ニコンがデジタル一眼レフカメラ「D7200」を発表しました。
D7200はAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載するDXフォーマット機のフラッグシップとして、2013年3月に発売したD7100を置き換える製品。旧機種との主な違いは、Wi-FiおよびNFCの無線伝送機能を新搭載した点です。また撮像素子、AFセンサー、映像エンジンも一新しています。なおNFCの内蔵は、ニコン製デジタル一眼レフカメラとして初。
無線規格はIEEE 802.11b/g。旧機種で無線LANを使用する場合は、別途無線通信ユニットWT-5やワイヤレスモバイルアダプターWU-1aを装着する必要がありました。
スマートフォンとのWi-Fi連動機能としては、専用アプリ「Wireless Mobile Utility」により撮影画像の転送とリモート撮影が可能。iOSとAndroidの両方で用意されています。
AFセンサーは、35mmフルサイズセンサーのFXフォーマット機D750にも搭載している「アドバンストマルチCAM 3500IIオートフォーカスセンサーモジュール」。測距点は51点と据え置きながら、低輝度・暗所でのAF性能を向上させており、中央1点では-3EV相当まで、中央14点では-3EV未満までの測光範囲に対応しました。
映像エンジンEXPEED 4の搭載により、オートホワイトバランスの精度が向上。さらに、内蔵バッファメモリ容量も増加させており、連写時の撮影可能コマ数が増加しています。高速で移動する被写体を捉え続けながら連続撮影する際、途中でバッファがいっぱいになってしまってそれ以上撮れなくなってしまうことがありますが、撮れなくなるまでの撮影枚数と時間が伸長しました。
また、シャッターを切った際のミラーショックを抑えるミラーバランサーも搭載しており、光学ファインダー像の安定性向上も図っています。
撮像素子は有効2416万画素のCMOSセンサー。感度はISO100~25600。D7100では最高ISO6400だったので、2段分増感しています。なお撮影画像はモノクロになりますが、ISO51200およびISO102400の高感度撮影にも対応しています。
光学ファインダーは視野率100%で倍率は0.94倍。アイポイントは19.5mm。約122.9万ドットの3型液晶モニターを搭載。
機能面では、DXフォーマット機として初めて微速度撮影(タイムラプス)動画記録に対応。指定したインターバルで撮影した写真を繋げて、時間を早送りしたかのような動画を撮影できます。D7200では写真を繋げた際の露出の平滑化を自動で行うので、動画の途中で急に画面が明るくなったり、暗くなったりといった露出変化が少なくなります。撮影可能回数は9999回まで。
本体サイズは約135.5×106.5×76mm。撮影時重量は約765g。いずれもD7100と同等です。
発売日は3月19日。直販価格はボディのみが税込14万8500円、AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VRのレンズキットが税込18万9000円、AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VRのスーパーズームキットが税込み22万4100円、バッテリーパックMB-D15が付属するキットが税込16万4700円。このうちバッテリーパックキットのみ数量限定。
旧機種D7100から2年を経て発表されたDXフォーマット機のフラッグシップは、Wi-Fi/NFC対応など最近のレンズ交換式デジタルカメラに見られるトレンドを押さえつつ、高感度やAFの強化など基本性能の向上にも力を入れるなど、堅実なモデルチェンジを果たした印象です。
スペックシート上のサイズや重量が旧機種と全く同じため、見た目はそっくりですが、イメージセンサーと映像エンジンが刷新されているので、実使用上のレスポンスや画質には差をつけていると見られます。特に連写時の利便性や高感度画質にはハード面でも手を入れているようですので、飛びモノ、動きモノを撮られる方には検討の余地があるでしょう。