WCCFtechは25日(現地時間)、米マイクロソフトが「Windows 10」への実装を謳う、次世代ローレベルグラフィックAPI「DirectX 12」においては、異なる種類のGPU同士でマルチグラフィック処理を行うことが可能になる見込みであると伝えています。
現在、一般的にマルチグラフィックスと言えば、米NVIDIAの提供する「Geforce」シリーズを利用する「SLI」や、AMD製の「Radeon」シリーズによる「CrossFireX」のどちらかかが例に挙げられることがほとんどですが、原則的には ”同じ種類のGPU同士” でのみ構成されることになります。
しかし、今回伝えられるところによると、DirectX 12が実装された環境下においては、その垣根を越えて、”異なる種類のGPU” を複数用いてマルチグラフィックス処理を実行することが可能になるとのこと。
さらに、先日には米AMDの幹部によって、DirextX 12や「Mantle」環境下においては、マルチGPU構成時に「VRAMの完全なスタック」が実現される可能性が示唆されています(過去記事)。なお、”DirectX 12 + α” を謳うMantleにおいても同様の技術は実装されるものと推察されます。
仮にこれらが実現すれば、GeforceとRadeonを組み合わせるのみならず、米Intel製CPUに統合される「Intel HD Graphics」チップやAMDのAPUに統合されるGPUと、高性能なディスクリートGPUをまるで一つのGPUであるかのように振る舞わせることも可能になるかもしれません。
ただし、実際にこの新技術が実運用に耐えるクオリティで実装されるには、超えなくてはならない障壁が山積しています。完全に非同期な「SFR」(Split Frame Rendering)処理の実装はその代表例と言えますし、例え技術的には可能であっても、そもそもNVIDIAやAMDが ”他社製品を前提にしたマルチグラフィック技術” を積極的に推進・サポートするとも思えません。
まだまだ実現への道のりは遠く険しそうですが、それだけに我々エンドユーザーが与る恩恵が大きいのもまた事実。多くのエンジニアやプログラマーに熱い声援を送りつつ、その日が訪れるのを待ち望みたいと思います。
[WCCFtech]
ソーシャルシェア
著者
2014年10月1日より、縁あってGGSOKUメインライターに正式に就任。ここ最近は、スマートフォンやタブレットを始めとするガジェット類全般から、各種周辺機器にデジタルカメラ。果ては自作PCパーツやソフトウェア類にまでも食指を動かすに至る始末。イロモノ・キワモノガジェットもこよなく愛する、興味と好奇心の赴くままに生きる元人力車夫。2015年元日より、Twitterアカウント開設。
米AMD、GPUにおける「VRAMの完全なスタック」実現の可能性を示唆
2015年2月3日
米マイクロソフト、GDC 2015にて基調講演の開催を告知
2015年2月14日
米NVIDIA、今月18日より「GRID」GPUベースのクラウドゲーミングサービスの提供開始を正式発表
2014年11月17日
米AMD、次世代APU「Carrizo」の詳細な情報を開示 ―ISSCC 2015
2015年2月25日
米AMD「R9 M295X」のCinebench R15のベンチマークスコアが新たに公開
2014年10月27日
米AMD、ISSCC 2015にて「Carrizo」と「Carrizo-L」の詳細を開示へ ―2月22日より開催
2015年1月11日
問題はIntelのGPUがDirectX12にいつ対応するか、かな
今年発売のskylake世代で対応予定
インテルの世界最強のファブから生まれるGPUにご期待下さい
過去にGMA X3000という素晴らしいGPUがありましてね
他社の製品を前提にした、って言ってもmantleはRADEON専用みたいなものだからmantleに実装する分には他社は関係ないと思う
下手にNVIDIAやAMDとの混合環境目指すよりオンボードグラフィック機能分でグラボに下駄を履かせるようにしてもらった方が実用的だなぁ
5年位前にでたLucid Hydra対応のマザーボードを思い出した