ
男友「おっ、お前、顔が真っ青じゃねーか! もう無理すんな!」
男「だい……じょう……ぶ」ドサッ
言うと同時に男はグラウンドに倒れこんだ。
男友「あっ! おい男!」ユサユサ
男「はぁ……はぁ……」
男友「先生ーっ!」
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:20:12.38 ID:T91738vwd.net
男友の叫び声に気づいた体育教師が、駆け寄ってくるのが見えた。男友はすぐに経緯を説明した。
体育教師「軽い酸欠みたいだな、それと倒れた時に頭を打ってるかもしれないから、誰か保健室に連れていってくれ」
男友「先生! 俺が男を保健室に連れて行きます」
体育教師「安静に頼むぞ」
男友「よいしょっと、うお! こいつめっちゃ軽いな……」
男「う……うっ……」ゼェゼェ
男友(まるで本物の女の子みたいだな……)
42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:24:47.24 ID:T91738vwd.net
ー保健室ー
男友「失礼しまーす」ガラッ
男友「保健の先生留守かよ」
男友「とりあえず、男をベッドに寝かせてと」ヨイショ
保健室のベッドの上に男を寝かせ、男友はベッドの淵に腰を掛けた。
男「……」ハァハァ
男友(苦しそうだな……)
男「胸……苦しい……」
苦しさからなのか、男は無意識の内に思わず言葉を漏らした。
男友(胸が苦しい? 圧迫しないように上着を脱がした方が良いのかな?)
47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:29:24.89 ID:T91738vwd.net
男友(しかし、こうして寝ている姿だけ見てると女にしか見えねーな)
男友「……」ゴクリッ
男友(ち、違う。これは断じてそういう意味じゃない! 男が苦しいって言ってるからだからなっ!)
自分にそう言い聞かせ、男友は寝ている男の体操着を上に捲った。
男友(ええーい!)ペラッ
男(こいつの肌スゲー白くて、すべすべで綺麗だな。これで男だなんてとても信じられねー……)ドキン
男友(ん? 何で胸に包帯なんか巻いてるんだ。怪我してるのか?)
男友(それもこんなガチガチに巻いたら苦しいに決まってる。少し弛めてやるか)スッ
男友(えっ? ぷるんって……?)
49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:33:21.32 ID:T91738vwd.net
男友「うわぁぁぁー! おっぱいが、おっぱいが……」ガタンッ
男友は驚きのあまり腰掛けていたベッドの淵からずり落ち落ちた。
男友(う、嘘だろ……お、お、おっ、男って、女の子だったの……?)
男友(目の前におっぱい丸出しで倒れてる可愛い女の子……)ジーッ
男友(周りには誰も居ない)キョロキョロ
男友(ちょっとくらいなら……気づかれないよな……)ハァハァ
欲望に負けた男友は、寝ている男の柔らかそうな膨らみに向かって、自然に手が伸びていた。
男友(はぁ……はぁ……)ゴクリッ、スッ
男「……」
男友(や、やばい……温かくて柔らかくて……)ムニュムニュ
男「んっ……」ピクッ
51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:40:31.52 ID:T91738vwd.net
男「ふぁ、んっ、 なっ、何してるの……? えっ? 友……?」
覚醒した男は、上半身を露出させている自分と、その胸を触っている男友の姿に混乱しながら言った。
男友「あ、あっ、これは、その、違うんだ……」
全く説得力のない台詞を吐いた男友を無視し、男は振り払うようにベッドから起き上がった。
男「……」ダッ
男友「あっ! 男ちょっと待って……俺の話を聞いてくれ!」ギュッ
男の手をとっさに掴み男友は叫ぶ。
53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:46:05.23 ID:T91738vwd.net
男「ひっ! や、やだっ!」ドンッ、タタタッ
男友「うおっ!」
男友の姿を一瞥してから男は保健室から駆け出した。
突き飛ばされた男友は、逃げ出した男の後ろ姿を見つめながら自嘲気味に呟いた。
男友「何やってんだ俺……無防備な男にあんな事して……最低だ……」
授業が終わり体育館から教室に戻る途中の女が、保健室から駆け出す男に気づいた。
女(男君? あれれ……校舎の外に走ってっちゃった?)
女「あっ! おーい友」ブンブン
少し後に保健室から出てきた男友の姿を認めた女は、男友に向かって手を振った。
57: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:53:36.00 ID:T91738vwd.net
女「どうしたのよ? 珍しく元気ないじゃない?」
男友「そう見えるか……?」
女「?」
女「今男君が凄い勢いで、外に駆けて行ったけど何かあったのかしら?」
男友「……」ドキッ
女「早退かなー?」
男友「あ、ああ。そうじゃね……」
女「家の事とかかな?」
男友「あ、ああ……」
女(何よ、こいつ……? 空返事ばっかり)
男友(やっぱ後で男の家に行って謝ってこよう……あいつ許してくれるかな……?)
58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 18:57:47.23 ID:T91738vwd.net
ー放課後ー
男友(ふぅ、気が重いけど、男の家へ行かなきゃな……)
女「友ー、男君の家行くの?」
男友「あ、ああ……」
女「私も一緒に行くわよ」
男友「お前も来るの?」
女「クラス委員だもん、クラスメートの事を心配するのは当然でしょ?」
女「それとも私が行ったら邪魔かな?」
男友「邪魔って、ど、どっ、どういう意味だよ!」
女「友は男君の事が、大好きだもんねー」クスクス
全てを見透かしている女は、うろたえている姿を見て、にやにやと笑っている。
男友「ば、馬鹿、お前何言って……」カァッ
60: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:05:58.54 ID:T91738vwd.net
女「あらあら、真っ赤になっちゃって分かりやすーい」
男友「ぐぬっ……」
女「ふふふのふ、私の目は誤魔化せないわよ!」
男友「ちっ、昔からお前には隠し事できねーな……」
女「あんたとも無駄に付き合いが長いしね」
男友「小中高一緒だもんな……腐れ縁も極まれりだな……」
女「ふふっ、そうね」
女「だから、あんたの事なんて全部お見通しよ」
男友「それにしても、お前よくあっけらかんと笑ってられるよな?」
女「なんでよ?」
男友「なんでって、俺は男であいつも……」
言いかけてから男友は慌てて口を止めた。
61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:11:49.11 ID:T91738vwd.net
男友(まさか男が女の子だったなんて、こいつにも言えねーよな……)
女「ん? もしかして男同士だからって事を気にしてるの?」
男友(ばらす訳にもいかねーし、ここは話を合わせておくか……)
男友「あたりめーだろ、男同士とか世間一般で言ったら、おかしーに決まってんだろ」
女「ふーっ、頭が古いな友君よ。世界には法律で同性婚をすでに認めてる国もあるというのに」
男友「むぅ……」
女「性的マイノリティは別に悪いことじゃないと思うわよ、私はね。だって本人達が好き同士なら、周りがとやかく言う事じゃないでしょ?」
男友「お前って以外としっかりした意見持ってるんだな」
女「だからあんたが、男君の事を好きでも別にね。それに男君はあの容姿だもんね、女の子ですって言っても全然通るよね」アハハ
男「ま、まあな」
62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:19:52.41 ID:T91738vwd.net
女「ま、恋愛観なんて人それぞれってことよ、だから頑張りなさいよ」
男友(こいつなりに気を使ってくれてんだな……)
男友「気を使わせて悪かったな」
女「一応幼馴染みだもんね」
男友「お前って良い奴だな、すぐ叩いてくるけど……」
女「今頃気づいたか? あはは、気づくのが遅いぞ!」パシッ
男友「いてっ!」
女「さ、愛しの男君の家にlet's goよ! ふふふーっ」スタスタ
男友「ちっ、全くお前には敵わねーな……」
63: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:23:44.18 ID:T91738vwd.net
ー男家ー
ピンポーン
男母「はーい、友君に、あら女ちゃんまで、こんにちは」
男友・女「こんにちは」
男友「あのー……男は……?」
男母「せっかく来てくれたのに、ごめんなさいね。具合が悪いって学校早退して部屋で寝てるのよ」
男友「そうですか……」
女「男君が起きたら、お大事にって伝えて下さい」
男母「ええ、伝えておくわね」
男友・女「失礼します」ペコリ
男母「二人共、あの子が元気になったらまた来てね」ニコッ
男友・女「はい」
64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:27:46.28 ID:T91738vwd.net
ー男部屋ー
男母「言われた通りにしたけど、本当に会わなくて良かったの?」
男「うん……」
男母「大丈夫? 何かあったらすぐ呼びなさいね」ガチャ
男「うん、ありがと……」
母親の姿を見送り、男はベッドの中で保健室での出来事を思い返した。
男(恥ずかしくて、思わず逃げだしちゃったけど……)
男(なんで友は……あんな事したのかな……?)
男(だって僕は男なんだよ? 今は何故か女の子だけど……)
男(僕の勘違い? 倒れた僕を看病してくれてただけ? で、でも友……僕の胸触ってた……)カァァッ
男(あー、気まずいよぅ……。明日どんな顔して友に会えばいいの? 学校行きたくない……)
65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:32:31.27 ID:T91738vwd.net
ー帰り道ー
女「あんた男君に何したの?」
男友「ぎくっ……。おま、なっ、なんでその事を……」
女「ふぅ、全くあんた馬鹿?」
女はやれやれという風に、溜め息をつき鈍い男友に言ってやった。
女「男君のお母さんと話をしてる時も、なんかそわそわしてるし、なにか隠し事があるのバレバレよ?」
男友(こいつ……鋭すぎんだろ……)
女「何をしたのか知らないけどさ、どうせいつも通りあんたが悪いんでしょ?」
男友「それは充分に分かってるし……反省もしてる……」
女「そか、じゃあ明日学校でさっさと謝っちゃいなさいよ?」
女「私はこっちの道だから、じゃあね友」
男友「ああ……」
66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:37:47.65 ID:T91738vwd.net
男友(でも、会って謝りたかったけど、会えなくてホッとした気持ちも、正直あるな……)
男友(保健室を飛び出して行った時のあいつの顔……)
男友「俺……明日もあいつを迎えに行ってもいいのかな……?」
男友は、してしまった事への後悔と不安からぽつり独り言を呟いた。
女「平気でしょ? 男君優しいから、きっと笑って許してくれるわよ」
男友「おわっ! で、出たっ!」
女「何よ! 人をお化けみたいに」
男友「まだ帰って無かったのかよ……ビックリさせんなよ……」
男友の抗議の声を無視して、女は続ける。
女「男君はホントにあんたの事を信頼してるんだからね。その信頼を裏切ったりしたら、あたしが許さないんだからねっ!」
女「じゃあ今度こそバイバイ」スタスタ
男友(信頼かぁ……その信頼を裏切るような事を俺は、やっちまったんだよな……)
男友(はぁ……自業自得とはいえ……気が重い……)
67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:43:40.76 ID:T91738vwd.net
ー翌朝ー
男友(あいつ許してくれるかな?)ピンポーン
男母「あら、友君おはよう。昨日は来てくれてありがとね」
男友「おはようございます。い、いえ……」
男友(元はといえば、俺のせいでとは、とても言えない……)
男母「男ー、友君が迎えに来てくれたわよー」
男は母親の呼び掛けに10秒も経たず、玄関に現れた。
男「あっ……おはよう、友……」
男友「あっ、ああ、おはよう男」
昨日の出来事からお互いに、ぎごちない挨拶を交わす。
68: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:46:27.13 ID:T91738vwd.net
男母「二人共行ってらっしゃい。気を付けてね」
男・男友「行ってきます」
男「……」
男友「……」
並んで学校へ歩き出した。無言に耐えきれず、最初に声を出したのは男友の方だった。
男友「な、なぁ、男」スッ
男「ひゃぁ! なっ、何?」ビクッ
男友(肩に少し触れただけなのに……この反応、これは完璧に嫌われちまったかな……)
男友「昨日の事は、全面的に俺が悪かった……ホントにごめん……」
男「……」
少し躊躇してから、男は思いきって男友に聞いてみた。
男「なっ、なんで、あんな事を……したの……?」
69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:50:50.93 ID:T91738vwd.net
男友「正直、目の前におっぱいがあったら、男なら誰でも触りたくなるよな? な? な?」
男「……」
男友「許してくだせー、お代官様。ほんの出来心だったんです……」
男「……」
男友「まさかお前が、女の子だったなんて知らなくてさ。俺、気が動転しちゃって……」
男「ふーん、友は気が動転したら、人の胸を触るんだ?」
黙って聞いていた男は、男友に意地悪く質問した。
男友「そ、それは……」
男「それに僕は男だよっ!」
男が珍しく声を荒げて抗議する。
男友「だってじゃあこれは?」ツンツン、プニプニ
男「ひゃん!」
71: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 19:55:56.29 ID:T91738vwd.net
男友は不意に男の胸を、制服の上から指で突ついた。
包帯を巻かれた胸からも微かな弾力が跳ね返り、その弾力が女の子の胸である事を主張していた。
男「な、なっ、なんで……まっ、また触って……」カァァッ
男友「わわっ、ごめん、つい……」
男「僕だって知らないよ。昨日目が覚めたら、体が突然女の子になってたんだもん……」
男友「はぁ? 何それ?」
男「僕が聞きたいぐらいだよ……」
男友「なぁ? という事は、当然下も……」ジーッ
男「……。ばっ、馬鹿ぁ!」
72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 20:02:40.35 ID:T91738vwd.net
男友の視線に気づいた男は、両手で股間を押さえキッと睨み付ける。
男友「そんな怒るなよ、健全な男子なら、当然気になる事じゃん」
男「うぅ……どうしてこんな事に……」
男友「あはは、神様が性別を変えたんじゃね? お前は女の子みたいに可愛いからさ」
男「可愛いって……な、な、何、いっ、言って……」モジモジ
男友(この可愛さは反則だろ……ふぅ、やばい惚れ直した……)ジーッ
男友の思いとは裏腹に、 男はこれからの事を思い溜め息をついた。
男「はぁ……僕はこれからどうしたらいいんだろう……?」
77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 20:06:45.99 ID:T91738vwd.net
男友「女の子になれるなんて最高じゃん。俺は羨ましいぞ」
男「え? どうして?」
男友「それはだな……」コホン
男友はもったいつけてわざとらしく軽く咳払いをした。
男友「女はエッチの時、男の何倍も気持ち良いらしーぞ」
男「……」カァッ
男「真面目に聞いて損した……変な事ばかり言う友なんて、もう知らない……」プィ
男友「冗談だよ。もう言わないから許して」
男「友ったら他人事だと思って……女の子の日とか……僕どうしたらいいの……」ゴニョゴニョ
男友(何ぼそぼそ言ってんだ?)
男友「ま、なっちまったもんは仕方ねーじゃん。取り合えず、誰かにバレないように気をつけようぜ」
男「う、うん……そうだね……」
78: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 20:14:23.48 ID:T91738vwd.net
ー教室ー
女「ふふふ、その様子は男君と仲直りできたみたいだな?」
男友「ああ、おかげでな」
女「良かったな!」バンッ
男友「いてっ! いちいち叩くな!」
男「あ、女さんおはよう。昨日は来てくれたのにごめんね」
女「ううん、気にしないで。元気になって良かったね」
男「うん! ありがとう」
男は男友と女との会話に夢中で、DQNから放たれる絡み付くような視線に、全く気づいていなかった。
DQN(なんであいつは女なのに、男の振りして学校通ってんだ?)ジーッ
DQN(まぁ、なんか理由あるんだろうが、これをネタにふひひ……)「」
81: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 20:19:12.27 ID:T91738vwd.net
ー昼休みー
男友「あー、腹減った……昼飯、昼飯っと……」ゴソゴソ
男友「あーっ! しまったー!」
男「どっ、どうしたの友? そんなに大きな声だして?」
男友「弁当忘れた……」ガーン
男「僕のお弁当半分あげようか?」
男友「いや、悪いから購買行ってパン買ってくるわ」
男「そう?」
男友「すぐ買ってくるから、ちょっと待っててくれ」タタタッ
DQN(よし、今がチャンスだな。俺も購買行く振りしてと)スッ
89: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 20:43:25.94 ID:T91738vwd.net
DQN(そろそろいいか)ガラッ
DQN「おい、男」
男「えっ? あっ、DQN君……なっ、何?」ビクッ
男(何の用だろ……? DQN君怖いから苦手なんだよね……)ドキドキ
DQN「男が『今日天気が良いから屋上で飯食べよーぜ』だとよ。購買でパン買ったら直接行くんで、男も屋上に来てくれだとよ」
DQN「購買で会った男からの伝言、確かに伝えたからな」
男「わざわざありがとね」ニコッ
男(なんだDQN君良い人じゃん……見た目で判断してごめんなさい)
男(じゃあ僕も屋上行かないと)タッ
DQN(上手くいったな。こんな簡単に信じてこいつ馬鹿だ) クククッ
女「?」
94: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 20:52:21.02 ID:T91738vwd.net
ー屋上ー
男(友はもう来てるかな?)
屋上へ通じる扉のドアノブを回すと、錆び付いた鉄の扉が、ギィと耳障りな音を響かせた。
男「まだ居ないや。早く来すぎたかな?」
二分後、ドアの開く音を聞いた男は扉に向かって声をかけた。
男「あっ、友ここだよー」
しかしそこに現れたのは、男友ではなくDQNの姿だった。
男「えっ? どうしてDQN君が……」
DQN「よう男。いや女かな」ニヤニヤ
男「!?」
男「えっ? お、お、女って……な、何の事……?」
96: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 20:57:36.75 ID:T91738vwd.net
DQN「お前が男の振りしてるって、もうバレてんだよ!」
男「そ、そっ、そんな訳ないじゃん……」タタタッ
DQNに追及された男は、その場から逃げ出そうと駆け出した。
DQN「おっと、逃がす訳にはいかねーな」ギュッ
男「何するのっ! 止めてよ! 離してっ!」
DQNに片腕を掴まれた男は、身を捩って激しく抵抗する。
DQN「あっ? じゃあ、これはなんなんだよ?」ビリッ
力ずくで押さえつけたDQNは、両手で男の制服とYシャツを無理矢理引き裂いた。
ぶちぶちっという音と共に、千切れたボタンが宙を舞った。
男「なっ!?」
98: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:02:47.66 ID:T91738vwd.net
男「なっ、何するんだっ!」キッ
男はとっさに自由になる片手で、胸を隠し、睨みつけながらDQNに向かって声を荒げた。
男「こ、この変態っ!」
DQN「あ〜ん? 何言ってやがる。男の振りをして学校に通ってるお前の方がよっぽど変態じゃねーか」
男「ちっ、違う、僕は……」
男の言葉を聞き終える前にDQNは、はだけたシャツから覗いている包帯に、ナイフを押し当てて言った。
DQN「おっと、動くと怪我すんぞ!」
男「ひっ……」ビクッ
99: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:07:56.12 ID:T91738vwd.net
DQN「ほれほれ動くと怪我すんぞ! へへへ……」ビリビリ
男「や、やだっ……止めて……」
男の言葉を無視して、DQNはナイフで、胸を覆っている包帯を徐々に切り裂いていく。
DQN「へへ、可愛いおっぱいしてるじゃねーか? これでもまだ男だなんて言うのか、あ?」ムニュムニュ
すっかり露になった男の胸を揉みながら、DQNは下卑た声を発した。
男「!?」ビクンッ
男「やっ! やだっ! 離せーっ! 離せったらーっ!」ジタバタ
男(うぅ、力が入らない……女の子の身体ってなんて弱いんだ……)
DQN「うるせーな! 男に力で敵うはずねーだろ? おらおら、大人しくしてろや!」バシッバシッ
男「あぅ! うぐぅ……」
102: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:12:55.60 ID:T91738vwd.net
DQN「へへへっ、騒いだってこんな所誰も来やしねーよ」モミモミ
男「やっ、いやだよ離して! お願いだから……もう止めてよぅ……」
DQN「ばーか! こんな楽しいこと止めるわけねーだろ」グリグリ
男「い、痛い! 痛いっ! やだーっ!」ジタバタ
DQN「じっとしてろやっ!」バシッ
男「きゃっ! うぅ……ぐすっ」
DQN「ふへへ……」
男「もう嫌だっ! だ、誰かーっ、お願い助けてーっ!」
DQN「ちっ、うっせーな!」
DQNは千切った包帯を、口の中に押し込み、更に余った包帯で男の両手を後ろ手に縛りあげ拘束した。
104: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:17:59.65 ID:T91738vwd.net
男「!? むーっ! んーっ!」ジタバタ
DQN「ふひひ、可愛い乳首してるじゃん?」ペロペロ
男「んーっ! んっ……ひっく……えぐっ……うっ……うっ」ポロポロ
DQN「何泣いてんだよ? おらおら気持ちいいって言ってみろや? あ、口塞がれて言えねーか」ヒャハハ
男「ふぐっ、んーっ! むぐーっ! うぅ……えぐっ……」バタバタ
DQN「嫌がってるけど、ホントは感じてんだろ?」フヘヘ
男(えぐっ……友……ともぉ……助けてよぉ……こんなの……こんなの……僕嫌だよぅ……)グスッ
DQN「お前男友の事が好きだろ? いつも一緒に居るもんな。相手があいつじゃなくて残念だったなー? ヒャッハー!」
106: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:22:47.24 ID:T91738vwd.net
ー購買ー
男友「どけーっ! その焼そばパンは、俺のものだーっ!」
男友「おばちゃん。焼きそばパンとコロッケパンとチョココロネね」
男友「ふーっ、やっと買えた。昼の購買はさながら戦場だな……」
男友「さ、男が待ってるから、早く教室に帰らないとな」タタタッ
男友「あれ? 男が居ない……?」キョロキョロ
女「ん? あんた屋上に行ったんじゃないの?」
男友「はぁ? 購買にパンを買いに行っただけだぜ?」
女「あれ? さっき男君とDQNが、あんたが屋上で待ってるって話をしてたけど?」
男友「屋上? DQN? なんでそんな所に……」
男友「何か嫌な予感がする……」ダッ
女「はやっ!」
108: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:27:46.40 ID:T91738vwd.net
ー屋上ー
DQN「おい! 包帯取るけど、騒いだらまた殴るからな!」
男「……」コクッ
すっかり抵抗の意思を削がれた男は、力なく頷く事しか出来なかった。
DQN「取るぞ」スッ
男「ゲホッ……ゴホッ……けほっ、けほっ……」ハァハァ
DQN「なぁ? 何で俺が口から包帯を取ったか分かるか?」ニヤニヤ
男「えっ? な、何で……?」
DQN「しゃぶらせる為に決まってんだろ!」ボロン
男「!?」ビクッ
男「んーっ、むーっ!」フルフル
109: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:30:53.12 ID:D8ZHJiRI0.net
めっちゃ勃起してきた
110: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:33:10.62 ID:T91738vwd.net
DQN「おら口開けろよっ! 皆にお前が女だってばらすぞ!」バシッバシッ
男「 うぅ……止めてよぅ……もう殴らないでよぅ……」ポロポロ
DQN「女の癖に男の振りなんかしやがって! おら! しゃぶれ!」グィ
DQNは髪を掴み、自分の下半身に無理やり男の顔面に押し当てた。
男「やだっ! 臭いっ、やめてよーっ!」
DQN「おらおら! 口で奉仕しろや」ズリズリ
男「ぐすっ……やだ……やだぁ……」フルフル
男(こんなの……嫌だ……助けてよぅ……友……)グスン、ポロポロ
DQN「早くしろや。まだ殴られ足りねーのか? あん?」イライラ
男「ぐすっ……ひっく……」ビクッ
111: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:41:16.44 ID:T91738vwd.net
屋上にかけ上がった男友が目にしたのは、全身がボロボロで後ろ手に拘束された男と、下半身を露出させたDQNの姿だった。
一瞬で状況を理解した男友は、次の瞬間DQNに向かって走り出していた。
男友「男!」
男友「DQNてめぇーっ!」ドカッ
後ろから不意打ちをくらったDQNは揉んどり打って倒れこんだ。
DQN「ぐはぁ!」ズザーッ
男「とっ、友ぉ……」ブワァ
男友の姿を確認した男は、安堵から大きな瞳から涙を溢れさせた。
男友「こいつだけは……絶対に許さない! 男に謝れーっ! 女の子にこんな酷い事しやがってー!」ドカッバキッ
112: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:46:49.09 ID:T91738vwd.net
怒りに震える男友は倒れたDQNに拳と蹴りの雨を浴びせた。
体を丸めて殴打から身を守っているDQNは弱々しいうめき声をあげた。
DQN「ぐふっ、げふっ」
男友「男にこんな酷い事をしやがって……このカス野郎!」
DQN「ぐぅ……もっ、もう、止めてくれ……」
男友「お前は同じ事を言った男を許したのか?」
DQN「そ、それは……」
男友「自分より弱いものにしか、強く出られない癖に……」ギリギリ
男友「この卑怯者が! 死ね! お前なんか死んじまえっ!」ドカッドカッ
DQN「がはっ……もう……許し……て……くれ」
男友「許さん! 死ね!」ガシッガシッ
116: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:52:02.36 ID:T91738vwd.net
男「だめ、それ以上やったらDQN君が本当に死んじゃうよーっ!」
殴り続けている男友の背中に向かって、男は必死に大声をあげた。
男友「男……でもこいつは」
男「もう許してあげて……もう充分……だから」
男友「お前……自分だってそんな酷い事されたのに……」
男友「こんな優しい奴に……DQNてめぇはー!」キッ
DQN「ひっ! ひぃ、た、助けて……」
男友「男がああ言ってるから、今日はこれだけにしておくがな」
一瞬間をおいてから男友は、低い声で続けた。
男友「もしまた男に手を出そうとしたら……今度こそ殺すからな。
それと男が女って誰かにバラしたら、どうなるか分かってるな?」ギロッ
DQN「はひぃ〜」ダダッ
男の鋭い眼光に、DQNは言葉にならない声をあげながら逃げていった。
117: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 21:58:11.00 ID:T91738vwd.net
男友「ちょっとまってろよ」
男友は男に駆け寄り、拘束している包帯を歯を使って引きちぎった。
男「友……ぐすっ」ギュッ
両腕が自由になった男は泣きながら男友の体に抱きついた。
男友「お、おい男……大丈夫なのか? 口の端から血が……」スッ
男「えぐっ……ひっく。怖かった……ホントに怖かったの……」ポロポロ
男友「そっか……可哀想に」ファサ
男友は男の上半身に自分の着てた上着をそっと掛けてあげた。
男「でも……きっと友が……助けに来てくれるって……僕信じてたんだよ」グスッ
118: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:04:38.28 ID:T91738vwd.net
男友「遅くなって悪かったな」
そう言って男友は、男の柔らかい髪を撫でてあげた。
男「ううんっ。助けてにきてくれて……嬉しかった……」
男は男友の胸に顔を擦り付ける。
男「君とこうしてると、何だかとっても安心……えへへ、男同士なのに可笑しいね……」
男友(あーっ、男が可愛いすぎて、俺がどうにかなりそうだ……)
男「ともぉ、もう少しだけ……こうしててもいい……?」ジーッ
男の大きな黒い瞳に見つめられ、男友はただ頷く事しか出来なかった。
男友「あ、ああ……」ドキドキドキ
119: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:09:53.89 ID:T91738vwd.net
男友(ふぅ……ずっとこうしていたいものだぜ)
女「男君ー? 友ー? 居るのー?」タタッ
女の目に飛び込んできたのは、まるで恋人同士のように抱き合っている二人の姿だった。
女(おやおやー? これはこれは……ひょっとしてー?)ニヤニヤ
女「あらあら、こんな真っ昼間から見せつけてくれますわね」クスクス
男友「げげっ! お、女! お前いつからそこに……?」
女「ぷぷっ、君達が抱き合って、愛を確かめあってる時からかな」
122: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:14:05.39 ID:T91738vwd.net
女「抱き合っちゃって……まあ、お仲がよろしいようで」クスクス
男「これは違うの……そっ、その、別にあの……えーと」アタフタ
男は男友と抱き合ったまま、必死に言い訳をする。
男友「お前、ご、誤解すんなよ! こ、これはち、違うんだからな!」
女(ぷっ……友ったら嬉しい癖に無理しちゃって。意外なのは、男君もそんなに嫌がって無い事かな?)
女(なんだかんだ言っても、この二人は案外お似合いなのかもね)フフッ
男友「な、何笑ってんだよ!」
女「べっつにー。お邪魔虫は消ーえよっと。じゃねー」タタタッ
124: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:20:57.97 ID:T91738vwd.net
男友「もう昼休み終っちまうな」
男「うん、そうだね」
男友「午後の授業出られるか?」
男「出たくない……」
男友(そりゃあんな目に遭えばな……DQNと同じ教室に居るのも嫌だろうな……)
男友(気分を晴らしてやりてーな、うーん……あ、そうだ!)
男友「なぁ、男? 午後の授業サボらね?」
男「えっ……?」
男友「だからぁ! たまには授業フケて遊びに行っちゃおうぜ!」
男(そっか友……僕の為に……)
男「うん……いいよ」
男友「よし決まりだな」
男(ありがとね……友)
男友(これって、ひょっとして、男とデートじゃね……?)
126: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:27:31.90 ID:T91738vwd.net
ー教室ー
男友「女ーわりぃけど俺と男、午後の授業さぼる事にしたからよ、先生には早退したって言っておいて」
女「ちょっとあんた! ひょっとして男君とデート? うふふ」
男友「なっ……ばっ、馬鹿な事を言うなよ」
女「まっ、いいわ。先生には言っといてあげるわよ」ニヤニヤ
男友「おぉ、サンキュー。じゃあよろしく頼んだぞ」
女「貸しだからね。今度何か奢りなさいよ!」
男友「ああ、何でも奢ってやるよ」
女(やれやれ……ま、しっかり頑張ってきなさいよ)
男友「お待たせ」
教室の前で待っていた男に、鞄と自分の予備のYシャツを手渡した。
男「ありがとう」
男友「先生に見つかる前に、さっさとずらかろうぜ」
男「うん!」
127: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:33:50.55 ID:T91738vwd.net
ー街中ー
男「どこ行くの?」
男友「まずは、お前の服を買わなきゃな」
男友(学校を出る前に俺の予備のYシャツを着せたけど、流石にこれじゃあな……)
男友のYシャツは小柄な男には大きすぎ、袖を何度も折り返し着ていた。
しかしサイズが大きいのが幸いし、胸の膨らみを上手く隠している。
男「でも……僕今日服を買う程、お金持ってないよ……」
男友「大丈夫バイト代出たばかりだから、金は俺に任せとけよ」
男「そんなの悪いよ……」
男友「いや、いいんだよ。その代わり……」
男「その代わり?」
男友「いや……その……ほら、お店に着いたぞ」
男「えっ? ここって……?」
129: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:40:08.41 ID:T91738vwd.net
ー洋服屋ー
男「あれ……えーっと……ここって女の子の洋服屋さんだよね?」
男友「ああ」
男「……」
男友「今のお前なら絶対似合うと思うぞ。なんたってホントの女の子なんだからな」
男「で、でも……」
男友「やっぱり駄目? 男の服の方が良い?」
男(友にはお世話になりっぱなしだし、さっきも助けてもらったし……)
男「ううん……いいよ」
男友(いやっほぅー!)
男(ちょっと恥ずかしいけど……友が言う通り今は女の子なんだし、これ位いいか……)
130: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:45:22.83 ID:T91738vwd.net
男友「すみませーん。この娘に合う服を適当に選んで欲しいんすけどー」
男「……」モジモジ
店員「いらっしゃいませー。かしこまりました」ニコッ
店員「じゃあ、彼氏さんはこちらでお待ち下さいねー」
男友「か、彼氏……?」
男友(彼氏かぁ……なんて良い響きだ〜……)ジーン
店員「?」
店員「じゃあ彼女さんは、こちらにどうぞー」
男「か、彼女……?」
男(えっ? あっ、ぼ、僕の事か)
男「は、はっ、はい!」
店員(この二人……なんか変なカップル……? この娘は、男の子の制服着てるし……?)
132: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:52:07.17 ID:T91738vwd.net
ー15分後ー
店員「如何でしょう?」ガラッ
カーテンの向こうから現れた男に、男友は言葉を失った。
男友「おま、お前……」
男「ど、どう? 変じゃない……?」
店員に促され、男友の前で体を一回転させると、パステルカラーのスカートがふわりと波打った。
すらりと伸びた長い脚にミニスカートがよく似合っている。
男友「お前が天使過ぎて、俺直視出来ない……ま、眩しい」
男「と、とっ、友ったらオーバーだよぅ……」カァァッ
店員「お客様は素材が良いので、コーディネートのしがいがありましたよ」ニコッ
男「そ、そっ、そんな……僕なんて……」
男友「全部でいくらですか?」
店員「あっと、失礼しました。お会計は19800円になります」
男(そんなに……するんだ……)
男友「はい。じゃあこれで」
店員「ありがとうございましたー」ペコリ
134: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 22:56:17.33 ID:T91738vwd.net
男「ともー、こんな高い服を買って貰っていいの……?」
男友「うん。だって俺が着て欲しいって言ったんだから」
男「でも……」
男友「いいんだよ、気にすんな」
男「う、うん……ありがと……」
男友「さ、行こうぜ」スタスタ
暫く歩いた後、男は何かに気がつき、男友に不安げに尋ねた。
男「ねぇ、やっぱりこの格好おかしいんじゃないかな……?」
男友「なんでだよ? すげー似合ってるのに」
135: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:02:41.76 ID:T91738vwd.net
男「だ、だって……さっきからすれ違う男の人が皆、僕の事をジロジロ見てくるから……」
男友「ぷっ! くすくす……」
男「なんで笑うのっ!」
桃色の頬を膨らませて、男は男友に向かって抗議の声をあげた。
男友「馬鹿だなぁ、変だから見てくるんじゃなくて、お前がすげー可愛いから、皆が見てくるんだろ?」
男「僕が凄く可愛い……?」
男友「ああそうだ。めちゃくちゃ可愛いんだよ!」
男「そんな可愛いって連呼しないで、恥ずかしいよ……」カァァッ
男友「それは無理。だってホントに可愛いんだもん」
男「あぅぅ……」
137: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:08:05.77 ID:T91738vwd.net
男友「さてと、じゃあこの後どこに行こうか?」
男友「映画観るか、カラオケ行くか、それともゲーセンでも行くか?」
男友「男は何がしたい?」
男「僕は何でもいいよ」
男友(むー、ギャルゲーとかだと、この選択でフラグが立つとこだな)
男友(ここはやっぱり王道の映画かな?)
男友「んじゃ、映画にしようぜ」
男「うん」
男友(さてと、ジャンルはどうするか? ここからが問題だぞ)
男友(やっぱり恋愛映画かな? いやホラーで怖がらせて、抱きつかせるのも捨てがたいな……)
男「?」
138: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:13:55.83 ID:T91738vwd.net
ー映画館ー
男「なんの映画観るの?」
男友「ふふふっ、それは入ってからのお楽しみだ」
男「映画館で映画観るの久しぶりだから楽しみー」ワクワク
男友(よし、ここはやっぱりホラーだろ。上手くいけば、あんな事や、こんな事にも……ぐふふ)
男友「チケット買ってくるから、ちょっと待っててな」
男「うん」
男友「『死霊の夏休み』高校生2枚下さい」
チケット売り場嬢「『死霊の夏休み』高校生2枚ですね」
男友「どうもー」
男友「お待たせ。さ、入ろうぜ」
男「お帰りなさい」
139: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:17:41.90 ID:T91738vwd.net
男友「さ、始まるぞ」
男「うん」ドキドキ
スクリーン『この化け物ー! 死ね! 死ねーっ!』ガシッガシッ
男「ひっ! 何これ……?」ドキッ
男友「さっき買ったパンフレットによると『全米が震撼したスプラッタームービーの最高傑作がついに日本に上陸!』だってさ」
男「えぇ? 僕ホラー映画苦手なのに……」ビクビク
スクリーンに映し出されるグロテスクな映像に男は無意識の内に、男友の手を握っていた。
男友(計画通り!)ニヤリ
140: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:23:47.81 ID:T91738vwd.net
スクリーン『銃で撃ってるのに、なんで死なな……うわぁー! くっ、来るな化け物ーっ!!』パーンパーン
男「もうやだよぉ……怖いよぅ……」ギュッ
握った手に思わず力が入り、男の手からは震えが伝わってくる。
男友「大丈夫だって、俺がついてるから……」ギュッ
男「うぅ……怖いよぅ……」ブルブル
スクリーン『ぎゃあー! びちゃ、びちゃ、ぐちゃ、ぐちゅ……ぶしゅー!』
男「ひぃ……! も、もう……やだぁー!」ヒシッ
男は恐怖の余り、スクリーンから目を背け、隣の席の男友にしがみついた。
男友(きたー! 胸の感触が腕に……はぁ……幸せ……)
141: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:27:05.81 ID:T91738vwd.net
ー映画館ロビーー
男「うぅ……こんな映画見せるなんて酷いよぅ……」グスッ
男友「わりぃ、わりぃ。俺てっきり、男もホラー映画好きだと思ってさ」
男「好きな訳無いよぉ……ぐすっ、自分の血を見ただけでも、気分が悪くなるのに……」
男友「ごめんな」ナデナデ
男「ぐすん、ひっく……」
男友(まさか泣いちゃうなんて……ちょっとやりすぎたかな……)
男友「おっ、そうだ、ちょっと待ってろよ」タタタッ
男友「ほれ、男」スッ
そう言って男友は、買ってきたソフトクリームを男へ差し出した。
男「えっ?」
うつむいて泣いていた男は、男友の声に顔をあげた。
142: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:34:25.82 ID:T91738vwd.net
男友「冷たい物でも食べて落ち着いてくれ」
男「……うん」
男友「じゃあこれをどうぞ」スッ
男友は姫に仕える騎士のように、男に向かって恭しくソフトクリームを差し出した。
男「えへへ……美味しい」ペロペロ
男友(機嫌直してくれたかな? それにしても舌使いがエロい……)ウッ
男「友〜? なんで前かがみになってるの?」ペロチュパ
男友「お前のせいだろ……」
男「えっ? 何で僕のせい?」キョトン
男友(天然過ぎる……)
143: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:37:47.16 ID:5HIX28PD0.net
何これ素敵
144: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:42:05.58 ID:T91738vwd.net
男「あっ、もうこんな時間なんだね」
映画館から出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。
男友「そうだな。そろそろ帰るか」
男「うん。そうだね」
暗くなった道を家に向かって、二人で並び歩きだす。
男「ねっ、友……今日は本当にありがとう」
男友「どうした? 改まって」
男「DQN君に襲われた時に、助けに来てくれたでしょ?」
男友「そんなの当たり前だ。お前は大切な友達だもん」
男「あの時の友……とっても格好良かった……よ」ボソッ
男友「えっ?」
男(あれ? 僕ったら何を言って……)カァァッ
男「な、何でもないよっ!」
男友「ははっ、変な奴だな」
146: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:47:20.57 ID:T91738vwd.net
男友「ああそうだ、忘れてた。帰る前にうちに寄っていけよ」
男友にそう言われた男は、ドギマギしながら応えた。
男「えっ? なっ、なんで?」ドキッ
男友「だって、その格好で家に帰ったら、おばさんビックリすんだろ?」
男「あっ! そっか、そうだよね……」
自分の姿を見返して男は呟く。
男(今、女の子の格好してるんだった。忘れてた……」
男友「すっかり馴染んで、俺には全然違和感無いけどな。あはは」
男「……」カァッ
男友「俺の服を貸してやるから、それを着て帰れよ」
男「うん……ありがと」
148: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/20(金) 23:58:13.14 ID:T91738vwd.net
ー男友家ー
男友「ただいまー」
男「お邪魔しますー」
男「友の家に来るの久しぶりだね」
男友「そうだな、さてと、お前に貸す服を出さないとな」ガサゴソ
男友「んー。これでいいかな?」
男友はタンスの中からジーンズ、Tシャツ、トレーナーを出し、男に手渡しながら言った。
男友「部屋の外に出てるから、着替え終ったら声をかけてな」ガチャ
男「うん、分かった」コクリ
男(わぁ、ぶかぶかだ……。友は体が大きいもんね……)
男(裾と袖を折ればなんとか……こんな感じでいいかな?」
男「友いいよー」
男友「よし準備できたな。じゃあ、お前の家まで送って行くよ」
男「うん、ありがと」
150: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 00:04:06.08 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー帰り道ー
男(友と一緒に歩いているだけなのに……さっきから胸がドキドキするのは……何故だろう?)
男(僕どうしちゃったんだろう……?)
男友「おい? なんか顔が赤いけど、大丈夫か? 熱でもあるんじゃないか?」ピトッ
男友の大きな掌が男の額に触れた。
男「えっ、そ、そんな事ないと、おっ、思う……けど」アタフタ
男友「そうか?」
男「う、うん……」ドキドキ
男友(? 何か様子が変だな?)
男「あの、お、送ってくれて、あ、ありがと。もうここで、だ、大丈夫だから……」タタタッ
男は逃げるように、その場から走りだした。
男友「あ、おい友! あー、行っちゃったよ……まぁ、ここまで来れば、あいつの家は目の前だから大丈夫か」
男友(それにしても、突然走り出してどうしたんだろ? トイレかな?)
151: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 00:10:18.53 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー男部屋ー
男(はぁ……はぁ……思わず逃げ出しちゃった……)
男は自分の部屋に入るなりベッドの上に飛び乗った。
そのまま仰向けになると、ふーっと、深く溜め息を吐き、今日の出来事と男友の事を考えていた。
男(助けに来てくれた時の友……格好良かったな……)キュン
男(身体が変化してから、心も女の子になってきてる……?)ドキドキ
男(この服……友の匂いがする……)クンクン
男はベッドの上で、男友の服の匂いを嗅いでいると、何故か変な気分になり自然に手が動いていた。
男(変だよぉ……なんで友の事を考えると、胸がドキドキして……体が……熱くなって……)ムニュムニュ
男「んっ……あっ! ぁん……」
男(僕どうかしちゃったのかな……? こんな事して……)カァッ
男(でも、気持ち良くて手が止まらないよぉ……)クリクリ
『女はエッチの時、男の何倍も気持ちいいらしいぞ』男の脳裏に男友が言った言葉が浮かんだ。
男「友のいう通りだ……。んっ、はぁはぁ……んぁっ……」コリコリ
男(や、やだっ……変な声がでちゃう……) カァァッ
153: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 00:15:48.36 ID:yW2Y9h+Nd.net
男(女の子の体って……んっ、な、なんで……こんなに敏感……なの)
男(ふぁ? なんか濡れてる……)ヌル
男「ぁぁ……あっ……んっ」チュクチュク
男(やだ、なっ、なにこれ……気持ち良すぎるよぉ……)ビクッ
男「友……友……ともぉ……ぁん、あっ……」クチュクチュ
男(頭がふわふわして……僕、僕、どうにかなっちゃいそうだよぉ……)
男「ぁっ、ハァ……ハァ……んっ……あっ、あっあーっ!」ビクンビクンッ
男「はぁ……はぁ……びしょびしょだ……」
男(僕……友の事を考えて……一体なにをしてるの……)カァァッ
159: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 00:48:35.20 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー翌朝ー
男母「男ー、友君が来てくれたわよー」
男「はぁーい……」
トントンガチャ
男友「男入るぞー。おはよー」
男「あっ……とっ、友……おはよ……」ドギマギ
男友「ん? どうした?」ニコッ
昨日の事を思いだし、男は男友の顔をまともに見られない。
男「うっ、ううん。なっ、何でもない……」カァッ
男友「?」
男友「部屋の外で待ってるから。着替え終ったら教えてくれ」
男「あ、あの、べっ、別に部屋の中で待ってても……いいよ」ボソッ
男友「えっ? えーっ! マジでー!?」
男「うん……」コクリ
160: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 00:53:41.28 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「……」スルスル
男友(こっちからだと……背中しか見えないけど……やべぇ)ゴクリ
男友(はぁ……白いなぁ……スベスベだなぁ……綺麗だなー)ウットリ
男(背中越しに、友の視線を凄く感じる……恥ずかしいよぅ……で、でも友になら……)
男友(それにしても、あんなに裸を見られるのを嫌がってたのに、どうしたんだろう?)
男物の制服に身を包み終った男が、放心状態の男友に声をかけた。
男「お待たせ、さ、学校に行こ」
男友「あ、ああ……」ボーッ
161: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 00:56:52.91 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー登校途中ー
男「友ー?」
男友「……」
男「ねぇ、ねぇ? 友ったらー」
男「……」
男「えいっ!」ポカッ
男友「いてっ!」
男「もうっ! さっきからボーッとしちゃって……」
男友「ん、ああ……」
男「どうしたの? 寝不足? ほーら、しゃきっとしなよー」クスッ
男友(んな事言ったって、朝からあんな刺激の強いもん見せられたら、そりゃな……)
163: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:00:58.76 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー教室ー
女「おはよー。男君今日も可愛いねー」
男「可愛いって僕は男なんだよ?」
女「だってホントの事じゃん」
男「うぅ……」
男友「おいっ女! あんまり男をからかうなよ」
女「はいはい。ごめんねー男君があんまりにも可愛くてさー」クスクス
男友「全くこいつは……」
男友(それにしても男の女化、よく誰にもバレないな)
男友(まあ、もともと女の子みたいな外見だったしな)
男友(DQNにはバレたけど、あんだけ脅かせば大丈夫だろうし)
男友(このまま何事もなく過ごせればいいな)
166: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:06:10.26 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー放課後ー
男友「あー、今日も一日勉学に励んだなー」
女「何言ってんのよ。あんた午後の授業ずっと寝てたじゃない」
男友「寝る気は無かったんだけど、気づいたら寝てた」
男「あははっ」
女「男君、こんな不真面目な奴にノート見せてって、言われても見せちゃダメだからね」
男「えっ、でも……」
女「男君が優しくすると、こいつ付け上がるからさー」
男友「そ、そんな〜……俺はお前だけが頼りなんだよ〜」ガシッ
男「頼りだなんて……そんな、僕、困っちゃう……よ」
167: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:10:13.93 ID:yW2Y9h+Nd.net
女(ふふっ…なんだかんだで、この二人上手くいってるみたいね)クスッ
女(さてと、じゃあ邪魔者は消えてあげますかねっと)
女「じゃあ男君また明日ね。あ、ついでに友も、じゃあねー」スタスタ
男「うん、また明日ね女さん」
男友「おいっ! ついでにってなんなんだ! 全く……」
女が出て行き、他に誰も居なくなった教室が静寂に包まれた。
男「……」
男友「……」
男「僕達も帰ろっか?」
男友「そだな」
168: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:15:35.46 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー帰り道ー
男友「今日も誰にもバレずに、済んで良かったな」
男「う、うん」
男友「どうした?」
男「な、何でもない……」モジモジ
男友(男の様子がおかしいな?)
何かを言いたげな男は、思いきって口を開いた。
男「あの……。あのね……」
男友「ん? どうしたんだよ? 遠慮しないで何でも言えよ」
169: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:21:09.55 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「昨日のお礼にね、今日……僕の家に来ない?」
男友「へっ……?」
男「昨日は友にいっぱいお金使わせちゃったでしょ……? だからお礼がしたいんだ……」
男「明日土曜日だし……家に、とっ、泊まりに来ないかなって……?」モジモジ
男友「俺が、おまえの家に泊まりに行っていいの?」
男「うん……」コクリ、カァァッ
男友「マジで!? 行くっ! 行くに決まってる!」
男「そ、そう? じゃあ、僕が夕御飯作って、ご馳走するね」ニコッ
男友「おう。楽しみにしてるぜ 」
男(良かった。友が来てくれる……嬉しいな……えへへ)
男友(男の家にお泊まりかぁ……うへへ……)
171: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:27:01.48 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー男家ー
男(友は何を作ったら、喜んでくれるかな〜♪)
男(僕……いつから友の事をこんなに好きになってたのかな……?)
男(男のだった時も、確かに友の事は好きだったけど、それは友達としてだったのに……)
男(女の子になってから、気持ちがどんどん傾いていって……)
男(でも……友はきっと気持ち悪いよね……? 男の僕なんかに好かれてるって知ったら……)
男(はぁ……心が苦しい……僕どうしたらいいんだろう……?)
男(考えても仕方ないや……友が来る前に、買い物行かなきゃ……)ガチャ、バタン
173: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:34:54.60 ID:yW2Y9h+Nd.net
━商店街━
男「 えーと、豚肉と人参、ジャガイモ、玉ねぎ、あとしらたきも入れなきゃね」
男「肉じゃがの材料はこんなものかなー?」
男「あとはえーと、お魚と……」
男「んーっ、こんな物で今日の夕御飯は大丈夫かな?」
スーパーで食材を買った男は、商店街の中を通り家路を急ぐ。そんな中、見覚えのある店が目に入った。
男(あ、この前、友に服を買って貰ったお店だ……)
男(そういえば僕、下着は未だに男物なんだよね……)
男(ブラしないとおっぱい擦れて痛いし……いい加減女の子の下着買っていこうかな……?)
175: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:41:30.43 ID:yW2Y9h+Nd.net
━洋服屋━
男「……」ソロリ
店員「いらっしゃいませ。あら、あなたこの間の?」
男「覚えているんですか?」
店員「ええ勿論、特徴のあるお客さんは忘れないわよ」
男「そうなんですか?」
店員「あなたたち、ちょっと変わったカップルだったからね」
男「あ、あはは、そ、そうですね……」
店員「今日はあの背の高い彼氏は、一緒じゃないの?」
男「あ、あとで会います……」
店員「そう、若いって良いわね。ラブラブね」
男「そ、そそっ、そんなんじゃないです!」
店員「ところで今日は何を買いに来たのかしら?」
男「あ、あの……下着……なんですけど……」カァァッ
176: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:47:39.48 ID:yW2Y9h+Nd.net
店員「そっか、勝負下着を買いにきたのね? ふふっ」
男「しょ、勝負下着!? ちち、ちがいま、ます!」アタフタ
店員「ほら、遠慮しないの。お姉さんが一緒に選んであげるから」グィ
男「あ、あの、ちょっ……」
強引に店員に引っ張られ男は、下着コーナーへ連れて行かれる。
店員「ふふ、あなた可愛いからどれも似合いそうね。これなんかどう?」
店員は黒いレースの下着を、男の前に差し出した。
店員「どう? この上下で彼氏を悩殺しちゃう?」クスクス
男「……こ、こ、こんな、なの、ぼ、僕には、むっ、無理です……」カァァッ
177: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 01:55:55.84 ID:yW2Y9h+Nd.net
店員「あらそう? あなたなら肌も白くて綺麗だから似合うと思うけどなー?」クスクス
男「そ、そ、そんな訳、な、なっ、ないです……」
店員「あら残念ね、じゃあこっちは?」スッ
店員はそう言って、真っ赤なTバックを差し出した。
男「……そ、そんなえっちなの……ぼ、僕には……」カァッ
店員「あははっ、だよね。この2つは君の歳にはまだ早いかな?」
男「あぅぅ……」
店員「ごめんね、ついからかいたくなっちゃった。今度は真面目に選ぶからね。」
店員「うーん、あなたの歳なら黒や赤より、白とかピンクの方が似合うわね。これはどう?」
男「あっ、それ可愛い……です」
179: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:01:36.83 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「じゃあこれの上下でお願いします」
店員「ところであなたスリーサイズはいくつなの?」
男「えっ? えーと……あの、その……」
店員「自分のスリーサイズ測った事ない? 忘れちゃった?」
男「ご、ごめんなさい……」
店員「別に謝らなくてもいいのよ。じゃあ、ちょっと測ってみましょ」
店員「はい、両手をちょっと上げてね」
男「はい……」ドキドキ
店員「フムフム、トップが……で、アンダーが……で、ウェストは……、ヒップは……ね」
店員「このサイズがいいかな」
男「あっ、ありがとう……ございます……」
180: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:07:43.02 ID:yW2Y9h+Nd.net
店員「可愛い下着だから、きっと彼氏も喜んでくれるわよ」
店員は商品を袋に詰めながら言う。
男「そ、そうかな……?」
店員「うんうん、きっと喜んでくれるわよ」
店員「うーんとおまけして1000円でいいわ」
男「えっ? こんな安くて……いいんですか?」
店員「ええ、サービスしてあげる。その代わりまた買いに来てね」
男「あっ、ありがとうございます」
店員「彼氏に宜しくね♪」
男「……は、はい」カァッ
店員「有難うごさいましたー」
男(女の子の下着買っちゃった……)
男(さ、早く帰らないと、友が家に来ちゃう)タタタッ
181: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:13:46.51 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー男家ー
ピンポーン
男友「男居るかー?」
男「はーい。早いねー」ガチャ
男友「そうか? ほいお土産」
男友は、買ってきたケーキの箱を男に手渡す。
男「そんな気を遣ってくれなくて、良かったのに……」
男友「ま、いいじゃん。買っちゃったんだから」
男「うん、ありがと。どうぞ上がって」
男友「お邪魔しまーす」
182: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:25:38.56 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友が玄関を上がると、いつも笑顔で出迎えてくれる男母の姿が見えなかった。
男友「あれ? 今日おばさん居ないの?」キョロキョロ
男「あ、母さん今日夜勤なんだ」
看護師をしている男の母は夜勤の為、家を空けていた。
男友「という事は、今日はお前と二人きり……なの?」ドキドキ
男「うん……」
男友「そ、そっ、そうか……二人きりか……」
男「そうだよ」ニコッ
男友(やばい……俺理性を抑えられるか心配だぜ……)
男「僕、夕御飯作ってるから、友は僕の部屋でくつろいでてね」
男友「お、おう……」
183: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:29:54.11 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー男部屋ー
男友「男の部屋は相変わらず綺麗だな。俺の部屋とはえらい違いだ……」
男の性格を表した、キチンと整理整頓されている清潔な部屋を見渡して、男友は一人呟いた。
男友(今は女の子とはいえ、奴も男、エロ本や、エロDVDの1つや2つ隠してあるに違いない)ガサゴソ
男友(ねぇよ……全くねえ……男は聖人君子か? なにか面白い本でも無いかな?)ゴソゴソ
エロ本探しを諦めた男友は、暇を潰せる物を求め、本棚に手を延ばした。
男友(むむ、これは中学の卒業アルバム)スッ
男友(おっ! この娘可愛いな)ペラッ
男友が目に止めた写真は、学芸会か何かのお姫様役っぽい、長い黒髪が可愛らしい少女の写真だった。
男友(いかん、いかん、俺は男一筋なのに……この娘はほっといて)
男友(男が写っている写真無いかな〜? おっ、いたいた)
男(今よりちょっと幼い感じだけど、この頃からやっぱり可愛いな……)
男友がアルバムに魅っていると、食事の準備を終えた男が部屋に入ってきた。
ガチャ
男「友〜っ、ご飯の準備出来たよ〜」
184: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:35:01.61 ID:yW2Y9h+Nd.net
部屋に入った男は、卒業アルバムを見ている男友を視界に認めると、凄い剣幕で走りだした。
男「あーっ! 何見てるのー! ダメーっ!」ダダダッ、バッ
男は慌てて男友から、卒業アルバムを取り返した。
男友「なぁ、学芸会っぽい写真が有ったけど、お姫様の娘モテただろ? すげー美少女じゃん」
男「うぅ……」カァッ
男友「あれ? 男真っ赤だぞ? ひょっとして、中学の時に好きだった娘だったとか?」ニヤニヤ
男「……」ボフン
男友「その反応は図星か〜? その娘すげー可愛いもんなー」クスクス
185: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:39:06.18 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友はニヤニヤしながら、男をからかった。
男「ちっ、違うの……そのヒロイン役のお姫様って……ぼっ、僕なの……」
男友「はぁ? えーっ!? 嘘だろ、だ、だって髪が長いし……」
男「それ、かつら……」
男友「マジかよ……可愛い女の子にしか見えねーぞ……」
男友「それにしても何で? 中学の時は普通に男だったんだろ?」
男「あのね、クラスの女の子が面白がって、僕に化粧と女装してね……。似合うから、そのままヒロイン役もやれって、皆が言うんだもん……」
男友「マジかよ……すげーな」
男「うん……」
186: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:42:43.82 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「そっかー、中学の頃から男は、女の子みたいに可愛かったんだな」
男「も、もう……またそんな事言って……」カァァッ
男友「小学生の男も見たいな」
男「だめー、これは絶対にだめーっ!」
耳まで真っ赤にした男は、小学校の卒業アルバムを後ろ手に隠す。
男友「ちぇ、見たかったなー」
男「さ、もうご飯にするよ!」グイッ
男友「あっ、おい、ちょっと」
男は男友の手を掴み、強引に部屋から連れ出した。
187: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:46:09.91 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー居間ー
男友「すげー……」
食卓の上に並んだ見事な料理の数々に、男友は思わず感嘆の声をあげた。
男「味は保証出来ないけどね……」
男は謙遜してそう言った。
男友「いやいや、どれも旨そうだ」
男「えへへ……」
男「さ、そこに座って」
男友「ああ」
男「じゃあどうぞ召し上がれ」
男友「おぉ、頂きます」
男「いただきます」
188: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:50:20.37 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「うまいっ!」パクパク
男「そう? 良かったー」
ほっとした表情で男は応じた。
男友「ほれも、これも……むぐむぐ……皆んまい……」ムシャムシャ
男「友ったら、口に入れたまま喋ったら……お行儀悪いよ」
男友「……」ムグムグ、ゴクン
男友「わりぃ、余りにも美味しいから、ついがっついちまったよ」
男友「それにしてもお前が、こんなに料理上手とはな。びっくりしたよ」
男「ほら、うちはお母さんが働いてるから、昔から僕が結構作ったりしてたんだ」
男友「なるほどなー。男なら良い嫁さんになれそうだ」
男「も、もう友ったら、かっ、からかわないで……」カァァッ
男友「いや、マジで。だって今お前女の子じゃん」
男「内気で、言いたい事も中々言えなくて、人見知りで、人付き合いも下手で、僕なんかを好きになってくれる人なんて居るわけないもん……」
男友(目の前に居るんだけどな……)
190: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:55:30.59 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「お前さ、自分の事をそんな卑下してるけど、短い付き合いの俺でも、お前の良い面いっぱい知ってるぞ」
男「えーっ……例えば?」
懐疑的な眼差しで男は友に聞いた。
男友「誰に対しても優しい所とか、他人を思いやれる気持ちとかさ。俺は男のそういう所が大好きだぞ」
男「友……」
男「……僕ね、昔から自分の容姿も性格も大嫌いだったんだ……」
男「いつも男の癖に、女みたいって言われててね。そこから引っ込み思案になって、人と話すのも、どんどん苦手になっていって……」
男友「……」
男「あ、ごめんね。変な話をしちゃって……」
男友「いや、お前の悩みや本音が聞けて嬉しいよ。それだけ俺が信頼されてるのかなってな」
男「いつも、いつも、友は優しい……ね」
男友「お前の方がよっぽど優しいよ」
191: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 02:59:37.69 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友は男の頭を撫でながら、慰めの言葉をかけた。
男友「お前にはお前の良いところがいっぱいある。だからそんな事を気にしないで、元気出せよ」ナデナデ
男「んっ……ありがと……」キュン
男(そっか……だから僕は友の事が……初めて会った時から、ずっと優しくしてくれた。いつも僕に気を使ってくれた、庇ってくれた)
男(女の子になったから好きになった訳じゃない。たぶん僕はきっと、最初から友の事を……)
男(どどどうしよう……胸の奥が凄くドキドキするよぅ……)
男友「話はその位にして、ご飯食べちゃおうぜ。折角お前が作ってくれたご馳走が冷めちゃうぜ」
男「うんっ、そ、そうだね……」
192: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:06:16.52 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「ふぅー。ごちそうさま」
男「お粗末さまでした」
男友「こんなに美味しいご飯なら、毎日でも食べたいぜ」
男「そ、そう……? ホント?」ポッ
男「あっ、そうだ。食後のデザートに買ってきてくれたケーキ食べよ」
男友「ああ、そうだな」
男「わぁ、どれも美味しそう」
箱の中には苺のショートケーキ、モンブラン、チョコレートケーキ、ミルフィーユが入っていた。
男友「どれでも好きなの選べよ」
男「ん〜、どれにしようかな〜」
193: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:08:56.11 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「じゃあ僕はショートケーキを頂くね」
男友「俺はチョコレートケーキを貰うかな」
男「このケーキすっごく美味しいね♪」パクパク
男友「ああ、旨いな」モグモグ
男「あっ、友? ちょっとじっとしてて」
男友「ん?」
男「ほら、口の横にチョコが付いてるよ」スッ
男は身を乗り出して、男友の口の横についたチョコレートクリームを指で掬って舐めた。
男友「……」ドキン
男「あはっ、友ったら子供みたいなんだから」クスクス
男友(ああ……男は天真爛漫で、優しくて、可愛くて、料理が上手で、こんな娘を彼女に出来たらいいよなぁ……)
194: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:15:06.75 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「……」ジーッ
男友(はぁ……男は誰の事が好きなんだろ、恋人になれる奴が羨ましい……)
男「黙っちゃってどうしたの? 僕が子供みたいなんて言ったから、もしかして怒った?」
男友「いや、全然怒ってなんかないよ」
男「ホントに? 僕、友に嫌われちゃったかと思った……」
男友「そんな事で、嫌いになったりする訳ねーよ」
男「良かったー」
男「僕、後片付けしておくから、友はお風呂でも入ってて」
男友「俺も手伝うよ。二人で片付けた方が早いだろ?」
男「お客さんなんだからいいのにー」
男友「いいから、いいから、美味しいご飯をご馳走になったお礼だ」
男「えへへ……」
195: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:21:10.05 ID:yW2Y9h+Nd.net
二人で台所に立ち、後片付けを行う。食器の擦れる音と水の流れる音だけが、室内に響いている。
男「な、なんかさ、僕達……新婚さんみたい……だね」
男友「新婚か、こんなに料理が上手くて、可愛い嫁さんが貰える奴がいたら幸せだな」
男「あ、ありがと……おかげでもう片付いちゃった……」
男友「いいよ、ちょっとTVつけていいか?」
男「どうぞー」
男友「うーん、なんにも面白そうな番組やってねーな……」
男「じゃあさ、お風呂入ってきなよっ! ねっ? もう湧いてるからさ」
男友「ああ、それじゃ折角だから借りるよ」
男友(なんで男は、さっきから風呂に入れたがるんだろ?)
男「行ってらっしゃい。お風呂は廊下出て右側のドアね」ニコッ
男友「おぉ、ありがと」
196: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:24:01.31 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー風呂場ー
男友(なんか今日の男、様子がおかしいよな……?)スッ、パサッ
男友(やたら風呂に入れって言ってくるし……)ガラッ
男友「うぅ、さむさむ……」
男友(早く体と頭を洗って湯船に入らないと風邪引いちまうな)ゴシゴシ
身体を洗い終わった男友は、シャワーで泡を洗い流し浴槽に飛び込む。
男友「ふーっ、お風呂はやっぱり気持ちいい……」ザバーン
男友(そういや、今日あいつと二人きりなんだよな……)
男友(ま、まさか……Hの前に、体を綺麗にしてこいって意味じゃ……)
そんな事を考え出した男友は、今朝見た男の裸を思いだしていた。
男友(は、ははっ……まさかな……男に限ってそんな訳ねーよな……)
男友は、慌てて頭の中によぎった想像を振り払った。
男友(さてと、そろそろ上がるか)ザザーッ
197: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:26:40.90 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「ふぅ、良い湯だった」
男友「男上がったぞー」
男「あ、はーい。じゃあ僕も入ってきちゃうね」
男友「あ、ああ」
男「適当に過ごしてて」
男友「分かった」
男「すぐ出てくるから、待っててね」パタパタ
男友(男が出て来るまで暇だな。TVもつまんないし……)
男友(……なんかポカポカしたら眠くなって……きた……)
男友「……」スースー
198: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:30:04.56 ID:yW2Y9h+Nd.net
ーお風呂ー
男「……」パサッ、ガラッ
男(僕ほんとうに女の子になっちゃたんだね……)ジーッ
鏡に写る自分の姿をマジマジと眺めて男はそう思った。
男(友は僕の事……どう思ってるんだろう……?)ゴシゴシ
男(いつも僕に優しくしてくれるけど……きっと友達としてなだけだよね……)シャー
男(やっぱり女さんの事が好きなのかな……? 幼馴染みだし)ザブン
男(あの二人、しょっちゅう喧嘩してるけど、それだけ仲が良いって事だもんね……)
男(知り合って1ヶ月やそこらの僕が、入り込む余地なんて……)
男(あ、あれ? ぼ、僕はなんでこんな事を考えて……)
199: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:33:04.66 ID:yW2Y9h+Nd.net
男(変なこと考えてたら、出るのに時間がかかっちゃった……)
風呂からあがった男は慌ててパジャマに着替える。
男(さっき買ってきてた下着を着けてみよ……)スッ
男(似合うかな……?)
男は鏡に写った自身の姿をみて思わず、赤面する。
男「……」カァッ
男(……さ、友が待ってるから部屋に戻らなきゃ)パタパタ
男「友ー、お待たせー」ガチャ
男(あれ? 友寝ちゃってる……)
男友「……」スースー
男は気持ちよさげに寝息を立てている男友そっと近づき顔を覗きこんだ
200: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:35:39.02 ID:yW2Y9h+Nd.net
男(あはっ、友の寝顔可愛い)ジーッ
男(とも……あ、あれ?) トクントクン
男(ぼ、僕は、一体な、何をしようとしてるの……?)ソーッ
男は左右を見渡し、眠っている男友の唇に、そっと自分の唇を近づけた。
男(あっ! やばっ!)サッ
男友「うーん……あれ男? もう風呂から上がってたんだ?」
男「う、うんっ、い、いま、出てきたところ……」ドキドキ
男友「そっか。俺いつの間にか寝ちゃってたのか……ふぁぁ〜」
202: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:40:50.38 ID:yW2Y9h+Nd.net
寝ぼけ眼の男友は目を擦りながら、男に視線を移した。風呂上がりの為か、濡れた髪に火照った桃色の頬が、いつもより余計に色っぽく、艶やかだった。
男友(や、やばい。可愛いというか、色っぽすぎる……)ドキン
男「ねっ、友はもう眠い?」スッ
男はそう言いながら、男友の横にちょこんと座った。
男友(はぁ……甘い良い香りがする……)
男友(これ以上起きてたら、理性が持ちそうにない……もう寝た方がいいかもな……)
男友「ん、あっ、ああ。そっ、そうだな、も、もう寝ようぜ」
男「うん……そっか、そうだね」
男友(ん? 心なしか男が、がっかりしたように見えたけど何で?)
男(友はもう眠いのか……)
204: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:45:17.60 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「じゃあ僕の部屋いこ」
男「僕は床に布団敷くから、友は僕のベッドを使ってね」
男友「えっ? ちょっと待て……俺もお前の部屋で一緒に寝るの!?」
男「えっ? おかしい? 君も僕も男同士だよ?」
男友「だって……お前体は女の子なんだぜ……?」
男「うん……そうだよ?」
男友「俺とお前が、一緒の部屋で寝るってのはまずいだろ……?」
男「僕はべ、べ、べっ、別に、平気だよ……」カァァッ
男友「お前がいいならいいけどよ……」チラッ
男「うん……」コクリ
男友(ホントにいいのかな……)ゴクッ
205: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:48:31.23 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「せめてベットはお前が使えよ、俺が床で寝るから」
男「でも……友はお客さんなんだから……」
男友「ダメだ! 俺が床だ!」
男「もうっ、友は言い出したら、絶対に聞かないんだから……」
男友「いいんだよ。俺はこっちで」
男「うん分かった。じゃあ僕がこっちで寝るね」
男「電気消すよ」パチン
男友「ああ」
207: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:55:01.62 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「せめてベットはお前が使えよ、俺が床で寝るから」
男「でも……友はお客さんなんだから……」
男友「ダメだ! 俺が床だ!」
男「もうっ、友は言い出したら、絶対に聞かないんだから……」
男友「いいんだよ。俺はこっちで」
男「うん分かった。じゃあ僕がこっちで寝るね」
男「電気消すよ」パチン
男友「ああ」
208: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 03:58:37.94 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「……」
男友「……」
男「ともぉ〜、もう寝ちゃった?」
男友「いや、起きてるよ」
男友(お前がすぐ近くに居る状態じゃ……緊張して寝られねーよ……)
男「えへへ……良かった」
男友「どうした?」
男「友とね、もうちょっと話がしたいから」
男友「そっか」
男「ねっ、友はさ、僕と初めて会った時の事を覚えてる?」
男友「ああ、よく覚えてるよ」
男友(忘れる訳ねーよな、あれは丁度1月前の事か……)
209: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:03:06.55 ID:yW2Y9h+Nd.net
ー回想ー
教師「という訳で、今日からこのクラスにもう一人仲間が増えます。じゃあ男君自己紹介してくれるかな?」
男「あ、あの、その、ぼ、僕は、男ってい、い、言います。ミナサンヨロシクオネガイシマス……」ペコリッ
女「ね、見て友? あの転校生さ、女の子みたいに可愛い子だね?」
男友(惚れた……)ボーッ
女「おいっ友! 聞いてる?」
男友「……」ポーッ
女「はぁ……ダメだこりゃ」ポカッ
男友「いてぇ!」
210: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:05:32.21 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「僕、この学校で上手くやっていけるか、凄く心配だったんだ……」
男「でも、授業が始まる前に君が初めて声をかけてくれた……」
男「何処の県から来たの? 今何処に住んでるの? 趣味は何? とか他愛もない会話だったね」
男友「そうだな」
男「そのおかげで、緊張が解けた僕はそれから君と、すぐに仲良くなれたんだ」
男友「そんな事もあったな」
男「だから、ぼっ、僕は、本当に君に感謝してるんだからねっ!」
男友「へー、そうだったんだ 」
男「あっ! ひどーい。僕こんなに感謝してるのに……」
男友「ははっ、わるいわるい」
男「僕……君と仲良くなれて本当に良かったと思ってるんだよ……」
男友「俺だって……」
212: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:09:44.53 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「ね、友……?」
男友「な、なんだ?」
男「あのね……こ、こっちに……来て、いっ、一緒に……寝ない?」モジモジ
男友「えっ? え゛っーー!?」
男「ダメ……かな……?」
男友「いや、その……駄目って言うか……ホントにいいのか?」
男「うん……」コクン
男友「そ、そっ、そうか。じゃあ……」スッ
男友は枕を持って、男の寝ているベットに上がった。
男(友がこんなに近くに……心臓の音が聞こえちゃいそうだよぅ)ドキドキ
男友(な、なんなんだ、この夢のような展開は……)ドキドキ
213: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:13:38.60 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「君の事が……好き……」ボソッ
男は真横に居る男友が聴こえないくらい小さな声で呟いた。
男友「んっ? えっ? 今なんて……?」
何を言ったか分からなかった男友は、男に聞き返した。
男「ぼ、僕……友の事がね、す、す、すっ、好きになっちゃった……」カァァッ
男友「すすすすすっ、すききききーぃぃぃぃ!?」カバッ
ビックリした男友は凄い勢いで上半身を起こした。
男友(好き? 好きってようするに……そう言うことだよな?)ドキドキ
男友は混乱する頭の中で、必死に平静を保とうとする。
男「でも友は嫌だよね? 僕なんかに好きなんて言われても……」グスッ
215: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:17:22.58 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「友は女さんが、好きなんだもんね……ぐすっ……」
男友「えっ? お前泣いてるのか……?」
男「ずっと一緒だった幼馴染みに、僕なんかが、えぐっ、ひっく……かなうわけ……ぐすっ……ないよね……」
男「僕がどんなに君の事……好きになっても……うえーん……」ボロボロ
溜めていた想いを、全部吐き出した男は派手に泣き始めた。
男友「そ、そんな訳ないだろ! 何言ってんだ! 俺は女の事なんて何とも思ってない! ホントだぞ」
男「で、でも……ひっく……」
男友「ば、ばか! 俺が好きなのは、お前なんだよっ!」
男友の予想外の告白に、男は思わず声をあげた。
男「えっ……!?」
216: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:24:45.62 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友(思わず言っちまった……)
男友「あーっ、もう……仕方ないから正直に言うぞ。俺もお前が転校して来た日から、ずっと、ずっと、好きだったんだよ」
男「ぐすんっ……」ギュッ
その言葉を聞いた男は、男友の逞しい腕に身体を寄せた。
男友「よしよし。まったくそんな事で泣くなんてな」ナデナデ
男「ひぐっ……だって、だって……絶対に嫌われるって、ひっく……思ったんだもん……」ギューッ
そう言って男は、男友の身体にさらに力を込めて抱きついた。
男友「馬鹿だな……俺がお前の事を嫌う訳ないだろ?」ギュッ
男「友ぉ……」スリスリ
男友(ふぁ、男の体すげー柔らかくて、良い匂いだ……)
217: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:28:07.84 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「んっ……」
男友(男が目を瞑ってる! これってひょっとして、キ、キ、キ、キスをしてもいいって事かな……)
男友(えぇーい。ままよ)チュッ
男「あっ……!」
男友(ここまで来たらもう知らん。舌も入れちゃうぞ!)チュパペロ
男(……んっ、とも……友ぉ……大好き……)チュッチュ
男友(男の舌が絡み付いてくる……)
男「んっ……ぁ」
218: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:31:27.45 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「ぷはぁ……」
男「……はぁ……んぁ……」
男友(か、可愛いすぎる……俺もう……無理だ……)
男友「男っ!」
男「ひゃい!」ドキッ
突然大声を出した男友に、男は驚き変な声をあげた。
男友「おっ、俺、もう……我慢出来ない!」ガバッ
男友はそう言うと同時に、男の上に覆い被さっていた。
男「い、いいよ……僕……友に……だったら……」カァァッ
221: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:35:46.29 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友はぎこちなく男のパジャマを脱がしていく。決めの細かい真っ白な肌が、男友の眼前に現れていく。
男友「あれ? お前いつからブラなんかしてたの?」
男「だ、だって……ち、乳首が摩れて痛いんだもん……」
男「友が服を買ってくれたお店で、さっき買っちゃった……」
男友「そっか。可愛いブラだね」
男「あ、ありがと……」
男友「外すよ」スッ
男「うっ、うん……」ドキドキ
男友がブラを外すと、大きすぎもなく、小さすぎもない、形の良い乳房が顔を出した。
男友「……」ゴクリッ
男「そ、そんなにじっくり見ないで……恥ずかしいよぅ……」
男友「男のおっぱいとっても綺麗だ……」スッ
223: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:39:19.76 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友はそう言いながら、男の形の良い胸に顔を埋め、乳房を優しく揉みながら乳首を舐め回した。
男「ひゃっ! んっ……あっ……」
男友(はぁ……はぁ……柔らかい……マシュマロみたいだ)
男「ふぁ……んっ……ともぉ〜、ぁん……気持ち……いい……」ピクン
男(好きな人に触られると……こんなに……ふぁぁ……僕どうにかなっちゃいそうだよぉ……)
男友「男は敏感なんだね。可愛い」チュパペロペロ
男友が乳首を刺激する度に、男の身体は小刻みに反応する。
男「やっ……んっ……」ピクッピクン
男友「乳首弱いんだ?」ペロペロ
男「ふぁ、だ、ダメ……やぁっ、恥ずかしいよぅ……」カァァ
224: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:41:48.22 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「あんっ、も、もう、だ、だめっ……」プルプル
男「僕、僕……気持ち良すぎて……とろけちゃいそうだよぉ……」
男友「そんなに気持ち良い?」
男「う……ん……」カァァ
男友「じゃあ、今からもっと気持ちよくしてやるな」
そう言って男友は、男のパジャマのズボンを脱がす。
男「ひゃっ!?」
男友「あれ? お前パンツもこんなに可愛らしいの履いちゃって」ニヤニヤ
男「だ、だっ、だって男物の下着だと色々困るんだもん……」カァァッ
225: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:46:06.91 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「ブラといい、パンツといい、もう完璧に女の子だな」
男「う、うん……」
男「脱がすぞ」スルッ
男友「こんなに濡れてるぞ……男はHだなー」クチュクチュ
男「ひゃぁ! やん、あっ」ビクンッ
男「……んっ……そっ、そんな事……ない……もん……」
男友「こんなになってるのに?」ニヤニヤ
男友は意地悪っぽく笑い、男が敏感に感じる部分を執拗に責める。
男「やんっ、そっ、そこは……弄くっちゃ……んっ、ぁっ……」
男友「もうこんなぬるぬるだ。お前ホントに感じやすいんだな」ヌトーッ
男「ばっ……ばかぁ……友の……えっち……」カァァッ
226: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:48:51.78 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友(こんだけ濡れてれば……)
男友「なあ? そろそろ挿れてもいいかな?」
男「挿れる……?」
男は一瞬考えた後に、その言葉の意味を知り赤面した。
男「……」カァァッ
男友「流石にそれは嫌か?」
男「ううん……いい……よ」
男友「いっ、いいのっ!?」
男「優しくして……ね?」
男友「もっ、もちろん!」
227: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:53:07.35 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「じゃあ行くぞ」
男「うん……」ドキドキ
男友「くっ、キツいな……」ミチミチ
男「!? い、痛いっ! ひぎっ! やぁぁぁっ! 痛いよぅ」バタバタ
あまりの激痛に男は、身体を激しくばたつかせている。
男友「あっ、大丈夫か? ごめん、やっぱり止めようか?」
男「おっ、お願い……もう少し優しく……して……」グスッ
男は初めて感じる痛みに涙を溜めて耐えている。その痛々しい姿に男友は少し心が痛んだ。
男友「ごめんな……痛くして」
男友「よし、ゆっくり挿れるからな……」ブチブチュ
男「んっ……あぐぅ……」ギュッ
男は爪が食い込む程に、シーツを掴んで痛みに耐えている。
228: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:57:01.86 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「ほら、根元まで入ったぞ。少し動くよ」ズリュズリュ
男「くっ……んぁっ……はぁ……はぁ……」
男友「どう? まだ痛い?」ギシギシ
男「う、うん。ちょっと……だけ……」
男友「そ、そうか。はぁはぁ……俺は凄く気持ち良いよ……」チュクチュ
男「……んぁっ……少し……あっ…慣れて……ぁん」
男友「はぁはぁ……男の中キツキツで気持ちいい……」グチョグチョ
男「ぼ、僕も……んっ……ちょっと……気持ちいいかも……あっ、あっ……」
229: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 04:59:18.19 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「少しは馴れてきたかな?」
男「う、うん……」カァッ
男友「じゃあ体位変えてみようぜ。男、俺の上に乗っかって」
男「こう?」スッ
男友「そのまま腰を、上下に動かしてみて」
男「んっ……んっ……はっ……あん……き、気持ち……いい」ビチャグチュ
男友「お、俺もやばい……」
男「友のが……熱くて、大きいのが……僕の奥まで……あっ……届いて……んっ、ぁん」クチュクチュ
230: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 05:06:36.43 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「一緒にいこうな」ギュッ
男友は上体を起こし、再び体位を正常位に変え、男と手を繋ぎながらキスをした。
男「んっ……」ギュッ
男にキスをしながら、男友は更にピストンを速めた。
男友「はぁはぁ……もうダメだっ! 射るーっ!」パンパン、ドピュドピュ
男「あっ、あん、あっー! 熱いのが、友のが……僕の中に入って……」
男友「ふぅ……はぁはぁ」ヌポッ
男「はぁ、はぁ……いっぱい出たね、あはっ」ヌトーッ
男は自分の股から溢れ出た液体を指で掬い、荒い息を整えながら笑う。
男友「ああ、お前の中が気持ち良すぎてな……」
男「僕も……すっ、凄く、気持ちが良かった……よ」エヘヘ
231: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 05:10:08.65 ID:yW2Y9h+Nd.net
男「えへへ……友のお掃除してあげるね」ペロペロ
男友「うっ……」
男「ふふっ、友の……おっひぃ」チュパチュパ
一生懸命に自分の物を舐め綺麗にしている男を見て思わず言った。
男友「お前いつから、ふぁっ……そんなにエロく……?」
その問い掛けに、男はしゃぶるのを止めて答えた。
男「女の子になってからかな? 友が変な事を言うからだよ」
233: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 05:13:19.19 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「へっ? 俺何か言ったっけ?」
男「『女の子はエッチの時、男の何倍も気持ちが良いらしいぞ』って言ったじゃん?」
男友「ああ。そういえば、そんな事を言ったような……」
男「友があんな余計な事を言うから……僕……こんなエッチな娘に……なっちゃったんだよ」カァッ
男友「えーっ、それってただの言いがかりじゃ……?」
男友「俺が言おうが、言わまいが、男がエロいのは関係なくね?」
男「違うもん。友のせいだもん!」
男友「まぁ、別に俺のせいでもいいけどさ……」
234: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 05:15:44.52 ID:yW2Y9h+Nd.net
男友「しかしなぁ、お前すげーエロい声出しちゃってさ……俺めっちゃ興奮したよ」クスッ
男「も、もう、友のばかっ……」カァァ
男友「あははっ。男はホントに可愛いな」
男「知らないっ!」プィ
耳まで真っ赤に染めて男は顔を背けた。
男友「あれ? じゃあ、これからはもうHしてあげられないけど、いいんだよな?」
男「……ヤダ」ボソッ
男友「えっ? 何、何、聞こえないなー?」ニヤニヤ
男友は聴こえているのに、わざとらしく聞き返す。
男「こ、これからも、僕とえっちをして欲しい……です……」カァァッ
男友「よく言えました」ナデナデ
男「うぅ……友の意地悪……」
235: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 05:18:57.90 ID:yW2Y9h+Nd.net
恥ずかしがっている男の頬に、男友は不意にキスをした。
男「ひゃん!?」
男友「ごめんな。お前が可愛い過ぎるから、つい意地悪したくなっちゃった」アハハッ
男「う、ううん……ぼ、僕も友のせいにしちゃってごめんなさい……」
男友「気にしてねーよ」ナデナデ
男「ともぉ……これからもずっと一緒だよぅ……?」ギュッ
男は男友の厚い胸板にしがみつく。
男友「ああ、勿論だ。男大好きだよ……」
男友は男の耳元でそっと囁いた。
男「ぼ、ぼ、僕も……友の事が……大好き……」カァァッ
その言葉に満足した男友は、男を優しく包み込むように抱き締めた。
〜fin〜
236: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 05:20:02.27 ID:yW2Y9h+Nd.net
やっと終わった……眠い、寝る
237: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 05:28:04.24 ID:AeoWf7y1d.net
乙
238: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/02/21(土) 05:36:09.28 ID:M7VuYpD10.net
ふう…
貴重なTSのSSだ
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