ニコンがコンパクトデジタルカメラの新製品 COOLPIX P900 を発表しました。光学83倍という超望遠 NIKKOR レンズを搭載し、35mm 判換算で広角24mm~2000mm 相当をカバーします。
COOLPIX P900 の特徴は35mm 判換算で光学2000mm 相当、83倍ズームが可能な超望遠レンズを搭載するところ。デジタルズームでも画質の落ちにくいダイナミックファインズーム機能を併用すれば166倍のズーム撮影も可能です。ズームしすぎて被写体を見失っときは、レンズ鏡筒側面にそなえる「クイックバックズーム」ボタンにより瞬時にレンズを戻すこともできます。
開放 F 値は F2.8-6.5、レンズ構成は12群16枚(ED レンズ5枚、スーパー ED レンズ1枚)構成。最短撮影距離は約50cm(広角端)。マクロ撮影機能では、レンズ前約1cm の被写体にも撮影に対応、ズームだけでなく、花や虫といった小さな被写体の撮影などにも対応します。なお、シーン撮影モードにはカメラの設定が難しいとされる「月」、「鳥」の各モードを追加しました。
手ぶれ補正には角速度センサーの「手ぶれ情報」と、画像から算出した「動きベクトル情報」を新アルゴリズムで演算するデュアル検知光学 VR を採用。5.0段分という強力な手ぶれ補正機能を搭載しました。また AFは新フォーカス機構を搭載し、角端0.12秒、望遠端0.75秒に高速化。タイムラグの少ない撮影を可能としました。
ほか、主な仕様は、撮像素子は有効1605万画素、1/2.3型 CMOS センサー。感度は ISO100~6400。
液晶モニターは3型のバリアングルタイプ。EVF は約92万ドット、視野角100% の0.2型液晶を搭載。アイセンサーによりモニターとの切り替えは自動で行ないます。
撮影可能な動画は MOV 形式で、映像コーデックが H.264/MPEG-4 AVC、音声が LPCM ステレオ方式。画質は最大1080p/60fps。ライムラプス撮影機能なども備えます。記録メディアは SD /SDHC /SDXC。
通信方式は WiFi /NFC、位置測位は GPS のほか GLONASS、準天頂衛星みちびき(QZSS)に対応します。
付属の EL-123 型バッテリー使用時の持続時間は静止画で約360枚、動画撮影では約1時間20分。
本体サイズは幅139.5 x 高さ103.2 x 奥行137.4mm。重さ約899g。付属品はバッテリーのほか AC アダプターとストラップ、レンズキャップ、USB ケーブル。
発売日は3月19日。オープン価格ですが、ニコンの直販サイトでは税込み7万5060円で予約を受け付けています。
ちなみに手持ちカメラで撮影する場合、手ぶれ補正なしで撮れるシャッタースビードの目安は、一般に「焦点距離分の1」と言われています。COOLPIX P900 が備える5.0段分の手ぶれ補正とは、たとえば1/250秒で撮影する場合で 250 x 2 x 2 x 2 x 2 x 2 = 8000、つまりシャッタースピードに換算すると1/8000秒で撮影するのと同等の効果が得られるという意味。とはいえ、実際は撮影時のシチュエーションによってその効果は変動するため、思いどおりの結果にならない場合もよくあるということは覚えておくほうが良さそうです。
なお、ニコンはこの2月26日に光学60倍(35mm判換算24~1440mm相当)、デュアル検知光学 VR 搭載の COOLOPIX P610 を発売したばかり。こちらの直販価格は税込5万2920円です。