米Qualcommは27日(現地時間)、通常Wi-Fi通信などで利用される5GHz周波数帯を利用して、高速なネットワーク通信を実現する新たな通信方式「LTE-U」を正式に発表しました。
今回発表された新通信方式の正式名称は、「LTE to unlicensed spectrum」(LTE-U)。その名の示す通り、”無認可” の5GHz周波数帯を利用することで、安定した高速通信を実現しようとする通信方式で、「スモールセル」(small cell)と呼ばれる小規模な基地局に組み込まれる形での実装が計画されています。(スモールセルについては「こちら」)
なおLTE-Uは、キャリアアグリゲーション機能を利用することで、既存の「LTE-Advanced」(LTE-A)方式との共存が可能としていることも明らかにされました。
また、今回Qualcommは、このLTE-Uによる通信を実現するために必要となる各種チップ類も同時に発表。「FSM99XX」ファミリーという ”スモールセル向け” の新型SoC群は、専用の無線送受信用のチップ(RFトランシーバーチップ)「FTR8950」を統合。これにより、Qualcommの提供する既存の3Gと4G通信技術の両方を実装するほか、同社独自のWi-Fi通信規格「VIVE 802.11 ac/n」への対応も果たしているとのことです。
そのほか、今回発表されたのは「WTR3950」という ”モバイルデバイス向け” のRFトランシーバーチップ。これは既存の「WTR3925」と組み合わせることで、LTE Cat.6規格のキャリアアグリゲーション(CA)機能とLTE-U通信の双方を利用することを可能にするものです。なお、WTR3950は2015年下半期中のサンプル出荷が予告されました。
ちなみに興味深いことに、Qualcommの開発チームによって実施されたテストの結果によると、LTE-U通信は、既存の5GHz帯を利用したWi-Fi通信とは ”食い合いを起こさない” とのこと。多くの人が懸念するであろう大きな障壁は、見事に回避している模様です。
年々その重要度をいや増してゆく通信周波数問題ですが、今回この問題に関して世界屈指の知見と技術を持つQualcommによって、新たな ”打開策” が提示される形となりました。どうやらMWC 2015にて技術デモ展示が行われるようですので、近日中の続報に期待しても良さそうです。
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2014年10月1日より、縁あってGGSOKUメインライターに正式に就任。ここ最近は、スマートフォンやタブレットを始めとするガジェット類全般から、各種周辺機器にデジタルカメラ。果ては自作PCパーツやソフトウェア類にまでも食指を動かすに至る始末。イロモノ・キワモノガジェットもこよなく愛する、興味と好奇心の赴くままに生きる元人力車夫。2015年元日より、Twitterアカウント開設。
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速度はもういいちが!
速度があがれば密集地帯での容量も増えるから、今後の容量制限撤廃にも道ができるかもしれないんだし別にいいだろ(実際は容量の大半はスマホユーザーの増加だとかで相殺されるんだろうけど)。速度=動画の読み込み速度だけって話じゃないよ。
日本って光のキャパ自体があっても普及率頭打ちで有効に使われてないような。
大都市圏は無線と有線をもっとうまく組み合わせて有効に使う方法とかありそうに思うんだけどなあ。
正式名称は「LTE Advanced to unlicensed spectrum」ね
無認可ってか免許不要のWi-Fi用5GHz帯を基地局に使ってアグリゲーションさせるわけか
小規模向けとはいえ、5GHz帯は範囲も障害物にも弱いからそんなに要るかなぁ
むしろ、5GHzの範囲が広いと電波干渉とかしそうだから、それでいいんじゃない?
イベント会場とかの通信を分散させるのに使えるな
んー、つまり普通の無線LANアクセスポイントとかを基地局化するってこと?
結果的に通信容量が上がって安定した速度が出せると・・・
なんか、Willcomのマイクロセル方式ネットワークを思い出す内容だな。
いかなる時でも安定して10Mbps確保できるようになってほしいんだけどこれは期待できるの?
基地局のバックボーンと使用人数に依るから最低速度の確保なんて無理だよ
確保するとしたら接続数制限して椅子取りゲームになっちゃう
5GHz帯まで混雑させるのやめてくれ
犬のステッカー「LTE-Uつかえます」
行政が全力で潰しにかかってきそう
これずっと前にドクター中松が考え出した方法じゃん