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インテル、第五世代 Core i5 搭載のNUC 発売。PCIe x4 SSD対応など全面強化。オリジナル天板用3Dデータも - Engadget Japanese


インテルが発売する小型デスクトップPCキットNUC (Next Unit of Computing)に、第五世代Core i5搭載版2モデル『NUC5i5RYK』『NUC5i5RYH』が加わりました。末尾K(タイトル写真)がベーシックな薄型版、末尾Hが2.5インチドライブベイ搭載版です。

秋葉原のパーツショップでの実売価格は、両モデルとも価格5万8000円(税込)前後。CPU(SoC)としてインテルのTDP 15W版第五世代Core iシリーズ(Broadwell-U)を搭載する点をはじめ、PCI Express x4に対応したM.2スロットの装備、さらには3Dプリンタなどを使って天板のカスタマイズが可能な設計など、ユニークな特徴も備えます。

インテル BroadwellーU搭載NUC NUC5i5RYシリーズ

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7 枚





最大の特徴となるCPUはCore i5-5250U (2コア4スレッド、基本クロック1.6GHz / ターボ時最高2.7GHz)。消費電力と発熱の目安となるTDP値は上述のように15W。GPUは実行ユニット(EU)数48基の、インテルHDグラフィックス 6000を搭載します

なお、TDP 15W版のBroadwell版Core i5で採用例が多いモデルは、薄型ノートPCで多く使われるCore i5-5200Uですが、こちらは基本クロックが2.2GHzと高い(ターボ時最高クロックは同じ2.7GHz)代わりに、GPUはEU数24基のインテルHDグラフィックス 5500という構成。

つまりこの2モデルに搭載される5250Uは、15WというTDPの枠内で、よりGPU能力に重きを置いたバージョンというわけです。



そのほかの特徴としては、SSD用スロットがPCI Express(PCIe) x4接続も可能なM.2スロットとなった点が挙げられます。従来モデルではmSATA形状で、内部的にはシリアルATA 6Gbps接続のみでした。

またSSD用のM.2スロットを搭載するマザーボードでも、一般的な製品はPCIe x2接続までですが、本機はさらにデータ転送速度の速いx4接続に対応。これは公式サイトには記載されていませんが、インテル公式の製品データベースに「M.2 slot with PCIe X4 lanes」と記載があります

このためSamsung XP941をはじめとするPCIe x4接続対応SSDを使っても、SSD側の性能を引き出すことが可能。現時点でPCIe x4接続対応SSDは非常に少数ですが、今後増加が見込まれると予測されています。

正面右側にある黄色いUSB端子が、スタンバイ状態などでも給電状態となる「充電可能ポート」となっている点も特徴。前モデルには充電可能ポートはありませんでした。

ディスプレイ出力端子はミニDisplayPortとミニHDMIの2系統。リフレッシュレート制限など詳細は不明ですが、4K出力にも対応します。



また今世代で導入された面白い特徴として、リッド(天板)のカスタマイズが可能となった点が挙げられます。インテルのNUC公式サイトにある、交換用リッド解説ページにはPDFによる設計図面や、3Dプリンタ用の出力データ(しかもSTEP形式とDXF形式の2種類)も用意されており、かなり力が入っています。

内部にはUSB 2.0ピンヘッダがあるため、USB接続機器などを仕込むことも可能。公式サイトでも「NUCの標準I/Oでは足りない場合、USB 2.0、VGA、RS232C COM、SDXCカードリーダー、その他のポートを含む拡張用リッドによって必要な I/O を追加できます」との記載があります。

外装デザインも、側面はシルバーで天板は縁がダイヤモンド・カット加工されたブラックと、高級感あるものに。素材はアルミニウムとプラスチックです。

NUC5i5RYKの主な仕様は、
  • CPU:Core i5-5250U (2コア4スレッド、基本クロック1.60 GHz、ターボ時最大 2.70 GHz)
  • GPU:インテル HDグラフィックス 6000 (CPU内蔵)
  • メモリスロット:DDR3L専用SO-DIMMスロット×2 (1333/1600/1866 MHz、最大16GB)
  • 対応ストレージ:SSD用M.2スロット×1 (SATA 6Gbps+PCI Express x4接続、2242、2260、2280サイズ対応)
  • ドライブベイ:なし
  • ディスプレイ出力:Mini DisplayPort (1.2) ×1、Mini HDMI (1.4a) ×1
  • 無線接続:インテル Wireless-AC 7265 M.2版 (IEEE 802.11ac Wi-Fi+Bluetooth 4対応)
  • 有線LAN:ギガビット対応 ×1 (インテル製LANコントローラ)
  • 拡張端子:USB 3.0 ×4 (正面2基、背面2基)、内部USB 2.0ピンヘッダ ×2、赤外線、ヘッドフォン出力+マイク入力
  • 電源仕様:ACアダプタ式 (出力19V、65W壁掛け対応)
  • 本体サイズ:115×111mm×32.7mm (幅×奥行き×厚さ)
  • その他:NFCリーダー搭載、VESAマウントブラケットとマウンティング・ホールに対応
といったところ。



NUC5i5RYHは、本体の厚みを48.7mmに増して2.5インチ/9.5mm厚ドライブ用ベイを増設したバージョン。パーツショップで安価かつ大容量製品が用意されている2.5インチ版SSDやHDDが使えるのがポイントです。



主な仕様での相違点は以下のようになります。
  • 対応ストレージ:SSD用M.2スロット×1(SATA 6Gbps+PCI Express x4接続、2242、2260、2280サイズ対応)、シリアルATAポート×1(6Gbps)
  • ドライブベイ:2.5インチ×1(厚さ最大9.5mmまで)
  • 本体サイズ:115×111mm×48.7mm(幅×奥行き×厚さ)

なお、Broadwell版NUCには、より手頃な第五世代Core i3搭載の2モデルも用意されています。こちらは『NUC5i3RYK』と『NUC5i3RYH』で、CPUはCore i3-5010U (2コア4スレッド、基本クロック2.1GHz、ターボブーストなし、GPUはHDグラフィックス 5500)という構成。

価格は両モデルとも4万5000円前後。やはり末尾Kがベーシックな薄型版、末尾Hが2.5インチドライブベイ搭載版です。

さて、これらの新NUCはちょっと面白い経緯があります。実は外観に関しては2014年12月の時点で公式サイトにチラ見せのような形で掲載されていたため、当時より話題になってたのです。またさらにさかのぼった2014年8月には、早くも主な仕様の一部や外観がリークされていました。

こうした事情は、当時の記事を参照ください。

インテルがNUC公式サイトに未発表製品の写真を掲載、近々発表のBroadwell版?


このようにBroadwell版NUCは、CPUとGPUをはじめ、ストレージ構成やWi-Fiといった足回りまで全般的な強化がなされた、隙のない強化仕様。現状の実売価格は前世代となる第四世代Core i(Haswell-U)版モデルと比べても5~6000円程度のアップとなりますが、コストパフォーマンス的にはむしろ向上した印象もあります。

これまでもNUCは小型PC自作派の間では定番と言える存在でしたが、今世代もその評価を確かなものとしそうな仕上がりでしょう。
インテル、第五世代 Core i5 搭載のNUC 発売。PCIe x4 SSD対応など全面強化。オリジナル天板用3Dデータも

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