Firefox OS搭載スマホ「Fx0」で“つくる自由”を! テクノ手芸部さんに体現してもらいました
これさえあれば、だれでもクリエイターになれる。そんな気がします。
オープンソース「Firefox OS」を搭載したauのスマホ「Fx0」が話題です。Firefox OSのオープンな精神を象徴するスケルトンデザインもさることながら、“つくる自由”をテーマに、ツールやデータを公開しちゃっているのが最大の特徴。Fx0の筐体データをはじめ、ウェブアプリ制作ツール「Framin」、ウェブベースのデバイス管理ツール「Gluin」など、まさにオープンなモバイルプラットフォームです。
HTMLのちょっとした知識があれば、身近なものをウェブにつなげることができる。そう、「WoT(Web of Things)」です。
自分でクリエイトすることで生活がより豊かになる、そう思いませんか? “ウェブ新世紀ハジマル”という予感がするのはワタクシだけではないはず。
「Fx0」購入で、最大3年間データ定額料が低価格(4年目以降は5,700円/月(7GB)のところ、最大3年間は3,500円/月(2GB))に抑えられ、さらに新規契約(MNP含む)なら「Fx0おトク割」適用で基本使用料最大2年間無料〈3年目以降は934円/月〉と、クリエイターならずとも気になる専用サービスが提供されているのもうれしいポイントです。料金の詳細と条件について詳しくはこちら。
テクノ手芸部がFx0でWoTをサクッと実現
Firefox OSなら周辺機器との連携も自由自在。さてそこで、この「Fx0」で何ができるのか? なんでもできます。何が? いやだからなんでもできるんです。Fx0のサイトでは、すでにみなさんがクリエイトした“ちょっとしたアイデア”や“つくってみた”が「Creator Showcase」として共有されています。でも、自分たちもなにかかたちにしてみたい。教えて! テクノ手芸部さん!
ということで、プログラミングを駆使して、どこか温かみのあるツールを制作することが得意なクリエイターユニット「テクノ手芸部」のかすやきょうこさんとよしだともふみさんにお願いして、ギズモードならではの、ほんわかするWoTにチャレンジすることにしました。
以前にも「Fx0」を触ったことがあるというテクノ手芸部のおふたり。「家にあるものでネットにつながらなさそうなものをネットにつないだらどうだろう?」という着想から、「Fx0を座布団につないで……」「いやいやスリッパにつなぐことで1日の動きをFx0へ転送して……」「Fx0経由でどら焼きに焼印を押すとか……」、いずれも常人のワタクシには計り知れないアイディア。というか妄想の数々、さすがです、テクノ手芸部。
そんなおふたりから「これだ!」と出てきたのが、気候や季節を感じられるグラス「Drink Weather」というガジェット。
まずはテクノ手芸部さんについて、また「Drink Waether」のコンセプトや構造などを解説していただき、実際に使う様子も撮影してみました。こちらの動画を御覧ください。
「近い将来に学校で、“今日は家庭科と理科を一緒に、今日は図工と数学を一緒にやります”みたいになったら楽しいと思う」
そう、よしださんが語るようにテクノと手芸が組み合わさる未来、ジャンル分けのない未来が来たら、今よりもっと楽しいと思いませんか? テクノ手芸部のおふたりによると、ちょっとしたHTMLやJavaの知識があれば、自分の思い描いたものを実現できるそう。あとはあなたのアイディア次第。「Fx0」は、そんな楽しい未来へ導くツールになるかもしれないですね。
世界中の気温を体感できるガジェット
「Drink Waether」は、飲み物を注いで「Fx0」で世界の都市の気温を設定すると、飲み物がその都市の気温になる、という仕組み。Firefox、つまりキツネを意識した“しっぽ”は、都市設定などユーザーの操作に反応して動きます。目標の温度になった時にも動きます。
飲み物の温度を調整するのは、上の画像で真ん中の上部にある白い立方体の「ペルチェ素子(ペルティエ素子とも)」。電流を流すことで一方から一方へと熱を移動させることができるこの素子を使って、飲み物を温めたり冷やしたりしているというわけです。
スケルトンの外装は、わざわざ台湾で行なったというから驚きです。
「Drink Waether」の本体から伸びているのは、温度センサー。これをカップの中に入れて、飲み物の温度を計ります。
あなたが東京にいたとしましょう。遠く離れた沖縄ではどんな気温なのかしら? それならば、アプリの「沖縄アイコン」をポチッと。飲み物が沖縄の温度になってできあがりです。
もちろん「Fx0」を通して世界各地の温度を入手可能。パリもニューヨークも南半球のダーウィンも、理論上は北極だって南極だって。今後の改良によっては、「宇宙空間の温度」の飲み物もだって実現できてしまうかもしれません。
「世界の温度をただ表示するのは簡単です。温度のようなかたちにないもの、データでしか見ることができないものを体感できる、そういうものを作りたかったんです」(よしだ)
「ヴァーチャルリアリティみたいに、すごくリアルに体感するのではなく、この作品には余白があります。熱い飲み物とはいえ、砂漠の暑さかもしれないし、カンカン照りのビーチかもしれない。想像力がかきたてられるプロダクトになってます」(かすや)
ちなみにそれほど体力に自信がないかすやさんは、長距離の海外旅行がちょっと苦手。憧れのマチュピチュの気温に合わせて行った気分になりたいそう。それに、「田舎のおばあちゃん、元気かな?」そんな気持ちで現地の温度の飲み物を飲んでもよさそうです。
ほかにもこのシステムのプログラムをちょっといじれば、「人肌の熱燗って本当に人肌なのか?」なんてことも可能だそうです。
クリエイター心揺さぶるオープンな環境
これまでも、こういうものを作りたい!と思ったら材料は探せばありました。ただ“制御”とか“プログラム”とか言われちゃうと???となる人がほとんど。でもFx0があれば、例えば人が作ったソースを改良して自分なりの機能を付け加える、そんなことが簡単。今までとは違うやりやすさがありそうです。
「WoTという言葉が一般化するよりずっと前から、メディアアートやガジェット開発では、天気を取得してモノや映像で表現するというテーマが良く取り上げられてきました。それくらい天気予報と人の暮らしは密接なもの。だから、今回もその天気情報を取り上げました。天気予報を取得して、その結果をグラスの温度に反映。天気予報の結果を飲んで、季節や気候を感じる作品。飲み物のように身体の中まで入ってきてしまうくらい私たちと『Fx0』の距離が近くなって、『インターネットとつながることが普通になる未来を楽しみにしています!』という意味を込めた作品です」(テクノ手芸部)
「Fx0」や「Firefox OS」の思想である“つくる自由”があれば自分の身の回りのちょっとしたことを変えられる。そんなことを教えてくれるモバイルと言えるかもしれませんね。
自分でなんでも作れるようになった昨今ですが、まだまだ作れないものもあります。作れるものと作れないものをつなげる、それが「Fx0」のテーマ。「Fx0」は一緒にプロダクトしようぜ!とその気になるモバイルプラットフォームです。そんなFx0はすでに発売中です。さまざまなガジェットがあふれていますが、ホントに欲しいもの、Fx0を使って自分で作っちゃいませんか?
source: Fx0 , Firefox OS(KDDI)
Special Thanks: テクノ手芸部
(執筆:ホシデトモタカ、映像制作:KANKI)