幼馴染「遅いっ!」 男「すまん」
男「悪かったよ、ちょっと仕事がな…」
幼「普段は仕事なんてやっつけで良いって言ってるやつが何を言ってるのよ」
男「今日のはやっつけられないヤーツだったんだよ」
男「得意先に呼び出されちまってさ」
幼「先に始めちゃってますけど!」
男「あぁ、それは……」
幼「2人席に1人で居るのって気まずくてしょうがないんだから」
幼「まぁ、急に呼び出したのは悪かったけど」
男「で?……今日はどうした」
ゴクッ
男「なぁ、俺は明日休みだから良いけど……お前、酒飲んで大丈夫なの?」
幼「あー、明日は非番の日だから大丈夫」
男「へぇ……週末休みって珍しいな」
幼「友人の為に一肌脱いだら、返ってきた恩が明日の休みって訳なの」
男「じゃあ俺も車置いて帰るぜ」
幼「もちろん。徹底的に飲んで貰うよ、今夜は」
幼「なにせ30分も一人で飲んでたんだから」
男「だから悪かったって」
男「おう、超聞いてやるよ。あ、すいませーん!こっち生ビール1つ!」
ハイー ヨロコンデー
男「で?今回は何があったんだ?」
幼「色々あったんだけど……取り敢えず昨日の出来事を聞いて」
男「承った」
幼「夜の見回りがあったのよ」
男「へぇ、夜勤だったのか?」
幼「違う。頼まれたから仕方なく」
男「ほうほう、そんな事もあるのかー」
幼「それでね」
男「おう」
男「ウチの近くじゃん」
幼「あのさ、斉藤君って覚えてる?」
男「斉藤?」
幼「あのほら、高校で3年間同じクラスだったじゃん」
男「ん?斉藤って確か二人いただろ……どっち?太ってた方?」
幼「違う、痩せてた方」
男「あぁー。あの斉藤って言えば……」
男「お、おぅ」
幼「あの斉藤君の家って覚えてる?」
男「覚えてるよ。笹野屋の通りだろ?」
幼「そう、その斎藤君の家の横から東中野方面に抜ける横道って覚えてる?」
男「覚えてるよ、あの時は……」
幼「思い出話は後で!」
男「あ、どうも」
幼「一旦乾杯しようか」
男「おう、仕事お疲れ」
幼「そっちもね」
カンッ
ゴクッゴクッ
男「ぷはーーーっ。仕事後のビールうめぇな!」
幼「異論無し」
幼「あったのよ、それが」
男「ひったくりとか?」
幼「違う」
男「痴漢とか?」
幼「違う……けどひったくりよりは近い」
男「は?」
男「何だよ、勿体ぶるなよ」
幼「高校生くらいの男女がね……」
男「ん、まさか!?」
幼「地面に寝っ転がって、キスしてたのよっ!!」
男「道でか!?」
幼「道でよ!びっくりでしょー?」
幼「うん」
男「あんな所でなぁ……若さかなぁ」
幼「ショックだったわよ……」
男「そりゃそうだろうな」
幼「あんな若いのに、あの二人きっと恋人同士よ!?」
幼「私には彼氏が居た事も無いって言うのに!」
男「え、そっち!?」
バンッ
ハイ オヨビ デスカー
男「あー、違います、なんでもないです」
ハイ
男「おい、落ち着けよ」
幼「ふぅ……ごめんごめん。テーブル叩くのは良くないわよね」
男「……で、お前どうしたの?」
幼「何が?」
男「その高校生くらいの男女に対して」
幼「あぁ、ちゃーんと一言言ってやったわよ」
男「ちゃんと注意したのか、そりゃそうだよな」
男「……」
ゴクッゴクッゴクッ
男「ぷはーーーっ」
幼「ちょっと!何で黙ってビール一気飲みなのよ!何?何か言いたいでも事あるの?」
男「あ、店員さんすいません、これ同じものもう一つお願いします」
5バンサン ナマイッチョウ ハイリマース
幼「……」
幼「何?」
男「引っかかる事があるんだが……」
幼「でもそれは後で!私の愚痴はまだ続くの!」
男「聞いといてそれかよ……他にも何かあったのか?」
幼「その事で課長にめっちゃ怒られた!」
男「そりゃ怒られるだろ……てか課長さんに話したのかよ」
幼「幼友に話してるのを聞かれた」
男「……」
幼「何よ、その目」
男「別に。お前は昔からそうだもんな」
男「まだあんのかよ」
幼「母にも怒られてさ」
男「へぇ……おばさん元気?」
幼「元気過ぎるくらい元気だよ」
男「おばさんにはなんで怒られたんだ?」
幼「今の話をしたら怒られた」
男「自分がミスした事をよく親に話せるな」
幼「解ってくれるかなと思ったら、逆に言われてしまったって訳よ」
男「?」
幼「アンタはいつリア充になって爆発するのよ!ってさ」
男「……」
幼「そりゃあね、私ってば今丁度27歳な訳なんですけどね」
男「丁度27歳って……何の丁度だよ」
幼「余計なお世話だと思わない?」
幼「人の縁って、どこでどうなるかわからないじゃない!」
幼「いくら親だからって……ねぇ?」
男「親に心配されなくなったら、それこそ終わりだと思う」
幼「なっ!?」
男「あ、どもども」
幼「ちょっと!今のどう言う意味よ!」
男「……」
ゴクッゴクッ
幼「あんたまで私に説教する気?」
男「別に説教じゃねぇよ……説教じゃないけどさ」
幼「何よ」
男「親が子を心配すんのは当たり前だろ?」
男「そりゃおじさんもおばさんも孫の顔見たいって思うだろ?」
男「お前一人っ子なんだし」
幼「それはっ!……まぁそうだけど……」
幼「あんたも色々言われてるの?」
男「ウチは兄貴が結婚したからな。孫が出来てからはそんなに言われなくなったな」
男「でもまぁ3年位前までは色々言われてたよ」
男「一人暮らし始めてからは全然言われなくなったな」
幼「へぇー」
男「……俺の話はいいさ。今日はお前の愚痴を聞きに来たんだからな」
幼「そうね。まだビールも2杯目だしね」
男「そう言う事だ。しかしここのポテトフライはいつ食べても美味しいな」
モグモグ
幼「あんたが来る直前にもうひと皿頼んでおいたから…」
男「あぁ、ナイスタイミング店員さん」
ハイ
男「ビール…で良いよな?」
幼「うん、今日はビールな気分だから」
男「それじゃ生一つと……雪ふわ揚げ出し豆腐まだありますか?」
ハイ ダイジョウブデスヨ
男「それじゃ雪ふわ一つください」
ハイ アリャッシャー 5バンサン ナマイッチョウー
男「…で?もっと愚痴る事あるんだろ?」
ゴクッゴクッ
男「ん?何の話?」
幼「結婚の話とか。めちゃくちゃ言われるんだよね」
幼「なんだかバカにされてるみたいで嫌なのよね」
男「……結婚とまでは言わんけど、まずは誰かと付き合ったりすればいいだろ」
幼「あんたまで年齢=彼氏居ない歴の私をバカにするつもり?」
男「別にバカにする訳じゃないけどよ」
男「お前、今まで何度かそう言うチャンスあったろ?」
幼「……」
幼「斉藤君はナシでしょ」
男「あれ、ちょっとした話の行き違いでさ」
男「お前がちゃんとしてたら、上手く行ってたかもしれん話だぜ?」
幼「ストーカーと付き合うとか怖すぎるんですけど」
男「だから……あれは結局勘違いだっただろ?」
幼「……でも私が警察官になるきっかけになったんだから」
幼「斉藤君も本望よね、きっと」
男「自分勝手な理論展開だな」
男「ども…ほい」
幼「ん、ありがと」
ゴクッ
モグモグ
男「…ん、ここの揚げ出し豆腐はいつ食べても最高だな」
幼「あんた毎回食べるよね、確かに美味しいけど」
男「ほれ、お前も食えよ」
幼「ありがと」
モグモグ
男「……分けて損した」
幼「まぁまぁ……そんで食べ終わったら、だし巻き玉子頼むんでしょ?」
男「そうだな」
幼「たまには別の頼みなよ」
男「この店の食事メニューは完全網羅した」
男「結果、この組み立てが最高だと確信している」
幼「はいはい」
男「…そんじゃ話戻すか」
ゴクッゴクッ
ゴクッゴクッ
男「斉藤の話。あいつがお前の彼氏になってたかもって話だよ」
幼「……だって、ぶっちゃけ斉藤君タイプじゃなかったし」
男「顔が?」
幼「顔は別に……って言うか、人の事を尾行するのが趣味な人を好きにはなれないし」
男「それは斉藤がお前を守ろうとしてたって……」
幼「それこそ自分勝手でしょ」
幼「私はジロジロ見られてるとしか感じなかったわけだし」
幼「私が取り押さえるまで、向こうから話し
コメント一覧
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- 2015年02月25日 23:40
- いいっすね、うん
裏山C
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こんな恋できたら人生楽しかったろうなあ