サンフランシスコで開幕したゲーム開発者イベント GDC 2015 より。NVIDIA がテレビにつなぐAndroid TV据え置きゲーム機『Shield』を発表しました。NVIDIAの最新プロセッサ Tegra X1 を採用し、4K出力に対応します。
NVIDIAのシールドといえば、ゲーミングコントローラ型の初代 Shield、Tegra K1採用と配信機能が特徴のタブレット Shield Tablet がありましたが、最新の Shield はテレビに接続して使う据え置き型、いわゆるセットトップボックスになりました。
OS には Android TV を採用。Google Play をはじめ各社の音楽・映像配信サービスやテレビ対応 Android アプリ、ゲームに対応します。常にハイテンションなJen-Hsun Huang CEO の表現によれば、Shield は「革新的テレビ」「ゲーム機」かつ「スーパーコンピュータ」。
ゲーム機としてはローカルで動く Android ゲームと、ユーザーのPCまたはNVIDIA のクラウドストリーミングゲームサービス GRID で動くフルPCゲームのストリーミングプレイに対応します。
心臓部には NVIDIA の最新プロセッサ Tegra X1 を採用。今年1月に発表されたTegra X1 は ARM の64bit 8 CPUコアと、NVIDIA Maxell アーキテクチャの 256 GPUコアを備え、モバイルプロセッサとして初の1TFLOPS超えを果たした「モバイルスーパーチップ」。パフォーマンスは先代の Tegra K1比で2倍。新 Shield はゲーム機として「Xbox 360 の2倍」の性能を備えるとしています (どこを比べるか、の話でもありますが)。
どれだけ高性能でもAndroidゲームだけじゃなあ、との印象を覆すため NVIDIA は積極的に Tegra 対応ゲームのラインナップを拡充しており、新たに Crysis 3 や Doom 3: BFG Edition、Borderlands: The Prequel、Metal Gear Solid: Revengeance など、PC向けゲームのAndroid 版を投入します。
Shield のもうひとつの機能として、NVIDIA が運営するPCゲームのストリーミングサービス GRID に接続して、クラウド上のハイエンドPCで動くフル(Windows)PCゲームをストリーミングで遊ぶことも可能です。
GRID は NVIDIA がベータ提供中のストリーミングPCゲームサービス。ストリーミングゲームの特徴として高価なゲーミングPCが不要、ゲーム本体のパッケージ購入やダウンロード、インストールも不要でいきなり遊べること、レンタルや定額で多数のゲームを試せるといった点を売りにしています。
ストリーミングゲームにつきものの遅延についても、NVIDIA は自社でGPUのアーキテクチャからGPU仮想化技術、サーバ向けGPUボードまで開発しているため、クラウドとローカルの両端で入出力や圧縮・展開などのレイテンシを圧縮することにより、体感上は家庭用ゲーム機と同等程度にまで短縮できると主張してきました。
おもな仕様は、
- プロセッサ:NVIDIA Tegra X1プロセッサ(256コアのMaxwell GPUと3GBのRAMを搭載)
- ビデオ機能:4K Ultra-HD対応で、4K再生と最大60fpsのキャプチャが可能(VP9、H265、H264)
- オーディオ機能:HDMIパス・スルー対応の7.1ch、5.1chサラウンド・サウンド、HDMI、USB経由で最大24ビット/192kHzのハイレゾ・オーディオ再生。USB経由で最大24ビット/192kHzのアップサンプル・ハイレゾ・オーディオに対応
- 内部ストレージ:16GB
- ワイヤレス機能:802.11ac 2x2 MIMO 2.4GHzおよび5GHz Wi-Fi
- Bluetooth: 4.1/BLE
- インターフェース:Gigabit Ethernet
- HDMI 2.0
- USB端子: 3.0 (Type A) 2×2、Micro-USB 2.0
- MicroSDスロット:128GBカードまでサポート
- 赤外線レシーバ(Logitech Harmony互換)
- NVIDIA GRIDストリーミング・サービス
- NVIDIA GameStream™
- 重量:654g
- 本体サイズ:210mm×130mm×25mm(幅×高さ×厚さ)
Shield の発売は今年5月の予定。価格は200ドル。NVIDIAは Shield の発売にあわせて、GRID をベータから正式サービスに昇格させる見込みです。