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ロッキード・マーチンのレーザー兵器 ATHENA、1.6km先からトラックのエンジンを破壊 (画像あり) - Engadget Japanese
 
ロッキード・マーチンが、開発中のファイバーレーザーシステム「ATHENA」を使い、約1.6km 離れた場所からトラックのエンジンを破壊する実験に成功したと発表しました。ATHENAは Advanced Test High Energy Asset の略。光ファイバーに複数の励起光を入射して増幅し、レーザー光線を出力します。

ファイバーレーザーのしくみは、光ファイバーの入口側に高反射ミラー、出口側に低反射ミラーを取り付け、そこに励起光を入射することでファイバー内部で光を増幅し出力するというもの。ファイバーレーザーモジュールは、光ファイバー内の増幅用コアに希土類元素を用いたダブルクラッド構造が使われます。光ファイバーはリールに巻いた状態で使用すれば、コンパクトながら数千mの長さに光を貯めこむことができるため、効率のよい増幅が可能です。

今回テストされた ATHENA システムは、ロケットミサイルの撃墜試験にも成功している ADAM(Area Defence Anti-Munitions) システムをベースとしています。ADAM は開発当初、巨大な装置を必要としましたが、ATHENA では「Spectral Beam Combining」と称する技術を用い、複数の光源からの光をファイバー内で合成させることでさらなる効率アップを図っています。
 

ADAM システムによるミサイル撃墜実験のようす


テストで使ったピックアップトラックは、遠方からエンジン部分を狙うため、後部を持ち上げられた状態に固定されました。そして走行中のシチュエーションを再現するためエンジンを始動し、ギアも入れられた状態に置かれました。

標的から約1.6kmの地点に設置した出力30kW の ATHENA が発したレーザー光線は、わずか数秒でピックアップトラックのボンネットを溶かし、内部のエンジンブロックを破壊。映画のような派手な爆発こそなかったものの、みごと走行不能な状態にしてしまいました。

Breaking Defence によると、ロッキード・マーチンの上級研究員、Rob Afzal は、現在のATHENA システムの出力を2,3年の間に300~500kWにまで高めたいとしています。また、100kW以上の出力があれば無人偵察機や近距離に迫った巡航ミサイルの撃墜も可能になるとのこと。ロッキード・マーチンは今後も ATHENA システムの高出力化を図り、軍用機やヘリコプターから船、トラックなどに搭載可能なバリエーションの開発を進めていくとしています。

しかし、複数の光源の光を合成し、1点に集中して発射する ATHENA のしくみを考えると、まるで映画『スター・ウォーズ』に出てくる宇宙要塞「デス・スター」が発するスーパーレーザーのように思えてなりません。
 
ロッキード・マーチンのレーザー兵器 ATHENA、1.6km先からトラックのエンジンを破壊 (画像あり)

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