1: NIPPER 2011/12/07(水) 22:43:55.89 ID:VfsFr947o

別に他所の兄妹と特に変わったところのない普通の兄妹関係だったと思う。幼い頃からべったりと兄妹だけで過ごしてきたわけでもなければ、特に仲が悪かったわけでもない。要するにどこにでもいる普通の兄妹だった。別に二人きりでいても気まずくなるような関係でもなく、かといって常に二人きりでいたいと思ったこともない。
たまに大学の友達の話を聞くと、姉や妹と二人きりで外出したり一緒にゲームしたりとかしている奴もいるようだけど、もちろん俺と妹が一緒にそんなことをするなんて想像もできない。

俺の妹はアニメや漫画に出てくるように兄貴にべったりと依存するような妹ではない。どっちかというと家庭の外にもしっかりと居場所があるようで、特に高校生になってからは帰宅時間も遅くなり、帰ったら帰ったで自分の部屋に篭ることが多くなった。親父やお袋とは普通に会話してるみたいだけど、俺と妹は2、3日ほとんど会話しないこともあるくらいだった。

そんな関係だったのだ、俺と妹は。

・・・・・・繰り返すようだが、決して俺と妹の仲が悪いわけではない。お互いに無関心という方が正解に近いかもしれない。ある意味、互いの友人以上に離れた存在だったのだ。

そうあの日までは。




2: NIPPER 2011/12/07(水) 22:44:24.03 ID:VfsFr947o

オリジナルSSで非エロ、もどかしさやムズムズ感しか感じられないSSになるかもしれませんが、それでもよければご覧ください
あと、更新は遅いと思いますのであらかじめご了承ください





3: NIPPER 2011/12/07(水) 22:45:38.73 ID:VfsFr947o

大学の構内


兄友「よう兄。早いな」

兄「おはよ、兄友」

兄友「おまえも1限あるんだっけ?」

兄「うん。つうかおまえと一緒の講義だろうが。今更何言ってんだよ」

兄友「まあ、俺今までほとんど出席してなかったし。つうか出欠取らない講義なんて普通出ねえだろ? パンキョウなんだしさ」

兄「え? おまえ・・・・・・」

兄友「うん?  俺、何か変なこと言った?」

兄「取ってるんだけど」

兄友「へ?」

兄「だからこの講義出欠確認してるぜ」

兄友「・・・・・・」

兄「おい、顔色悪いよ、おまえ」

兄友「出欠票だよな?」

兄「は?」

兄友「だから! 出欠票で出席確認してるんだろ? そんで当然俺の出欠票も書いてくれたんだよな?」

兄「いや、書いてないけど。だってそんなこと頼まれてねえじゃん」

兄友「・・・・・・」

兄「・・・・・・そろそろ行こうぜ?」

兄友「終わった・・・・・・」

兄「終わったって何が?」

兄友「俺の単位とおまえとの友情が」

兄「何でそうなる!?」


ピピピピピ




4: NIPPER 2011/12/07(水) 22:46:08.94 ID:VfsFr947o

兄友「おまえとは大学入学以来親友だと信じていたのに。全く裏切られた気分だ。走れメロスの登場人物のような気分だ」

兄「・・・・・・携帯鳴ってるぜ? あと走れメロスは友情の素晴らしさを描いたんじゃなかったっけ?」


ピピピピピ


兄友「大学に入って友達を選ぶ時に気をつけるべきだった・・・・・・って、妹だわ」

兄「・・・・・・電話出れば?」

兄友「分かってるって。ああ、妹ちゃん? どうしたの」

兄(いきなり口調が柔らかくなった。妹ごときの電話に何でそんなに甘い声出す?)

兄友「うんうん。そりゃ大変だったな。もちろん車出すよ。講義? そんなもんどうでもいいよ。妹ちゃんがピンチなんだ、そっちを優先するのが兄として当然だよ。じゃあ、これからおまえの高校に車で向うからね。うん、じゃあ後で」

兄「妹さんに何かあったのか?」

兄友「おう。妹がピンチなんでちょっと行ってくるわ」

兄「大丈夫なのか? 妹さん」

兄友「大丈夫じゃねえから俺が救出に行くんだろうが!」

兄「そ、そうか。すまん。妹さんお大事にな」

兄友「は?」

兄「いや、だから。妹さんが大変なんだろ?」

兄友「そう、妹のピンチだ。あいつ、今日高校に持って行くはずだった友達から借りたDVD家に忘れたらしいんだよ」

兄「そうかそうか、それは大変・・・・・・って、え?」

兄友「妹の一大事だ。妹の信用が失われるかもしれん。そんでイジメとかに会うかもしれないしな」

兄「・・・・・・」

兄友「じゃ、ちょっと家によってDVD取って妹のところに届けてくる」

兄「・・・・・・行ってらっしゃい」

兄友「おう。じゃ、遅すぎたかもしれんが今日からは出席票の提出は頼んだぞ」

兄「・・・・・・」




5: NIPPER 2011/12/07(水) 22:49:18.82 ID:VfsFr947o

夜7時 兄の家



兄「ただいま〜」


シーン


兄(親父とお袋は相変わらず遅いのかな)

兄(今日の飯はどうななってるんだろう?)

兄(とりあえず着替えるか・・・・・・って、あ)

妹「おかえりなさい」

兄「ただいま。親父とお袋は?」

妹「・・・・・・今日遅くなるって。電話のとこにお金置いてあるからそれで適当に夕食すませてだって」

兄「今日もかよ。で、どうする?」

妹「・・・・・・何が?」

兄「いや、夕食どうすんだ? ファミレスでも行く?」

妹「面倒くさいからいい。適当に冷凍食品探すからお兄ちゃんは好きなようにして」

兄「そう? それじゃ俺も適当にカップラーメンでも食べるか」

妹「・・・・・・そ」


ピピピピピ


兄「あれ? 俺の携帯かな」

妹「はい。ああ、あたし。どしたの? うん、平気だよ」

兄(・・・・・・)

妹「今から? 別に平気だけど。ううん、今日親帰るの遅いから」

妹「うん。じゃ、着替えたらすぐ出かけるから。いつものカラオケでしょ? わかった、食事してないんで何か食べてもいい?」

兄(こんな時間から高校生が夜遊びか。だいたいこいつの彼氏って3年だろ。受験勉強する気ないのかよ)

妹「じゃ、あとでね」

兄(ま、俺には関係ないか。お湯沸かしてカップ麺食おう」

妹「・・・・・・ねえ」

兄「あん?」

妹「ちょっと友達と外で会って来るから」

兄「そう(カップラーメンよりカップの天そばとかねえかな)」

妹「・・・・・・最近、お母さんうるさいから」

兄「(何だよこいつうぜーな)何だよ、だから」

妹「お母さんたちが帰って来るまでには戻るから、内緒にしてて」

兄「・・・・・・はいよ」

妹「・・・・・・うん」




6: NIPPER 2011/12/07(水) 22:53:53.58 ID:VfsFr947o

キッチン


兄(3分待っちゃうと食い終わる頃は麺がクタクタになっちゃうんだよな)

兄(せっかくの天そばだし、麺には腰がないとな)

兄(・・・・・・よし! ジャスト2分30秒。粉末スープを入れてかき回して)

妹「ねえ」

兄「わ! え、まだいたのおまえ」

妹「行ってくるから」

兄「・・・・・・(ケッ)」

妹「今夜出かけるのお母さんたちに内緒にしてね?」

兄「しつこいな、わかったって」

妹「・・・・・・うん」

兄(あれ? 何だこいつ化粧してるのか!?)ドキ

兄(・・・・・・まるで本当の女みたいじゃん。胸も小さいし身体も細いくせに)ドキドキ

妹「お兄ちゃん?」

兄「(妹の癖に生意気だ、こいつ)ああ」

妹「・・・・・・じゃ、行ってくるね」

兄「おまえさ」

妹「え?」

兄「・・・・・・男と夜遊びはいいけど、ほどほどに付き合えよ」

妹「・・・・・・」

兄「え(あれ? 俺なんでこいつにこんなこと言ったんだろ)」

妹「・・・・・・何で?」

兄「あ、いやその。今のなし」

妹「今まであたしにそんなこと言ったことなかったじゃん」

兄「だから今のなしだって! いいから早く行けよ」

妹「わかった・・・・・・行ってくる」

兄「うん」

兄(何で妹にあんなこと言ったんだろ? こいつのことなんてどうでもいいのにな)

兄(しかし、あいつ何か・・・・・・まるで女のようだったな。いい匂いもしてたし)

兄(まあ、あいつだって高校2年生の女の子であることは間違いないんだけど)

兄(何考えてるんだ、俺は・・・・・・ま、いいや。とにかく飯食ってゲームの続きしよっと)

兄(え?)

兄「あーーーーー!! 麺がぐちゃぐちゃに伸びてるじゃねえか!」

兄「・・・・・・」

兄「はぁ」ズルズル




7: NIPPER 2011/12/07(水) 23:15:04.45 ID:VfsFr947o

夜10時


兄(しかし、こんな面倒くさいゲーム始めなきゃよかったな。これも兄友のせいだ)カチカチ

兄(だいたいPCゲームって時点で嫌な予感はしてたんだよ。しかも、オンラインじゃねえし)カチカチ

兄(ひたすらAI相手の戦闘とかむなしくなるな)カチカチ

兄(だが確かにはまると止められなくなるな)

兄(予習は明日早出して大学でやろう)

兄(しょうがないよな。ターン制ストラテジーとか時間食いすぎだし)カチ

兄(よし、AIのターンだ。しばらく眺めてるだけでいいな)

兄(・・・・・・)

兄(ええええ!! 何でディアドラ陣営が航空機を使ってんだよ! こいつらより科学技術進んでたはずなのに)

兄(・・・・・・こうなったら全資源を技術革新につぎ込んでやる)

兄(え?)

兄(俺の都市で反乱が起きてる? あ、こっちの都市も)

兄(住民の幸福度を上げるためには、レクリエーション施設を作るんだったよな・・・・・・って、そんなことしてたら技術が航空機開発まで追いつかないじゃん」

兄(あ、シスターミリアム陣営にも戦線布告された)

兄(くそ! ベテランの戦車部隊で反撃してやる。隣の都市からも応援を呼んでって・・・・・・!)

兄(何で連続攻撃可能なヘリコプターがミリアム陣営に!?)

兄(やるなミリアム。マンマシンインターフェースを開発したのか・・・・・・)

兄(あ、この都市を奪われた)



1時間後



兄(10年以上も前のゲームの癖に中毒性ありすぎだろ、これ。もうやめよ)

兄(ふぅ。疲れた・・・・・・しかし、妹のやつまだ帰ってこないんだな)

兄(どうでもいいけど、もう少ししたら親父かお袋が帰ってきちゃうぞ)

兄(外出したことを親父とお袋に黙ってろはいいけど、おまえが親父たちより遅く帰ってきたら弁解のしようがねえじゃん)

兄(どうせ、俺も怒られるんだよな。何で黙って高校生の妹を夜外出させたんだってさ)

兄イライライラ

兄(何であいつが彼氏と夜遊びするのに俺が巻き込まれなきゃいけないんだよ)

兄(だいたい、夜のデートとか俺だってしたことないっつーの)

兄(・・・・・・いや、昼間のデートもしたことないけどさ)

兄(高校時代はおろか大学2年の今まで一度も彼女ができない俺が何で妹の夜遊びで親に怒られなきゃいかんのだ)

兄(・・・・・・それにしてもそろそろ11時半。いくらなんでもまずいだろ)

兄(電話してみようかな・・・・・・)




8: NIPPER 2011/12/07(水) 23:30:50.12 ID:VfsFr947o

兄(電話出ないよ、あいつ。全く何やってんだよ)

兄(12時には親帰ってきちゃうぞ。今までの経験で言うと)

兄(・・・・・・まさか)

兄(あいつの1年先輩の彼氏ってチャラそうだったし)

兄(・・・・・・あいつ、出かけるときいやに女っぽかったし)

兄(まさかまさか、サイアクの事態に??)

兄(ヤバイ。もしそうなったら絶対に親父に殺される)

兄(俺のせいじゃなくてあいつの自業自得なのに理不尽だけど、親父は昔からそういうやつだし)

兄(あれは確か公園のブランコから妹が落下して、怪我をした時だったか)


幼少時の回想


父「いいか兄」

兄「なあにパパ」

父「おまえはお兄ちゃんだから妹ちゃんが困っていたら助けてあげないといけないんだよ」

兄「そうなの?」

父「そうだよ。妹ちゃんに何かあったらおまえが妹ちゃんを守ってやるんだよ。二人きりの兄妹なんだからな」

兄「うん! わかったよパパ」


回想終了


兄(なんてこともあったしな。しゃーない、車出して探しに)


ガチャ


兄「え」

妹「ただいま」

兄「あ? おまえ遅せーよ。って」

妹「・・・・・・何よ?」

兄「あ、いや(泣いてるのか? こいつ)」

妹「お母さんたちが帰ってくるまでに帰ってきたんだから、お兄ちゃんには迷惑かけてないでしょ」

兄「あ、ああ。(こいつ化粧ぐしゃぐしゃじゃん。何かあったのかな)」

妹「・・・・・・お風呂入るから」

兄「ああ(でも、服は乱れてないし乱暴されたとかじゃなさそうだ)」ジィー

妹「・・・・・・何」

兄「い、いや。何でもない」

妹「・・・・・・じゃ」

兄「お、おう」

兄(何でもなくてよかった・・・・・・うん?)

兄(妹が泣いてたのに何でもないってすませていいのかな)

兄(・・・・・・うーむ)

兄(ま、とりあえず寝よう)

兄(親が帰ってくるまでに寝たほうが勝ちだ)

兄(うーむ)




15: NIPPER 2011/12/08(木) 22:14:38.85 ID:402Yz1H7o

翌日


?「ほら、起きて! いつまで寝てるの」

兄(・・・・・・何だ?)ムニャムニャ

?「いい加減に起きてよ。学校遅刻しちゃうよ」

兄(妹? いやそんなわけが)

?「いい加減にしろ!」バサ

兄「・・・・・・いきなり布団はぐなよ。起きるから、ほらちゃんと起きたからさ」ウーン

母「やっと目を覚ましたわね。あんた今日は大学行かなくていいの?」

兄「あれ、母さん? 妹じゃないんだ」

母「・・・・・・妹がこんな時間に家にいるわけないでしょ。あんた何寝ぼけてるよ」

兄「いや。何か自分が中学生になったような錯覚を覚えた」

母「はぁ?」

兄「中学の頃まではいつも妹が俺を起こしてたからさ」

母「ああ、懐かしいね。あの頃はお母さん、忙しかったからね。寝起きの悪いあんたを起こすのは妹に頼んでたんだわ」

兄「忙しいのはあの頃も、だろ」

母「まあ、そうなんだけどね・・・・・・何? あんた、お母さんに起こされるより妹に起こされる方がよかったの?」

兄「んなことないけど」

母「あんたの中では昔のいい思い出なのかもしれないけどさ」

兄「いい思い出なんて言ってねえじゃん」

母「あの頃、妹はあんたを毎朝起こすのすごく嫌がってたのよ」

兄「へえ、そうなんだ(そうだったのか。唯一の兄妹の微笑ましい記憶だったのに)」

母「そうそう。あんたなかなか起きないし、布団はぐとパンツだけで寝てたりで。本気でもうお兄ちゃんを起こすのいや! って妹が嘆いていたのを今思い出したわ」

兄「・・・・・・」

母「それよかもう昼過ぎなんだけど、あんた大学はどうしたのよ」

兄「ああ、今日は休講多かったんで休む」

母「多かったんでって、やってる講義がひとつでもあるなら行きなさいよ」

兄「だって今日雨だし。やってる講義だって出欠取らないしさ」

母「まじめにやんなさいよ。そうしないと就活の時に苦労するよ」

兄「そういう母さんは? 雨だから会社さぼったの?」

母「ばか。あんたじゃあるまいし。お母さんは昨日徹夜で仕事になっちゃって、さっき帰ってきたの。そしたらあんた、まだ寝てるし」

兄「そか」

母「お昼食べる?」

兄「うん、腹減った」

母「じゃあ、そばとラーメンどっちがいい?」

兄「・・・・・・カップ麺?」

母「そうよ。仕事で疲れてるけど、愛する息子のために特別に作ってあげる」

兄「・・・・・・」




16: NIPPER 2011/12/08(木) 22:30:52.70 ID:402Yz1H7o

リビング


兄ズルズル

母「美味しい?」

兄「麺が溶けてるみたい。絶対、お湯入れて5分以上放置したでしょ」

母「だって、麺が固いよりいいじゃん。消化にもいいし」

兄「・・・・・・」

母「雨ひどくなってきたね」

兄「昨日の天気予報じゃ今日は薄曇だったのに」

母「天気予報なんて見る暇ないから知らなかったわ。確かに朝は雨降ってなかったね」

兄「そうなの?」

母「そうよ。ずっと寝てたあんたは知らないだろうけど、徹夜明けの高層ビルからぼうっと眺めた日の出が綺麗だったし」

兄「・・・・・・綺麗だったかも知れないけど、全然うらやましくねえ。頼むから過労死だけはしないでくれよな」

母「うん、平気平気。それにしても急な雨か。お父さんは・・・・・・まあ、どうせ今日も帰ってこれないからいいとして」

兄「・・・・・・」

母「妹は置き傘してあるかなあ」

兄「さあ」

母「この雨じゃ傘なしでは帰れないね」

兄「まあね」

母「妹に電話して、傘持ってるか聞いてみるか」

兄「まだ、授業中じゃない?」

母「そうか。それならとりあえず傘届けた方がいいかな」チラツ

兄ズルズル

母「大学さぼって暇な奴が一人家にいるしね」

兄「・・・・・・俺にも予定があるんだけど」

母「お母さんが起こさなかったら夕方まで寝てたあんたに予定があるんですか」

兄「・・・・・・何時にどこに行けばいいの?」チッ

母「物分りのいい息子って好きだわ」

母「とりあえず4時ごろに校門の前にいれば捕まるんじゃない?」

兄「おい。ずっと妹が出てくるの待ってろって言うのかよ」

母「授業が終わった頃、校門前であんたが待ってるって妹にメールか電話しとくから」

兄「傘届けなくても車で迎えに行くんじゃだめ? 雨の中を外で待ってるのはツライ」

母「まあ、それでもいいか」

兄ホッ




17: NIPPER 2011/12/08(木) 22:36:24.55 ID:402Yz1H7o

午後4時30分 妹の高校の校門前 兄の軽自動車の車内


兄(母さんめ。何が妹にメールしとくだよ。もう30分も待ってるぞ)

兄(・・・・・・)

兄(だが実は退屈はしていない。さっきから校門を出て行く女子高生を眺めているだけで数時間は退屈しないですみそうだ)

兄(あ、また女子のグループが来た)

兄(何か不思議だな。地味な紺色のブレザーが制服なのに、着こなしがお洒落というか、みんな可愛く見える)

兄(男もイケメンだらけに感じるし。何かおかしい。うちの母校の方が全然偏差値が高いのにな)

兄(つうか、制服のこいつらの方が大学生の俺より格好いい服装してるってなんでだよ)

兄(やはり○ニクロが原因なのか)

兄(○ニクロのカラフルなパーカとジーンズを着ておけば無双だって、兄友が言ってたのに)

兄(まあ、いいや。男のことなんてどうでもいい。今はお洒落で綺麗な女子高性鑑賞を続けようか)

兄(あ、一際目立つ集団が近づいてきた・・・・・・)

兄(あの中の茶髪の娘、可愛いな)

兄(思わず携帯で撮影したくなるくらい可憐だ)ハァ

兄(こういう娘たち見てると楽しい反面むなしくもなるな)

兄(いったいいつになったら俺にも彼女できるんだろ)

兄(あ、茶髪の娘たちが近づいてきた。気持ち悪がれるといけないし、目を逸らそう)




18: NIPPER 2011/12/08(木) 22:37:36.25 ID:402Yz1H7o

ドンドン


兄(あ?)

?「窓あけて」

兄(あ、妹だ・・・・・・この集団の中に混じるとこいつは地味っていうか幼く見えるな)


ウィーン


妹「お兄ちゃん、ここで何してるの」

兄「へ? 何っておまえを迎えに」


周囲のお洒落な女子生徒たち「キャー。妹いいなあ。車でお迎えが来るんだあ」


妹「何でわざわざ校門の前の目立つところで車止めてるの? っていうかあたし迎えなんて頼んでないよね」

兄「母さんが迎えに行けって。おまえ、母さんからメール来てねえの」

妹「知らない、そんなこと。いいから帰ってよ」

兄「だっておまえ傘」

妹「友達に入れてもらってるから大丈夫。早くここからいなくなって、お願いだから」

兄「・・・・・・」


周囲のお洒落な女生徒たち「妹ちゃん、浮気?」「修羅場か?」「彼氏先輩に言いつけちゃうよ」「きゃははははは」


兄(こいつら見た目は可愛いけど、中身はうぜえ)

妹「じゃあ、あたしもう行くから」

兄「おい」


茶髪の娘「妹ちゃん、知り合いなの?」

妹「・・・・・・うん。お兄ちゃ、兄貴。お母さんに言われて迎えに来たんだって」

茶髪の娘「じゃあ、お兄さんに悪いし今日は帰ったら?」

妹「ううん。気にしなくていいの妹友ちゃん。それに、今日のカラオケって彼氏先輩も待ってるし」

妹友「先輩にはあたしから説明しておくから。せっかくお迎えに来てくれたんでしょ? お兄さんに悪いよ。一緒に車で帰れば?」

兄(可愛いだけじゃなくて気も遣えるんだ。この中にもいい娘っているんだな)

妹「・・・・・・じゃあ、あたし少し寄って行くところがあるから」

兄「え? 一緒に帰らねえの」

妹「お母さんにはご飯までには帰るって言っておいて」

兄「え・・・・・・え?」

妹「じゃ、行こ。遅くなっちゃうし」

妹友「あの。すいません、お兄さん。せっかくお迎えにいらしたのに」

兄「い、いえ(可愛い!!)」

妹友「ちゃんと遅くなる前にはお返ししますから」

兄「い、い、い、いやいやいや。君に謝ってもらうことじゃないし」

妹「妹友ちゃん、もう行こう」

妹友「すいません。これで失礼します」

兄「あ、は、はひ!」

妹(・・・・・・)




19: NIPPER 2011/12/08(木) 23:09:54.04 ID:402Yz1H7o

自宅の兄の部屋


兄ズルズル」

兄(まさか家に戻ったら母さんが仕事に出かけているとは思わなかったぜ)

兄(妹にメールしなかったこと文句言おうと思ってたのに)

兄(まあ、母さんも大変だよな。大企業じゃないとはいえ管理職なんだもんな)

兄(また今夜も徹夜か。さすがに妹のお迎えが無駄になったなんて文句言うのもかわいそうだな)

兄(しかし、もう9時過ぎ。妹のやつ夕食までに戻るんじゃなかったのかよ。何かカラオケにはあいつの彼氏も来てそうな雰囲気だったし)

兄(・・・・・・だが収穫もあった)


回想

妹友「あの。すいません、お兄さん。せっかくお迎えにいらしたのに」

兄「い、いえ(可愛い!!)」

妹友「ちゃんと遅くなる前には妹ちゃんをお返ししますから」

兄「い、い、い、いやいやいや。君に謝ってもらうことじゃないし」

回想終了


兄(妹友ちゃんだっけ? 礼儀正しくて可愛かったなあ)

兄(まあ、あの可愛い妹友ちゃんにも妹と同じで彼氏がいるんだろうけど)

兄(あーあ。俺、大学生なのに妹の同級生とか気にしててどうすんだよ。何かサークルにでも入ってたら今頃彼女とかいたのかなあ)

兄(諸悪の根源は兄友だ。あいつのせいでサークルに入るのを邪魔されるわ、訳わかんないゲーム紹介されて徹夜になるわ)

兄(・・・・・・明日は学校に行こ)


ガチャ


兄(妹め、ようやく帰ってきたか。こいつのことはむかつくから無視だ無視)

兄ズルズル

兄(お? やった、ようやくマンマシンインターフェイスを開発したぞ。これでヘリコプターを量産できる)

兄(ミリアムめ。思い知らせてくれるわ)カチカチ




20: NIPPER 2011/12/08(木) 23:11:07.84 ID:402Yz1H7o

コンコン


妹「お兄ちゃん?」

兄「あ?」

妹「開けるよ」

兄「おい」

妹「何でお母さんいないの?」

兄「・・・・・・」

妹「こんな時間になっちゃったから怒られると思って帰ったのに」

兄「・・・・・・」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・さっき、会社から電話があってな」

妹「・・・・・・うん」

兄「出社した。今夜も戻らないってさ」

妹「そう」

兄「・・・・・・」

妹「・・・・・・」

兄「まだ何か用あるのか」

妹「さっきはごめん」




21: NIPPER 2011/12/08(木) 23:12:30.48 ID:402Yz1H7o

兄「・・・・・・え?」

妹「友達とかと一緒だったから」

兄「うん?」

妹「あたしの彼氏と知り合いの子たちばっかだったし。変な誤解されるのも嫌だったし」

兄「変なって・・・・・・兄貴って言えば済む話だろ」

妹「そうでもない」

兄「え? よくわかんねえけど、とりあえずわざわざ車出しておまえを迎えに行った俺がバカだったよ。母さんにも文句言おうと思ったら出かけちゃうし」

妹「だからごめん」

兄「謝るくらいならさっきの態度を何とかしたら? そんなに俺と兄妹だって思われるのが恥ずかしいのか」

妹「違うよ」ボソ

兄「え? 聞こえねえよ。もっと大きな声で話せよ」

妹「あのさ」

兄「・・・・・・」

妹「お兄ちゃんのメアド教えてあげてもいい?」

兄「はぁ?」

妹「髪の毛が茶色の背が高くってすらっとした子がいたの覚えてる?」

兄「おまえの友だちなんて詳しく見てねえよ(え? あの礼儀正しくて可愛い女の子か)」

妹「妹友ちゃんていってあたしの親友なんだけど」

兄「それで?」

妹「何か知らないけど、お兄ちゃんのメアド知りたいんだって」

兄「好きにすれば」

妹「教えてもいいんだ・・・・・・うん。じゃあ、教えるね」

兄「ああ」ドキドキ

妹「じゃあ。今日はごめん」ボソ

兄「もう、いいよ。じゃあな」

妹「・・・・・・おやすみ」

兄「おやすみ(え? え? 何この展開。俺にもようやく春が来ちゃうの?)」

兄ワクワク




26: NIPPER 2011/12/09(金) 22:49:57.26 ID:0SZQYB3Bo

・・・・・・気がつくと身体がやけに熱い。ベッドが狭い。鼻腔をくすぐるやわかな髪。寝室の薄明かりの下でほの白く反射する華奢な裸身。
一瞬何が起きているのか理解できなかった。試しに腕を伸ばすと滑らかな肌に触れる。無理をして少し顔を上げると、狭いベッドの隣に寄り添って寝ている妹の可愛い顔が目に入る。
可愛い? 俺は今まで妹を綺麗とか可愛いとか意識したことはなかった。でも、裸身の妹が俺の隣に密着しているこの瞬間、はじめて俺は妹の外見を可愛いと感じた。

思わず伸ばした手をそのままずらして妹の白い頬を撫でる。そのまま俺の手は俺の意思とは無関係に妹の肩を経由し腕を下り手に辿り着く。妹の手を自分の手で包みながら、俺はこういうのって何年ぶりだろうかと無駄な感慨にふける。

妹は目を閉じて軽い寝息をたてている。長いまつげが閉じた瞼に薄い影を落としている。
妹の手を離し、両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ・・・・・・。

その時、妹は寝たふりをやめ、閉じた瞼を開きつぶらな瞳で俺をしばらく見つめた後、細いむき出しの腕が俺の首に廻され、そして妹は自分の口を俺の口に近づけてきた。

俺は泣き出したくなるようなたまらない感覚に襲われた、でも俺の下半身は俺に寄り添い抱きついてくる妹に欲情していて、心の中では自分からではなく妹の方から抱きついてくるのを免罪符のように感じている気持ちがざわめいていて。




27: NIPPER 2011/12/09(金) 22:55:45.88 ID:0SZQYB3Bo

兄「え?」

?「いい加減に起きてよ」

兄「・・・・・・(夢?)」

?「今日も大学行かないの」

兄「夢か・・・・・・」

?「本当にもう起きてよ」

兄「起きたよ。つうか母さんまた徹夜明けに帰って来たの?」

?「え」

兄「あ・・・・・・妹」

妹「な、何?」

兄「何でおまえが俺を起こしてるんだよ」

妹「・・・・・・わかんない」

兄「はぁ?」

妹「わかんない。昨日寝る前にお母さんからメールが来た」

兄「何それ」

妹「これからはあたしがお兄ちゃんを起こすんだって」

兄「・・・・・・何でそんな必要があるの」

妹「わかんない。でもお母さんが起こすよりあたしが起こした方がお兄ちゃんが喜ぶからだって」

兄「んなことあるか。母さんでもおまえでも俺は起こしてなんて欲しくないんだけど」

妹「・・・・・・ごめん」

兄「い、いや。おまえが謝ることはねーけど」

兄(妹に欲情した夢を見た朝に、久しぶりに妹に起されるとは)

兄(気まずいなんてもんじゃねえ)

兄「まあ、ありがとな。起こしてくれて」ケホケホ




28: NIPPER 2011/12/09(金) 23:02:41.72 ID:0SZQYB3Bo

妹「お兄ちゃん」

兄「何だよ」ゴホゴホ

妹「もしかして風邪引いてない?」

兄「あ? 引いてねえけど」

妹「咳してるし顔が赤いよ」

兄(それは夢の中でおまえにキスされそうになったせいだ)

妹「体温計持ってきてあげる」

兄「熱なんてねえよ。本当に大丈夫だから」

妹「そのまま寝てて。すぐ戻って来るから」

兄「いいって。それよりもうこんな時間だぜ。おまえ、ガッコに遅刻しちゃうんじゃねえの」

妹「そのままにしてて。起きちゃ駄目だよ」


ガチャ


兄「おい・・・・・・(とりあえず下半身の中心のこの屹立を鎮めようか)」

兄(あれ? 今うちには妹しかいないのかな)

兄(やっぱり風邪を引いたかも。何か身体が重いし頭も痛い)

兄(変な夢のせいでもねえのな)

兄(・・・・・・今日は出欠確認する講義なのに)ボー

兄(何か眠くなってきた)ウツラウツラ

兄(・・・・・・妹と添い寝か.。何であんな夢みたんだろ)

兄zzzz




29: NIPPER 2011/12/09(金) 23:33:08.22 ID:0SZQYB3Bo

ブルブル

兄zzz(うん?)

ブルブル

兄(携帯?)

兄(・・・・・・メールだ)

兄(兄友か。一体何の用だ。人が病気だというのに)

兄友『何休んでんだよ引きこもりが。今日の講義は出欠にシビアなんだぞ。まあ、友情に厚い俺がおまえの代返をしてやったけどな。今度おごれ』

兄(・・・・・・返信の必要なし)ゲホゴホ

兄(無視しよ)ウツラウツラ

兄zzzzz

ブルブル

兄zzzz

ブルブル

兄(ええいしつこい!)パカ


from :妹友
sub  :突然すみません
『妹ちゃんの同級生の妹友です。突然メールしてごめんなさい。昨日は妹ちゃんを誘ってしまってすみませんでした』


兄(お! 昨日の茶髪の娘からメールだ)


『お兄さんには妹ちゃんを早く家に返しますと言ったのに、結局遅くなってしまいました。うちらの友だちが妹ちゃんを引きとめたんで、妹ちゃんのせいではありません。妹ちゃんを責めないでやってください。あと、図々しいお願いですけど、私は妹ちゃんのことを親友だと思っていますので、妹ちゃんのお兄さんともお知り会いになれたら嬉しいです。突然なれなれしいメールをしてごめんなさい』


兄(お、おお!)

兄(いい娘だなあ。あんなビッチの集まりにこんな娘が混じってるなんて不思議だ)

兄(こういう娘にこそずっと妹と仲良くしてほしいな。いや、俺得的な意味ではなく妹の保護者的な意味でだけど)

兄(返信しよう、今すぐに・・・・・・って、何て返せばいいんだろ)

兄(少し落ち着いて文章を考えよう)

兄カチャカチャカチャ

兄(よし、これでいいか。送信っと)ピ




30: NIPPER 2011/12/09(金) 23:47:29.17 ID:0SZQYB3Bo

from :兄
sub  :RE突然すみません
『メールありがと。妹友さんが謝ることじゃないですよ〜。むしろ妹を心配してくれていて兄として感謝してます。僕も兄として一応妹のことは心配なんで、妹友さんからメールをもらって嬉しいですこれからも妹のことよろしくね(ハート)


兄(最後のハートは余計だったかな。ま、でもそれくらいはいいよな。妹友ちゃんがせっかくメールをくれたんだし)


ブルブル


兄(え?)ピ


from :妹友
sub  :RERE突然すみません
『さっそく返事していただいてありがとうございます。無視されたらどうしようかとドキドキしていました(笑)。もちろん妹ちゃんとはこれからも親友でいたいです。あとお兄さんとももっと親しくなれたら嬉しいかも。なあんて(笑)今日、妹ちゃん学校休んでいるんですが風邪ですか? 妹ちゃんにメールしても返事がないんで心配です。おうちにいるならメールしてくれるよう妹ちゃんに伝えてもらってもいういですか?
あ、あと、あたしの携帯は090-123-××××ですので、何かあったら電話してくださいね(ハート)


兄(妹友ちゃん返信早っ。つうかこれ完全に俺に気があるだろ)

兄(あの可愛い子が俺に)

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・あれ? 学校を休むとか何の話だ?)

兄「あーーーーー!!」




31: NIPPER 2011/12/09(金) 23:49:06.37 ID:0SZQYB3Bo

ガチャ


妹「お兄ちゃん、何で大声出してるの」

兄「お、おまえ、もう学校始ってるぞ!」

妹「うん」

兄「うん、っておまえ」

妹「お母さんいないし」

兄「は?」

妹「お兄ちゃんが病気だし、でもお母さんがいないから」

兄「何なんだよ」

妹「あたしが休んで看病するしかないでしょ」

兄「たかが風邪で看病って、おまえ何言ってるんだ。今からでもさっさと学校行けよ」

妹「今日は家族を看病しなきゃいけないから休みますって担任の先生に電話しちゃったし」

兄「・・・・・・おまえさあ」

妹「うん」

兄「今まで俺のことなんかどうでもいいって感じだったし、昨日だってわざわざ迎えに行ったのにあの態度なのによ」

妹「昨日のことは謝ったでしょ」

兄「まあ、そうなんだけどよ。でも、何で急に俺のこと気にしだしたんだよ」

妹「気になんてしてないし・・・・・・お母さんにお兄ちゃんのこと起こすように言われたから」

兄「だから、もう起きたっつうの。とにかく今からでも学校行けよ」

妹「・・・・・・」

兄「俺が母さんに怒られるんだよ。おまえが学校行かないと」

妹「・・・・・・」

兄「何とか言えよ」

妹「妹友ちゃんからメール来た?」

兄「(!!)誰がそんなこと言えって言ったよ!!」

妹「はい、体温計。熱測って」

兄「ああ、どうも・・・・・・ってそうじゃねえだろ」

妹「食欲あるの?」

兄「いやいや」

妹「熱測らないの?」ピト

兄(!!!!! 妹の手が俺の額に!)

妹「・・・・・・熱測らなくてもすごく熱いよ、お兄ちゃん」

兄(やば。夢の中の妹の身体の感触を思い出してしまった)

妹「とにかく寝てて。これからおかゆ作るから」

兄「学校行けって(やば。なんか景色がグルグル回転してきた)フラ

兄「寝る」

妹「うん。じゃ、起きたらおかゆ食べて」

兄zzzz




35: NIPPER 2011/12/10(土) 20:36:21.37 ID:c5I6WX2Jo

夕方


兄(・・・・・・あれ、もう夕方? いったいどんだけ寝たんだろうな)

兄(喉痛い。汗もかいてて気持ち悪い)

兄(・・・・・・今度は妹の夢見なかったな。しかし今朝の夢やけにリアルだったな。妹の裸なんて見たことないのにな)

兄(妹の裸の夢を見るって・・・・・・忘れたい! あああああああ!!!)

兄(あんな夢見るなんて俺、変なのかな?・・・・・・自己嫌悪)

兄(でも。貧乳、細く華奢で白い肌。黒髪ロング・・・・・・)

兄(今まで考えもしなかったけど、あいつって意外にも俺の好みど真ん中じゃんか)

兄(もしあいつが妹じゃなく例えば大学の知り合いだったら・・・・・・)

兄(惚れてた気がする。間違いなく一目惚れしている自信がある)

兄(どうしたんだろ。今まで妹のことなんか気にもしてなかったのに)

兄(・・・・・・もう考えないことにしよ。むしろ忘れよう)

兄(何かむずむずするな。自己嫌悪と言いながら夢を思い出いてたら興奮してきてしまった)

兄(忘れる前に一度だけあの夢を思い出しながら抜いたらまずいかな)

兄(いや。人としていろいろまずいよな)ムズムズ

兄(でも・・・・・・一度だけならいいか。こういうことは抜いてしまった後のほうが冷静な判断もできるしな)

兄(よし。ティッシュもあるし布団の中で・・・・・・)


回想


思わず伸ばした手をそのままずらして妹の白い頬を撫でる。そのまま俺の手は俺の意思とは無関係に妹の肩を経由し腕を下り手に辿り着く。妹の手を自分の手で包みながら、俺はこういうのって何
年ぶりだろうかと無駄な感慨にふける。

妹は目を閉じて軽い寝息をたてている。長いまつげが閉じた瞼に薄い影を落としている。
妹の手を離し、両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ・・・・・・。

その時、妹は寝たふりをやめ、閉じた瞼を開きつぶらな瞳で俺をしばらく見つめた後、細いむき出しの腕が俺の首に廻され、そして妹は自分の口を俺の口に近づけ


兄(はあはあ)


両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい、ゆっくりと唇を妹の口に近づけ


兄(はあはあはあはあ)


妹の細いむき出しの腕が俺の首に廻され、そして妹は自分の口を俺の口に近づけ妹の細いむき出しの腕が俺の首に廻され、そして妹は自分の口を俺の口に近づけ妹の細いむき出しの腕が俺の首に廻され、そして妹は自分の口を俺の口に近づけ妹の細いむき出しの腕が俺の首に廻され、そして妹は自分の口を俺の口に近づけ

兄(はあはあはあはあはあはあ)

兄(・・・・・・うっ)


妹「お兄ちゃん起きた? 入るよ」

兄(うあああああああ!!!)ガサガサ




36: NIPPER 2011/12/10(土) 20:47:58.14 ID:c5I6WX2Jo

妹「少しは熱下がった? ちょっとごめん)ピト

妹「・・・・・・全然下がってないね。医者行く?」

妹「お兄ちゃん?」

兄「あ、ああ」ドキドキ

妹「・・・・・・大丈夫?」

兄「大丈夫、だと思う(色んな意味で大丈夫じゃねえけど)

妹「インフルエンザの季節じゃないのに、相当熱高いみたい。はい、熱測って」

兄「お、おう」

妹「・・・・・・?」

兄「ね、熱測っておくから何か食べるもの持ってきてくれないかな?」

妹「・・・・・・うん、わかった。これ体温計」

兄「わ、悪いな」

妹「別にいいよ」


ガチャ


兄(早く後始末しないと・・・・・・)ガサゴソ

兄(・・・・・・惨めだ。何か涙が出てくる)ポイ

兄(何やってるんだろ? 俺)

兄(あ、熱測らないと)

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・妹が部屋に来る直前にちゃんと抜いたのに全然興奮が収まらないのは何で?)

兄(あの最中にリアル妹を見てしまったせいで、ますます興奮してきちゃったじゃねえか)

兄(もう本当にいい加減にしようぜ。妹に知られたら今までの無関心の関係から嫌悪の関係にレベルアップしちゃうぞ)

兄(来週、兄友に付き合ってもらって風俗でも行こうかな)


ピピピピ


兄(・・・・・・38.9度。まじかよ)

兄(高熱の中でオナニーできちゃう俺って)




37: NIPPER 2011/12/10(土) 21:11:15.90 ID:c5I6WX2Jo

ガチャ


妹「熱何度だった?」カチャ

兄「38.9度」

妹「やっぱり。明日も大学休みだね」

兄「これじゃそうだろうな」

妹「明日は病院に行かなきゃ駄目だよ」

兄「うん・・・・・・(気まずい。何を話せばいいのかわからん)」

妹「はい、おかゆ食べるでしょ」

兄「ありがと」

妹「・・・・・・自分で食べられる?」

兄「当たり前だ。今から起き上がって」

兄フラフラ

妹「・・・・・・」

兄「よし。身体を起こしたからこれで食べられる。頂きます」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・手が震えて」

妹「こぼしちゃったね。いいよ、あたしが拭くから」

兄「悪い。やっぱ後で食べるわ」


ピピピピピ


妹「あたしの携帯」ピ

妹『うん、あたし。うん、うん。それがね』

妹『急用が出来ちゃって家を離れられないんだ。悪いけど、今日はキャンセルしていい?」

妹『・・・・・・違うよ、浮気とかじゃないって! 冗談でもそんなこと』

妹『だから、ごめんなさい』

妹『違うって! あ』

兄「・・・・・・彼氏?」

妹「うん。電話途中で切られちゃった」

兄「そうか(こいつが男のこと俺に話すなんて初めてじゃねえか」

妹「食べさせてあげる」

兄「はあ?」

妹「お腹空いてるんでしょ。あたしが食べさせてあげるから」

兄「な、何言っちゃってんの? おま」ドキ




38: NIPPER 2011/12/10(土) 21:14:57.67 ID:c5I6WX2Jo

妹「だって手震えてたじゃん」

兄「いい」

妹「え?」

兄「やっぱよく考えたらそんなに腹減ってなかったわ。後で食うからそのまま置いといてくれる?」

妹「・・・・・・」

兄「おまえさ、彼氏のとこ行ってくれば?」

妹「え?」

兄「どうせ今夜も母さんたち遅くなるんだろ?」

妹「さっき電話があって今日は二人とも会社で泊まりだって」

兄「行ってこいよ。彼氏と飯でも食ってきたら。男の誤解も解けるだろうし」

妹「誤解って」

兄「あんな言い方じゃそれは疑われるよ」

妹「・・・・・・だって」

兄「兄貴の、つうか家族の看病っていやいいじゃねえか」

妹「・・・・・・それじゃ駄目なの」

兄「はぁ?」

妹「本当に大丈夫なの?」

兄「うん。もう少し寝るわ。電話のとこに夕食代置いてあるんだろ? 全部持っていっていいから」

妹「・・・・・・ありがと」

兄「ああ」

妹「じゃ、行って来る」

兄「うん」




39: NIPPER 2011/12/10(土) 21:34:09.89 ID:c5I6WX2Jo

兄(俺の夢のことはさておき。何か最近妹がやたらに接近してくるのは何でだ)

兄(まさか妹も俺のことを)

兄(・・・・・・なんてわけないよな。何考えてるんだ、俺)

兄(も、もう一回しちゃおうか。妹でするのはこれが本当に最後ということで)

兄(もう家には妹もいないことだし)ゾク

兄(よし。リアル映像特典も付加されたことだし)ガサガサ


回想

両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい 妹の細いむき出しの腕が俺の首に廻され 妹「お腹空いてるんでしょ。あたしが食べさせてあげるから」
両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい 妹の細いむき出しの腕が俺の首に廻され 妹「お腹空いてるんでしょ。あたしが食べさせてあげるから」
妹「お腹空いてるんでしょ。あたしが食べさせてあげるから」
妹「お腹空いてるんでしょ。あたしが食べさせてあげるから」
妹「お腹空いてるんでしょ。あたしが食べさせてあげるから」
妹「お腹空いてるんでしょ。あたしが食べさせてあげるから」


兄(はあはあ)

兄(はあはあはあはあ)


ブルルル


兄ドキ

兄(何だ? メール?)

兄(一時中断)パカ


from :妹友
sub  :無題
『妹友です。さっきは返信ありがとうございました。今、下校中妹ちゃんに偶然会いました。お兄さん、病気なんですってね。お加減いかがですか?なんだか心配です。妹ちゃんに聞いたら、しばらく外出できないみたいですね。よかったらお見舞いに行ってもいいですか。図々しいですかね(笑)お大事にしてくださいね(はーと)』


兄(いい子だなあ。そうだ、俺の電話番号を教えてなかったな。返信しよう)カチャカチャ


ブルルル


兄(またメール?)


from :妹友
sub  :無題
『たびたびごめんなさい。そういえば妹ちゃん、すごくお兄さんのこと心配してました。あと、看病しようとしたけど、お兄さんにウザく思われたみたいって妹ちゃん落ち込んでましたよ。妹ちゃんは以前からお兄さんの話ばかりしてて、学校ではブラコンって言われてるくらいお兄さんのこと大好きなんで、どうか妹ちゃんには冷たくしないで優しくしてあげてくださいね。体調が悪いでしょうから返信しなくていいですよ〜。ではまたです(はーと)』


兄(はぁ!?)

兄(いったい何の冗談だ。妹が俺に冷たくされて落ち込んでる? 学校で俺の話ばかりしているブラコン?)

兄(俺に無関心のあいつがそんなわけねーじゃん)

兄(なんでそんなことになってるんだよ)

兄(・・・・・・何がなんだかわからんから、オナニー中止。もう寝よう)

兄(あいつがブラコン・・・・・・)

兄(・・・・・・)

兄zzz




40: NIPPER 2011/12/10(土) 21:47:09.71 ID:c5I6WX2Jo

夜11時過ぎ


ガチャ

妹「・・・・・・お兄ちゃん?」ヒソ

妹「寝ちゃった?」ヒソ

妹「ちょっとごめんね」ピト

妹「少し下がったかな」

妹「・・・・・・」ソー

兄「おかえり」

妹「きゃっ!」ビク

兄「どした?」

妹「おきてたの? お兄ちゃん」

兄「おまえの手が冷たくておきた」

妹「熱さがったかなって思って。ごめん」

兄「何でそこで謝る」

妹「おこしちゃったから。じゃあ、おやすみ」

兄「・・・・・・どうだった」

妹「? 何が?」

兄「彼氏と仲直りできたのか?(何でこんなこと聞いてるのかな、俺)」

妹「・・・・・・」

兄「あ、悪い。余計なこと聞いたわ。今の忘れていいよ」

妹「お兄ちゃんが病気だってことは信じてもらえた」

兄「・・・・・・そう。よかったな」

妹「でも、浮気じゃないってことは信じてもらえなかった」

兄「はぁ?」

妹「精神的な浮気じゃないかって」

兄「・・・・・・俺にはよくわからん。結局仲直りしたの? しなかったの?」

妹「よくわかんない」

兄「そうか」

妹「・・・・・・おかゆ、食べてないね。まだ食べられない?」

兄「そのままにしといて。後で食べるから」

妹「冷めちゃったから片付けるね。お腹空いたらまた作るから」

兄「こんな時間だからもう寝たら? 明日は学校行くんだろ」

妹「だって・・・・・・」

兄「俺は平気だから。熱も下がってきたし」

妹「わかった。じゃあ、おやすみ」

兄「ああ」




44: NIPPER 2011/12/11(日) 10:34:00.24 ID:8ulpxh3ro

翌日


兄(・・・・・・よく寝た。熱も下がったみたいで、身体が軽いぞ)

兄(妹は、今日は学校に行ったみたいだな)

兄(腹減ったな。よく考えたら一昨日の晩飯から何も食ってないじゃんか)

兄(起きられるかな)

兄(よし、起きられた。カップラーメンでも作ろう)


キッチン


兄(あれ? 何だこれ?)

兄(なになに。『お兄ちゃんへ。食欲があるようならお鍋の中にに雑炊があるので暖めて食べて』)

兄(何これ? 何でここまでするんだ、あいつ。理解できねえ。普通こうゆううのって母親の役目だろ)

兄(何年もろくに話しかけてこなかったくせにな。まあ、それはお互い様なんだけど)

兄(雑炊か・・・・・・。カップラーメン食ったらまずいかな)

兄(俺、雑炊とかってあんまり好きじゃないんだよな。しかも、妹って料理下手だって母さんが前に話してたし)

兄(・・・・・・せっかく朝の登校前の忙しい時間に妹が作った雑炊だし)

兄(カップラーメンはお昼にするか)



兄(どれ。暖めたから少しはましな味にになっただろ)

兄(・・・・・・量多いな。これ、三食分じゃねえだろうな)

兄(見た目はまあまあかな。卵も落ちてるし小ネギも散らしてあるし)パク

兄(・・・・・・)

兄(まずい。つうか胡椒入ってる。病人に食わせるもんじゃねえ」

兄(これ、妹に見つからないように捨てられる場所ねーかな)

兄(お湯沸かすか)

兄(カップヌードル食おう)




45: NIPPER 2011/12/11(日) 10:37:59.87 ID:8ulpxh3ro

夕方 兄の部屋


兄(何だこれ? ディアドラめ。また変なユニット開発しやがって)

兄(精神波攻撃? って、つえええ)

兄(ミ、ミサイルで応戦してやる。早くAIターン終わらねえかな)

兄(しかし、熱はすっかり下がったな。あと妹に欲情するみたいな気持ち悪い感じもなくなってる)

兄(妹がブラコン? 学校で俺の話ばっかりしてるって?)

兄(いったい何の冗談だよ)

兄(・・・・・・)

兄(だいたい兄妹で好きとか嫌いとか普通ねえだろ、いや。嫌いとかは普通にありだが)

兄(妹をネタにオナニーした俺が言うのも何だけど)

兄(普段からお兄ちゃん好き好きオーラが出てるアニメのヒロインじゃあるまいし)

兄(いつもは俺に対しては、ろくに口も聞かなかった妹だぞ)

兄(・・・・・・ありえねえ)

兄(それに。いくら好みのタイプの女の子でも妹は妹だしな)

兄(あれ? 俺のターンだ)

兄(とりあえずここに終結させたヘリコプター部隊で、デイアドラのわけわかんない原生生物みたいな兵器を破壊してやる)

兄(・・・・・・結構強いな、こいつら)

兄(ふふふ。だが、こんな時のために生産しまくったミサイルで)


ガチャ


兄(え? 玄関の方で音が聞こえた・・・・・・。妹が帰って来たのか)

兄(まだお昼前なのに)


?「入って入って。親もいないしお兄ちゃんが寝てるだけだから)

??「本当にいいの?」

?「うん。平気だよ。お見舞いに行くってメールしたんでしょ」

??「でも。来てもいいとかって言われてないし」

?「大丈夫だよ。さ、あがって。お兄ちゃんの部屋2階だから」


兄(何か話し声が聞こえる。しかもあの声ってもしかして)

兄(妹友ちゃん? まさか)

兄(ゲーム止めてベッドに入っていた方が良さげだと、俺の本能が告げている)

兄(まさか妹友ちゃん、本当にお見舞いに・・・・・・やばい、また熱が上がってきたかも)

兄ドキドキ




46: NIPPER 2011/12/11(日) 10:44:12.47 ID:8ulpxh3ro

15分後


兄(・・・・・・)

兄(妹の部屋から話し声らしい物音が聞こえるけど)

兄(別にここにお見舞いに来る様子はない)

兄(妹と一緒にいるの妹友ちゃんじゃないのかも。あるいはただ家に遊びに来ただけとか)

兄(何で浮き足立ってるんだよ、俺)

兄(馬鹿みたいじゃんか)

兄(もう諦めてゲームを再開しようかな)

兄(ああー!)

兄(・・・・・・セーブし忘れてる。また、あそこからやり直しかよ)

兄(まあ、そうだよな。妹が俺を好きとか)

兄(妹友ちゃんが俺を好きとか)

兄(何の確証もないのに、俺が勝手に思い込んでるだけだもんな)

兄(認めたくはないが。彼女いない暦=年齢の童貞だし、変な妄想してただけかも)

兄(はぁ・・・・・・)

兄(・・・・・・)

兄(やべ。トイレ行きたくなった)

兄(妹の部屋から話し声がしてるし、今ならトイレに)

兄(妹友ちゃんの前でトイレに行きたくはなかったが)

兄(まあ、今家にいるのは妹友ちゃんじゃないかもしれんし)

兄(よし)


ガチャ


妹友「あ・・・・・・」

兄「え? 妹友さん??」




47: NIPPER 2011/12/11(日) 10:51:08.91 ID:8ulpxh3ro

妹友「あ、あの」

兄「は、はひ」

妹友「風邪、大丈夫ですか」

兄「う、うん」

妹友「・・・・・・よかったあ。心配してました」

兄「あ、あのさ」

妹友「は、はい!」

兄「メールありがとね」

妹友「い、いえ!」

兄(やっぱ可愛いわ。妹よりお洒落だけど、それでいてどことなく清楚な雰囲気がある)

妹友「あの・・・・・・。本当にお体大丈夫なんですか?」

兄「うん、へーき(それに礼儀正しいよな。近年珍しく。絶滅危惧種といってもいい」

妹友「学校で妹ちゃんが、お兄さんが大変だって泣きそうになりながら話してたんで」

兄(へ?)

妹友「あたしも本当に心配になって・・・・・・」

兄「(俺が大変って、妹が?)知り合ったばかりの男をそんなに心配してくれなくても」

妹友「だって・・・・・・。大切な親友のお兄さんだし。それにお兄さんのことはずっと前から妹ちゃんに聞かされていたんで」

兄「はい?」

妹友「知り合ったばかりって気がしません・・・・・・想像していたとおりの人だったし」

兄「え? え〜と。妹はどこかな」テレ

妹友「キッチンで雑炊作ってます。お兄さんが、妹ちゃんの作っておいた雑炊を全部食べくれたって、嬉しそうに張り切って」

兄(げ。やべ)

妹友「あの」

兄「あ、うん」

妹友「あたし、妹友ちゃんの親友で・・・・・・あ、あたしが勝手に思っているだけかもしれないですけど」

兄「うん」

妹友「その妹ちゃんが取り乱してるのって初めて見て、何か辛い気持ちになって」

兄「妹が取り乱した? 何で」

妹友「それは・・・・・・。お兄さんが病気だとかお兄さんに冷たくされたとか」

兄「・・・・・・別に冷たくしてないけどね」

妹友「あ、はい。でも、本人にそのつもりがなくても好きな相手ならいろいろ考えちゃうっていうか」

兄「(好きな相手って何だよ)あのさ」




48: NIPPER 2011/12/11(日) 10:52:20.85 ID:8ulpxh3ro

兄「妹に彼氏がいるって知ってるよね」

妹友「はい」

兄「何かうまく行ってないみたいでさ。あいつが悩んでるとしたらその男のことじゃないかな」

妹友「違います」キッパリ

兄「え?」

妹友「あたし、彼氏先輩のことはよく知ってますから」

兄「・・・・・・そう」

妹友「そうですよ。妹ちゃんの悩みはお兄さんが原因です」

兄「へ」

妹友「彼氏先輩は確かに妹ちゃんにマジ惚れしてますけど」

兄「そうなの。妹もそいつに惚れてるみたいだし、相思相愛じゃん」

妹友「違いますね」」キッパリ

兄「はい?」

妹友「妹ちゃんが本当に好きなのは、お兄さんだと思います」

兄「は?」

妹友「妹ちゃんとの会話で登場する人物の頻度でいうと、お兄さんが一番ですから」

兄「はあ」

妹友「先輩、根はいい人なんで気の毒ですけど」

兄「・・・・・・」

妹友「あ、いけない」

兄「どうしたの?]

妹友「今日はせっかくお兄さんに会えるので、自分をアピールしようって決めてたのに」

兄「はい?」

妹友「敵に塩を贈り過ぎちゃった」クス

兄「・・・・・わからん(何かめまいがしてきた。結構熱があるような気がする)」フラ

妹友「え?」

兄「ごめん、ちょっと横になって来る」ドタ

妹友「え? え? お兄さん、大丈夫ですか? 妹ちゃーん! 妹ちゃーん、すぐ来て。お兄さんが、お兄さんが」




54: NIPPER 2011/12/11(日) 19:23:43.30 ID:8ulpxh3ro

兄(あれ、ここどこだ? 自分のベッドじゃない)

兄(背中痛い・・・・・・って、廊下?)

兄(そういや、さっき倒れたんだっけ・・・・・・あれ? 布団がかかってる。妹?)

兄(もう暗いじゃんか。俺ずっと廊下に放置されてたの?)

妹「あ、起きた」

兄ビク「びっくりした。おまえいたんだ」

妹「・・・・・・うん。いきなり倒れて。それでベッドで寝てよって言っても、大丈夫大丈夫少し寝るからって」

兄「それ、俺が言ったの?(全然覚えてねえ)」

妹「うん。お兄ちゃんそのまま廊下で寝ちゃったんで、お兄ちゃんをベッドに運ぼうとしたんだけど」

兄「おまえじゃ無理だろ、どう考えても」

妹「妹友ちゃんが手伝ってくれたけど、それでも全然動かなかった」

兄「はい?」

妹「あたしが手で妹友ちゃんが足で」

兄「ちょっと待てや」

妹「うん」

兄「あの子が俺の体に触ったっていうこと?」

妹「そうだけど」

兄(風呂入ってない、汗でべとべと、オナニーした後・・・・・・)

兄(・・・・・・いっそこのまま死にたい)

妹「・・・・・・」




55: NIPPER 2011/12/11(日) 19:25:33.72 ID:8ulpxh3ro

兄「あれ、妹友さんは?」

妹「帰った」

兄「そうか(ほっとしたような残念なような。結局ほんの少ししか妹友ちゃんと話しできなかったな」

妹「・・・・・・ちょっと」ピト

兄「・・・・・・風呂入ってねえし汗かいてるし手汚れるぞ(こいつの手冷たくて気持ちいい)」

妹「熱、全然ないね。さっき何で突然倒れちゃったの?」

兄「さあ(妹友ちゃんが俺に気のある素振りをしたから・・・・・・いや。いくら童貞をこじらせている俺でもあれしきで倒れることはないだろ)」

兄(・・・・・・やはりこいつが)


妹友『妹ちゃんが本当に好きなのは、お兄さんだと思います』


兄(原因はこれだよな。こいつ、俺のこと好きなの? その場合男女的な意味なのか?)

兄(まさか。あの夢って予知夢なのでは)

妹「お兄ちゃん?」

兄「あ、ああ。熱なさそうだしシャワー浴びるわ」

妹「うん」

兄「おまえ今日は出かけねえの?」

妹「彼氏から電話ないし。お母さんたちも今日は帰ってくるし」

兄「そう」

妹「明日休日でよかったね」

兄「まあな。あ、あのさ」

妹「うん」

兄「いろいろありがとな。看病とか雑炊とかさ(う、何か照れくさい)」

妹「・・・・・・別に」

兄「おまえも風邪ひいた? 何か顔赤いぞ」

妹「何でもないよ」

兄「そ、そう?(顔真っ赤じゃんか。まさか俺を意識して?)」ドキドキ




56: NIPPER 2011/12/11(日) 19:36:32.64 ID:8ulpxh3ro

翌朝


母「あら、おはよう。あんたが自分でこんな時間に起きてくるなんて珍しいね」

兄「おはよ。いや、昨日からずっと寝てたし、もうベッドにいるの飽きた」

母「あんた熱あったんだって? 早く良くなってよかったじゃん」

兄「・・・・・・息子が高熱で寝てたというのに、何? その軽い反応」

母「だってもう治ったんでしょ?」

兄「治ったけどさ」

母「妹が看病したんだって? あの子は昔からいざという時しっかりしてるよね。頼りになるというか」

兄「ああ、そうだな」

母「妹に感謝しなさいよ? しっかり世話してくれたんだから」

兄「・・・・・・わかってるよ。で、あいついないの?」

母「もう学校に出かけたよ」

兄「今日、土曜日じゃん」

母「学園祭の準備があるんだって」

兄「そう。雨の中大変だな」

母「そうだ。あんた、今日も車でいいから妹を迎えに行きなさいよ」

兄「え? やだよ俺」

母「妹に看病してもらったんでしょ? 迎えに行くくらいしなさいよ」

兄「だって、あいつ俺が学校に来るの嫌がるんだもん」

母「・・・・・・最近、あの子帰り遅いじゃない? あんたが行けば夜遊びも出来ないしね」

兄「だから人の話聞けって。あいつ、こないだだって俺のこと無視して友だちと帰っちゃったし、行っても無駄だよ」

母「ちゃんと妹に連絡しとくから平気」

兄「・・・・・・こないだはメールし忘れて仕事に行っちゃったくせに」

母「今度は忘れないからさ。それより朝ごはん食べる?」

兄「うん」

母「じゃ、ちょっと待ってて。妹が昨日作った雑炊温めてあげるから」

兄「・・・・・・え?(マジかよ)」




57: NIPPER 2011/12/11(日) 19:58:27.93 ID:8ulpxh3ro

父親の車を運転中


兄(母さんが妹に電話したら、あいつ、迎えに来てくれって言ったらしいけど)

兄(何考えているんだ、あいつ)

兄(そういや、彼氏から連絡ないとか言ってたな。今日、予定ないからか。それなら雨の中歩くより車の方が楽だもんな)

兄(何かむかつくな)

兄(それにしても、俺の軽自動車じゃなくて親父の3ナンバーの車で来いとはどういうことだよ、贅沢な。あいつ、看病したくらいで俺に貸しを作ったつもりじゃねえだろうな)


妹友『妹ちゃんが本当に好きなのは、お兄さんだと思います』


兄(昨日からこの言葉がしつこく何度も脳内で再生されてる・・・・・・」

兄(実際のところどうなんだろうな? 妹友ちゃんが言うように、あいつ本当にブラコンなのかな)

兄(ラノベやアニメのブラコン妹ってどんな感じなんだっけ)

兄(うちの妹と比べてみよう・・・・・・いや、比べるまでもない)

兄(幼い頃から仲良く遊んだ記憶なんてひとつもないし、いつも俺に付きまといどこに行くにも俺のそばを離れなかった幼い妹なんて俺にはいないぞ)

兄(あとは、兄友か。でも、あいつのところはなあ。妹がブラコンというより兄友が一方的なシスコンみたいだし、参考にならないな)

兄(・・・・・・着いちゃった。校門の前に停めるとまた目立つって怒られるかな。え? あれって)




58: NIPPER 2011/12/11(日) 20:07:10.15 ID:8ulpxh3ro

妹友「お兄さ〜ん! ここですよ、こんにちは〜!!」

兄(妹友ちゃんだ)

兄「ああ、どうも。昨日はありがとね」

妹友「いえいえ。お兄さん、もう大丈夫なんですか?」

兄「うん。もう全然元気だよ」

妹友「よかったです。突然倒れて寝ちゃうんで心配しました」

兄「本当にごめん」

妹友「謝らないでください・・・・・・病気なんだから仕方ないですよ。あ、そうだ」

兄「うん?」

妹友「妹ちゃん、今片付けしてます。もうすぐ終わるので少し校門前で待っていて、って言ってました」

兄「うん、わかった。ありがとう」

妹友「・・・・・・あ、あと。妹ちゃんからお兄さんの車で送っていくから一緒に帰ろうって誘われたんですけど、迷惑ですよね?」

兄「いやいやいや。迷惑なんてとんでもない。あ・・・・・・雨の中に立たせちゃっててごめん。さあ、乗って(それで軽じゃない方がいいって言ったのか)」ガチャ

妹友「お邪魔します・・・・・・でも、いいんですか?」

兄「へ?」

妹友「・・・・・・助手席に座っていいのかなあ」

兄「? 何で・・・・・・あ、俺の隣嫌だった? じゃ、じゃあ後部座席で」

妹友「嫌じゃありません」

兄「は、はい」

妹友「・・・・・・でも、妹ちゃんの専用席なんでしょ? お兄さんの隣って」

兄「な、な、何言っちゃってるのかな? 妹友ちゃんは」

妹友クス




59: NIPPER 2011/12/11(日) 20:07:42.34 ID:8ulpxh3ro

兄(妹友ちゃんと距離が近い。いい匂いがする)

兄(俺の軽ならもっと密着してたのに)

妹友「何か彼氏とドライブに行くみたい」クスクス

兄「・・・・・・妹友ちゃん、可愛いからもてるでしょ? デートなんていっぱいしたことあるんじゃない?」

妹友「か、可愛いいって。あたしデートなんかしたことないです」

兄「そうなの? こんなに可愛いのに意外だなあ」

妹友「男の人とお付き合いしたことないですもん」

兄(結構、派手なグループで遊んでるみたいなのにな。意外だ)

兄「・・・・・・うちの夜遊び妹に見習わせたいよ」

妹友「妹ちゃんは真面目でいい子ですよ」

兄「・・・・・・(どこがだよ)」

妹友「ただ、ちょっと。彼氏先輩のペースに合わせすぎなところはありますけど」

兄「・・・・・・」

妹友「こんなこと言うのもおかしいですけど。最近、妹ちゃんは彼氏先輩とはあんまり相性よくないんじゃないかと思うことがあります」

兄「そうか」

妹友「あ、先輩も悪い人じゃないんですよ? 妹ちゃんのこと本気で好きみたいだし」

兄「うん」

妹友「ただ、何ていうか、世界が違うっていうんでしょうか? あの二人本当には分かり合えてないんじゃないかな」

兄(なんだかよくわからん)

兄(あ、そうだ。この際だから聞いてみるか)




64: NIPPER 2011/12/11(日) 21:44:57.19 ID:8ulpxh3ro

兄「あ、あのさ」

妹友「はい」

兄「昨日、言ってたじゃん? その、妹が学校で・・・・・・何ていうか俺のこと好きだって言ってて、友だちからブラコンって言われてるって」

妹友「はい?」

兄「え? 何か違った??」

妹友「妹ちゃんはお兄さんのことが好きなんて一言も言ってないですよ」

兄「え? そ、そうなんだ(何なんだ。俺、ひょっとしてすごく恥ずかしいことを妹の友だちに聞いちゃったの!?)」

妹友「はい。妹ちゃんがいつも話しているのは。うちの兄貴がうざいとか、暇があると部屋に引きこもってゲームしたりパソコンしたりしてるとか」

兄「・・・・・・」

妹友「あと、親がいない時、一緒にファミレス行こうとかってキモイこと誘ってくるとか。あ、あと。最近では病気の兄貴を看病してあげてるのに全然感謝しないとかも」

兄(・・・・・・聞かなきゃよかった)

妹友「まあ、妹ちゃんがブラコンって言われてるのは本当ですけどね」

兄「はあ?」

妹友「何て言うんでしょうね。お兄さんの悪口ばかりだけど、それでもお兄さんの話ばっかよくしているから」

兄「え?」

妹友「だから、ブラコン認定されちゃうんでしょうね」

兄(じゃあ、あれはいったい何なんだ)


妹友『妹ちゃんが本当に好きなのは、お兄さんだと思います』


兄「じゃあ、妹が俺のこと好きだってわけじゃないんだよね」

妹友「・・・・・・何か残念そう、お兄さん」クス

兄「そんな訳あるか」

妹友「まあ、あえて言えばツンデレ?」

兄「え?」

妹友「ここから先は自分で考えてくださいね。お兄さん」クスクス


ガチャ


妹「待たせてごめんね、妹友ちゃん」

妹友「あ、妹ちゃん。片付け終わったの?」

妹「うん。雨の中倉庫に運ぶの大変だった」

妹友「ごめんね、付き合ってあげなくて」

妹「妹友ちゃんは係が違うから」

妹友「あ、あと。図々しくお兄さんの隣に座っちゃってごめん」

妹「うん? ああ。よかったね、妹友ちゃん」

妹友「ちょっと、妹ちゃん。やめてよ!」

妹「はいはい」クス




65: NIPPER 2011/12/11(日) 21:47:19.29 ID:8ulpxh3ro

兄「交差点を過ぎたよ。ここからどう行くの?」

妹友「あ、はい。しばらく道なりで、コンビニが見えたらその交差点を左折です」

兄「了解」

妹友「この辺は初めてですか?」

兄「車で来るのは初めてだな。まあ、初心者マーク取れたばっかりだし、あまり車使わないから」

妹友「でも、運転上手ですよね」

兄「普通だけどな」

妹「・・・・・・」

兄(さっきから、妹のやつ俺に一言も話しかけねえじゃんか)

兄(俺のこと好きじゃないにしても、迎えに来たお礼くらい言えよ)ムカムカ

妹友「何か凄い雨になってきましたね」

兄「うん」

妹友「送ってもらって助かっちゃった」

兄「いいよ、別に。どうせ暇だし」

妹「・・・・・・」

妹友「・・・・・・お兄さんって、何か同級生の男の子たちと違って大人ですよね。ね? 妹ちゃん」

妹「そう?」

兄「そ、そんなこと全然ないけど」ドキ

妹友「何ていうか、余裕があるっていうか。一緒にいて安心できると言うか」

兄(安心? それ誉められてるのか?)

妹友「お兄さんって、彼女とかいるんですか?」

兄「うっ(ついに来てしまったか。恐れていた質問が)・・・・・・いません」

妹友「そうなんですか? 女の人と付き合うの飽きちゃったんですか?」

兄「いや、飽きるとかそういうことでは」

妹友「お兄さん、もてそうですもんね」

兄「そんなことないって」

妹友「大学生の女の人と比べたら、あたしたちって子どもに見えるんでしょうね」

兄(子どもに見えるって。妹友ちゃんの匂いでくらくらしている童貞がそんな余裕かましてるわけないじゃんか)




66: NIPPER 2011/12/11(日) 21:48:19.71 ID:8ulpxh3ro

妹友「ね、妹ちゃん」

妹「うん?」

妹友「お兄さんってもてるでしょ?」

兄(・・・・・・)

妹「・・・・・・よくわからない」

妹友「ええ? 兄妹なのに」

妹「あまりそういう話しないから」

妹友「そうなんですか? お兄さん」

兄「ま、まあね」

妹友「じゃあ、彼氏先輩とのこととか、お兄さんに相談したりしないんだ」

妹「うん」

妹友「もったいないなあ。大人の男性が身近にいるのに。一人っ子のあたしには理解できないな」

妹「・・・・・・そんなものだよ。兄妹なんて」

兄「(え?)うん。そんなもんだよ」

妹友「そうなんですか。あ、そこ左折です」


妹友「送っていただいてありがとうございました」

兄「どういたしまして(でかい家だな)」

妹友「じゃ、妹ちゃん。また明日ね」

妹「バイバイ。また明日」




67: NIPPER 2011/12/11(日) 21:49:58.45 ID:8ulpxh3ro

兄(・・・・・・)

妹(・・・・・・)

兄「あ、あのさ」


ピピピピピ


妹「お母さんだ」ピ

妹『うん、今車の中。帰るとこ』

妹『仕事って今から? お父さんは?』

妹『うん。別にいいけど・・・・・・ちょっと待って』

妹「お兄ちゃん」

兄「どうした」

妹「お母さん、会社に呼び出されたんで仕事に行くって」

兄「今からかよ」

妹「お父さんも今日帰れないんで、どっかで食事してきてって」

兄「・・・・・・うん」

妹「あたしあまりお金持ってないけど、お兄ちゃんは?」

兄「あるけど」

妹『お母さん? ごめん。お兄ちゃんお金あるって。うん、うん。わかった。じゃあね』ピ

兄「おまえはいいのかよ?」

妹「何?」

兄「兄貴と二人きりでファミレス行くなんてキモイんだろ?(俺、何言ってんだ・・・・・・)」

妹「・・・・・・妹友ちゃんに聞いたの?」

兄「い、いや。いつもファミレス行こうかって言うと嫌がるし」

妹「別に。そんなに嫌じゃない」

兄「じゃ、どっかで飯食っていくか?」

妹「・・・・・・うん」

兄「じゃ、車出すぞ」

妹「ちょっと待って」

兄「え? 何だよ」

妹「席移るからちょっと待って」

兄「え? 別に後部座席でいいじゃんか」

妹「話しづらいから」バタン

兄「話って(ろくに話しかけないくせに何言ってるんだこいつ)」

妹ガチャ「はい。もう車出していいよ」

兄「・・・・・・(何考えてるんだ? こいつ)」




68: NIPPER 2011/12/11(日) 21:53:24.94 ID:8ulpxh3ro

兄(話しづらいって、隣に座ったって何にも喋んないじゃねーか。こいつは)


妹友『妹ちゃんが本当に好きなのは、お兄さんだと思います』


兄(まただよ。なんでこんなセリフだけいつも繰り返して思い浮かんじゃうんだろうか)

兄チラ

妹「・・・・・・」

兄(今日は休日なんで私服で登校したのか)チラチラ

兄(スカート短い・・・・・・こいつ足細すぎだろ。でも、綺麗な足だ。すべすべしてそう)

兄(首筋とか胸元とかもちょっとやばいんじゃ)

兄(こんなに、こいつのことガン見したの初めてかも)

兄(・・・・・・好みだけでいうと妹友ちゃんより妹の方がストライクなんだよなあ)

兄(やべ。昨日の妄想が・・・・・・)


両手を妹の控え目で小さな乳房にあてがい
妹の細いむき出しの腕が俺の首に廻され
妹「お腹空いてるんでしょ。あたしが食べさせてあげるから」


兄(いかん。不覚にも勃起・・・・・・)

兄(いい加減目を覚まそう。こいつが俺のこと好きなんて事実はなかったんだから。妹友ちゃんが誤解するような言い回しをしただけで)


妹「・・・・・・」

兄「食事、どこ行く?」

妹「どこでもいいよ」

兄「そんじゃわかんねえよ。何が食いたいの?」

妹「お兄ちゃんって」

兄「うん?」

妹「何が食べたいか一緒に行く人に聞くんだ」

兄「・・・・・・はぁ? 何言ってるのおまえ」

妹「先輩はいつも、ここが絶対美味しいから気に入るよって」

兄ムカ

妹「・・・・・・行きたい店とか聞いてもらったことなかったな」

兄「俺はそんなに美味しい店とか知らないからさ」

妹「じゃあ、やっぱりどこでもいい」

兄「だから! どこでもいいじゃわかんねえって言ってるの」

妹「じゃあ、マックでいい」

兄(え? 夕飯にマクドナルド?)

妹「この先にあるよ」

兄「ああ(俺、おまえのくそまずい雑炊以外ほとんど何も食ってないんですけど)」

兄(そんでその日の夕食がマックかよ)

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・」




72: NIPPER 2011/12/12(月) 20:03:36.68 ID:wdHNh43Go

マクドナルドの店内


兄「おまえ、それだけ?」

妹「うん」

兄「全然夕飯になってないじゃん」

妹「あんまりお腹すいてないから」

兄「・・・・・・どっか具合悪いんじゃねえの?」

妹「別に平気」

兄「・・・・・・」

妹パク

兄「そういう甘いやつで食事代わりってよくできるよな」

妹「うん? 美味しいよ。食べてみる?」

兄「(えええええ)い、いや。いい」

妹「そう」

兄(・・・・・あ〜んとかじゃないんだ。ま、そりゃそうだ)

兄(・・・・・・よく考えれば、妹とはいえ女の子と二人きりで食事してるのか。経験ねえけどデートってこんな感じなんだろうか)

兄(こうしてみると、服装とかいかにも女の子って感じだし)チラ

兄(妹には彼氏がいるから男と二人きりなんて慣れてるんだろうけど)

兄(いつも彼氏と二人の時どんな感じなのかな。俺といる時はいつも無表情っぽいけど、彼氏といる時は笑ったりはしゃいだりしてるんだろうな)

兄(・・・・・・)

妹「・・・・・・」

兄「お、お、おまえさ」

妹「うん」

兄「彼氏とはどうなってるの?」

妹「どうって」

兄「いやさ。俺の看病とかで彼氏に誤解されたんなら悪いし」

妹「・・・・・・」

兄「あと、まあ。病気しておまえにも心配かけちゃったみたいだし、いろいろ悪いなと思ってさ」

妹「あたしが心配したって・・・・・・。妹友ちゃんに聞いたの?」

兄「ま、まあ、そうなんだけどさ」

妹「・・・・・・妹友ちゃんの言うこと、あんまりマジに受け取らない方がいいよ」

兄「え?」




73: NIPPER 2011/12/12(月) 20:06:39.19 ID:wdHNh43Go

妹「・・・・・・お兄ちゃん」

兄「何だよ」

妹「妹友ちゃんは面白がって、お兄ちゃんにいろいろ話してるだけだと思うよ」

兄「彼女に限ってそんなことあるか」

妹「・・・・・・お兄ちゃんって女を見る眼がないんだね」

兄「(うっ)そりゃ確かに俺は女の子と付き合ったことねえしよ。でも、妹友ちゃんはおまえのこと心配して」

妹「・・・・・・うそ!?」

兄「わざわざメールしてくれたりとか・・・・・・って、うそって何が」

妹「大学2年になるまで一度も彼女ができたことないの?」

兄「・・・・・・うん」

妹「お兄ちゃんって。中学高校は男子校だから仕方ないけど、大学に入ってからは彼女とかいるのかと思ってた。作ろうと思わなかったの?」

兄「思ったけどできなかったんだからしょうがねえだろ(こいつ、自分には彼氏がいるからって調子にのりやがって)」

妹「作ろうと思ったのに何でできなかったの?」

兄「(絶対俺のことバカにしてるな)欲しいと思ったらできるもんじゃねえだろ」

妹「そうなんだ・・・・・・大学って恋人作るのそんなに大変なんだ」

兄ムカ




74: NIPPER 2011/12/12(月) 20:07:24.07 ID:wdHNh43Go

兄(あれ?)

兄(・・・・・・俺の彼女いない暦を話題にされるのはむかつくけど)

兄(こいつ、いつもより話しかけてくるな。普段は一言レスのくせに)

兄(あと、心なしか表情が豊かっていうか明るいっていうか)

妹「そうかあ。お兄ちゃん、彼女いないんだ」フフ

兄「(何笑ってやがる。でも、妹の笑ってるとこ久しぶりに見たな)俺の話はもういいよ。妹友ちゃんの話してたんだろ」

妹「うん。お兄ちゃん、妹友ちゃんのことどう思う?」

兄「どうって・・・・・・別に。知り合ったばっかだし」

妹「優しくて思いやりがあって礼儀正しくてお兄ちゃんに好意を持ってるとかって思っていない?」

兄「俺に好意を持ってるかどうかは知らないけど、それ以外はそのとおりだと思ってる」

妹「それ全然逆」

兄「え?」

妹「お兄ちゃんに好意は持ってるかもしれないけど」

兄「え? え?」ドキ

妹「優しくて思いやりがあって礼儀正しくはない」

兄「・・・・・・」

妹「そんな子いるわけないじゃん」

兄「・・・・・・おまえ妹友ちゃんの親友なんじゃねえの?」

妹「親友だと思ってるよ」

兄「・・・・・・」

妹「あたしの親友は、優しくて思いやりがあって礼儀正しい子じゃないけど」

兄「よくわからん」

妹「彼女とかできればわかるんじゃない?」

兄「へーへー。どうせ俺はもてないよ」

妹「そんなことないと思うけど」

兄「へ?」

妹「何でもない」




75: NIPPER 2011/12/12(月) 20:09:01.76 ID:wdHNh43Go

兄「おまえさ」

妹「うん」

兄「今日はよくしゃべるのな」

妹「え?」

兄「だっておまえ、普段からぜんぜん俺と話しないじゃん。まあ、俺と話すことなんてないからかもしれないけどさ」

妹「・・・・・・」

兄「今日は、久しぶりにおまえの笑い顔も見たし」

妹「・・・・・・そんなこと」

兄「悪い。キモイこと言ったかも。忘れて」

妹「・・・・・・」

兄(・・・・・・何かきまずい)

妹「お兄ちゃん?」

兄「何?」

妹「やっぱりポテトも食べていい?」

兄「うん。買って来ようか?」

妹「お兄ちゃんのを少しもらえればいい」

兄「そう・・・・・・」




76: NIPPER 2011/12/12(月) 20:11:46.31 ID:wdHNh43Go

自宅


兄(・・・・・・認めたくはないが)

兄(貴重な疑似体験だった・・・・・・デートってこんな感じなのか)

兄(あいつ連れてると少し優越感感じるし。隣のテーブルの高校生のガキなんて、ちらちら妹を見てたしな)

兄(まあ、妹をチラチラ見てたのは俺もだけど)

兄(まずい。また、ムラムラしてきた)

兄(・・・・・・もう1回だけ)ガサガサ


ガチャ


妹「お兄ちゃん、お風呂空いた」

兄(うわ!!!!!!!)

妹「お兄ちゃん、どうしたの」

兄「い、いや。何でもな・・・・・・え?」

妹「お兄ちゃん?」

兄「・・・・・・ちゃんと服着たら?(こいつの脚きれいだ・・・・・・いつのまにか女っぽくなって)」

妹「だって暑いし。もう少ししたら着るよ」

兄(細い肩・・・・・・。肌白いな。あと、女の鎖骨とかって生で見るの初めてかも)ムラムラ

妹「お風呂入らないの?」

兄「う、うん。入る」

妹「出たらスイッチ切っておいて」

兄ジー

妹「・・・・・・あ」カクシ

兄(やべ! 胸タオルで隠された・・・・・・こいつの身体見つめてたの気づかれたか!?)

妹「・・・・・・」

兄「風呂入る」

妹「・・・・・・うん」




79: NIPPER 2011/12/12(月) 22:07:35.26 ID:wdHNh43Go

風呂上り


兄(妹の身体を見て欲情するとか、最近の俺はどうかしてるな)

兄(俺があいつの身体見てたこと、あいつに気がつかれちゃったかもな)

兄(・・・・・・忘れよう。なかったことにしよう)

兄(妹友ちゃんの話だと、あいつが学校で俺のこと好きって言ってるわけじゃない、と)

兄(でも、あいつは妹友ちゃんの言うことをマジに受け取らない方がいいよと言ってたな)

兄(・・・・・・)

兄(つまりどういうことなんだよ)

兄(ああ! わかんねえ!!)

兄(・・・・・・)

兄(とりあえず、俺が妹のことを気になってるのだけは確かだ)

兄(何でこうなったんだろ。今まで何年も妹のことなんか考えもしなかったのに)

兄(やっぱ、風俗でもいいから童貞捨てなきゃだめかな)


ガチャ


妹「お兄ちゃん?」

兄「え?((こいつ何で化粧して普通に服着てるの?)」

妹「・・・・・・ちょっとでかけてくる」

兄「はあ?」

妹「彼氏に呼ばれたんでちょっとだけ行ってくる。お母さんたち今日も帰ってこないし」

兄「・・・・・・あのなあ」

妹「うん」

兄「さすがにそれはまずいだろ? 今何時だと思ってるの」

妹「9時半」

兄「時間聞いてるんじゃねえって。いくら両親がいないからってこんな時間に外出かよ」

妹「でも、話しがあるから出て来いって」

兄ムカ「おまえの彼氏も非常識なやつだな。高2の女の子をこんな時間に呼び出すなんて」

妹「仲直りできるかもしれないから」

兄「え(そんなにそいつが好きなのかよ)」ムカムカ




80: NIPPER 2011/12/12(月) 22:10:16.65 ID:wdHNh43Go

回想


妹友『ただ、ちょっと。彼氏先輩のペースに合わせすぎなところはありますけど』


回想終了


兄(ちょっとどころじゃねえ。完全に男に振り回されてるじゃねえか)

妹「お兄ちゃん、今まではあたしが夜外出しても何も言わなかったじゃん」

兄「う」

妹「親にも黙っててくれたし・・・・・・何で今日は駄目なの?」

兄(そういや何でだろ? 基本、俺たちってお互いに干渉しあわない仲だったのに)

兄(・・・・・・まさか。俺、こいつの彼氏に嫉妬してるのか・・・・・・?)

妹「・・・・・・彼、電話で謝ってくれて。話しがしたいって・・・・・・それで」

兄「そう」

妹「何で? 何で今日はだめなの」

兄「・・・・・・おまえが心配だからに決まってるだろうが」

妹「え?」

兄「兄が妹の心配して悪いのかよ(何、奇麗事言ってるんだろ? 俺。ただ妹の彼氏に嫉妬してるだけじゃねえか)」

妹「・・・・・本当にあたしのこと心配してるの?」

兄「あ、いや。あの・・・・・・(心配じゃなく嫉妬かもしれねえ)」

妹「・・・・・・うん」

兄「え?」

妹「わかった」ピポパ


妹「あ、あたし。ごめんね、今日は遅いしそっちに行けない」

妹「本当にごめん。でも、今日は行かないから」

妹「お願い、大きな声出さないで。明日、日曜日だけど学祭の準備で登校日でしょ。明日話そうよ」

妹「だから、そうじゃないよ。ねえ、聞いてよ・・・・・・あ」


兄「・・・・・・どうした?」

妹「怒鳴られて電話切られちゃった」

兄「何か・・・・・・悪かった」

妹「・・・・・・ううん。お兄ちゃんは別に悪くないよ」

兄「え〜と」

妹「・・・・・・少しだけお兄ちゃんの部屋にいてもいい?」

兄「あ? な、何で」

妹「今日出かけないからやることなくなっちゃったし」

兄「・・・・・・何だよそれ?」

妹「別に何でもないけど」コテ

兄「・・・・・・当たり前のように俺のベッドに座るなよ」

妹「テレビ見ていい?」

兄「べ、別にいいけど」




82: NIPPER 2011/12/12(月) 22:13:25.05 ID:wdHNh43Go

30分後


兄(落ち着かん。さっきから妹は黙ってテレビのバラエティ番組見てるし)

兄(可愛い服、いい匂いもして)ドキドキ

兄(・・・・・・こいつ、デート邪魔されて怒ってねえのかな)

妹「・・・・・・」

兄(無表情だし。せめてテレビ見て反応しろよ・・・・・・テレビの芸人もがっかりだろ)

妹「・・・・・・」

兄「おまえさ」

妹「え」

兄「何か香水みたいのつけてる?」

妹「・・・・・・うん」

兄「そうか

妹「気になるなら、メーク落としてこようか」

兄「別に、気にならない。つうかいい匂い」

妹「うん」

兄「おまえってさ、お洒落な服持ってるのな。あまり制服以外見たことなかったけど」

妹「そう? これお母さんに買ってもらったの」ニコ

兄「何か俺の部屋にいるとすげー違和感」

妹「ごめん。着替えてくるね」

兄「いやいやいや、別に悪いとか言ってねえじゃん。そのままでいいよ」

妹「そう」

兄「だいたい、おまえが俺のことそんなに気にするなんて今までなかったじゃん」

妹「お兄ちゃんの部屋だし」

兄「あ?」

妹「香水とか臭いから出てけって言われたらやだし」

兄「・・・・・・おまえ、そんなしおらしいキャラだっけ」

妹フフ

兄(また笑った。いったいどうなってるんだ)

妹「お兄ちゃん」

兄「うん?」

妹「ちょっと寒い」

兄「そう? エアコンつける?」

妹「うん」

兄ピ

妹「お兄ちゃんは寒くないの?」

兄「うん、別に」

妹「そう」

兄「おまえ、部屋が暖まるまでベッドの毛布でもかぶっとけ」

妹「わかった。お兄ちゃんも入る?」フサ

兄(!!!!!!)




83: NIPPER 2011/12/12(月) 22:23:11.02 ID:wdHNh43Go

兄「・・・・・・(妹の身体が密着してる)」

妹「・・・・・・」

兄(こいつ、天然なのかな。俺が兄じゃなかったら、絶対襲われてるぞ)

妹「・・・・・・」

兄(いい匂い。触れている体の華奢な感じ)

兄(とりあえず今は何も考えるのをよそう。何か幸せだし落ち着くし)


ブルブルブル


兄「あ、メールだ」パカ

妹「・・・・・・うん」

兄「妹友ちゃんからだ。おまえも見る?」

妹「・・・・・・何で?」

兄「何でって。おまえの親友だし」

妹「お兄ちゃんあてのメールじゃん」

兄「(もう面倒くせえな。せっかく気を遣ってやったのに)何だろうな」



from :妹友
sub :無題
『遅い時間にごめんなさい。妹ちゃんに電話してもメールしても返事がないんですいません。今、友だちとカラオケにいるんですけど』


兄(こんな時間にカラオケ?)


『彼氏先輩が荒れてて他の男の子たちも抑えられなくて』


兄(は?)


『妹ちゃんとお兄さんの悪口を怒鳴りまくっているんですけど、妹ちゃんと何かあったんでしょうか? 妹ちゃんが家にいるならあたしに連絡するように言ってもらえますか』


兄(何で俺の悪口を)


『先輩って酔うと前から暴れ出すんですけど、今日はいつもよりひどいみたい。こんなメールしてすいません』


兄(酔うって、高校生の癖に酒飲んでるのかよ)

兄(妹の彼氏はどうしようもねえバカだとわかったけど、妹友ちゃんも何だかなあ)




84: NIPPER 2011/12/12(月) 22:24:41.67 ID:wdHNh43Go

兄「おまえも見たほうがいいよ、妹友ちゃんのメール」

妹「何で?」

兄「見りゃわかるよ、はい」

妹「・・・・・・」

妹「・・・・・・みんなには悪いことしちゃった」

兄「ついていってやろうか」

妹「え」

兄「暴力振るわれても困るし、一緒に行ってやろうか? あ、もちろんおまえがよかったらだけど」

妹「いい」

兄「だって、一人じゃ」

妹「テレビ途中だし」

兄「はあ?」

妹「今夜はお兄ちゃんの部屋にいるって決めたから」

兄「・・・・・・」

妹「妹友ちゃんたちには悪いけど、彼氏には今日は行けないっていったし」

兄「いいの?」

妹「・・・・・・今日は、お兄ちゃんと一緒にいるの」

兄「え? え」

妹「お兄ちゃん・・・・・・」ダキツキ

兄(ええええええ!!!!)

妹シクシク

兄(こいつ・・・・・・泣いてるの?)

妹ギュ

兄(密着されると下半身がヤバイけど)

兄(今はそんな場合じゃない)ギュ

妹シクシク

兄「泣いてるの? おまえ」ギュ

妹「・・・・・・ちょっとだけ。ごめん」

兄「謝るなよ」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・」

妹「お兄ちゃんの体、暖かい」

兄「・・・・・・うん」

妹「まだ熱あるのかな」フフ

兄「ねえよ・・・・・・(また笑った)」ギュ

妹「・・・・・・明日、妹友ちゃんに謝らなきゃね」

兄(どっち方面の意味であやまるんだろ)ギュ

兄(・・・・・・)




93: NIPPER 2011/12/13(火) 21:27:02.83 ID:wFvIBuk6o

妹の高校の近くのスタバ


兄(あれは夢だったのか?)

兄(妹が抱きついてきて」

兄(俺も妹を抱きしめちゃって)

兄(・・・・・・そのまま二人で寄り添って寝ちゃったけど)

兄(朝起きたら妹はいなくて・・・・・・学祭準備で日曜だけど登校日だからかだろうけど)

兄(・・・・・・)

兄(妹と抱き合うって、本当にあったことなのか)

兄(あいつは昨日の夜のことどう思ってるんだろう)

兄(それとも全部夢? 童貞の幻想?)

兄(・・・・・・それにしても妹友ちゃん遅いな)

兄(今朝、カップラーメン食ってたら・・・・・・)


回想


ブルルルル


兄(あ)

兄(妹友ちゃんからメール)


回想終了


兄(妹友ちゃんにメールで呼び出された訳だが)

兄(・・・・・・正直、話題はわかってるし。何か気が重いな)

兄(妹友ちゃんがどっちの味方かしらないけど、俺はもう決めた)

兄(妹の彼氏はどうしようもないクズだ)

兄(できれば、妹と別れさせる)

兄(これは家族として当然のことで)

兄(・・・・・・)

兄(家族としてだよな? 男としての結論じゃないよな? 俺)

兄(あいつは彼氏のことまだ好きなのかな)




94: NIPPER 2011/12/13(火) 21:39:23.98 ID:wFvIBuk6o

妹友「お兄さん、こんにちは」

兄「妹友ちゃん」

妹友「ごめんなさい、遅くなちゃって。待ちましたよね?」

兄「いや、俺も今来たとこだから(恋人同士の待ち合わせかよ)」

妹友「学園祭の準備が思っていたより手間取っちゃったんですよ」

兄「来週だっけ?」

妹友「はい。お兄さんもよかったら遊びに来てください。案内しますから」

兄「うん。行けたら行くよ」

兄(可愛い女の子からの誘いか。昨日までの俺なら舞い上がってただろうけど)

兄(妹と抱き合った後だと、全然動じないな。妹のこと気にしすぎてるからだ)

妹友「本当ですか? やった。絶対に来て下さいね?」

兄「うん。それより、昨日の夜は大変だったね」

妹友「ああ、変なメールしちゃってすいませんでした。ごめんなさい」

兄「いや、別にいいけど。あれからどうなったの?」

妹友「メールした後、30分くらいで先輩は酔って寝てしまったので、みんなでタクシーに乗せて先輩の家まで送って行きました」

兄「そうか」

妹友「本当にごめんなさい。お兄さんには関係ないのに」

兄「俺、そいつに会ったことないんだけど。何で俺の悪口言ってたんだろうな」

妹友「嫉妬でしょ。前にも話しましたけど、先輩は妹ちゃんにマジ惚れしてますし」

兄(嫉妬? 自分の彼女の兄貴に嫉妬って何でだよ。よくわかんねえ)

妹友「あまり気にしなくていいと思いますよ。で、実は相談があってせっかくお兄さんに来ていただいたんですけど」

兄「うん」

妹友「ごめんなさい。何か解決しちゃったみたいで」

兄「そう。まあ、解決したんならよかったじゃん」

妹友「先輩と妹ちゃんのことを相談しようと思ってたんですけど」

兄「え?」

妹友「ほら、あの二人最近ぎくしゃくしてたじゃないですか。昨日は先輩あんな有様だったし。で、どうしたもんかと」

兄「(別れさせてしまえばそれで解決じゃんか)で、解決したとは?」

妹友「今日、学校で先輩を見かけたんですけど」

兄「うん」

妹友「妹ちゃんが一緒にいて、二人で手をつないで歩いてました」




95: NIPPER 2011/12/13(火) 21:50:08.40 ID:wFvIBuk6o

兄「・・・・・・え?」

妹友「あと、時々先輩が妹ちゃんを見つめながら何か話しかけてたんですけど」

兄「・・・・・・うん」

妹友「妹ちゃんも笑顔で応えていたんで、まあ無事に仲直りしたんですかね」

兄「・・・・・・」

妹友「今日は校内でずっと二人で過ごしてたし、あたしが心配するまでもなかったみたいです」クス

兄(・・・・・・何でだよ)

兄(納得できねえよ。妹は何であんなクズとより戻したんだよ。泣いてたくせに。泣いて俺に抱きついてきたくせに)

妹友「お兄さん?」

兄「あ、うん。用事がそれだけなら俺もう行こうかな」

妹友「え? せっかくだから少しお兄さんとお話したいなあって思ってたんですけど。ダメですか?」

兄「ごめんな。今日はもともと用事が入ってたんだ」

妹友「そうですか。用事があるのにわざわざ来てくれたんですね? ありがとうございます」ニコ

兄「・・・・・・う、うん。妹の親友の頼みだからね。じゃあ、悪いけど俺はこれで」

妹友「はい! ありがとうございました」

兄「またね」




96: NIPPER 2011/12/13(火) 21:51:38.48 ID:wFvIBuk6o


兄ムカムカ

兄(抱きついてきたくせに)

兄(・・・・・・泣きながら俺に抱きついてきたくせに)

兄(あのクズにいつも泣かされているくせに)

兄(付き合うならもっとましな男がいるだろ)

兄(イライラする。結局、妹はその男に惚れてるってことかよ)

兄(そうか・・・・・・。好きな男に怒鳴られて傷付いて、それで辛くて慰めを求めて俺に寄り添ってきたわけか)

兄(彼氏と仲直りできちゃえば、うざい兄貴なんかに寄り添う必要はないってことだな)

兄(・・・・・・)

兄(妹が落ち込んでいるのを慰められたんだからそれでいいはずなのに)

兄(何でこんなにショック受けてるんだろ)

兄(・・・・・・つうか頭に血が上ってたけど、何か落ち込んできた)

兄(結局、妹は彼氏と喧嘩して寂しかった)

兄(それで身近な兄貴に寂しさを紛らわせてもらおうとした)

兄(翌日、妹は彼氏と仲直りした)

兄(・・・・・・俺は兄貴としての役割を無事はたせた)

兄(何の問題もないな)

兄(唯一の問題は)

兄(昨日の妹を見てて、妹が俺のこと好きなんじゃないかって思い込んで舞い上がったバカがいたということだな)

兄(しかもそのバカは実の兄貴)

兄(どうしようもねえな、俺)

兄(よく考えりゃ近親相姦を期待してるってことだもんな)

兄(クズは妹の彼氏じゃなくて俺の方か)




97: NIPPER 2011/12/13(火) 22:06:52.13 ID:wFvIBuk6o

兄の部屋


兄(ゲームしても面白くないし集中できない)

兄(明日は講義があるけど、レポートに取り掛かる気力もない)

兄(・・・・・・)


回想

妹「・・・・・・今日は、お兄ちゃんと一緒にいるの」

兄「え? え」

妹「お兄ちゃん・・・・・・」ダキツキ

兄(ええええええ!!!!)

妹シクシク

兄(こいつ・・・・・・泣いてるの?)

妹ギュ

兄(密着されると下半身がヤバイけど)

兄(今はそんな場合じゃない)ギュ

妹シクシク

兄「泣いてるの? おまえ」ギュ

妹「・・・・・・ちょっとだけ。ごめん」

兄ギュ

回想終了


兄(・・・・・・あん時、可愛かったな。あいつ)

兄(でも、前向きに考えれば勘違いして妹に恥ずかしい告白とかしなくてよかったのかもな)

兄(・・・・・・もう6時か。今夜は彼氏とでかけるだろうから帰りは遅くなるか)

兄(いい夢を見たと思ってもう忘れよう)

兄(せっかく妹との距離が縮まったんだもんな。いい兄貴としてでもいいから、気持ちを抑えて妹と話すようにしよう)

兄(妹だって俺があいつのこと女として気にしてたり、あいつのことを想ってオナニーしてるなんて夢にも思ってないだろうし)

兄(気づかれたら本当にいろいろとお終いだな)

兄(よし。辛いけどいい兄貴になろ)

兄(とにかく俺にも彼女が出来ちゃえばてっとり早くあいつのことを忘れられるかも)

兄(・・・・・・妹友ちゃんか。俺に気があるかどうかはわからないけど)

兄(・・・・・・)

兄(とりあえず来週の学祭、行ってみようかな)




98: NIPPER 2011/12/13(火) 22:24:52.33 ID:wFvIBuk6o

ガチャ


妹「お兄ちゃん?」

兄「え?」

妹「今、帰った」

兄「え? おまえ何で」

妹「何でって?」

兄「いや。おまえ今日遅いと思ってたから、ちょっとびっくりした(落ち着いて冷静に話すんだ、俺)」

妹「そうなの? 普通に登校日だっただけだし」

兄「そうか(彼氏と出掛けなかったのかな)」

妹「お母さんからメール来た」

兄「何だって?」

妹「諸君の両親は来週末までの帰還は絶望的につき、各自それぞれ工夫し自給自足で生き延びられるように努力されたし」

兄「はあ?」

妹「そういうメールなんだもん」クス

兄「・・・・・・つまり今度の日曜日まで1週間家に帰らないから子どもたちだけで生活しろと。そういうことか?」

妹「そうみたい」フフ

兄(これまでとは違うな。無表情だった妹が笑顔を俺に見せるようになった)

兄(でも、それは俺と抱き合ったからじゃなくて、彼氏と仲直りしたからだもんな)

兄「しかし、1週間コンビニ弁当かよ」

妹「別にコンビニじゃなくてもいいじゃん」

兄「(どうせおまえは彼氏とデートでお食事だからいいよな)まあ、カップ麺好きだし」

妹「カップ麺1週間とかだめだよ。体壊しちゃうよ?」

兄「コンビニ弁当好きじゃねえんだよな」

妹「電話の下の引き出しにお金入ってるからそれで食事してって」

兄「金の問題じゃなくてさ」

妹「ファミレスも嫌いなんだっけ?」

兄「一人でファミレスで夕食食うくらいなら、自分の部屋でカップ麺食いながらゲームしてた方がいいし」

妹「一人じゃないじゃん」

兄「へ?」

妹「あたしも一緒だし」

兄(な、何だ?)




99: NIPPER 2011/12/13(火) 22:44:21.82 ID:wFvIBuk6o

兄(よくわかんないけど、こいつの彼氏が反省して夜は誘わなくなったとかってことか?)

妹「毎日、ファミレスだけじゃ飽きちゃうよね、昔よく配達してくれたおそば屋さんとかお寿司屋さんとかの出前も取ろうよ」

兄「何でこんなに楽しそうなんだよ? こいつ」

妹「あ、あとさ。お兄ちゃんが好きな雑炊なら、あたしでも作れるけど」

兄(・・・・・・げ)

妹「お兄ちゃんが病気の時に久しぶりに作ったけど、三食分を一度に食べちゃうとは思わなかった」フフ

妹「よっぽど気に入ってくれたんだね」

兄「(何か嬉しそうだな)・・・・・・まあ、食事の話はいいけどよ」

妹「うん」

兄「1週間も二人きりでおまえ、寂しくないの?」

兄(我ながら愚問だ。彼氏さえいればこいつ的にはいいんだろうし。俺にフレンドリーなのはいいけど、彼氏と仲直りできたから機嫌がいいのかと思うとむかつくな)

妹「別に。寂しくないよ。お兄ちゃんもいるし」

兄「え」

妹「・・・・・・いるんだよね? 大学終わったらすぐ帰ってきてくれるんでしょ?」

兄(何でそんなに不安そうに俺を見る。そんなだから誤解しちゃうんじゃねえか)

兄「まあ、今はバイトもしてないし、帰りは遅くはならないけど」

妹「うん・・・・・・よかった」

兄「・・・・・・」

兄「・・・・・・おまえさ。彼氏と仲直りしたんだって?」

妹「よく知ってるね・・・・・・。妹友ちゃんに聞いた?」

兄「うん。今日スタバに呼び出されて」

妹「そうか。お兄ちゃん、妹友ちゃんと会ってたんだ」

兄「まあな。それで彼氏とはどうなの?」

妹「うん、登校したらすぐに彼が誤ってきて」

兄「そんで仲直りして今日一日中イチャイチャしてたわけか」

妹「・・・・・・え。お兄ちゃん?」

兄「あ、悪い。何でもないから今の忘れて」

妹「お兄ちゃん」

兄「う、うん」

妹「・・・・・・」

妹「最近、あたしと彼のことで迷惑かけてごめんね」

兄「俺は別に・・・・・・関係もねえし」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・」




106: NIPPER 2011/12/15(木) 21:50:36.19 ID:qTy1A0LMo

妹「・・・・・・何かごめんね」

兄(何で謝る。俺の気持ちに気づいてるのか?)

兄(いや、そんな訳ないか)

兄(つうか俺の気持ちって何だよ。自分にだって自分の気持ちなんかわかんねえのに)

兄(妹を、こいつにふさわしくない彼氏と別れさせたい?)

兄(・・・・・・それとも、むしろこいつを自分のモノにしたい?)

兄(!! な、な、何キモイこと考えてたんだ俺。実の兄妹だぞ)

兄(・・・・・・やっぱ俺最近変だ)

兄「いや。変なこと言って俺の方こそ悪い。無事に彼氏と仲直りできてよかったな」

妹「・・・・・・うん」

兄(やっぱりこいつ、彼氏のこと好きなのかな)

妹「・・・・・・」

兄(何か気まずい。思わず情けないセリフを口にしちゃったけど。あれじゃ嫉妬している男のセリフそものじゃねえか)

兄(こいつ、俺のこと変に思ってねえかな)

兄(・・・・・・)

妹「・・・・・・ねえ」

兄「うん」

妹「お兄ちゃん・・・・・・もうご飯食べちゃった?」

兄「いや、まだだけど」

妹「じゃあ、今日どうする?」

兄「カップ」

妹「カップ麺はダメ」

兄「・・・・・・おまえの雑炊食おうかな」

妹「え」

兄「い、いや。何でもない。コンビニでいいや(さっきから何言ってるんだ俺)」

妹「・・・・・・作ってもいいけど。少し時間かかるよ」

兄「いや。おまえ土日も登校だったし明日も学校だし。今日はコンンビニで何か適当に買ってくるよ」

妹「お兄ちゃんが食べたいなら、雑炊作るよ。ちょっと待ってて」

兄「おい」

妹「・・・・・・嫌じゃなかったら食べて」

兄「・・・・・・」

妹「1時間もかからないと思うから」

兄(え?・・・・・・雑炊作るのに1時間?)




107: NIPPER 2011/12/15(木) 21:54:38.58 ID:qTy1A0LMo

翌日大学の構内


兄友「よし、講義終わったぞ。兄、おまえこの後何もないんだろ?」

兄「講義はないよ。バイトもこの前辞めちゃったし」

兄友「じゃ、飲みに行こうぜ。イケヤマと飲みに行く約束してんだけど、おまえも来ねえ?」

兄「イケヤマ、帰って来てるの?」

兄友「最近帰ったみたいだぜ。昨日電話あってさ、今日飲みに行くことになってる」

兄「半年ぶりか? 久しぶりに会いたいな」

兄友「大学の近くの居酒屋で待ち合わせなんだ。兄も行こうぜ」

兄「イケヤマには会いたいけど」


回想

妹「別に。寂しくないよ。お兄ちゃんもいるし」

兄「え」

妹「・・・・・・いるんだよね? 大学終わったらすぐ帰ってきてくれるんでしょ?」

兄(何でそんなに不安そうに俺を見る。そんなだから誤解しちゃうんじゃねえか)

兄「まあ、今はバイトもしてないし、帰りは遅くはならないけど」

妹「うん・・・・・・よかった」

兄「・・・・・・」

回想終了


兄「・・・・・・やっぱ今日はやめとくわ」

兄友「え? 何で。用事ねえんだろ」

兄(妹が待っていて、俺が帰らないと寂しがるからとは言えないな)

兄友「イケヤマ、明日沖縄に戻っちゃうって言ってたし」

兄「イケヤマには会いたいけど、今日は早く帰って来いって親に言われてるんだ」

兄友「冷たい奴だなあ、おまえ。俺たちの仲間が半年ぶりに会いに来てくれたんだぞ」

兄「今日は悪いけど。イケヤマによろしく言っておいてよ」

兄友「親に言われたくらいで何だよ。俺なんてうちの妹の誘いを振り切って飲みに行くんだぞ」

兄「・・・・・・悪い」

兄友「ま、しゃーねえな。よろしく言っておいてやるよ」

兄「頼むよ」

兄友「じゃあな」

兄(昨日は妹と何か微妙な雰囲気だったけど、やっぱり前よりは明るい表情だったし、いつもより俺に話しかけてきてたな、妹のやつ)

兄(作ってくれた雑炊は、やたら辛かったけど。でも二人で一緒に食事したのって何年ぶりだろ)

兄(いろいろ考えすぎるはやめよう。妹が彼氏を好きでもいいいじゃんか)

兄(今までどうでもよかった妹が大事に思えただけでいいのかもしれないな)

兄(兄友のシスコンが少し理解できるな。うちも妹がブラコンとかじゃなくて俺のほうがシスコンなのかもしれない)

兄(・・・・・・今日はあいつさえよかったら、車でファミレスに行こうか)

兄(・・・・・・)




108: NIPPER 2011/12/15(木) 22:11:07.83 ID:qTy1A0LMo

自宅


兄「ただいま」

兄(・・・・・・時間的にもう妹も帰ってるはずだけど)

兄(自分の部屋にいるのかな)

兄「妹いるのか?」トントン

兄(返事ねえな。リビングかキッチン?)

兄(・・・・・・いねえな。学園祭の準備とかで遅くなってるのかな)

兄(それとも・・・・・・)

兄(やっぱり彼氏か?)

兄(たまたま昨日はデートがなかっただけか)

兄(でもよ)


回想

兄「一人でファミレスで夕食食うくらいなら、自分の部屋でカップ麺食いながらゲームしてた方がいいし」

妹「一人じゃないじゃん」

兄「へ?」

妹「あたしも一緒だし」

回想終了


兄(あれはいったい何だったんだよ)

兄(いや。もうごちゃごちゃ考えるのやめとこう)

兄(・・・・・・・あいつが彼氏とデートするのを止める権利なんか俺にはない)

兄(でも。妹に会いたくて、いそいそとまっすぐ帰って来た俺、まるでピエロだな。ほんとにバカ丸出しだ)

兄(・・・・・・夕飯どうしようか)

兄(カップラーメンでも)

プルルルルル

兄(妹か!?)

兄(・・・・・・兄友かよ)

兄「何だよ、兄友」

兄「会えないならせめてイケヤマと電話で話せって? おお、いいね。イケヤマに(・・・・・・あ)」

兄「あのさ。俺の用事なくなったんだけどさ、今から居酒屋に行ってもいいか」

兄「うん、そうそう。すぐに出るから1時間もかかんねえよ」

兄「店どこだって? ああ、わかる。じゃ、これから行くからさ。イケヤマにも言っておいて・・・・・・うん、うん。じゃあな」

兄(イケヤマと飲むのも久しぶりだな)

兄(・・・・・・あ。あいつら飲み出すと長いからな。妹にメモを置いておこう。どうせ帰るの遅くなるだろうし)

兄(よし。鍵閉めて出かけるか)




109: NIPPER 2011/12/15(木) 22:34:54.90 ID:qTy1A0LMo

深夜1時過ぎ 自宅前


兄(結構酔ったな。終電に間に合ってよかった)

兄(さすがに妹も帰って来て寝てるだろうし、そっと家に入らなきゃ。っておっと)フラ

兄(酔ってるな、俺。結構飲んじゃったからな。でも、イケヤマと久しぶりに会えて楽しかったな)

兄(そのおかげで妹のことも忘れられたし。やっぱり男のダチはいいな・・・・・・って、あぶね)フラフラ

兄(・・・・・・俺の部屋灯り付いてる。消し忘れたかな)

ガチャ

兄(こんだけ酔うとシャワーとか無理だな。もう寝てしまおう)

兄(着替えるのも省略してベッドに)ヨタヨタ

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・え)

兄(な、何でこいつが俺のベッドで寝てるんだ!?)

妹スースー

兄(お、落ち着け! 落ち着いて次に何をするのか考えよう)

兄(こいつを、お、起こして。何でここにいるのか聞けばいいのか)

兄(よ、よし)

兄「おい」

兄「おい!」

兄「妹、起きろ!」

妹スースー

兄(全く眼を覚まさない・・・・・・)

兄(よし毛布を剥いでやる)ガサ




110: NIPPER 2011/12/15(木) 22:35:38.64 ID:qTy1A0LMo

兄(!!!!!!!!)

兄(!!!!・・・・・・)

兄(・・・・・・)ゴクリ

兄(ブラとパンツだけの妹が俺のベッドに寝てる)

兄(何でこうなる)

兄チラッ

兄(前に見た夢と同じじゃねえか)

兄(可愛い)チラチラ

兄ムラムラ

兄(興奮している場合か)

兄(こいつを起こさなきゃ・・・・・・起こしてスエットを着させて)

兄(いや、そんなことよりとにかく自分の部屋に行かせて)フラフラグルグル

兄(いかん、酔いが回ってきちゃった)

兄(とにかく床にでも座って)ドシン!

兄(あ)

兄(妹の隣に横たわってしまった)グルグル

兄(酔っていてきちんと考えられねえ)

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・いい匂い)

兄「・・・・・・妹?」

兄「本当に寝ちゃってるのか?」

兄「・・・・・・」

兄(いかん・・・・・・理性を保たないと)フラ

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・綺麗な脚)ナデ

兄(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ

兄(細い肩)ダキ

兄(・・・・・・夢と同じ)

兄(・・・・・・)

兄(意識が飛んでいく・・・・・・)

兄ZZZ




118: NIPPER 2011/12/16(金) 20:55:24.99 ID:Y7sNijBKo

?「・・・・・・起きて」

?「今日は大学いいの? 遅れちゃうよ」

?「もう・・・・・・いい加減に起きてよ」

兄(・・・・・・う〜ん)

兄(頭痛てえ)

兄「もうちょっと寝かせて」

?「・・・・・・もう」

兄zzz

?バサッ

兄「寒い・・・・・毛布取るなよ」

兄(あ。妹・・・・・・)

妹「もう9時過ぎてるけど、大学行かなくていいの?」

兄「・・・・・・気持ち悪い」

妹「うん。お酒臭いよ、お兄ちゃん」

兄「おまえ、どうして家にいるの? 学校はどうした(制服は着てるんだ)」

妹「・・・・・・お母さんに、これからはあたしがお兄ちゃんを起こしなさいって言われたから」

兄「それはいいけど、おまえ学校遅刻じゃねえの?」

妹「・・・・・・お兄ちゃん、なかなか起きてくれなかったから」

兄「そりゃ悪かったけど、俺なんて放って学校行けばよかったのに」

妹「・・・・・・」

兄「あ、ちょっと、悪い。トイレ行くわ」

妹「うん」

兄「おまえももう学校行けよ」

妹「・・・・・・うん」

兄(吐きそうだ。トイレに行かなきゃ)

妹「お兄ちゃん、大丈夫?」

兄「よくわかんねえ(頭がずきずきする)」




119: NIPPER 2011/12/16(金) 21:07:21.38 ID:Y7sNijBKo

トイレ


兄(・・・・・・もう何も吐く物がない)フクフキ

兄(でも、吐くだけ吐いたら少し胃のムカムカが落ち着いてきた気がする)

兄(兄友とイケヤマのせいだ。あいつら酒強すぎだろ)

兄(・・・・・・俺の経験上、こういう時は寝るしかない。一眠りすれば治る)

兄(よって、今日は自主休講するしかねえな)

兄(・・・・・・あ。昨日)

兄(酔っててよく覚えてねえけど)


回想

兄(・・・・・・綺麗な脚)ナデ

兄(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ

兄(細い肩)ダキ

兄(・・・・・・夢と同じ)

兄(・・・・・・)

回想終了


兄(・・・・・・)

兄(夢じゃないのかな、これ)

兄(記憶は曖昧だけど、手がはっきりと妹の肌の感触を覚えてる・・・・・・)

兄(いっそ童貞の妄想ならいいのに)

兄(・・・・・・・あいつに気づかれたかな)

兄(いくら寝てても体を撫で回されれば普通は気がつくよな・・・・・・)

兄(まさか、寝たふりをしてたとか?)

兄(いや。妹が俺に体を触られながら寝たふりをする理由がないし)

兄(何で手を出しちゃったんだろ、俺)

兄(・・・・・・頭、痛い)

兄(・・・・・・)

兄(白いすべすべの肌。華奢な骨格。細い肩)

兄(・・・・・・全部思い出せちゃうんだな。やっぱりやっちまったかのか)

兄(二日酔で頭痛いのに、ムラムラしてきた)

兄(こんなに自己嫌悪するのって生まれて初めてじゃねえかな)

兄(下半身を鎮めないと、トイレから出れねえ)

兄(・・・・・・妹はもう学校に行ったかな)

兄(・・・・・・)




120: NIPPER 2011/12/16(金) 21:23:13.38 ID:Y7sNijBKo

兄(ここまで落ちちゃえばもう同じだ)

兄(このままじゃ、眠れないだろうし)

兄(・・・・・・トイレットペーパーを)ガサガサ


(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ


兄(はあはあ)


(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ


兄(はあはあはあはあ)


(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ
(・・・・・・綺麗な脚)ナデ(しっとりとして滑らかな肌)ナデマワシ(細い肩)ダキ


兄(妹、妹!・・・・・・うっ)


妹「お兄ちゃん、本当に大丈夫?」

兄(妹!? 何でまだいるんだよ)

妹「お兄ちゃん?」

兄「・・・・・・大丈夫だよ。おまえももう学校行かないと」

兄(自己嫌悪・・・・・・)ガサガサフキフキ


ジャー


ガチャ


兄「吐いたらすっきりしたよ。悪かったな」

妹「でも、顔青いよ」

兄「今日は大学休むよ。寝てればすぐ治るから」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・二日酔って別に病気じゃねえから、看病とかいらねえぞ?」

妹「お母さんから言われてるし」

兄「え? とにかく二人でトイレの前にいるのも変だろ。俺はもう寝るから、おまえ学校行けよ」

妹「あたしも今日休む」

兄「え? 何で。俺病気じゃねえぞ」

妹「・・・・・・休む」

兄「だからどうして」

妹「・・・・・・昨日はごめんなさい」




121: NIPPER 2011/12/16(金) 21:39:16.13 ID:Y7sNijBKo

兄「え?」

妹「今週はお母さんたち家にいないから」

兄「・・・・・・」

妹「でも昨日は、彼に誘われて断われなくて」

兄「(・・・・・・何なんだ)何言ってるのかわかんねえよ」

妹「お兄ちゃんのメモみた。大学からまっすぐ帰ってくれたんでしょ」

兄「ま、まあな。大学からまっすぐ家に帰るっておまえと約束してたし」

妹「あたしがお兄ちゃんにお願いしたのに」

兄「あのなあ」

妹「あたしが約束破っちゃった」

兄「兄貴より彼氏を優先するなんて普通のことだろ? 謝ることじゃねえよ。それに俺もその後飲みに行っちゃったしな」

妹「・・・・・・今週は夜は会えないって彼に言ったの」

兄(・・・・・・)

妹「お母さんたちいないし。お兄ちゃんも大学から家に帰ってくるし、食事とか準備しなきゃいけないからって」

兄「うん」

妹「でも、昨日は仲直りした最初の夜だから付き合えよって」

兄「・・・・・・」

妹「俺より兄貴を優先するのかって言われて」

兄(何だよそれ)

妹「ごめんね」

兄「何で謝る。おまえ、彼氏より俺のほうを優先してるわけじゃねえだろ? そんなことそいつに言われる筋合いねえよな」

妹「・・・・・・ううん。そうでもない」

兄「は?(何言っちゃってるのこいつ)」

妹「お兄ちゃん」

兄「うん?」

妹「もう横になって。お昼ごろまた起こしてあげるから」

兄「・・・・・・学校は?」

妹「もう休むって連絡した」

兄「・・・・・・」




122: NIPPER 2011/12/16(金) 22:01:16.23 ID:Y7sNijBKo

兄「・・・・・・何でおまえも俺の部屋について来てるの」

妹「お兄ちゃんは寝ていいよ」

兄「だからどうして」

妹「テレビ見ていい? ボリューム下げておくから」

兄「・・・・・・いいけどよ」

妹「学校休んだ日って、何かNHK教育テレビを見ちゃうんだけど、何でかな」

兄「ああ〜。わかるわかる。ガンコちゃんとかノッポさんとか、さぼった日は必ず見ちゃうよな」

妹「何でだろ?」

兄「民放が主婦向けの番組しかやってねえからだろ」

妹「うん」

兄(何かいろいろ楽になってきた)

兄(二日酔も上下から出したらよくなってきたっぽいし)

兄(こいつが今日、彼氏じゃなくて俺といる方を選んだ。それだけで物凄く幸せを感じる)

妹「お兄ちゃん、寝ないの?」

兄「何か体も心も楽になってきたな」

妹「お昼食べられそう?」

兄「今は無理。その時になんねえとわからない」

妹「うん」




123: NIPPER 2011/12/16(金) 22:03:28.66 ID:Y7sNijBKo

テレビ

『ガーンコちゃーん♪』


妹「ガンコちゃん可愛い」ジ゙ー

兄「・・・・・・おまえさ」

妹「うん?」

兄「昨日、俺のベッドで寝てなかった?」ドキドキ

妹「お兄ちゃんが帰ってきたら謝ろうと思って」

兄「うん」

妹「でも、自分の部屋だとお兄ちゃんが帰ってきても気がつかないかもしれないから」

兄「うん」

妹「お風呂から出て、お兄ちゃんの部屋でテレビ見て起きてようと思ったんだけど、気がついたらお兄ちゃんの部屋で寝ちゃってた」

兄「おまえ、下着しか着てなかったぞ(俺、何言ってるんだ)」

妹「うん。お風呂出て暑かったから」

兄「・・・・・・俺が帰ったのわかった?(もうやめようぜ。わざわざこんな話することはねえだろ)」ドキドキ

妹「・・・・・・お兄ちゃんが帰って来たの知ってたよ。ベッドに入ってきたのも」

兄「!? もしかして起きてた!?(おい)」

妹「・・・・・・うん」

兄「寝たふりしてたのか?(体を撫で回してたの、知ってたのか!?)」

妹「だって」

兄ドキドキ

妹「・・・・・・何か怖かったし恥ずかしかったから」

兄「あ、あの」

兄「そ、その・・・・・・。ああいうのって嫌じゃなかったの?(言っちまった!)」

妹「ちょっと怖かったけど、別に嫌じゃなかった」

兄(な、何だ)

妹「彼氏にはまだ待ってってお願いしてるけど」

兄(・・・・・・)

妹「・・・・・・お兄ちゃんだったから」

兄「・・・・・・わかんねえ」ボソ

妹「お兄ちゃん?」

兄「う、うん」

妹「本当に体調いいの?」

兄「まあ」

妹「治ったんならお昼はファミレス行かない? もう雑炊も飽きたでしょ」

兄「うん・・・・・・」




135: NIPPER 2011/12/17(土) 13:21:51.93 ID:NK5i5v4ro

車内


兄「・・・・・・」

妹「・・・・・・」

兄(今日は迷う様子もなく助手席に座った)

兄「・・・・・・」

妹「・・・・・・」

兄(・・・・・・とりあえず気まずい)チラ

兄(さっき妹が言ってたことを考えると・・・・・・嬉しさとか恥ずかしさとか情けなさとか、そういうのが交じり合った複雑つうか微妙な感情が)


回想

兄「そ、その・・・・・・。ああいうのって嫌じゃなかったの?(言っちまった!)」

妹「ちょっと怖かったけど、別に嫌じゃなかった」

兄(な、何だ)

妹「彼氏にはまだ待ってってお願いしてるけど」

兄(・・・・・・)

妹「・・・・・・お兄ちゃんだったから」

回想終了


兄(う・・・・・・)

兄(さっきの妹のセリフ思い出すと、精神的にも下半身的にもいろいろヤバイ)

兄(とりあえず、妹はベッドで俺に素肌を愛撫されるのは嫌じゃないと)

兄(そういうことだよな)チラ

兄(・・・・・・さっき私服に着替えてたけど、こういう服装のこいつと一緒って何か恥ずかしいというか)

兄(やっぱり可愛いなこいつ)

兄(妹が・・・・・・い、嫌じゃないならまた今夜にも)ゴク

妹「お兄ちゃん」

兄「(!)は、はひ」




136: NIPPER 2011/12/17(土) 13:22:35.41 ID:NK5i5v4ro

妹「・・・・・・何で今のところ右折したの?」

兄「え」

妹「このまま行くと高速道路に乗っちゃうよ」

兄(いかん。妹のことを考えながら運転してたら、思わず大学方面への高速に入ってしまった)

兄「ごめん、道間違えちゃった」

妹「うん」

兄「次のインターで降りるよ」

妹「・・・・・・この道ってこのまま行くとどこに着くの?」

兄「まあ、湘南とか小田原とかそっち方面だな」

妹「まだお昼には早いよね」

兄「まあ、12時前だしな」

妹「このまま海に行く?」

兄「へ?」

妹「海の方へ向ってるんでしょ」

兄「う、うん」

妹「じゃあ海見に行こうよ」

兄「別にいいけど(これじゃまるでデートみたいじゃんか)」

妹「・・・・・・あたしたちデートしてるみたいだね」」クス

兄(!)ドキ




137: NIPPER 2011/12/17(土) 13:24:17.32 ID:NK5i5v4ro

゙ルルル


妹「携帯鳴ってるよ」

兄「運転中だし、それメールだから」

妹「妹友ちゃんかな」

兄「え? 何で」

妹「昨日、彼と遊んでた時、妹友ちゃんと会ったんだけど」

兄「うん(普通に彼氏の話もするんだ・・・・・・。よくわかんないけど、彼氏のことはやっぱり好きなんだな」

妹「その時、明日お兄ちゃんにメールして、学園祭の時の待ち合わせ場所決めるって言ってた」

兄「そう」

妹「あと、お兄ちゃんの携帯の番号も教えといたから」

兄「・・・・・・おまえ、俺が妹友ちゃんと学園祭を見て回るの嫌じゃねえの?」

妹「別に嫌じゃない」

兄「そう(わからん。俺のことは男として意識してなくて)」

妹「妹友ちゃん楽しみにしてるから行ってあげて」

兄「うん(兄として好きだということか? でも兄になら体触られても嫌じゃないとか?)」

兄(わかんねえ)

兄「おまえは学園祭で何するの?」

妹「あたしは実行委員だから案内とか見回りとか」

兄「そうか」

妹「・・・・・・」

妹「車の中暖かいから眠くなっちゃうね」

兄「時間かかるから寝てていいよ」

妹「お兄ちゃんに悪いし」

兄「いいよ。少し休んどけ」

妹「うん。じゃあ」コテ

兄「・・・・・・おい(俺の肩に頭載せるなよ! そんなんだから俺が勘違いしちゃうじゃねえか)」

妹「なあに?」

兄「い、いや。何でもない」




138: NIPPER 2011/12/17(土) 13:26:09.36 ID:NK5i5v4ro

10分後


兄(軽い寝息をたてて妹が寝ている」

兄(しかも俺にもたれかかって)

兄(こいつ軽いな。あと柔らかい)

兄(今日はすっぴんなのにいい匂いもする・・・・・・シャンプーとかかな)

兄(・・・・・・運転中だぞ? 俺)

兄(でも少しだけなら)

兄(嫌じゃないって言ってたし)ダキ

兄(肩を抱いちゃった)ドキドキ

兄(そのまま少し肩とか腕を撫でてみよ)

兄(運転中で、妹の体を見られないのが残念だけど)

兄(その分、手の感触に集中して・・・・・・っていかん。運転に集中しなきゃ)

兄(服の上からでもわかる腕の細さ)サワサワ

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・何やってんだよ俺は。妹が寝ているところばっかり狙ってさ)

兄(何か情けなくなってきた。もうやめよ)

兄(・・・・・・)




145: NIPPER 2011/12/17(土) 19:20:13.63 ID:NK5i5v4ro

夜 自宅


兄(すっかり遅くなったな・・・・・・夕食まで外食しちゃったからな)

兄(しかし昼飯久しぶりにうまかった。しらす丼とかさすが湘南だ)

兄(妹と一日外で遊んだわけだが)

兄(あいつ、デートみたいとか言ってたけど、全然デートっぽくなかったな)

兄(だいたい妹って普段から俺と世間話しないけど、今日だって・・・・・・)


回想

妹「お兄ちゃん」

兄「うん?」

妹「江の島って行ってみたい。いい?」

兄「別にいいけど。おまえ、何か見たいものとかあるの?」

妹「何となく。一度も行ったことないし」

兄「・・・・・・」

回想終了


兄(とか)



回想

妹「お兄ちゃん」

兄「どうした?」

妹「あそこにシラス丼のお店があるよ」

兄「うん、あるな。あそこで食べる?」

妹「うん」

兄「俺、シラス丼にする」

妹「あたしはお刺身定食にしよ」

兄「おまえ、シラスが食いたかったんじゃねえの」

妹「うん。でも、シラスだけじゃ飽きちゃうし」

兄「ふ〜ん」

回想終了


兄(まあ、家にいるのと同じ感じだったな)

兄(少しははしゃいでたのかもしれないけど、見た目じゃ全然わかんねえもんな)

兄(ここだけ人に話すと陰気な暗い女の子みたいだけど)

兄(学校では普通に明るいみたいだし)

兄(あと、彼氏の前でも・・・・・・)

兄(やめよ。あいつの彼氏のことを考えるのは。何か暗い気持ちになるし)

兄(・・・・・・)




146: NIPPER 2011/12/17(土) 19:24:02.26 ID:NK5i5v4ro

ガチャ


妹「お兄ちゃん」

兄「何?」

妹「お風呂空いた」

兄「うん。わかった」

妹「お兄ちゃん?」

兄「何?」

妹「メール返信したの?」

兄「あ。見てもいなかった。やべ」

妹「とりあえず妹友ちゃんに返事してあげたら?」

兄「うん。風呂はその後に入るわ]

妹「うん・・・・・・お兄ちゃん?」

兄「今度は何?」

妹「お兄ちゃんの部屋でテレビ見てていい?」

兄「え・・・・・・。別にいいけど(今度は何なんだ)」

妹「うん」ポス

兄(また、俺のベッドに座った)

兄(え? 俺、こいつの前で妹友ちゃんのメール見て返事打たなきゃいけねえの?)

妹「・・・・・・メール見ないの?」

兄「うるせえな。今見るよ」


from :妹友
sub  :学園祭(ハートの絵文字)
『こんにちは〜。今週末の学祭のこと覚えてますか。来てくれるって行ってましたよね?お兄さんが来るのを楽しみにしてるんですよ〜 あたしはは実行委員だけど当日は役目がないのでずっとお兄さんを案内しますね。10時ごろ、校門の前で待ち合わせしてもいいですか メールしてね(はあと)』


兄(これで俺に気がなかったら詐欺レベルのメールだな)

兄「おまえも見る?」

妹「いい。お兄ちゃんに来たメールだし中身だいたいわかるし」

兄「そう」カチカチ


from :兄
sub  :RE学園祭(ハートの絵文字)
『こんにちは。返事遅れてごめんね。10時に校門の前りょーかいです。俺も楽しみだよ。じゃ、また〜』


兄(少しそっけなかったかな。でも、別に付き合ってるわけじゃねえしな)

兄(しかし。さすがに下着だけじゃないけど、妹め足むき出しじゃんか)

兄「おい」

妹「うん」

兄「その格好じゃ風邪ひくよ」

妹「お風呂上りで暑いから。もう少ししたら上着る」

兄「そう(こいつ俺のこと誘ってるのか)」

兄「(いや、そんな訳ないけど)風呂入ってくるわ」

妹「うん」




147: NIPPER 2011/12/17(土) 19:24:33.22 ID:NK5i5v4ro

風呂上り


ガチャ

兄(・・・・・・まだテレビ見てるし、スウェットも着てねえ)

兄(しかもバラエティ番組なのに笑ってもいねえし)

兄「なあ」

妹「うん。あ、お兄ちゃんお風呂スイッチ切ってきた?」

兄「切ったよ。おまえ、まだ寝ないの?」

妹「もうすぐ寝る」

兄「そうか」

妹「今日もここで寝るから」

兄「そうか・・・・・・って、はい?」

妹「お母さんたちいないし」

兄「母さんたちいる時だって一人で自分部屋で寝てるじゃん」

妹「でも、昨日もおにいちゃんの部屋で寝たし」

兄「あのさ」

妹「うん」

兄「俺だって男だし。妹とはいえおまえだって可愛い女の子なんだしさ」

妹「え?」

兄「また昨日みたいなことしちゃうかもしれないぞ」

妹「・・・・・・もう一回言って」

兄「へ? だ、だからおまえの体を」

妹「そこじゃない。あたしだって、ってとこ」

兄「(う。恥ずかしいこと言ってしまった)か、可愛い女の子だし・・・・・・」

妹「・・・・・・」

兄「え〜と(こいつ顔が赤い。でもきっと俺も)」

妹「お兄ちゃんにならいいよ」

兄「・・・・・・いいの?」ドキドキ

妹「昨日も言ったじゃん。嫌じゃなかったって」

兄「あ、そうだった。って、本当にいいのか」

妹「お兄ちゃんがしたいなら」

兄「・・・・・・」




148: NIPPER 2011/12/17(土) 19:25:29.90 ID:NK5i5v4ro

妹「・・・・・・結局スウェット着てなくてよかったね」

兄「そういう問題じゃ(こいつベッドにうつ伏せになった)」

妹「ちょっと寒いからエアコンの温度上げて」

兄「うん」ピ

妹「・・・・・・最後まではダメだよ? 触るだけね」

兄「わかってる(やべえ。緊張してきた、と同時に興奮もしてきた)」

兄(妹の横に横たわろう)

妹「ちょっと狭いね、ベッド」

兄「シングルだからな。なあ?」

妹「何?」

兄「やっぱり怖い?」

妹「昨日ほど怖くない」

兄「そう・・・・・・」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・」

妹「テレビ消して」

兄「うん」ピ

兄「・・・・・・」

妹「・・・・・・何もしないの?」

兄(やめるなら今だ。思い留まる最後のチャンスだ)

兄(でも、セックスするわけじゃないし。ペッティングするくらいなら」

妹「・・・・・・」チュ

兄(!!!!!え、え? 妹が俺に抱きついてキスした!)

妹「・・・・・・嫌だった?」

兄「い、嫌じゃねえよ」ボソ

妹「そう」

兄ムラムラ

兄「妹!」ガバ




154: NIPPER 2011/12/17(土) 23:03:15.01 ID:NK5i5v4ro

日曜日


兄(待ち合わせの時間より1時間も早く着いちゃった)

兄(何となく妹友ちゃんなら早く来てそうだと思ったんだけど)

兄(・・・・・・よく考えれば校内にいるのに、校門に1時間前に来るわけねえじゃん)

兄(暇だ)

兄(しかし賑やかだな。俺の高校の文化祭とえらく違うな)

兄(女の子がいっぱいいる・・・・・・)

兄(妹もこの中のどこかにいるんだな。今日、起きたらもういなかったし)

兄(あんなことしたのが嘘のように、その後の妹はそっけなかったな・・・・・・)

兄(あの夜以来ほとんど話しかけてこないし、俺の部屋に来ることもなくなった)

兄(今までと同じ無関心状態に戻ってしまった)

兄(あいつ。怒ってるのか? それとも後悔してるのかな)




155: NIPPER 2011/12/17(土) 23:03:43.14 ID:NK5i5v4ro

回想

兄ハァハァ

妹「・・・・・・」

兄ナデナデモミモミ

妹「・・・・・・」

兄(やっぱり綺麗な体してるな、こいつ)ハァハァ

兄(口をつけたら怒られるかな)

兄(よし)チュ

妹「・・・・・・」

兄(拒否されなかった。妹の肌、甘いな)レロレロ

妹「・・・・・・」

兄レロレロカミカミ

妹「・・・・・・あ」ハァハァ

兄(え?)チュチュチュ

妹「・・・・・・あ、あん」

兄(ひょっとして俺、妹を感じさせてる?)

妹「・・・・・・はぁ、はぁ」

兄(息遣いが荒くなってきて、体をよじるように動かすようになった)

兄(もう我慢できん。いっそこのまま)ガバ

妹「きゃ」

兄「妹、妹!」

妹「・・・・・・だめ」グイ

兄「え?」

妹「もうおしまい」

兄「だ、だって」

妹「・・・・・・明日も学校だからもう寝よ」

兄(嘘だろ・・・・・・俺のこいつはどうすればいいの)

妹「おやすみ、お兄ちゃん」チュ

兄「(マジかよ)おやすみ・・・・・・」

妹「電気消しておいてね」

兄「・・・・・・ああ」

兄(・・・・・・このままじゃ眠れねえ。妹が寝たらトイレ行くか)

兄(・・・・・・)

回想終了




156: NIPPER 2011/12/17(土) 23:04:43.04 ID:NK5i5v4ro

兄(ということがあった訳だが)

兄(堂々と妹の体に触れたし、妹の可愛い反応も見られた)

兄(・・・・・・なのに妹とまた口も聞かない関係になってしまったとか、いったい何がいけなかったんだろ)

兄(妹はどういつうつもりで俺に体を弄られてたのかな)

兄(気持ちいいから? 確かに俺にはテクはないが、あの日は妹も感じてたみたいだったし)

兄(彼氏がいるのにな。それじゃ単なるビッチだけど)

兄(まあ、あと。最大の問題は、あいつはキスはしてくれたけどそれ以外はマグロ状態だったんだよな)

兄(別に高2の妹に変な期待してたわけじゃないけどさ)

兄(あれじゃ俺のムラムラは解消しない訳で)

兄(妹が手とか口とかで・・・・・・)


妄想

妹(お兄ちゃんもそのままじゃ辛いでしょ?)ニコ

妹(処女は彼氏以外の男の人にはあげられないけど)

妹(口でしてあげようか?)ウワメヅカイ

妹(・・・・・・ほら、お兄ちゃんもパンツ脱いで)

妄想終了


兄(んなわけあるか。何期待してたんだ、俺)



?「お兄さん?」

兄(え)

?「びっくりした・・・・・・早く来てお兄さんを待ってようとしたら、お兄さんもう来てるんだもん」

兄「ああ、妹友ちゃん。こんにちは(あ、妹友ちゃん今日も可愛い)」ドキ

妹友「こんにちは。どうしたんですか? まだ待ち合わせ時間まで30分以上ありますよ」

兄「ちょっと早く着いちゃってね。妹友ちゃんを待ってたとこ」

妹友「え? もっと前から来てたんですか」

兄「あ、まあね。あはは」

妹友「・・・・・・電話して呼んでくれればよかったのに」

兄「あ、いや。実行委員の仕事で忙しいだろうし」

妹友「あたしは今日はあまり仕事ないんですよ」

兄「ああ、そう書いてあったね」

妹友「・・・・・・でも、嬉しい。早く来て待っててくれるなんて」

兄「はははは」

妹友「じゃあ、行きましょう」

兄「うん。よろしく」

妹友「・・・・・・人混みだらけだから、はぐれちゃうといけないですよね」ギュ

兄「(え? 手つなぐの??)う、うん」

妹友「まだ、お昼には早いですけど、午前中には確実に売り切れちゃうケーキを買いに行きましょう。調理部の店なんですけど、毎年すぐになくなっちゃうんです」

兄「へえ」

妹友「楽しみにしてたんで付き合ってくださいね」ニコ

兄「いいよ」




157: NIPPER 2011/12/17(土) 23:05:40.96 ID:NK5i5v4ro

妹友「お兄さん、うちらの学校の中に入るの初めてですか」

兄「うん。校門までしか来たことないよ」

妹友「そうですか。お兄さんってうちらのOBじゃないんですね、残念」

兄「残念って・・・・・・何で?」

妹友「いえ。別に深い意味はないんですけど。どこかでお兄さんと縁があった方が嬉しいじゃないですか?」

兄「え? あははは(何これ。本気で俺に気があるの?)」

妹友「お兄さんってどこの高校なんですか」

兄「××学園」

妹友「ええ! そこって私立の男子校じゃないですかあ」

兄「うん」

妹友「××ってあの固い学校ですよね? 何か意外〜。もっと遊んでたイメージだったのに」

兄「・・・・・・がっかりした?」

妹友「いえ。お兄さんの大学はお洒落な人が多いので有名なところですし。格好いいですから別に」

兄「(え? え?)格好よくなんかないよ、俺」

妹友「そんなことはないですよ。でも、××ってことは中学受験したんですよね」

兄「まあ一応」

妹友「頭もいいんですね。すごいなあ」

兄「いや。俺の学校は入るのそんなに難しくないし」

妹友「あたし、お兄さんの大学に入りたいんですね。ちょっとまだ偏差値的にはチャレンジなんですけど」

兄「ああ。妹友ちゃんまだ2年じゃん。偏差値なんてこれから伸びるよ」

妹友「あたしが現役で合格すればお兄さんはその時4年じゃないですか」

兄「まあね」

妹友「一年間一緒に大学で過ごせますね」

兄「そうなるけど」

妹友「妹ちゃんと一緒に頑張ります!」

兄「はい? 妹って・・・・・・そういやあいつは志望校決めてるのかなあ」

妹友「はぁ? 何言ってるんですか」

兄「え」

妹友「去年、ここに入学した頃から妹ちゃんの目標はお兄さんと同じ大学ですよ」

兄「そうなの?(知らなかった・・・・・・)」

妹友「妹ちゃんもあたしと同じくらいの成績だから、このままじゃ厳しいですけどね。でも、二人で頑張ります」

兄「(俺と同じ大学? 何でだろ)ま、まあ。頑張ってよ。まだ1年以上あるしさ」

妹友「はい! あ、でもそれで・・・・・・」

兄「うん」

妹友「・・・・・・最近、妹ちゃんと先輩、揉めたんですけどね」




158: NIPPER 2011/12/17(土) 23:07:24.55 ID:NK5i5v4ro

兄「妹と? いったい何で」

妹友「先輩は別な大学志望なんですけど、妹ちゃんにも一緒の大学に行こうって」

兄「はあ?」

妹友「でも、妹ちゃんはお兄ちゃんと同じ大学に行くって決めてるからって断わったみたいで」

兄「・・・・・・」

妹友「それで少し険悪になっちゃったんですけど」

兄「そう・・・・・・(妹の彼氏って何様だよ。妹の進学先まで指図するって、いったいどういつもりだ)」ムカムカ

妹友「・・・・・・まあ、結局仲直りしてるんですから。あの二人の仲は心配するだけ無駄なんですけどね」クス

兄「・・・・・・」

妹友「今日もべったりと一緒にくっついていますよ、妹ちゃんと先輩」クスクス

兄「・・・・・・」ムカ

妹友「・・・・・・どうしました? 何か怖い顔してる」

兄「いや。そんなことないよ、ごめん」

妹友「・・・・・・」

兄「(話変えよう)あ、それでさ」

妹友「・・・・・・はい」

兄「妹友ちゃんはそういうことないの?」

妹友「はい?」

兄「うちの大学志望って言ってたけどさ、彼氏に同じ大学においでとか言われない?」

妹友「・・・・・・彼氏なんていないし」

兄「あ、そうなの」

妹友「そうですよ。いたらお兄さんと二人きりで校内を案内したりしません」

兄「(やばい。ちょっと怒らせたかな)そ、そうだよね。でも、妹友ちゃん可愛いのに意外」

妹友「え? 可愛いってそんな」カァ

兄「(あ、赤くなった)妹友ちゃん、絶対学校でもてるでしょ」

妹友「そんなことないと思いますけど・・・・・・それは、手紙もらったり呼び出されて告白されたりはよくありますけど」

兄「(よくあるのかよ、そういうのをもてるって言うんだよ。リア充死ね)へえ、そうなんだ。何かラノベとかアニメみたい。うらやましいなあ」

妹友「そんなにいいものじゃないですよ。断わったら断わったで逆恨みされたこともありましたし」

兄「何それ? 女々しいやつだな」

妹友「本当にそうですよね。でも、その時は怖くて」

兄「そうだろうね」

妹友「でも、妹ちゃんがその男の子に注意してくれて。それで助かったこともありました。1年生の時ですけどね」

兄「そうなんだ(・・・・・・妹がそんなことをしてたなんて。俺が知らない妹の姿って、実はいっぱいあるんだな)」




159: NIPPER 2011/12/17(土) 23:08:01.12 ID:NK5i5v4ro

妹友「あたし、同い年の男の子って興味ないんです」

兄「はあ」

妹友「昔から年上の人が好きで・・・・・・」チラ

兄「ふ〜ん。じゃあ先輩みたいな人がいいってこと?」

妹友「妹ちゃんの彼氏には興味ありません」キッパリ

兄「そ、そう(おお! いいこと言うね妹ちゃん。あんなクズに惹かれている妹の方が感覚がおかしい)」

妹友「・・・・・・お兄さんは彼女作らないんですか?」

兄「そんなことはないけど。できないものは仕方ない」

妹友「本気で彼女作ろうとしてないでしょ」

兄「そんなことはないよ。もてないだけで」

妹友「・・・・・・まあ、身近にいるのが妹ちゃんじゃ彼女を選ぶ基準が高くなっちゃうのはわかりますけどね」

兄「何言ってるの。妹友ちゃんみたいに可愛い子がそういうこと言うと皮肉に聞こえるよ」

妹友「・・・・・・え?」

兄「俺、何か変なこと言った?」

妹友「あの・・・・・・あたし、本当に可愛いですか」

兄「うん、すげえ可愛いと思う」

妹友「・・・・・・お兄さん、やっぱりもてるでしょ」

兄「だからもてないって(何なんだ)」

妹友「・・・・・・」




160: NIPPER 2011/12/17(土) 23:09:12.37 ID:NK5i5v4ro

妹友「あ、お兄さん。ケーキのお店はここです」

兄「うん(教室で喫茶店出してるんだ)」

妹友「・・・・・・結構並んでますね」

兄「そうだね」

妹友「並んでもらってもいいですか?」

兄「もちろん。その美味しいケーキ楽しみだよ(やっぱ気が遣える女の子だよね、妹友ちゃんて)」

妹友「・・・・・・やっぱりお兄さんって優しいですね」

兄「何でさ」

妹友「妹ちゃんから聞いてますもん。お兄ちゃんは甘いものとか苦手だって」

兄「あ、いやその」


女子生徒「あ、妹友ちゃん。ここにいたんだ」

妹友「うん。調理部のケーキ売る切れる前に買おうかと思って」

女子生徒「・・・・・・もしかして彼氏?」ヒソ

妹友「ち、違うよ」ヒソ

女子生徒「照れちゃって〜。彼、大学生?」

妹友「だ、だから彼氏じゃないって」

女子生徒「大学生の彼氏がいたんだ。うちの学校の男子がいくら告っても無駄なわけだ」

兄(全部聞こえてるんですけど)

妹友「ちょっと、あんたいい加減に」

女子生徒「はいはい。言い訳しない」

妹友「違うって。この人は妹ちゃんのお兄さんだって」

女子生徒「・・・・・・え?」

妹友「やっと理解してくれたか」

女子生徒「この人がうわさの妹ちゃんのお兄さん?」

妹友「え?」

兄(うわさって何だよ)

女子生徒「何かごめん。あ、あたしもう行くね」

妹友「うん・・・・・・」

女子生徒「あのさ」ヒソヒソ

兄(もっと声を低くしやがった。何言ってるのか聞こえん)

女子生徒(この店の中に・・・・・・だから・・・・・・妹ちゃん)ヒソヒソ

兄(何話してるんだろ)

女子生徒(・・・・・・彼氏先輩もいるし・・・・・・やばいって)

兄(まあいいや。どうせ俺には関係ないし)

兄(・・・・・・)




170: NIPPER 2011/12/18(日) 19:35:25.17 ID:zJO2e2sZo

妹友「お兄さん、予定変更しましょう」

兄「はあ」

妹友「今、この店の中に妹ちゃんと彼氏先輩がいるみたいです」

兄「そう(べったりくっついてるというわけだ)」

妹友「なので、今お兄さんが店内に入るのは危険です」

兄「・・・・・・何で?」

妹友「何でって・・・・・・。彼氏先輩は妹ちゃんのこと、本当に好きなんですよ」

兄「それはわかったけどさ」

妹友「いいですか。先輩にとって学校だけは唯一安心できる場所なんです」

兄「?」

妹友「校内ではライバルはいないですからね」

兄「はあ」

妹友「好きなだけ妹ちゃんを独占できるというわけです。妹ちゃんも先輩のこと嫌いなわけじゃないですし」

兄「それはそうでしょ。付き合ってるんだから」

妹友「でも、その先輩の聖域にお兄さんが現れたらどうなるかわかりますよね?」

兄「どうなるの?」

妹友「妹ちゃんは、彼氏に興味を失ってお兄さんにべったりくっつくに決まってるじゃないですか」

兄「え?」

妹友「え? じゃないですよ。先輩、気性が荒いからお兄さんに喧嘩を吹っかけるくらいのことはしますよ」

兄(何がなんだかわからねえ)

妹友「・・・・・・それに。あたしだって、今日は妹ちゃんにお兄さんを盗られるのは困ります」

兄「・・・・・・あのさ」

妹友「はい」

兄「あいつが彼氏を放っておいて俺のところに来るわけないじゃん」

妹友「何でですか?」

兄「何でって・・・・・・。高校生にもなれば家族より恋人のほうを優先するに決まってるじゃん」

妹友「本当にそう思います?」

兄「え・・・・・・」ドキドキ




171: NIPPER 2011/12/18(日) 19:35:57.00 ID:zJO2e2sZo

兄「妹友ちゃん、ここのケーキ食べるの楽しみにしてたんでしょ?」

妹友「そうですけど・・・・・・。お兄さんには代えられません」

兄「そ、それって・・・・・・」

妹友「あたし、お兄さんのことが好きですから」

兄(え)

妹友「妹ちゃんにお兄さんを独占されちゃうのも嫌だし、お兄さんが先輩に殴られるのも嫌です」

兄「(今、俺のこと好きって言ったよな?)い、一応、俺だって大学生だし。そう簡単に高校生には負けないと思うけど」

妹友「先輩は空手部のキャプテンで過去に全国大会出場経験があります」

兄「う」

妹友「空手と言っても型じゃないですよ?」

兄「わかったよ。確かに俺じゃ勝てないかもしれないけど」

妹友「先輩より強い人は校内ではいません」

兄「だからそいつが強いのはわかったって。だけどさ、妹が俺にベタベタしなけりゃ、そいつが怒り出すことなんてない訳だし」

兄「しつこいようだけど、妹が彼氏を放っておくとは思えねえんだけど」

妹友「・・・・・・こないだ」

兄「うん?」

妹友「お昼の食堂で・・・・・・」

兄「はあ」

妹友「妹ちゃん、彼氏が目の前に座ってるのに、延々とあたしにお兄さんと江の島にドライブに行った話を目を輝かせてしてました」

兄「!」

妹友「妹ちゃん、お兄さんのことばかり話すんですけど、前は悪口が多かったんですね。それでも先輩は嫉妬してたのに」

兄「・・・・・・」

妹友「・・・・・・最近は、惚気に近いことばっか話してるし。正直、いつもあれを聞かされている先輩も気の毒な気がします」

兄「そうなんだ(何だ? 俺のことはあの夜以降避けてるくせに。学校じゃそんな話してるのかよ)」

妹友「まあ、先輩も妹ちゃんに甘いから、むっとして喧嘩しても次の日には謝って仲直りするんですけどね」

兄「そうか・・・・・・」

妹友「最近、妹ちゃんと何かあったんっですか?」

兄「何もないです・・・・・・ないはず」

妹友「はあ? あ、そうだ!」




172: NIPPER 2011/12/18(日) 20:06:52.82 ID:zJO2e2sZo

妹友「いいことを思いつきました。こうしましょう、お兄さん」

兄「いいことって何?」

妹友「調理部のお店って、この教室の3分の2くらいが客席になってるんですけど」

兄「うん」

妹友「残りのスペースはカーテンで仕切って客席からは見えないようになってます」

兄「そこが調理場つうかスタッフ控え室みたいになってるのか」

妹友「そのとおりです。あたし、調理部に友だちがいるんでそこに入らせてもらうように頼んでみますね」

兄「そこで妹たちに見つからないようにケーキを食べるというわけか」

妹友「まあ、そうなんですけど」

兄「・・・・・・いくら妹の彼氏が乱暴者だってそこまでこそこそするのは気が進まないなあ」

妹友「でも、カーテンの奥から妹ちゃんと先輩の様子が窺えますよ。お兄さんだって少しは妹ちゃんたちッが普段どんな感じが気になるんじゃないですか?」

兄「(う・・・・・・確かに気になる)じゃ、そうしようか」

妹友「はい。じゃ、ちょっとここで待っていてください」

兄「わかった」




173: NIPPER 2011/12/18(日) 20:07:48.43 ID:zJO2e2sZo

5分後


妹友「OKです。話しはつけてきました。行きましょう」

兄「(何か妹友ちゃん、楽しそうだな。スパイごっこしてるわけじゃねえぞ)う、うん」

妹友「お兄さん、そこの入り口は違います。そこだと客席に入っちゃいますから」

兄「悪い」

妹友「そっちのドアから入りましょう。その先はスタッフの控え室兼準備室で、客席からは見られないですから」

兄「わかった」


カーテンのそば


妹友「少し声を潜めてくださいね。妹ちゃんはこのカーテンのすぐ隣に先輩と一緒に座ってますから」

兄「お、おう」

妹友「あと、これ。名物のケーキとコーヒーです」

兄「ありがと」

妹友「そこにカーテンの継ぎ目があるでしょ? そこを少しだけそうっと開いてみてください」

兄「うん・・・・・・これか」ファサ

兄(げ。こいつらこんな近くに座ってたのか。姿も丸見えだし声もよく聞こえる)




174: NIPPER 2011/12/18(日) 20:10:17.74 ID:zJO2e2sZo

彼氏先輩「おまえさ」

妹「うん」

彼氏先輩「今日の夜はどうすんの」

妹「先輩とキャンプファイヤのとこでフォークダンス踊ろうかと思ってたんだけど、ダメ?」

彼氏先輩「いや。ダメじゃないけど。明日は今日の振り替えで休みなんだし、フォークダンスなんてやめてゲーセンかカラオケでも行かねえ?」

妹「みんな来ないよ、そんなの。せっかくの後夜祭なのに」

彼氏先輩「二人だけでいいじゃん。今週は全然付き合ってくれねえし、おまえ」

妹「だから言ったでしょ。今週は両親が家にいないから」

彼氏先輩「いないならむしろチャンスじゃんか。つうかおまえだって前はそう言ってたろ? 親がいないと夜出かけやすいって」

妹「お兄ちゃんがいるからね」

彼氏先輩「また、お兄ちゃんかよ。おまえの兄貴って大学生になっても妹が家にいなけりゃ飯も食えねえの? クズだな」


兄(な、こいつ。言いたい放題言いやがって。ふつうは彼女の家族とかにもう少し気を遣うだろ。おまえがクズじゃんか)ムカムカ




175: NIPPER 2011/12/18(日) 20:10:49.20 ID:zJO2e2sZo

妹「お兄ちゃんの悪口はやめて」

彼氏先輩「だって、本当のことじゃんか。いい年して妹妹って、どうせ彼女もいねえ童貞なんだろ」

妹「あたしのお兄ちゃんのこと、これ以上悪く言ったら許さない」キッ

彼氏先輩「な、何だよ」

妹「先輩とは別れる」

彼氏先輩「おい。冗談だって。もう言わねえよ」

妹「・・・・・・」

彼氏先輩「本当に軽いジョークだったんだよ、ジョーク。おまえの兄貴のこと悪く言ったことは謝るからよ」

妹「・・・・・・本当?」

彼氏先輩「うん。本当だよ。だから別れるとか言うなよ」

妹「反省したのなら許してあげるけど」

彼氏先輩「全く何だって言うんだよ、ブラコンにも程があるだろ」ブツブツ

妹「何か言った?」ニラミ

彼氏先輩「何にも言ってないよ。わかった、じゃあ今日はフォークダンスで一緒に踊ろうぜ」

妹「・・・・・・うん。いいよ」

彼氏先輩「じゃ、仲直りな。こっちのケーキもちょっと食ってみる?」

妹「うん。食べたい」

彼氏先輩「じゃ、あ〜んして」

妹「うん」

妹パク


兄(あ・・・・・・)


妹「こっちも美味しいね」

彼氏先輩「よかったらもっと食っていいよ」

妹「先輩は食べないの?」

彼氏先輩「おまえが喜んでくれるならケーキなんて食えなくても全然OKだぜ」

妹「・・・・・・そう」

彼氏先輩「妹・・・・・・」チュ

妹「先輩」チュ


兄(・・・・・・!!)




176: NIPPER 2011/12/18(日) 20:28:28.48 ID:zJO2e2sZo

?「妹ちゃ〜ん。ここにいたの」

妹「ああ、実行委員長ちゃん」

実行委員長「何だ? また、彼氏と一緒か」フフ

彼氏先輩「・・・・・・委員長さ。マジ邪魔なんだけど」

実行委員長「こら。仮にも女の子に向かって邪魔とか言うな」

彼氏先輩「せっかく妹と二人きりなのによ」

実行委員長「あのね。妹ちゃんは本当だったら来客整理誘導係で、校門の前に立ってなきゃいけないのよ」

彼氏先輩「わかってるよ」

実行委員長「それを、あんたに『妹と一緒に学祭を回りたいよ〜』って頼まれたから、妹ちゃんをフリーにしてあげたんでしょうが」

妹「ごめんね委員長ちゃん」

実行委員長「いいのよ。あたしはただこいつの言い草が気に障っただけで」

彼氏先輩「だからわかってるって。悪かったよ」

彼氏先輩「ちぇ。今日は何かしらねえけど女に謝ってばっかりだぜ」ブツブツ

妹・実行委員長「・・・・・何か言った?」ジロ

彼氏先輩「言ってねえよ!」

実行委員長「二人のとこ邪魔してごめんね? 妹ちゃん」

妹「別にいいよ」

実行委員長「そういえば妹ちゃんこんなクズと一緒にいていいの?」

彼氏先輩「クズとは何だクズとは」

実行委員長ムシ「今日は妹ちゃんの大好きなお兄ちゃんは来てくれないの?」

彼氏先輩「!!(こいつ、余計なこと言いやがって)」

妹「・・・・・・来てると思うよ」

彼氏先輩「え」

実行委員長「せっかく大切なお兄さんが来てるのに、案内とかしないの?」

妹「・・・・・・うん。妹友ちゃんが案内してくれるって言ってたから」

実行委員長「・・・・・・あんた、それでいいの? いつもは少しでもお兄ちゃんと一緒にいたいオーラを出してるのに」

彼氏先輩「・・・・・・おまえ、余計なこと言うな」

実行委員長「あんたこそ女同士の会話に口出しするな! クズ」

彼氏先輩「・・・・・・くそ」

妹「お兄ちゃんには会いたいけど、妹友ちゃんの邪魔は出来ないし」

実行委員長「え? 何何。妹友ちゃんって妹ちゃんのお兄さんのこと好きなの?」

妹「多分、そうじゃないかな。あ、妹友ちゃんにはこの話は内緒だよ」

実行委員長「わかってるけど」

彼氏先輩「ふ、ふふ。うふふふ。妹の兄貴に彼女が出来そうとか。何て素晴らしい展開なんだ」

実行委員長「だから。あんたは少し黙ってろ」

妹「・・・・・・」




187: NIPPER 2011/12/18(日) 21:43:00.39 ID:zJO2e2sZo

兄(妹と彼氏がキス・・・・・・・。ま、まあ。付き合ってるんだから当然で、ショックを受ける方がおかしいけど)

兄(目の前で見たくはなかったな・・・・・・)

兄(目をつぶってキスを受け入れる妹の顔、可愛かったけど。その可愛らしい表情は俺に向けられたんじゃないんだよな)

兄(あ、あたりまえだろ。実の妹に嫉妬してどうするんだよ、俺)

兄(しかし)

兄(実行委員長とかって子も話してたけど、妹が俺の話ばかりするっていう妹友ちゃんの情報は正しいのか)

兄(ふつうに俺の話をしてたし。妹が俺に会いたいって。今週ずっと俺のこと避けてたくせに)

兄(・・・・・・恋愛対象じゃねえけど、兄としては大好きってこと? それも体を兄貴に触らせてもいいくらいに)

兄(いきなり情報量が多すぎて、頭の中が整理できないな。妹友ちゃんが俺を好きっていうのも)

兄(正直、本当なら嬉しいけど)

兄(・・・・・・妹友ちゃんがここにいなくてよかった)

兄(つうか、妹友ちゃんは俺が好きなのは確定だろ)

兄(どうしよう)




188: NIPPER 2011/12/18(日) 21:44:23.99 ID:zJO2e2sZo

実行委員長「ふう、朝からトラブルだらけで疲れちゃった」ドス

彼氏先輩「だから、何でおまえが一緒のテーブルに座るんだよ」

妹「いいじゃん。委員長ちゃんだって今日は大変なんだから」

実行委員長「ありがと、妹ちゃん」

彼氏先輩「せっかく二人きりでイチャイチャしてたのに」

実行委員長「こんなクズのことはどうでもいいけど、妹ちゃんがこいつと二人きりでいたいならあたしは消えるよ?」

妹「別にいいよ。一緒に話そうよ」

彼氏先輩「・・・・・・」ケッ

実行委員長ジロ

彼氏先輩「・・・・・・」

実行委員長「今日はマジで疲れたわ。揉め事ばっかでさ」

妹「委員長ちゃん、おつかれ」

実行委員長「あ〜あ。妹ちゃん、何か癒される話とかない?」

妹「・・・・・・突然言われても」

実行委員長「妹ちゃんのお兄ちゃんの新ネタとかないの?」

妹「え?」

彼氏先輩「・・・・・・おい。俺への嫌がらせかよ」

実行委員長「別に家族のほのぼのエピソードなんだからいいじゃん。彼女の兄貴に嫉妬するあんたが異常なんでしょ」

彼氏先輩「・・・・・・」

実行委員長「みんなは妹ちゃんがお兄さんの話をすると、妹ちゃんのことブラコンとかってからかうけどさ」

妹「・・・・・・うん」

彼氏先輩「・・・・・・」

実行委員長「あたしはね、妹ちゃんが話してくれるお兄さんのエピソードって結構好きだな」

妹「え」

実行委員長「何かさ、話聞いていると胸が温かくなるっていうか。妹ちゃんとお兄さんって本当に仲良くてほのぼのしててさ」

彼氏先輩ムカムカ

妹「・・・・・・ありがと委員長ちゃん。あたしのお兄ちゃんの話って、みんなにうざがられてると思ってた」

実行委員長「ははは。そんなことないよ。みんなからかいながらも、楽しんで聞いてると思うよ」

妹「そか」

実行委員長「まあ、彼女の実の兄貴にマジで嫉妬するバカを除いてね」

彼氏先輩「・・・・・・」ムカムカ

実行委員長「しかし妹ちゃんも大物だよね。うざがられてると思っていてもお兄さんの話ばっかしてるなんて」

妹「・・・・・・あたし、お兄ちゃんのこと好きだから」



兄(!!!!!!!!!!!! え?)



実行委員長「何か最近のエピソードないの? お兄ちゃんとラブラブのやつとかさ」

妹「う〜ん。ラブラブじゃないかもだけど」




189: NIPPER 2011/12/18(日) 21:46:22.34 ID:zJO2e2sZo

実行委員長「うんうん」

妹「あたしってお料理下手なんだけど」

実行委員長「あ〜」

彼氏先輩「そんなことねえよ。おまえの料理は最高だぜ」

実行委員長「あんた食べたことあるの? つうかむしろ口閉じてろ」

彼氏先輩「・・・・・・」

妹「でね。この前お兄ちゃんが風邪を引いて、大学休んだんだけど」

実行委員長「うん。それでそれで」

妹「でね、お兄ちゃんに雑炊作ったんだけど」

実行委員長「おお、まめだねえ。お兄ちゃんのいいお嫁さんになれるね」

妹「な、何言ってるの」カァ

彼氏先輩ケッ

実行委員長「だから、あんたは黙ってろって。お兄さん、食べてくれた?」

妹「味見したんだけど、胡椒だらけで辛くて」

実行委員長「・・・・・・(胡椒って、病人に?)」

妹「3食分くらい作って学校に行ったんだけど、帰ったらお鍋が空になってて」

実行委員長「お兄さん、その辛い雑炊全部食べたってわけね」

妹「・・・・・・うん。きっと不味かったと思うけど、あたしが作った雑炊なら食べてくれるんだと思って嬉しくて」

実行委員長「・・・・・・うん。きっと妹ちゃんの気持ちが通じたんだよ」

妹「あたしもそう思って、何か嬉しいというか恥ずかしいというか。しばらくお兄ちゃんの顔を見られなかったの」

実行委員長「妹ちゃんって本当に可愛いよね。お兄さんもいい妹を持ったよね」

妹「違うよ。あたしがいいお兄ちゃんを持ったんだよ」

実行委員長「そうかそうか」クス


兄(何と言えばいいか・・・・・・)

兄(すごく興奮して嬉しい反面)

兄(・・・・・・こんな話を目の前で聞かされる彼氏が気の毒な気もしてきた)

兄(それに、あの雑炊一口だけ食って捨てちゃったんだよな)

兄(・・・・・・・)




190: NIPPER 2011/12/18(日) 21:48:49.84 ID:zJO2e2sZo

妹友「お兄さん、お待たせしました」

兄「あ、妹友ちゃん」

妹友「・・・・・・お兄さん、顔が赤いですよ。まだ風邪治ってないのかな」

兄「いや。暖房が結構効いてるからかな」

妹友「そういえば少し暑いかな」

兄「うん」

妹友「・・・・・・で。妹ちゃんの学校での日常を十分観察できましたか」フフ

兄「ま、まあね」

妹友「じゃあ、行きましょうか。ケーキも食べたみたいだし」

兄(あ、いつのまにか食ってるよ、俺)

妹友「後夜祭は生徒だけだから残念ですけど、それまではお兄さんと一緒にいられますし」

兄「あ、あのさ」

妹友「はい」

兄「さ、さっき言ってたこと・・・・・・」

兄「その。お、俺のこと好きって言うのさ」

妹友「・・・・・・はい」

兄「どういう意味なのかな? 俺、鈍感だから誤解してたら悪いし」

妹友「どういう意味って。そのままの意味ですよ?」

兄「いやいや。だからさ、何て言うか。妹の兄貴としてとかさ」

妹友「ああ。はっきり言わなかったですからね。でも、これだけ好意を示していればわかってもらえてると思ったんですけどね」

兄「・・・・・・」

妹友「お兄さんのこと、異性として好きです。よかったら付き合ってください」

兄「!! え、えと。俺のことす、好きなのはわかったけど。付き合ってというのは」

妹友「・・・・・・そこまではっきりと女の子に言わせます? 普通」

兄「ごめん」

妹友「・・・・・・惚れた弱みかなあ。いいですよ、はっきり言うと」

妹友「あたしの彼氏になってください」

兄「は、はひ」

妹友「はい?」

兄「はい? って・・・・・・」

妹友「返事早っ。・・・・・・ていうか断わられるかと思ったのに」

兄「な、何で?」

妹友「・・・・・・いえ、何でもないです。お兄さん、嬉しい・・・・・・」

兄「妹友ちゃん・・・・・・」

妹友「お兄さん」

兄「・・・・・・」




197: NIPPER 2011/12/19(月) 20:54:53.39 ID:9kBaYclbo

校内 中庭の噴水


妹友「何か不思議です」

兄「うん」

妹友「さっきまでは、今日はお兄さんと一緒に学祭をあっちこっち見て回るんだって、張り切ってたんですけど」

兄「そう」

妹友「何ていうか、お兄さんと付き合うようになった今では」

兄「うん」

妹友「どちらかというとここでずっと二人でお話していたいです」

兄「ああ、よくわかるよ。俺もそう思ってたとこ」

妹友「・・・・・・本当?」

兄「うん、本当」

妹友「嬉しい」

兄「そ、そう?」

妹友「はい。あ、そういえばさっき、調理部のお店の前で話しかけてきた子がいたでしょ?」

兄「ああ、いたね。俺のこと妹友ちゃんの彼氏だと誤解した子でしょ」

妹友「こんなにすぐに誤解じゃなくなるんだったら、あの時あたしの彼氏だよって言えばよかった」

兄「まあ、あの時は付き合う前だったしね」

妹友「そうなんですけど・・・・・・。あたし、嬉しくて友だちに話したくてしょうがない気分なんです。お兄さんがあたしの彼氏なんだよって」

兄「そ、そう(何か可愛い。彼女ができるってこういうことなんだ)」

妹友「でも、さっきはやっぱり彼氏だって言わなくてよかったのかも」

兄「へ? 何で(俺が彼氏じゃ恥ずかしいのかな)」

妹友「だって・・・・・・、妹ちゃんに一番先に報告しないとまずいでしょ?」

兄「(!)う、うん」

妹友「親友のお兄さんと付き合うんですもん。お兄さんとあたしがお付き合いしてるって、他の人から聞かされたら妹ちゃんだっていい感じはしないと思います」

兄「それはそうかもしれないけど(あいつどういう反応示すんだろ?)」




198: NIPPER 2011/12/19(月) 20:58:26.73 ID:9kBaYclbo

妹友「まあ、彼氏先輩は喜ぶでしょうね。お兄さんとあたしが付き合っていることを聞いたら」

兄「何で?」

妹友「そんなの決まってます。ライバルには彼女がいた方が安心ですから」

兄「実の兄貴をライバルってさ。本当にどうしようもないやつだよな。さっき話を聞いてても、嫉妬深いというか独占欲が強いというかさ」

妹友「それだけ妹ちゃんが魅力的なんですよ。先輩以外の男の子が妹ちゃんの彼だったとしても、反応は同じだったんじゃないですかね」

兄「そうかなあ」

妹友「はい。でも妹ちゃんも悪いんですよ。先輩が自分に夢中なことを知ってて、お兄さんの話ばっかりするし。正直ちょっと先輩が気の毒になることもあります」

兄「・・・・・・まあ、確かにそれもあるかもね(実際、さっき一瞬妹の彼氏のこと気の毒に感じたしな)」

妹友「先輩が自分を振ることは絶対ないって自信がなければそんなこと出来ないですよね?」

兄「まあ、そうだけど。それにしても妹も男と付き合うなら、空手以外に取り得のないあんな男じゃなくてもよかったのなあ」

妹友「確かに妹友ちゃんと相性がいいとは言えないですけどね。あの二人が付き合いだした時、あたしも不思議でした。妹ちゃんは彼氏なんて欲しくないような感じだったし」

兄「そうなんだ」

妹友「はい。他の子たちみたいに男の噂話とかしないし。あ、お兄さんの話はしまくってましたけど」

兄「・・・・・・」

妹友「まあ、でも。先輩って女の子には人気がありますしね」

兄「・・・・・・(理解できない)」

妹友「なので二人が付き合いだして、結果的には校内人気ナンバーワン同士のカップルが誕生したんですけどね」

兄「そう。あ、そう言えばさ。さっき、委員長ちゃんって子が妹の彼氏にいろいろ注意してたけど」

妹友「ああ。委員長ちゃんはあたしたちと同じ2年生なんですけど」

兄「そのわりには、あいつに強い口調で注意してたけどな」

妹友「委員長ちゃんは先輩の幼馴染ですからね。学年なんて関係ないみたいです」

兄「なるほどね」

妹友「たまに考えるんですけど、どっちかというと委員長ちゃんの方が・・・・・・」

兄「何?」

妹友「いえ・・・・・・何でもありません」




199: NIPPER 2011/12/19(月) 21:01:51.09 ID:9kBaYclbo

妹友「妹ちゃんに報告しなきゃいけないけど、今はここでこうしてお話ししていたいです」

兄「うん、俺も(つうか妹に報告すること自体が気がすすまねえ)」

妹友「・・・・・・ねえ、お兄さん」

兄「うん」

妹友「いつからあたしのこと意識してくれたんですか?」

兄「いつからって。まあ、雨の日に妹を迎えに行って、妹友ちゃんに最初に会った時からかな」

妹友「出会った日じゃないですか・・・・・・」

兄「うん、ごめん」

妹友「何で謝るんですか。すごく嬉しいのに」

兄「妹友ちゃんは?」

妹友「え」

兄「妹友ちゃんは、いつから俺のこと気にしてくれるようになったの?」

妹友「・・・・・お兄さんの意地悪。あたしにそれを言わせたいんですか?」

兄「(やべえ、こういう会話ってすげえ楽しい)教えてよ。車で送っていったあたり?」

妹友「全然違います。お兄さんと実際にお会いするずっと前からですね」

兄「はあ」

妹友「入学して妹ちゃんと友だちになって。それから今までずっと妹ちゃんからお兄さんの話を聞かされて」

兄「・・・・・・それは大変だったね」

妹友「最初は毎日毎日よくお兄さんの悪口ばかり言えるなあって思ってました」

兄「やっぱり悪口かよ」

妹友「でもね、聞き続けているうちにお兄さんの姿が心の中に浮かんできて、いつの間にか会った事もない、悪口しか聞いたこともないお兄さんに恋しちゃったみたい」

兄「・・・・・・ダメダメな話ばっか聞かされてたんでしょ? いったい何で」

妹友「後になって気がついたんです。妹ちゃんってお兄さんのことが大好きなんだなって。悪口言っていても、最近みたいにまるで彼氏の惚気みないな話をしていても、妹ちゃんは一貫して好きな人のことを話していたんだなって」

兄「・・・・・・」

妹友「そうじゃなきゃ、お兄さんの悪口ばっかり話してた妹ちゃんが、友だちからブラコンなんて呼ばれたりしないですよ。きっとみんな感じ取っていたんですよ、妹ちゃんの気持ちを」

兄「・・・・・・」

妹友「そうじゃなきゃ、あたしだって妹ちゃんの悪口から思い浮かぶお兄さんのイメージに恋したりしないと思います」

兄「そうなのかな、よくわかんねえけど」

妹友「・・・・・・そうですよ」




200: NIPPER 2011/12/19(月) 21:04:46.67 ID:9kBaYclbo

妹友「正直に言うと」

兄「うん」

妹友「妹ちゃんに報告するの、ちょっと怖いです」

兄「何で?」

妹友「多分、あたしがお兄さんを好きなこと、妹ちゃんにはばれています」

兄「・・・・・・そうか」

妹友「でも、妹ちゃんはお兄さんのメアドとか携番とか教えてくれたり、家に呼んでくれたりして、あたしのこと応援してくれたんです」

兄「そうだったね。そういや」

妹友「でも、心から応援してくれているかどうか心配で」

兄「・・・・・・あいつだって彼氏と付き合ってるんだろ? 俺たちの付き合いを嫌がる理由はないじゃん」

妹友「そうは思うんですけど・・・・・・」

兄「仮にあいつがブラコンだったとしても、それは男として好きということじゃないよ。その証拠に、あいつには男がいるじゃん」

妹友「・・・・・・あたしにはよくわかりません。あたしがお兄さんの彼女になることで、妹ちゃんを傷つけなければいいんですけど」

兄「でもさ、俺は妹友ちゃんが好きだよ?」

妹友「?}

兄「こういうのってお互いの気持ち次第じゃん。一方的な想いだけでカップルになれるわけじゃないし」

妹友「え」

兄「要するに俺と妹友ちゃんは相思相愛ってこと!(ああ、恥ずかしい)」

妹友「・・・・・・」

兄「妹がどう思ってもあいつの彼氏がどう思っても、どうしようもないじゃん。俺たちが好意を持ち合っているという事実は変らないんだし」

妹友「・・・・・・うん」

兄(本当にそうなのか? 俺の中にある妹を自分のものにしたいという気持ちはどうなるんだ?)

妹友「やっぱりお兄さんを好きになってよかった」

兄「ありがと(仮に妹も俺のことを好きだとしたらどうなるんだろ)」

妹友「今日はお兄さんとずっと一緒にいたいし、明日以降なるべく早く妹ちゃんと話しますね」

兄「今日家に帰ったら、俺が妹に話そうか?(兄貴の部屋で一緒に寝たがる、兄貴に雑炊を作りたがる)」

妹友「いえ。あたしに話させてください」

兄「・・・・・・いいの?(兄貴に体を触られるのが嫌じゃない)」

妹友「はい。あたしたち親友だから・・・・・・自分でちゃんと話します」

兄「わかった(兄貴にキスをする)」

妹友「ところでお兄さんって、今まで年下の・・・・・・)

兄(それでも普通の兄妹関係と言えるのか? もし妹が俺のこと異性として意識していたとしたら、今妹友ちゃんに話した前提が崩れちゃうじゃんか)」

兄(そして、俺の気持ちは。俺が本当に好きなのは妹友ちゃんだよな?)

妹友「・・・・・・お兄さん?」

兄「あ、ああ。ごめん」




204: NIPPER 2011/12/19(月) 22:18:37.28 ID:9kBaYclbo

当日夜 自宅


兄(明日から親が帰ってくるんだっけ)

兄(ちょうどいいタイミングかも)

兄(俺にも人生初の彼女が、それもすげえ可愛い彼女ができたことだし)

兄(いつまでも妹に欲情しているわけにはいけないし)

兄(よく考えれば簡単なことかもしれないな)

兄(いい兄貴になってやればいいんだ)

兄(妹にも彼氏がいるし、俺にも晴れて可愛い彼女ができた)

兄(妹とはきっと今まで疎遠すぎたんだ。それが急に距離が縮まってお互いに戸惑ってこんなことになってるんだろうな)

兄(妹との関係を正常化すればいいだけだろ。普通に仲のいい兄妹になろう。体を触るとか、よく考えれば全部俺の方からアクションを起こしてるんだし)

兄(それもこれも俺に彼女がいなくて、ど、童貞だからだ)

兄(妹友ちゃんと付き合うようになれば、俺の浅ましい本能も抑えられるに違いない)

兄(これからは。欲情するなら妹友ちゃんに)

兄(い、いや。それはいくらなんでも飛躍しすぎだろ。今日付き合いだしたばかりだぞ。がっつく男は持てないって兄友も言ってたし)

兄(・・・・・・妹が俺のことを兄として好意をもっていることはどうも間違いないらしいけど)

兄(あれは。あの出来事は、急に兄貴との距離が縮まって、当惑して俺の愛撫を受け入れちゃったんだろう)

兄(・・・・・・妹だって、内心は後悔しているかもしれないし)

兄(よし。これで行こう。いい兄貴路線な)

兄(・・・・・・妹は今夜は遅くなるのかな)

兄(後夜祭もあるしな)

兄(先に寝ちゃおうか。顔あわせても、俺と妹友ちゃんのことは俺からは言えないし)

兄(よし、寝よう)

兄(・・・・・・)

兄zzz




205: NIPPER 2011/12/19(月) 22:21:48.13 ID:9kBaYclbo

ガチャ


兄(何だ?)ムニャムニャ

?ゴソゴソ

兄(うん?)ムニャ

?「おやすみ、お兄ちゃん)

兄「え?」

妹「あ、お兄ちゃん起こしちゃった?」

兄「おまえ・・・・・・ここで何してるの?」

妹「お風呂入ったしもう寝ようかと思って」

兄「しかも、また下着だけしか着てねえし」

妹「お風呂上りは暑いから」

兄「・・・・・・おまえ、しばらく俺の部屋で寝てなかったじゃん(あ、違うだろ俺・・・・・・何でそんなことを蒸し返してるんだ)」

妹「・・・・・・ごめん」

兄「(ああ、やっちゃった)いや、そこで何で謝る」

妹「この前、お兄ちゃんに、その」

兄「・・・・・・」

妹「その、お兄ちゃんに体を撫でられて・・・・・・」

兄(うっ・・・・・・ここでそれを持ち出すか?)

妹「・・・・・・あたしのこと嫌いになったでしょ」

兄「へ?」

妹「だって、あんなに声とか出しちゃって。変な女だと思ったでしょ」

兄「はあ? 何言ってんのおまえ」




206: NIPPER 2011/12/19(月) 22:22:36.69 ID:9kBaYclbo

妹「あの時・・・・・・体が熱くなって、何かむずむずとして。気がついたら声が出ちゃってて」

兄「・・・・・・それ、普通なんじゃね?」

妹「うそ。あたし、どこか変なのかなと思って」

兄「あのさ。女性経験の少ない俺だってそんな誤解はしねえぞ(少ないじゃなくてないだろ、俺))」

妹「・・・・・・本当? あたし、ああいうの初めてで」

兄「雑誌とかテレビとか友だちとの話とかでわかるだろ? 普通」

妹「でも、彼氏に同じことされかかったけど、全然お兄ちゃんにされた時みたいな感じしなくて」

兄「・・・・・・おまえの彼氏とのことはいいよ、この際」

妹「ごめん」

兄「だから謝るなって。で?」

妹「うん」

兄「ずいぶん帰るの早かったけど。後夜祭とかあったんだろ」

妹「うん。彼とフォークダンス踊った」

兄「そう」ムカ

兄(何でむかつくんだ? もう俺にはどうでもいい話じゃん)

妹「その後みんなで遊びに行こうって話になったんだけど」

兄「おう。それで?」

妹「今日は帰るからって言って帰ってきた」

兄「・・・・・・そう」

妹「あたし、今日はここで寝るから」

兄「・・・・・・はぁ?」

妹「明日からお母さんたち帰ってきちゃうし、もうお兄ちゃんと一緒に眠れなくなるし」

兄「あのさあ」

妹「うん」

兄「前から聞こうと思ってたんだけど」

妹「うん」

兄「お、おまえさ。その、俺のこと好きなの?(言っちゃった・・・・・・)」ドキドキ




207: NIPPER 2011/12/19(月) 22:26:28.68 ID:9kBaYclbo

妹「うん。好き」

兄「だ、だから。少しは考えてしゃべれよ。俺の聞いてる好きはそういうんじゃなくてさ(何言ってるんだ、俺)」

妹「うん?」

兄「よ、よし。わかりやすく言うとだ」

妹「うん」

兄「要するにだ。俺とおまえの彼氏と、おまえはどっちの方が好きなんだよ(うわ。ここまで言っちゃうの?俺)」

妹「お兄ちゃんの方が好き」

兄「へ?」

妹「彼氏よりお兄ちゃんのほうが好き」

兄「あ、え〜と。とりあえず落ち着こうか(落ち着くのは俺の方だろ)」ドキドキ

妹「・・・・・・わかった」

兄「じゃさ、おまえは何で彼氏と付き合ってるの?」

妹「付き合ってくれって言われたから」

兄「・・・・・・おまえは付き合ってくれって言われれば嫌いな相手とでも付き合うのかよ!」

妹「彼のことは嫌いじゃないし」

兄「(う〜ん。これは手ごわい)おまえさ」

妹「うん」

兄「今まで、俺のことなんか無視してたじゃんか。1月くらい話しなかったことだってあったし」

妹「・・・・・・」

兄「何で最近になって俺と一緒に寝たりとか、その・・・・・・身体を触らせたりとかするの?」

妹「お兄ちゃんの言ってることよくわかんないけど」

兄「はあ?」

妹「だって、お兄ちゃん、これまであたしにそういうことしなかったじゃん」

兄「な、何てこと言ってるんだよ。じゃあ、去年とかにおまえを触ってたら」

妹「それでも別によかったのに」

兄「な、何言ってるんだ」ドキドキドキドキ

妹「・・・・・・今日一緒に寝ていい?」

兄「あのなあ」

妹「今日もあたしの身体触るなら、恥ずかしいから灯り消してね?」

兄「・・・・・・おい(まずい。妹友ちゃんと付き合いだしたその日に浮気しちゃいそうじゃねえか)」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・」




208: NIPPER 2011/12/19(月) 22:27:13.35 ID:9kBaYclbo

妹「・・・・・・今日は何もしないの?」

兄「な、何、俺の隣に潜り込んでるんだよ」

妹「だってお兄ちゃんのベッド狭いんだもん」

兄「・・・・・・いかん」

兄(華奢な身体。白い肌。いい匂い)

妹「今日は何もしないの?  もう寝てもいい?」

兄(・・・・・・華奢な身体。白い肌。いい匂い・・・・・・可愛い顔)ムラムラ

妹「明日は休みなんだけどね」

兄「おまえ、本当にそういうの嫌じゃねえの?」

妹「嫌じゃないけど・・・・・・お兄ちゃんなら」

兄「・・・・・・」ムラムラ

妹「あ、でも。変な声出しちゃっても、お兄ちゃんあたしのこと嫌いにならない?」

兄「なんねえ・・・・・・(そうじゃねえだろ!!! 俺は何を言ってるんだ)」ボソ

妹「よかった」チュ

兄「・・・・・・(また妹にキスされた。彼女がいるのに)」

妹「触るだけね」

兄「・・・・・・ああ」


俺は再び妹のほの白く輝く肌に手を伸ばし。




215: NIPPER 2011/12/21(水) 22:10:17.70 ID:a+8qO7rNo

・・・・・・俺は再び妹のほの白く輝く肌に手を伸ばし。


目を閉じて身動きひとつしない妹の身体を両手で抱き寄せると、目を閉じたままの妹の身体は何の抵抗もなく俺の両腕の中に納まった。
しばらくそのまま背中に回した手で妹を抱きしめた後、片手で妹の後頭部を支えながら妹にキスする。少し唇を離し再び妹の唇に近づくと、妹の口が開き舌が俺の舌に絡みついた。
妹の両腕が柔らかく俺の首に巻きつく。

舌を絡めあいながら片手で妹の小さな背中を探りブラのホックを外す。その手で俺は初めて妹の控えめな胸を探るように撫でる。
その時、目を閉じたままの妹が小さく喘ぎ声を漏らしはじめた。

・・・・・・妹の胸を弄りながら、もう片手を背中に沿って撫で下ろし、下着の隙間から小さな尻を少しだけ撫で回した後、内腿を経由して前を目指す。
そこで俺の手はしっかりと閉じた妹の太腿によって、前方への進入を妨げられた。

妹は俺の首に巻きついていた手を離し、唇を遠ざけ。



妹「・・・・・・そこは触っちゃだめ」

兄「あ、悪い」

妹「ううん。そこ以外は好きに触ってもいいから・・・・・・朝までずっとこうしていて」

兄(潤んだ瞳。少し赤みを帯びた白い頬・・・・・・抱きしめている全裸の妹の柔らかで華奢な感触)

兄(やばい。俺、本気でこいつのこと・・・・・・)

妹「もっと強くしてもいいよ」

兄「・・・・・・ああ」

妹「・・・・・・」ギュ




216: NIPPER 2011/12/21(水) 22:18:34.54 ID:a+8qO7rNo

翌朝 兄のベッドの中


兄(・・・・・・何か柔らかいものが俺の腕の中にいる)

兄(昨日のことは夢じゃなかったってことだ)

兄(・・・・・・まだ寝てるのかな)

兄(昨日は部屋を暗くしてたから、こいつの裸をちゃんと見れなかったけど)

兄(明るいところで見ると、やっぱり綺麗な体してるな)

兄(俺にくっついているから胸が見られないのが惜しい)

兄(触りたいけど起こしちゃうと可愛そうだしな)

兄(それにしてもあの後、妹も俺のこと触ってくるとは思わなかった。これまでは身動きひとつしないで横たわっているだけだったのにな)

兄(・・・・・・本当にやばいけど、何か止められねえ。妹友ちゃんに告白されたその日のうちにこれって、俺、最低じゃん)

兄(でも、俺。こいつのこと、本気で好きになっちゃったかも)

妹「・・・・・・・お兄ちゃん」

兄「え」

妹「何考えてるの」クス

兄「起きてたのか」ドキ

妹「何か難しい顔してたよ」ダキ

兄(・・・・・・え)チュ

妹「おはよ」

兄「ああ。おはよう」

妹「・・・・・・う〜ん」ノビ

兄(あ。胸が見えた)

妹「お兄ちゃん、好きだよ」

兄「・・・・・・うん。俺もおまえのこと好きだ」

妹「やっと言った・・・・・・長かったな」ボソ

兄「・・・・・・今何て言ったの?」

妹「何でもないよ。それより」サワ

兄(・・・・・!)

妹「昨日の夜みたいにまた大きくなってるよ」クスクス

兄(パンツ越しだけど。妹が始めて俺に)

妹「また変な声出しちゃってごめんね」

兄「・・・・・・いや。おまえの声可愛かった。ずっと聞いていたかったよ」

妹「そか」フフ

兄「結構寝たの遅かったけど、もう少し寝るか?」

妹「今日学校お休みだし、今日はここでゆっくりする」

兄「うん。俺も大学さぼるよ」

妹「いいの?」

兄「俺も今日はずっとこうしていたいし」




217: NIPPER 2011/12/21(水) 22:25:09.12 ID:a+8qO7rNo

妹「よかった・・・・・・あ」

兄「どうした」

妹「身体中にお兄ちゃんのよだれが付いてる」

兄「わ、悪い! 気持ち悪いだろ」

妹「別に気持ち悪くない。お兄ちゃんのなら」

兄「そう・・・・・・」

妹「お兄ちゃん」

兄「うん?」

妹「ちょっと寒い」

兄「エアコン入れようか」

妹「・・・・・・いい。それよりもっと強く抱きしめて」

兄「うん」

妹「あたしさ」

兄「うん」

妹「お兄ちゃんに触られて変な声が出ちゃって、でも自分では止められなくて」

兄「それはそうだろ」

妹「・・・・・・だから、前とか触られたらきっともっと変な声が出ちゃいそうで」

兄「可愛かったけどな」

妹「うん。お兄ちゃんに嫌われないなら」

兄「はい?」

妹「・・・・・・前も触りたい?」

兄「あ、あの、その」

妹「こんなとこ触ってもお兄ちゃんはつまらないと思うけど」

兄「そんなこと・・・・・・」

妹「ちょっと怖いけど、それでもいいなら」

兄ゴク

妹「お兄ちゃん、急に怖い顔になったよ」

兄「悪い。じゃ、じゃあちょっと仰向けになって」

妹「うん」

兄「で、足開いてくれるか」

妹「・・・・・・わかった」




218: NIPPER 2011/12/21(水) 22:31:31.13 ID:a+8qO7rNo

兄(こ、これが)

兄ゴク

兄(よ、よし。女性のそこに触るの初めてだし、少しシミュレーションを)

兄(まず、軽く触って。それからし、舌で)

兄(・・・・・・これ、触っていいよってことなのか)

兄(それとも、セ、セックスしてもいいのか)

兄(正直、自分を抑える自信ないんだけど)

兄(いつか来る初体験のために用意したあったゴムが役に立つ日が来たのか?)

兄(・・・・・・でも、ああいうのにも消費期限ってあるのかな。あれ、大学入学した頃買ったやつだよな。未開封ではあるけど)

兄(妹・・・・・・)

兄(両手で顔を隠しちゃってるから表情は見えないけど)

兄(少し身体が震えてる)

兄(・・・・・・何かとてつもなくこいつのことがいとおしい)

兄「あ、あのさ」

妹「・・・・・・」

兄「俺、こういうの初めてだから」

兄「痛かったりくすぐったかったっりしたら言ってくれよな」

妹「・・・・・・」コク

兄「じゃ、じゃあ。触るぞ」

妹「・・・・・・」コク

兄(じゃ、じゃあ)


母「兄〜! いつまで寝てるの。大学はどうすんのよ」


兄「へ」

兄・妹ガタ

妹(お兄ちゃん!?)ヒソ

兄(や、やばいぞ)ヒソ


母「早く起きなさい!」


兄(母さん、階段上って来てる!)

兄(し、下着探せ。どっかにあるはず)ヒソ

妹(うん。でも下着だけじゃ)ヒソ

兄(親バレするのか!?)




225: NIPPER 2011/12/22(木) 22:19:01.53 ID:67AxmvE6o

妹「お兄ちゃん、今着替えてて、すぐ下に下りるからって言って・・・・・・落ち着いて話してね」ヒソ

兄「あ、ああ」ヒソ

母「いい加減にしなさいって! いつまで寝てるつもりなの?」

妹「ほら早く」ヒソ

兄「わかってるよ。今着替えてるとこだって。すぐに下に行くからさ」

母「やっと起きたか。朝ごはん用意しといたから早く降りてきなさいよ」

兄「うん。すぐ行くから」


兄「母さん、下に降りたぞ」ヒソ

妹「着替えてご飯食べてきて。その間にあたしは自分の部屋に戻るから」

兄「・・・・・・今日はもう一緒にいられないのか」ボソ

妹「・・・・・・お母さんも30分もすれば出かけると思う。お母さんが出かけたらあたしの部屋に来て」ヒソヒソ

兄「わかった」

妹「待ってるから・・・・・・」

兄「・・・・・・妹」グイ

妹「だめ。早く行かないとまたお母さん来ちゃうよ」

兄「そうだな・・・・・・」

兄「(よし着替え終わった)じゃ、行ってくる」

妹「・・・・・・うん。いってらっしゃい、お兄ちゃん」

兄(妹・・・・・・)




226: NIPPER 2011/12/22(木) 22:23:25.40 ID:67AxmvE6o

ダイニング


兄「おはよう」ドキドキ

母「やっと起きたか。あんたねえ、最近ちょっとダレ過ぎじゃないの?」

兄「そんなことねえよ」

母「あんたさあ、お父さんとあたしが仕事で家にいないからって好き勝手にさぼってるんじゃないでしょうね?」

兄「ち、違うよ。ちゃんと大学行ってるって」

母「・・・・・・まあ、いいわ。早く食べちゃいなさいよ。あたしももう仕事行くから」

兄「俺、皿とか片付けておくからもう行ってもいいよ」

母「そう? じゃあ頼んじゃうか。妹は今日はお休みだっけ」

兄「うん。振り替えで休日だって言ってたよ」

母「・・・・・・ほう」

兄「な、何だよ」

母「あんたたち、ここ何年かろくに会話しなかったのに。それくらいのことは喋るようになったんだ」

兄「昔からその程度は話してたって」ドキドキ

母「あんたを起こす役目を妹にさせたのがよかったか」

兄「だから前から話くらいしてるって。人の話聞けよ」

母「あんまり寝すぎても、だらけっちゃうからさ。あんた、大学行く前に妹のこと起こしなさいよ」

兄「俺が?」

母「最近は妹に起こしてもらってるんでしょ? たまにはあんたもそれくらいしなさい」

兄「わかったよ・・・・・・」

母「じゃ、でかけるか。今日もお父さんとお母さん、帰れないからね」

兄「あいよ。体壊すなよ」

母「余計なこと言ってないで自分こと心配しなさいよ」

兄「はいはい」




227: NIPPER 2011/12/22(木) 22:25:25.04 ID:67AxmvE6o

兄(・・・・・・よし、母さん出かけた。しかしまさか昨日母さんが帰っていたとは)

兄(何時に帰ったんだろ? 妹の声とか聞かれてないよな)

兄(いや。それはない。あんな声を聞かれてたら、母さんの性格なら逆上して部屋に踏み込んでいたはずだし」

兄(・・・・・・もういいかな)

兄(早く妹の部屋に行きたい・・・・・・。とにかくあいつと一緒にいたい。そういや、あいつの冗談とか笑い声とか俺に甘えるしぐさとか)

兄(・・・・・・10年以上兄妹やっていて、昨日はじめて見たのかもしれない)

兄(もう自分の気持ちを誤魔化せない・・・・・・)

兄(俺、妹に恋してるんだ)

兄(今、妹と離れて一人でいても思い浮かぶのは、付き合いだしたばかりの妹友ちゃんじゃなくて)

兄(妹のことだもんな)

兄(・・・・・・これからどうしよ)

兄(・・・・・・)

兄(とりあえず今日は妹と一緒に過ごそう。今日だけは妹友ちゃんのことは考えないようにしようか)

兄(絶対に明日からはまじめに今後のことを考える)

兄(でも、今日だけは。今日のこの幸せな時間だけは・・・・・・)

兄(そろそろ妹の部屋に行こうかな)




228: NIPPER 2011/12/22(木) 22:26:32.92 ID:67AxmvE6o

ガチャ


母「言い忘れたんだけどさ」

兄「(!!!!!!)な、何でまだいるんだよ!」ドキドキドキ

母「ちょっと気になったから戻ってきたんだけどね」

兄(え?)ドキ

母「あんたら、あたしたちがいない時ちゃんと食事してる?」

兄「・・・・・・はあ?」

母「食事代として電話のとこに置いてあるお金、全然減ってないじゃん」

兄「ああ。何か外食とか出前とか面倒くさいから」

母「どうしてるのよ? 毎晩の食事」

兄「適当に冷凍食品とかコンビニとか」

母「それじゃダメでしょう。よし、まだ少し時間に余裕があるし妹を起こして」

兄「いやいやいや。あいつ昨日学祭の実行委員の仕事でへとへとになってたから、眠らせてやった方が」ドキ

母「・・・・・・そう? じゃあ、あんたが妹に言っておきなさいよ? コンビニ連続はNGだから」

兄「わかったよ。伝えておくから」

母「材料買ってきて妹が作ったっていいんだけど」

兄「・・・・・・一応、伝えておくけど。あいつの料理の下手さは母さんも知ってるだろ」

母「まあ、そうね。とにかくバランスいい食事しなさいよ?」

兄「わかったって」

母「じゃあね」




229: NIPPER 2011/12/22(木) 22:37:52.83 ID:67AxmvE6o

兄「・・・・・・もういいかな」

兄ドキドキ


コンコン


妹「・・・・・・誰?」

兄「俺。母さん仕事行ったよ」


ガチャ


兄(うわ!)ドシン

兄(妹が抱きついてきた)

妹「お兄ちゃん」ダキ

兄「うん。もう大丈夫だよ」ギュ

妹「・・・・・・お母さん、あたしたちのこと何か気がついてなかった?」

兄「大丈夫だ。昨日のおまえの声も聞かれてなかったっぽいし(まだ裸だこいつ)」ギュー

妹「・・・・・・お母さんもう出かけたの?」

兄「うん」

妹「よかった。入って」

兄(・・・・・・もうだめだ)

妹「お兄ちゃん?」

兄(もういろいろと限界だ)

兄「ちょっと待て」

妹「・・・・・・え?」

兄「ちょっとだけ話させてくれ」

妹「う、うん」

兄「ちゃんと言わせてくれ。この家には二人きりだから大丈夫」

妹「・・・・・・どうしたの」

兄「俺さ」

妹「うん」

兄「おまえのこと・・・・・・女としてしか見られねえ」

妹「・・・・・・え」

兄「おまえへのこと、実の妹じゃなくて一人の女としか見られねえ」

妹「お兄ちゃん・・・・・・」

兄「俺、おまえのこと好きだ、愛してる。おまえを俺のものにしたい」

妹「・・・・・・」

兄「おまえと最後まで、その、セ、セックスだってしたい」

妹「・・・・・・」

兄「お、俺の彼女になってくれ(・・・・・・ついに言っちまったよ、俺)」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・」

妹「お兄ちゃん」

兄「・・・・・・うん」




237: NIPPER 2011/12/23(金) 20:33:24.07 ID:ZBsIgh+zo

妹「・・・・・・お兄ちゃん?」

兄「・・・・・・」

妹「お兄ちゃんの顔、何か怖い」

兄「ああ、ごめんな。緊張しているせいだ」

妹「・・・・・・・裸で廊下にいると寒い」

兄「え」

妹「あたしの部屋、暖房つけたから」

兄「あ、ああ」

妹「とにかくあたしの部屋に入って」

兄「うん」

妹「・・・・・・エアコンついててもこの格好だとまだ寒いかな」

兄「・・・・・・」

妹「あ、そうだ。ベッドに入って毛布にくるまればいいんだ」

兄「・・・・・・普通に服着ればいいんじゃないか?」

妹「それはそうだけど・・・・・・。何かつまんないし」

兄「な、何が?」

妹「何でもない。お兄ちゃん?」

兄「うん」ドキドキドキドキ

妹「・・・・・・あたしもね、お兄ちゃんのこと好きだよ」

兄「うん(だから! どういう意味で好きなのかが問題なんだよ)」

妹「お兄ちゃんのこと彼氏より好きって言ったよね」

兄「・・・・・・うん」

妹「それに」

妹「あたしがお兄ちゃんに身体触られるのを嫌がってないんだから」

兄「・・・・・・」

妹「それだけじゃだめなの?」

兄「・・・・・」

妹「お兄ちゃん?」

兄「・・・・・・おまえさ」

妹「うん」

兄「全然俺の質問に答えてねえじゃん」

妹「そうかな」

兄「そうだよ! 俺のことどういう意味で好きなのかって聞いてるんだよ」

妹「だから、彼より好きだって」

兄「おまえの彼氏のことなんかどうでもいいよ。俺はおまえが何を考えているのか知りたいんだよ!」

妹「お兄ちゃん・・・・・・」

兄「・・・・・・俺はおまえの全部が欲しいんだよ。おまえが何を考えているのか全部知りたいんだ」

兄「おまえの全てを理解したいんだよ! 俺の言ってること変か?」




238: NIPPER 2011/12/23(金) 20:33:55.13 ID:ZBsIgh+zo

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・頼むから教えてくれよ。おまえが何を考えてるのか。俺のこと本当はどう考えてるのか」

妹「お兄ちゃん・・・・・・」

兄「おまえが何で俺のベッドで一緒に寝ようとするのか。何で俺に身体を触らせるのか」

妹「・・・・・・」

兄「このままじゃ、俺どうしていいかわかんねえよ」

妹「・・・・・・ごめんね」

兄「え」

妹「混乱させてごめんね」

兄「・・・・・・」

妹「お兄ちゃんの言ってること、別に変じゃないよ」

兄「・・・・・・そうか。変じゃなくてよかった」

妹「お兄ちゃんのこと好きだけど」

兄ドキ

妹「でも、もう少し待って」

兄「・・・・・・どうして」

妹「もう少し待って」

兄「わかんねえよ。おまえ、俺のベッドで一緒に寝たり裸の体触らせたりキスしてきたり・・・・・・」イラ

妹「嫌だった?」

兄「嫌なわけねえだろ。でも、俺だってそこまでされたら何か期待しちゃうだろ」イライラ

妹「嫌じゃないんだ・・・・・・よかった」

兄(話が噛み合わねえ)

兄「待つって、いつまでだよ」

妹「だからもう少し」

兄「もう少しっていつまでなんだよ!」

妹「お兄ちゃん」

兄「・・・・・・ああ」

妹「お母さん出かけたんでしょ?」

兄「ああ」

妹「じゃ、ベッドに入ろう。裸だと寒いし、さっきの続きして」

兄「・・・・・・」




239: NIPPER 2011/12/23(金) 20:51:20.47 ID:ZBsIgh+zo

翌日 大学構内


兄(講義に集中できない)

兄(いっそ居眠りしてる方がましだな)

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・眠れん)

兄友zzz

兄(隣でだらしない顔でいびきかいてる兄友がうらやましいよ)

兄(寝ようとしても・・・・・・あいつの顔が思い浮かぶ)

兄(あとあいつの裸身も思い浮かんでいるけど)

兄(本当に何考えてるんだろうな、妹のやつ)

兄(・・・・・・ずっと兄貴が好きでようやく俺とイチャイチャできるようになった)

兄(なんていう単純なことじゃなさそうだもんな)

兄(第一、クズの彼氏と別れようとする気配もないし)

兄(あんなやつのどこがいいんだ。いっちょまえに俺に嫉妬しやがって)

兄(妹はあいつにはまだ何も許してないって言ってたな)

兄(俺にはあそこまではさせてるし)

兄(あいつも、彼氏より俺の方が好きだとも言ってた)

兄(じゃあ、何で俺の女になってくれないだ)

兄(やはり・・・・・・禁断の関係になるからか? だから昨日もあそこまでしといて、最後まで許してくれなかったのかな)

兄(少し前まで妹のことなんて考えたことなかったのに、最近じゃいつでも考えるのは妹のことばかり)

兄(・・・・・・いっそ下宿でもして妹から離れてしまうか)

兄(俺が身近にいなくなったら、俺への気持ちを再確認するかもしれないし)

兄(うん。妹を寂しがらせるのも効果的かもな)

兄(だいたい俺って女性経験ないから、駆け引きとかって出来ないもんな。少しそういうこともした方が)

兄(・・・・・・本当に妹相手にこんなことばっかり考えている兄って)


ブルルルル


兄(メールだ。妹かな)パカ

兄(妹友ちゃんからか・・・・・・)ズキ


from:妹友
sub:さっき妹ちゃんとお話しました

兄(あ・・・・・・忘れてた)ドキ




242: NIPPER 2011/12/23(金) 21:42:40.91 ID:ZBsIgh+zo

『学園祭の時はありがとうございました。お兄さんと別れてからもお兄さんのことを考えるとドキドキしちゃって(笑)、友だちからも何ぼうっとしてるのよとかって言われました(汗)後夜祭の
フォークダンスも去年は踊ったんですけど、今年はお兄さんと付き合うことになったその日にお兄さん以外の男の子に手を握られるが嫌だったので、輪の外で見学してました。その間中、お兄さん
とお話したことが思い浮かんでニヤニヤしちゃって・・・・・・他の生徒には一人でにやにやしている気持ち悪い女がいるって思われてたんじゃないかと思います』


兄(・・・・・・)


『それで、さっきお昼休みに妹ちゃんとお話ししました。妹ちゃんを呼び出して、あたしがお兄さんに告白したこと、お兄さんがあたしを受け入れてくれたことを話したのです。最初は妹ちゃんは
無表情であたしは少し不安になったのですけど、しばらくして妹ちゃんはにっこりして。あたしの手を握ってくれて、お兄ちゃんの彼女が妹友でよかったって言ってくれました。それで、お兄ちゃんのことよろしくねって、言ってもくれたのです。その後、彼氏先輩に呼ばれた妹ちゃんはあたしの手を離して先輩のところに駆けていってしまいましたけど』


兄(・・・・・・)


『妹ちゃんにとってお兄さんはすごく大切な存在であることは、あたしにも前からわかってました。学校でもいつもお兄さんの話をしてたし・・・・・・でも、これは昨日お話しましたね。その大切なお
兄さんを奪っていく(汗)あたしに、妹ちゃんはあたしでよかったって言ってくれたのです。本当に嬉しかった。お兄さん、これからも妹ちゃんに優しくしてあげてね。』


兄(・・・・・・)


『これで今日の報告は終わりです。お兄さん、愛してます。こんなことメールで言うことじゃないかもだけど、本当の気持ちです。今度はいつ会えますか?時間があったら電話かメールしてくださいね(はあと)』


兄(胸が痛い・・・・・・・)

兄(妹友ちゃんを裏切ったこともそうだけど)

兄(・・・・・・妹が俺と妹ちゃんが付き合うことをよかったって言ったのか)

兄(わかんねえ)

兄(全然わかんねえ)

兄(・・・・・・)




243: NIPPER 2011/12/23(金) 21:43:57.69 ID:ZBsIgh+zo

自宅 夜


兄「ただいま」

シーン

兄(妹、まだ帰ってないのか)

兄(・・・・・・こんだけ落ち込んでいるのに、妹に会いたくてまっすぐ帰ってきた俺って)

兄(親父とお袋は今日もいないんだったっけ)

兄(今日の飯はどうななってるんだろう?)

兄(とりあえず着替えるか・・・・・・って、あ)

妹「・・・・・・」

兄「ただいま」

妹「・・・・・・お母さんたち、今日遅くなるって。電話のとこにお金置いてあるからそれで適当に夕食すませてだって」

兄「どうする?」

妹「・・・・・・何が?」

兄「何がって、夕食どうすんだ? ファミレスでも行く?」

妹「あたしは彼氏とでかけるから。お兄ちゃんは好きなようにして」

兄「・・・・・・おまえ、あいつとは夜でかけるのやめたんじゃなかった?」

妹「・・・・・・」

兄「今夜は俺の部屋に来ないのか」

妹「行かない」




244: NIPPER 2011/12/23(金) 21:44:37.53 ID:ZBsIgh+zo

ピピピピピ


妹「はい。ああ、あたし。」

兄(・・・・・・)

妹「わかってる、着替えたらすぐ出かけるから。いつものカラオケだよね?」

兄(・・・・・・彼氏か)

妹「じゃ、あとでね」

兄「あいつから?」

妹「・・・・・・少し出かけるから。お母さんには黙ってて」

兄「何で」

妹「・・・・・・」

兄「何でだよ! 俺のこと嫌いになったのかよ」グイ

妹「・・・・・・別に。腕痛いよ、離して」

兄ムカ「待ってろっておまえが言うから待ってるんだぞ。それなのに何であいつと会いに夜出かけたりされなきゃいけねえんだよ」

妹「・・・・・・そうだね」

兄「・・・・・何だよ」

妹「これ以上は妹友ちゃんに悪いから」

兄「あ・・・・・・」

妹「だからもうおしまいなの」

兄「ちょっと待ってくれ。話を聞いてくれよ」

妹「聞かない」

兄「俺、おまえへの気持ちに気がつく前に妹友ちゃんに告白されて、それで」

妹「・・・・・・付き合ってるんでしょ? 妹友ちゃんと」

兄「いや、付き合っているっていうか」

妹「妹友ちゃんは親友なの」

兄「だ、だから聞けって」

妹「聞かない。あと、妹友ちゃんを傷つけたらお兄ちゃんのこと許さない」

兄「妹・・・・・・」

妹「出かけてくるね。お母さんに言いつけたかったら言いつけてもいいから」

兄「・・・・・・」





妹の手を握るまで 第一部おしまい




246: NIPPER 2011/12/23(金) 21:58:46.02 ID:MQlS5S1SO

一部…だと…!?
これは大作になる予感




249: NIPPER 2011/12/23(金) 22:55:32.69 ID:x0RtsjOr0



ほんと面白いです




250: NIPPER 2011/12/24(土) 00:03:12.44 ID:3TJvJ8PBo



楽しみと不安がヤバイ




252: NIPPER 2011/12/24(土) 00:15:12.45 ID:HHiTHOmto

大学近くのアパート 夕方


兄(最近、ようやくここが自分の帰る家だと思えるようになった)

兄(最初は家具も何にもない部屋だったけど)

兄(最近では見違えるようにお洒落な部屋に)

兄(・・・・・・まあ、俺のセンスじゃないけどな)

兄(一人暮らしするまで母さんに大反対されたりとか、いろいろ大変だったけど)

兄(これで良かったのかもしれないな)

兄(・・・・・・そろそろ妹友ちゃんが来る時間かな。付き合い出して初めてのイブなのに)

兄(せっかくネットとかでお洒落なレストランとか調べたのにな)

兄(・・・・・・でも、最初のイブは俺の部屋で一緒にとか言われたら)

兄(プレゼント隠さなきゃ・・・・・・)

兄(デスクの引き出しに入れておこう)

兄(妹友ちゃんと付き合い出してから1月以上経つけど、まだキスもしてない)

兄(今日がその日なのかな? 一応、ゴムは新しく買ったけど)

兄(無理にする気はないけど、妹ちゃんがその気なら)ドキドキ

兄(今日は俺のバースデーになるかもしれん)


コンコン


兄(来た!)




253: NIPPER 2011/12/24(土) 00:15:43.47 ID:HHiTHOmto

妹の手を握るまで 第ニ部

一応、スレの>>2の注意書きを再掲しときます


オリジナルSSで非エロ、もどかしさやムズムズ感しか感じられないSSになるかもしれませんが、それでもよければご覧ください
あと、更新は遅いと思いますのであらかじめご了承ください




254: NIPPER 2011/12/24(土) 00:17:51.96 ID:HHiTHOmto

?「おい、早く開けろ。イケヤマがわざわざ沖縄から来てくれたんだぞ」

兄(え? 兄友。いったい何で今日俺の部屋に来る)

兄友「イブだっつうのにやっぱり家にいたか。酒とつまみ買ってきたから飲み会しようぜ」

兄「イケヤマいるの?」

イケヤマ「久しぶりだね、兄」


ガチャ


兄「おー。こないだ居酒屋で飲んだとき以来じゃんか。元気だったか」

イケヤマ「まあな。年末は実家で過ごそうと思って帰ってきたんだけどさ」

兄友「イブの日に帰ってくるところがおまえらしいよな。よく彼女も怒らなかったもんだ」

イケヤマ「まあ、いろいろあってな」

兄友「まあとにかくさ。イケヤマも帰ってきたことだし、兄んちで飲み会やろうぜ」

兄「・・・・・・ああ、悪い」

兄友「え?」

兄「今日はさ。そのダメなんだわ」

兄友「・・・・・・おまえまさか」

イケヤマ「彼女とイブのデートか?」

兄「デートとかじゃねえんだけどさ」

兄友「じゃ何だよ」

兄「今日は彼女がここに来るんでさ」

兄友「・・・・・・おい」

兄「うん?」

兄友「てめえ、いつのまに彼女とか作ってんだよこの野郎」

兄「いつの間にって・・・・・・ここに引っ越す直前だけどさ」

イケヤマ「おう〜。やっと兄にも彼女ができたのか」

兄「何その上から目線。ま、まあそうなんだけどよ」

兄友「・・・・・・」

兄「兄友?」

兄友「てめえ、親友を裏切りやがって」

兄「裏切るって何だよ。おまえには最愛の妹がいるじゃねえか(妹・・・・・・)」ズキ

兄友「・・・・・・それがさ。今日は妹とと親密に過ごすはずだったのによ」

イケヤマ「何かあったのか」

兄友「・・・・・・あいつ、高校の同級生のパーティーがあるからって」

兄「ほう」

兄友「ほうじゃねえ! イブは妹と過ごす予定だったのに」

イケヤマ「ま、それじゃしょうがないな。兄も彼女と予定があるみたいだし、兄友と俺と二人寂しく居酒屋でも行くか」

兄「悪いな、せっかくイケヤマが来てくれたのによ」

イケヤマ「いや。こんな日に突然押しかける方が悪いしな。気にするな」


妹友「あ、あの」

兄「あ。妹友ちゃん」




255: NIPPER 2011/12/24(土) 00:20:54.06 ID:HHiTHOmto

イケヤマ「ごめんね。え〜と、妹友ちゃんだっけ」

妹友「あ、はい」

イケヤマ「兄のことだからどうぜイブはボッチだろうと思って押しかけちゃって」

妹友「い、いえ。こちらこそお友だちが集まってるところにごめんなさい」

イケヤマ「いやあ。じゃ、そろそろどっかに飲みに行くか。おい、兄友行くぞ」

兄友「はいはい。じゃ、兄。酒とつまみはカンパしてやるからな。店には持ち込めねえし」

兄「恩着せがましく言うなよ。連絡もなしにこんな日に来るほうが悪い」

兄友「てめえが彼女が出来たって言わねえからいけねえんだろ」

兄「俺のせいかよ」

イケヤマ「まあまあ。じゃ、兄、またな」

兄「おう。沖縄の彼女によろしくな」

イケヤマ「おう、言っておくよ・・・・・・兄友、行くぞ」

兄友ブツブツ


兄「何か悪いな。やっと二人きりになれたね」

妹友「いえ。初めてお兄さんのお友だちに会えたし、何か嬉しかったです」

兄「妹友ちゃん・・・・・・」

妹友「お兄さん」

兄ダキ

妹友「・・・・・・あ」ギュ

兄「・・・・・・本当にレストランとかじゃなくてよかったの?」

妹友「うん。初めてのイブだし、お洒落な店とかより本当に二人きりになれる場所の方がよかったから」

兄「妹友ちゃん」ダキ

妹友「あ・・・・・・だめです、お兄さん。お料理とかケーキとか支度しなきゃ」ジタバタ

兄「そか。悪い。手伝うよ」

妹友「・・・・・・それもダメ。お兄さんはそこに座っていてくださいね。すぐできますから」

兄「あのさ」

妹友「はい?」

兄「あのさ、いつまで俺のことお兄さんって呼ぶのかな」

妹友「ああ。やっぱり気になりますか」

兄「兄って名前で呼び捨ててくれた方がいいな」

妹友「じゃあ、あたしのことは?」

兄「え?」

妹友「いつまでちゃんを付けて呼ぶ気ですか」

兄「・・・・・・妹友」

妹友「・・・・・・兄」

兄「なんか恥ずかしいな」

妹友「ふふ。すぐ慣れますよ」




270: NIPPER 2011/12/24(土) 20:26:28.53 ID:HHiTHOmto

兄(妹友ちゃん・・・・・いや。妹友が俺の部屋で料理の支度してる光景にも慣れてきた)

兄(今日はイヴ。多分だけど、今までお預けだった妹友ちゃんとのセックスも・・・・・・)

兄(今日はできるんだろうな。俺、童貞なのに何でこんなに冷静なんだろ)

兄(原因は・・・・・・。わかってるけど考えちゃいけないことで)

兄(・・・・・・今日はイヴ)

兄(妹も彼氏と)

兄(・・・・・・また妹のこと思い出した。俺、妹友ちゃ、妹友と付き合い出してから彼女一筋なのに)

兄(・・・・・・)


回想

妹「これ以上は妹友ちゃんに悪いから」

兄「あ・・・・・・」

妹「だからもうおしまいなの」

回想終了


兄(妹・・・・・・)


回想

兄「俺、おまえへの気持ちに気がつく前に妹友ちゃんに告白されて、それで」

妹「・・・・・・付き合ってるんでしょ? 妹友ちゃんと」

兄「いや、付き合っているっていうか」

妹「妹友ちゃんは親友なの」

兄「だ、だから聞けって」

妹「聞かない。あと、妹友ちゃんを傷つけたらお兄ちゃんのこと許さない」

兄「妹・・・・・・」

妹「出かけてくるね。お母さんに言いつけたかったら言いつけてもいいから」

兄「・・・・・・」

回想終了


兄(あの日、本当に妹とは終っちゃったんだ)

兄(もう1月以上妹と会ってない)

兄(・・・・・・俺、一人暮らし始めて妹のこと吹っ切ろうと)

兄(でもいつも妹のことをうじうじと考えてて)


回想

妹「聞かない。あと、妹友ちゃんを傷つけたらお兄ちゃんのこと許さない」

回想終了


兄(本当いい加減あいつのことは忘れないと)

兄(妹友にも悪いしな)




271: NIPPER 2011/12/24(土) 20:29:18.38 ID:HHiTHOmto

妹友「準備できましたよお兄さん」

兄「・・・・・・お兄さんって」

妹友「あ、間違えた。兄だった」

兄「俺、呼び方のことで変なこと言ちゃったけどさ。無理しなくてもいいよ、妹友」

妹友「・・・・・・無理じゃありません! ちょっと間違えただけじゃないですか」

兄「はいはい」

妹友「・・・・・・お兄さん、意地悪です」

兄「ほら、また」

妹友「あ、いけない」

兄「・・・・・・」

妹友「・・・・・・」

兄「・・・・・・ははは」

妹友「ふふふ」

兄「まあ、呼び方なんて自然に任せて少しづつ変えていけばいいのかもな」

妹友「そうですね・・・・・・お兄さん。あ、やっぱりこっちの方が自然だ」

兄「さっきのことは忘れて。お兄さんでいいよ」

妹友「あ、はい。でも」

兄「うん?」

妹友「せっかくだからお兄さんは、あたしのこと呼び捨てしてくださいね?」

兄「ええ〜。俺だけ?」

妹友「はい。妹友って呼ばれた方が、本当にお兄さんのものになったみたいで安心します」

兄「安心って何だよ。まあ、別にいいけど」

妹友「はい」

兄「・・・・・・妹友」

妹友「あ・・・・・・」

兄「妹友? どうした(真っ赤になった。やべえ、楽しい」

妹友「な、何でもない」

兄「でも、妹友の顔、真っ赤だよ」

妹友「・・・・・・」

兄「妹友?」

妹友「お兄さんの意地悪。絶対面白がって呼んでるでしょ」

兄「・・・・・・可愛いよ、妹友」ギュ

妹友「あ・・・・・・・」




272: NIPPER 2011/12/24(土) 20:31:14.24 ID:HHiTHOmto

兄・妹友「メリークリスマス! 乾杯」

兄「妹友、この豪華な料理ってどこで買ってきたの?」

妹友「途中でデパ地下とかで買ったのもありますけど」

兄「うん」

妹友「だいたいは、今朝から自宅で料理したのを持ってきました」

兄「え? すげえ。これ妹友が自分で作ったのか」

妹友「だから全部が自作じゃないし、ママとかお姉ちゃんにも手伝ってもらって」

兄「でも、すごいな」

妹友「・・・・・・最初のイヴだし」

兄「妹友?」

妹友「付き合いだして最初のイヴだし、お兄さんにはあたしの手作りの料理を食べてもらいたくて」

兄「でもさ、今までだってここで料理作ってくれたじゃん」

妹友「でも今日は特別な日だし」

兄「そうか・・・・・・そうだね。じゃあ、いただきます」

妹友「あたしが取ってあげますね」

兄「ありがとう。美味しそう」パク

妹友「・・・・・・どうですか」

兄「うんおいひいお」モグモグ

妹友「よかった」

兄「美味しい美味しい」パクパク

妹友クス

兄「あ、悪い。俺ってムードとかなくてごめんな」

妹友「いいえ。お兄さんに喜んでもらえて嬉しいです」

兄「妹友ちゃんは食べないの? 何か俺ばっかり食べてるじゃん」

妹友「じゃ、食べますね。あ・・・・・・口の端にチキンがついてますよ」ヒョイパク

兄「お、おい」

妹友「うん。我ながらいい出来♪」モグモグ

兄(幸せってこういうことを言うのか)

兄(・・・・・・まったりと心安らかに過ごすイヴ)

兄(何を考えているのかわからない妹を相手にいらいらしたり欲情したりした時とは、全く違うな)

兄(心底から落ち着くわ)

兄(俺なんかをよく好きになってくれたよな、妹友みたいな可愛い子が)

兄(・・・・・・大切にしなきゃ)


回想

妹「聞かない。あと、妹友ちゃんを傷つけたらお兄ちゃんのこと許さない」

回想終了


兄(そうだな)

兄(もう後戻りできないんだもんな・・・・・・)




279: NIPPER 2011/12/24(土) 22:34:49.24 ID:HHiTHOmto

妹友「何それ? おかしい〜」

兄「いや、本当だって。うちの大学って結構変なサークルあるんだよな」

妹友「でも、今時ナンパサークルってあり得ないでしょ」

兄「まあね。でさ、妹友はこれまでナンパとかされたことある?」

妹友「普通にありますよ。まあ、あたしは妹ちゃんのおまけみたいなものでしたけど」

兄「(妹が・・・・・・)あ、あるんだ。どうだった?」

妹友「どうって・・・・・・。そりゃ、悪い気はしないけど。ちょっと怖いし。あと、妹ちゃん可愛いから心配だし」

兄「うん」

妹友「だから、いつも逃げてました。それに彼氏先輩がいると誰も妹ちゃんには声かけられないですしね」

兄「・・・・・・そうか」

妹友「お兄さんはナンパとかしたことあるんですか?」

兄「ねえよ。そんな度胸ないし、自分に自信もねえし」

妹友「ですよね」クスクス

兄「・・・・・・俺のことからかってる?」

妹友「知りません」ツン

兄「(今がその瞬間だ)あ、あのさ」

妹友「はい」

兄「えとさ。ちょっと」ガサガサ

妹友「・・・・・・」

兄「これ。ダサいかもしれないけど、プレゼント」

妹友「あ・・・・・・嬉しいです」

兄「い、いや」

妹友「開けていいですか」

兄「うん。期待し過ぎないでね」

妹友ガサゴソ「あ。可愛い」

兄「そ、そう?」

妹友「すごく素敵なペンダント・・・・・・大切にしますね」グス

兄「いや、泣くほどの物じゃ」

妹友「お兄さん・・・・・・」ダキ

兄「妹友」ギュ

妹友「じゃあ、お兄さん。これも開けてください」

兄「ありがと」ガサガサ

妹友「・・・・・趣味じゃなかったらごめんなさい」

兄「すげえ。俺、今までキャラクターが描いてない筆箱ってもったことないや。これ、革でできてるじゃん」

妹友「お兄さんもいい大学にいるんだし、そろそろこうゆうの持っててもいいと思いますよ」クス

兄「ありがと。講義に持っていくね。でも、高かったでしょ? これ」

妹友「そんなこといいんです。お兄さんが喜んでくれて嬉しい」

兄「妹友・・・・・・」




280: NIPPER 2011/12/24(土) 22:36:00.02 ID:HHiTHOmto

4時間後


妹友「もうこんな時間ですね」

兄「・・・・・・うん」ドキ

妹友「お兄さんと一緒にいると何ですぐに時間が経っちゃうんだろ」

兄「そうだな(やっぱり今日も帰っちゃうのかな)」

妹友「そろそろ帰らないと、終電無くなっちゃいますね」

兄「そうだね・・・・・・(駄目か。ちょっとだけお泊りを期待してたんだけど)

妹友「・・・・・・もっとお兄さんと一緒にいたいな」

兄「俺も」

妹友「早く受験したいなあ。それで、お兄さんと一緒に、同じ大学のキャンパスで過ごしたいです」

兄「うん。あ、俺さ。今日は酒飲んでないから車で送って行くよ(今日は諦めるか。妹友は俺の彼女なんだからそんなに焦ることねえしな)」

妹友「・・・・・・嬉しいですけど。でも」

兄「どしたの?」

妹友「・・・・・・ここで朝までお兄さんと一緒にいられればいいのに」ポツ

兄「・・・・・・うん(な、何て言やいいのかわかんねえ)」

妹友「・・・・・・お兄さん」

兄「な、何? 妹友」

妹友「あたし、今日ここに泊まったら駄目ですか?」

兄「(!!!!!)い、いや。駄目じゃねえけどさ。親とかどうすんだよ」

妹友「・・・・・・そうですよね」

兄「・・・・・・そうだよ」

妹友「これは最後の手段だと思っていたんですけど」

兄「(な、何だ)う、うん」

妹友「妹ちゃんに頼っちゃってもいいですか」

兄「(え)頼るって」

妹友「・・・・・・うちの両親には妹ちゃん、すごく信用されてますから」

兄「うん」

妹友「本当に今日、ここに泊まってもいいですか?」

兄「うん、もちろんだけど・・・・・・。でも親とか平気なの?」

妹友「ちょっと電話しますね」

兄「え?」




281: NIPPER 2011/12/24(土) 22:38:15.88 ID:HHiTHOmto

妹友「あ、ごめんね。イヴで楽しんでる最中に。あたし、妹友だよ」

妹友「そうか。先輩と仲良くやってるんだ・・・・・・」

妹友「あ、うん。お兄さんの部屋に二人でいるとこ。でさ」

妹友「・・・・・・妹ちゃん?」

妹友「妹ちゃん、どうした? 急に黙っちゃって」

妹友「・・・・・・大丈夫? うん、そか。よかった」

妹友「すごく言いづらいんだけど、口裏合わせてもらえないかな?」

妹友「だから、今説明するって」

妹友「そのさ。ちょっと頼みづらいんだけど」

妹友「今日は、妹ちゃんの家でお泊りパーティーしてたことにしてくれないかな」

妹友「あ、うん。うちの親って必ず先方のお家にお礼言わないとって名目で確認するから」

妹友「え? ああ」

妹友「・・・・・・妹ちゃん、何でそんなこと聞くの?」

妹友「うん・・・・・・本当にお兄さんのこと大好きだよ。だから今日はお兄さんのアパートに泊まりたいの」

妹友「・・・・・・だめ?」

妹友「ありがと! 妹ちゃん」

妹友「うん。お兄さん、隣で電話聞いてるけど・・・・・・電話替わる?」

兄(え? 妹と話するのか)ドキ

妹友「いいの? 本当にいいの? じゃあ、悪いけどお願い」

妹友「あたし、これから家に電話するから」

妹友「本当にありがとね、妹ちゃん」

妹友「うん、うん。じゃあね」




282: NIPPER 2011/12/24(土) 22:40:59.01 ID:HHiTHOmto

妹友「・・・・・・」ピポパポ

兄「・・・・・・今の電話って、もしかして妹にかけたの?」

妹友「ちょっと黙っていてください、お兄さん」

兄「・・・・・・はい」


妹友「お母さん? あたし。今日さ、みんなで妹ちゃんのところにお泊りでパーティーしようってことになって」

妹友「だから、急にそういう話になったの! 前もって言わなかったのは悪いけど」

妹友「うん。迷惑じゃないって。女の子だけだしね」

妹友「うん、そうして。明日妹ちゃんの家に電話してお礼を言っておいてね」

妹友「じゃあ、妹ちゃんちに今日は泊まるから」

妹友「じゃあね」

妹友「今日、泊まってもいいって。お母さんが」

兄「そら、妹のとこに泊まってもいいって意味でしょ」

妹友「大丈夫。妹ちゃん、お母さんから電話があっても話を合わせてくれるって言ってました」

兄「・・・・・・あのさ」

妹友「はい」

兄「その、妹は俺たちのこと何か言ってた?」

妹友「妹ちゃん、あたしがお兄さんのアパートに泊まるの気に入らないのかなあ」

兄「妹が何か言ったのか?」ドキドキ

妹友「言ったというか、あたしがお兄さんのアパートにいるって言ったら急に黙ゃって」

妹友「それで、あんた本当にお兄ちゃんのこと裏切らないでしょうね? って聞かれて」

兄(何だそれ)

妹友「だから、お兄さんのこと本当に大好きって言ったんですね」

兄「あ、ああ」

妹友「そしたら、それなら協力してあげるって」

兄「そうか」

妹友「妹ちゃんと先輩の邪魔しちゃいましたけど」

兄「うん」ムカ

妹友「お兄さんと一緒にいるためなら後悔してません」ヨリソイ

兄「・・・・・・え」ドキ

妹友「お兄さん、抱いて」ダキツキ

兄「妹友・・・・・・(え、え。思ってたとおりの展開になるの?)」ギュ

妹友「お兄さん、好きです」

兄「・・・・・・いいの?」

妹友コク




287: NIPPER 2011/12/25(日) 19:25:00.44 ID:k8SczpS7o

翌朝


兄(・・・・・・俺の横にいる柔らかい可愛い生き物は)

兄(こういうリア充的な朝を迎えるのは2度目だけど、今回は妹じゃなくて妹友・・・・・・)

兄(俺の彼女。妹友なんだよな)

兄(よく寝てるな)

兄(そういや、妹と一緒に朝を迎えた時は、あいつ寝た振りしてたんだよな)

兄(・・・・・・何でここで妹を思い出すんだ、俺は)

兄(昨日は童貞を捨てた記念日か。童貞の俺でも無事に妹友を女にできた)

兄(昨日の妹友の反応、可愛かったなあ。それに声も大きいし積極的だし、普段のきちんとした妹友とは別人みたいだった)

兄(控えめな小さな声を時たま漏らすだけで、身動もきしない妹とは大違いだ)

兄(・・・・・・まあ、どっちが好みかというとそれは)

兄(って何を比べてるんだ俺は)

兄ジー

兄(・・・・・・やっぱり可愛いな、妹友)

兄(妹と違って出るところは出てるし)

兄(締まるとことは締まってるし、ある意味女の子の理想的な体型だな)

兄(・・・・・・妹はひたすら細い体だったけど、よく言えばスレンダーっていうか)

兄(・・・・・・まあ、どっちが好みかというと)

兄(だから、いい加減に妹と妹友を比べるのは止めろって)

兄(つうかもう妹とはそういうことをすることはないんだから)

兄(そう考えるとあの時の記憶は貴重かも。忘れないようにしないと)

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・だからそうじゃねえだろ、俺)

兄(冷静に考えればあんなの黒歴史確定ものの出来事じゃねえか)

兄(まあ、妹には無事振られたことだし、これからは妹友一筋で)

兄ジー

兄(うん。何回見ても可愛い。しかも・・・・・・)

兄(妹友って、優しくて思いやりがあって礼儀正しくて)

兄(・・・・・・よくこんな子が俺のこと好きになってくれたよな)

兄(ついこないだまでは、一生童貞で過ごす覚悟を決めようとまでしていたのに)

兄(よく考えれば妹友と知り合えたのも妹つながりでだもんな)

兄(俺の身の回りって、最近急展開すぎるよな。いくらなんでもそろそろ落ち着かなきゃな)




288: NIPPER 2011/12/25(日) 19:27:42.59 ID:k8SczpS7o

妹友「うーん」ノビ

兄「おはよ」

妹友「あ」ニコ

兄「よく寝てたね」

妹友「おはようございます、お兄さん」チュ

兄「不意打ち過ぎるじゃんか」ドキドキ

妹友「嫌でした?」

兄「そんなわけないじゃん。妹友のこと好きだし」

妹友「あたしも、って。あ」

兄「どしたの?」

妹友「・・・・・・あたしたち、あの後そのまま寝ちゃったんですね」

兄「う、うん。ごめん」

妹友「何で謝ってるの?」

兄「い、いやその。そんなには妹友の裸見てないから」

妹友「今更、何言ってるんですか。お兄さんになら全然気にならないですよ」クス

兄「う、うん」

妹友「それに昨日は・・・・・・」




289: NIPPER 2011/12/25(日) 19:28:12.37 ID:k8SczpS7o

妹友「・・・・・・」カァ

兄「(顔真っ赤だ。可愛い)ごめん。俺初めてだったから、下手だったでしょ」

妹友「あたしだって初めてだし。上手とか下手とかわからないです」

兄「それはそうだね」

妹友「はい。でも・・・・・・」

兄「うん」

妹友「思ってたより痛くなくて」

兄「うん」

妹友「とっても素敵でした。お兄さん?」

兄「うん」

妹友「愛してます。ずっと一緒にいてね」スリスリ

兄「もちろん。愛してるよ」ダキ

妹友「妹ちゃんに感謝しなきゃ」

兄「え」

妹友「正確に言うと妹ちゃんのブラコンに、かな」

兄「な、何でだよ」

妹友「だって、妹ちゃんが毎日学校でお兄さんの話ばかりしてて」

兄「・・・・・・そう言ってたね」

妹友「はい。それでその話を聞いているうちに、何となくお兄さんのことが気になるようになったわけですし」

兄「そうか」

妹友「それに昨日だってアリバイ工作を引き受けてくれたし。昨日お兄さんと結ばれたのは妹ちゃんのおかげです」

兄「・・・・・・」

妹友「妹ちゃんにお礼言わないとね。お兄さんからもですよ」

兄「え? 俺が?」

妹友「はい」

兄「・・・・・・うん(それ絶対無理)」




290: NIPPER 2011/12/25(日) 19:40:26.32 ID:k8SczpS7o

兄「さて、天気もいいしイヴは部屋で過ごしちゃったから、これからどっかに遊びに行かない?」

妹友「うーん。どうしようかなあ」

兄「え?(外出するの気が進まないのかな)」

妹友「何か今日は人がいるところに出かけるより、二人きりでいろいろなお話をしていたい気分」

兄「(か、可愛過ぎだろ)じゃあ、今日も部屋にいる?」

妹友「そうですねえ・・・・・・あ、そうだ」

兄「うん」

妹友「お兄さんさえよかったら、車出してもらえませんか」

兄「俺の軽でよければ」

妹友「ドライブしませんか。前に妹ちゃんがお兄さんにドライブに連れって行ってもらたって言ってましたけど」

兄「ああ」

妹友「その話聞いた時、あたしすごくうらやましくて。妹ちゃんに何度もいいなあって言っちゃって」

兄「そんなにうらやましかったの? 江の島とか行って飯食って帰ってきただけだよ」

妹友「だって妹ちゃんの話、ロマンティックでしたよ。海辺で大好きなお兄ちゃんに黙って寄り添う妹ちゃん」

兄「はい?(そんなことされたっけ? 車中で俺に寄りかかってはきたけど、黙ってっていつもどおり無口だっただけじゃん)」

妹友「突然の海風で手元から飛ばされた妹ちゃんのハンカチ。それを慌てて追いかけるお兄さん」

兄「何の話だ」

妹友「吹き飛ばされたハンカチを追って砂浜を駆けるお兄さんを、微笑んで見守る妹ちゃん。ああ〜、いいなあ」

兄「・・・・・・俺、記憶障害でもあるのかな」

妹友「行きましょ? お兄さん」

兄「・・・・・・うん」

妹友「あたしも江の島に行きたいなあ。展望タワーがライトアップしてるんですって」

兄「じゃ、でかけるか」




291: NIPPER 2011/12/25(日) 19:49:46.43 ID:k8SczpS7o

兄「アパートの鍵閉めてっと。あ、そうだ」

妹友「どうしました?」

兄「はい。これ・・・・・・よかったら持っててよ」

妹友「これって・・・・・・」

兄「この部屋の予備の鍵。もし嫌じゃなかったら」

妹友「・・・・・・」

兄「妹友?」

妹友「お兄さん・・・・・・大好き」ギュ

兄「うん(手を繋いでくれた)」

妹友「じゃ、でかけましょう♪」

兄「うん」


ドライブ中


兄「今日は天気いいな」

妹友「本当。晴れてると景色が綺麗に見えますね」

兄「途中で高速降りて海辺の国道に入ると、もっといいい景色になるよ」

妹友「楽しみだなあ。あたし男の人と二人でドライブするの初めてです」

兄「お父さんとかは?」

妹友「ああ、それならあるけど。でも、お父さんは家族だし。ドライブとかじゃなくて用事があって車に乗ってるだけだし」

兄「まあそうだよね。俺も家族以外の女の人と二人でドライブするの初めてだよ」

妹友「つい最近、妹ちゃんとドライブデートしたくせに」ツン

兄「だからら家族以外でって言ったじゃん」

妹友「あ、そうか。妹ちゃんってお兄さんの妹でしたね」

兄「・・・・・・何わけのわからないこと言ってるの」

妹友「わけわからなくないですよ。あたしね」

兄「うん」

妹友「お兄さんと妹ちゃんを理想のカップルだって考えていたんですね。妹ちゃんがお兄さんの悪口ばっかり言ってた頃から」

兄「はあ?」

妹友「だから、自分が妹ちゃんの席に座れるなんて思ってもいなかった」

兄「そんな大げさな。つうか、妹友が今座ってるのは妹の席じゃねえよ」

妹友「・・・・・・うん」

兄「妹の席は俺の妹っていう家族の席だけど、妹友の席は俺の彼女の席だし」

妹友「ありがとうお兄さん。嬉しい」

兄「うん」

妹友「そうですよね。あたし、妹ちゃんをお兄さんから引き剥がしたんじゃなくて、新しい席を作ってもらってそこに座ったんですよね」

兄「引き剥がすって・・・・・・何の話?」

妹友「少し気が楽になりました。お兄さんと付き合いだしてから、いつも妹ちゃんに対して微妙に罪悪感を感じてたので」

兄「ごめん。よくわからない」

妹友「さて。昨日のお礼と報告しとこうかな。ちょっと、妹ちゃんにメールしますね」

兄「・・・・・・うん」




295: NIPPER 2011/12/25(日) 22:02:58.57 ID:k8SczpS7o


兄(やけに長いメール打ってるな。妹友、さっきからずっと携帯とにらめっこしてる)

兄(妹への罪悪感・・・・・・か。わかるようなわからないような)

兄(妹は妹友の俺への気持ちを応援してたらしいから)

兄(そう考えると罪悪感なんて感じる必要ねえよな)

兄(だけど、もし。もしもだけど、妹が俺のことを男として好きで)

兄(親友の妹友に遠慮して俺のこと諦めたとしたら。そして妹のそういう気持ちを妹友が察していたとしたら、それなら妹友が罪悪感を感じるのもわかる)

兄(客観的にみれば俺は妹に振られた状態だよな。つまり妹が自分から俺を振った。それなら妹友が罪悪感を感じる理由はないとも言える)

兄(ああ、面倒くせえ。何だかわからなくなってきた」

兄(妹のことは忘れなきゃいけないんだけど、俺と妹友の共通の知人って妹だけだし、何より妹と妹友は親友だし)

兄(妹友と付き合う限り妹の話題からは逃げられないってことだよな)

兄(・・・・・・妹友、まだメールしてるよ)

兄(あの携帯の向こう側に妹がいるのか。もう2月近く妹に会ってねえな)

兄(・・・・・・まあ、前の無関心な状態に戻っただけと思えば寂しくないさ)

兄(それに前とは違って俺には彼女がいるんだし)

兄(あ、メール打ち終わったみたいだ)

妹友「・・・・・・送信っと」ピ

妹友「ごめんなさい、お兄さんを放っておいて」

兄「いいって」

妹友「でも、妹ちゃんにはいろいろ話しておきたくて」

兄「いろいろって・・・・・・・あの、夜のこととかも?」

妹友「はい。妹ちゃんには隠し事したくないので。ダメでしたか?」

兄「そんなことはないけど・・・・・・(ますます妹と距離が広がったか。でもそれでいいんだよな)」

妹友「お兄さん?」

兄「いや。もうすぐ海が見えるよ。いいタイミングだったね」

妹友「はい。海見るのって久しぶりで」ピロリ〜ン

妹友「妹ちゃんから。返信はやっ」カチ

妹友「・・・・・・」

兄「どうした? 妹何だって?」

妹友「いえ・・・・・・、一言だけ『よかったね。そんなにあたしに気を遣わなくていいから』って」

兄「・・・・・・そんだけ?」

妹友「はい・・・・・・」

兄「何考えてるんだあいつ。妹友がせっかく長いメール送ったのに」

妹友「忙しかったんですかね」

兄「う、うん。きっとそうだよ。どうせ彼氏と一緒にいるんだろうし」

妹友「・・・・・・そうですよね。タイミング悪かったかな。今日クリスマスだし、妹ちゃんもあたし達と同じで昨日から」

兄「え?」

妹友「あ、海が見えました、お兄さん。キラキラ輝いててきれい」

兄「・・・・・・うん(妹、昨日は彼氏と)」




296: NIPPER 2011/12/25(日) 22:08:02.20 ID:k8SczpS7o

江の島


妹友「海のそばだけあって寒いですね」

兄「そうだね。そろそろお昼だけど、何食べたい?」

妹友「そうだなあ、どうしようかな」

兄「ここじゃ、クリスマスっぽいお洒落な店はないと思うけど」

妹友「そういうのは昨日食べたからもういいです。あ、そうだ。妹ちゃんと来た時は何食べたんでしたっけ」

兄「たしか。えーと、シラス丼だったかな」

妹友「あ、そういうの食べたい」

兄「妹の時と同じじゃ何かつまらないな。あ、そうだ」

妹友「はい」

兄「ただのシラス丼じゃなくて生シラス丼ってあるみたいだけど、食べてみない?」

妹友「どう違うんですか」

兄「釜揚げのシラスじゃなくて生のシラスを使ってるんだって。取れたては全然生臭さがなくて美味しいらしいよ」

妹友「あ、食べてみたい」

兄「じゃあ、お店探そうか」

妹友「うん」




297: NIPPER 2011/12/25(日) 22:08:33.26 ID:k8SczpS7o

店内


兄「生シラス丼のほかにもいろいろあるけど、どれにする?(結構高級そうなお店に入っちゃったな。シラス丼ごときで2,500円とかどうなんだろ」

妹友「・・・・・・結構高いですよ、ここ」

兄「気にするなって。クリスマスだし、これくらい大丈夫だから好きな料理頼んでよ」

妹友「う〜ん」

兄「俺は生シラス丼にしよっと」

妹友「前のデートの時は妹ちゃんは何を食べたんですか?」

兄「だから、デートじゃないって。って、何だっけ?」

兄「たしか、シラスだけじゃ飽きるからって」


回想

妹「あたしはお刺身定食にしよ」

兄「おまえ、シラスが食いたかったんじゃねえの」

妹「うん。でも、シラスだけじゃ飽きちゃうし」

回想終了


兄「って言ってたよ」

妹友「えええ、シラス丼食べに来た意味ないじゃないですか」

兄「まあ、俺のシラス丼勝手に食ってたし」

妹友「・・・・・・」

兄「どしたの?」

妹友「・・・・・・じゃあ、あたしもお刺身定食」

兄「え? シラス食べてみたかったんじゃないの」

妹友「二人で分け合いましょう」ニコ

兄「そ、そうか。そうしようか」

妹友「少なくとも妹ちゃんは生シラスは食べてないんですよね?」

兄「うん。前は釜揚げシラスだった」

妹友「・・・・・・よし!」

兄(何なんだ・・・・・・」




298: NIPPER 2011/12/25(日) 22:09:05.30 ID:k8SczpS7o

妹友の家


兄「(相変わらずでかい家。うちの実家とは偉い違いだ)じゃあ、今日はこれで」

妹友「あ、今日はありがとうございました」

兄「・・・・・・何でそこでお礼を言うかな(まあ、優しくて思いやりがあって礼儀正しい妹友だから好きになったんだけどね)」

妹友「そうですね・・・・・・。妹ちゃんならここでお礼なんか言わないだろうなあ」

兄「な、何言ってるの」

妹友「じゃあ、お礼は言いませんけど」チュ

兄「・・・・・・あ」

妹友「昨日からはとても楽しかった・・・・・・大好きだよ、お兄さん」

兄「・・・・・・うん。俺も妹友のこと好きだ。愛してるよ」チュ

妹友「じゃあ。またメールか電話してね」

兄「お、おう。おやすみ」

妹友「おやすみなさい、お兄さん」

兄(・・・・・・家に駆け込んじゃった。何か胸が切ない)

兄(これが恋するってことなのかな)

兄(何恥ずかしいこと言ってるんだ俺。それよりここまで来ちゃうと、実家の方が近いんだけど)

兄(大学は休みに入っているし)

兄(今日は親は帰ってるのかな。母さんがいるなら実家に帰った方が楽なんだけど)

兄(・・・・・・妹しかいない実家には帰りたくないな)

兄(どうしようかな。家に電話して妹が出ても気まずいし)

兄(・・・・・・そうか。母さんに電話すればいいんだ)

兄(・・・・・・)




299: NIPPER 2011/12/25(日) 22:12:50.10 ID:k8SczpS7o

兄「あ、母さん? 俺だけど」

兄「俺俺詐欺? 何言ってんだよ。自分の息子の声もわかんねんのかよ」

兄「何? その乱暴な口の聞き方は確かにあたしの息子だ? いい加減冗談はやめて、真面目に聞けって」

兄「いやさ、今実家の近くまで用があって車で来てるんだけどさ、母さんは今家にいるの?」

兄「何でって、いちいちうるせえよ。答えてくれたっていいじゃんか」

兄「はぁ? 俺がマザコン? ふざけんなって」

兄「うん。うん、何だ、まだ職場かよ。で? 今日は家に帰るの?」

兄「だからマザコンじゃねえっつうの! 妹しかいない実家に帰りたくないだけだって」

兄「うん、年末は帰ろうかと思ってたんだけどさ。父さんも母さんもさすがに家にいるだろうし」

兄「うん。そうか、今日は二人とも家に帰れないのか。じゃあ、俺もこのまま車でアパートに帰るわ」

兄「え? やだよ。妹しかいないんでしょ。夕飯だってないだろうし」

兄「妹の雑炊? ぜってーやだ。それに」

兄「妹だって家にいるかわかんねえじゃん(彼氏と一緒かもしれないしな・・・・・・)」ズキ

兄「何? 俺が実家に泊まるなら無理してでも今日は家に帰るって? 本当だろうな・・・・・・」

兄「うん、母さんがそこまで言うなら実家に帰るよ。早く帰ってこいよ?」

兄「あ、あとさ。何か食い物買って来て。この際カップラーメンでもいいからさ」

兄「だから! 妹の雑炊は絶対断る」

兄「うん。じゃあ、後でね」

兄「・・・・・・母さん?」

兄「本当に仕事無理してないんだろうな」

兄「わかった。悪かったよ。じゃあ、家に帰ってるからね」

兄(久しぶりの実家か。妹は今日も夜遊びしてるのかな)

兄(母さんにあえるだけでも実家に帰る意味はあるかな)



ガチャ


兄「・・・・・・ただいま」ボソ

妹「・・・・・・あ」

兄「(妹! いたのかよ)・・・・・・た、ただいま」

妹「・・・・・・」

兄「今日泊まって行くから」

妹「うん・・・・・・おかえり、お兄ちゃん」




307: NIPPER 2011/12/26(月) 21:32:05.65 ID:961dWEdAo

兄「・・・・・・おまえ、家にいたんだ」

妹「うん」

兄「毎晩彼氏といちゃいちゃしてたんじゃなかったのかよ(俺、久しぶりに会った妹に何でこんなこと言ってるんだろ)」

妹「最近は夜は出かけてないよ。先輩も受験勉強始めたし」

兄「始めたって、もう年明けには受験じゃねえか」

妹「・・・・・・先輩の志望校、偏差値すごく低いとこだし」

兄「(何か普通に話してくれるのな。俺の女にはなれないけど普通の妹にはなってくれるってことか)って、あれ?」

妹「・・・・・・」

兄「じゃあ、おまえ親いない日はずっと一人なのか?」

妹「12月になってお仕事が年末進行なんだって」

兄「・・・・・・それじゃ」

妹「うん。ここ半月くらいお母さんとお父さんに会ってない」

兄「え。おまえ・・・・・・」

妹「うん」

兄「寂しくないのかよ」

妹「・・・・・・」

兄(寂しそうな顔。それはそうだよな)


回想

兄「おまえ、寂しくないの?」

妹「別に。寂しくないよ。お兄ちゃんもいるし」

兄「え」

妹「・・・・・・いるんだよね? 大学終わったらすぐ帰ってきてくれるんでしょ?」

兄(何でそんなに不安そうに俺を見る。そんなんだから誤解しちゃうんじゃねえか)

兄「まあ、今はバイトもしてないし、帰りは遅くはならないけど」

妹「うん・・・・・・よかった」

兄「・・・・・・」

回想終了


兄(・・・・・・半月も家で一人きりだったのかよ、こいつ)

兄(俺も一人暮らししてたけど、妹友が来てくれたりしたし兄友もよく押しかけてきたし、寂しいとかなかったけど)

兄(こいつは彼氏にも会えずに一人でこの寂しい家にいたんだ)

妹「・・・・・・お兄ちゃん?」

兄「あ、あのさ。俺大学休みになったから、今日から新学期までここで暮らすから」

妹「え・・・・・・本当?」パァ

兄「ああ、本当だよ(今は妹に振られたとか言ってる場合じゃないな。兄としてこいつのこと考えてやらなきゃ)」

妹「・・・・・・うん」

兄(何でそこでそんなに嬉しそうな顔するんだよ)




308: NIPPER 2011/12/26(月) 21:38:21.07 ID:961dWEdAo

兄「おまえ、親いない時夕飯とかどうしてたの?」

妹「冷凍食品とかコンビニとか。でも、何か最近あまり食欲なくて」

兄「下宿してる俺と変んねえのな。今日はもう食べたのか」

妹「まだ」

兄「あのさ。おまえさえよかったらだけど、一緒にファミレスに行く?(俺と二人では出かけてくれないかな・・・・・・)」

妹「うん、行きたい」ニコ

兄「じゃ、じゃあ、すぐ出られるか?」ドキ

妹「・・・・・・着替えないと」

兄「じゃ、待ってるから着替えてくれば」

妹「うん・・・・・・お兄ちゃん?」

兄「うん?」

妹「・・・・・・ありがとう」ニコ

兄「・・・・・・」

兄(何で礼なんか言うんだよ)


回想

妹友「あ、今日はありがとうございました」

兄「・・・・・・何でそこでお礼を言うかな(まあ、優しくて思いやりがあって礼儀正しい妹友だから好きになったんだけどね)」

妹友「そうですね・・・・・・。妹ちゃんならここでお礼なんか言わないだろうなあ」

回想終了


兄(妹が俺にありがとうって言ったことに、何か意味があるのかな)

兄(俺と恋人同士みたいな雰囲気になってた時には礼なんか言ったことなかったし)

兄(もう普通の兄妹の関係だから、わざわざありがとうなんて言うのかな)

兄(・・・・・・普通の兄妹になれるだけでもありがたいと思わなきゃな)

兄(つうか、俺にはもう妹友がいるんだし、妹と仲良くなりすぎるわけにもいかないから)

兄(・・・・・・こういうのが一番いい結果なんだよな)

兄(それにしても高2の女の子を家に放置するとかってどんな親だよ。いくら仕事が命にしたって限度があるだろ)

兄(金さえ置いとけばいいってもんじゃねえだろ)

兄(俺は、妹と仲良くなる前はこんなことすら考えてやったことがなかったんだ)

兄(・・・・・・これからはいい兄貴、いや普通の兄貴になろう。妹のことも心配してやろう)

兄(今日思いついて実家に帰って本当によかったな)




309: NIPPER 2011/12/26(月) 21:52:03.82 ID:961dWEdAo

近所のファミレス


兄「またそういうデザートみたいのを食う。おまえ、最近食欲ないんじゃなかったのかよ」

妹「何かおなかすいてきちゃって」クス

兄「・・・・・・だったらだな。普通に料理っぽいのとか食べたら」

妹「でも、パフェみたいのって久しぶりだし」

兄「俺も人のことは言えねえけどさ。おまえ、そんな食生活してて体壊さねえのか」

妹「朝はパン食べてるし、お昼ご飯は学食で普通に食べてるから」

兄「でもさ。おまえ少し痩せたんじゃね?」

妹「そうかな? 最近体重図ってないんだけど」

兄「どれ」ジー

妹「・・・・・・あ」

兄(何でそこで襟を手で隠す? 別に胸元を覗いた訳じゃねえっつうの)

妹「・・・・・・お兄ちゃんは少し太ったかな」

兄「変んないと思うよ。まあ、カップ麺ばっか食ってるけどさ」

妹「だって・・・・・・。妹友ちゃんが食事作ってくれてるんでしょ」

兄「はい?」

妹「妹友ちゃんのメールで、『最近よくお兄さんに手料理を作ってるよ』って」

兄「確かに作ってもらったことあるけど、よくってことはないなあ(普通に妹友のこと話せた)」

妹「そうなんだ」

兄「結局一番多いのは一人でカップラーメン食うパターンで、次が兄友、ああ、兄友って大学の友だちなんだけどさ」

妹「うん」

兄「そいつが部屋に押しかけてきて飲み会になるって感じだな」

妹「そうか・・・・・・。妹友ちゃん、毎日お兄ちゃんの部屋に来てるわけじゃないんだ」

兄「ねえよ。週末に来るか来ないかって感じだな」

妹「そう・・・・・・」

兄「何だよ?」

妹「何でもない。お兄ちゃん?」

兄「うん」

妹「それ美味しい?」

兄「いや、普通のハンバーグだけど」

妹「ちょっとちょうだい」

兄「・・・・・・あ(俺の食べかけのとこ口に運んだ)」

妹「本当にまあまあだね」

兄「食いたいなら追加でオーダーしたら?」

妹「ううん。そんなに食べられないし」

兄「そうか」




310: NIPPER 2011/12/26(月) 21:57:02.04 ID:961dWEdAo

ブルルル


兄「メールだ(妹友かな)」パカ

兄「・・・・・・あのくそばばあ」イラ

妹「どうしたの」

兄「母さんから。今日帰って来るって言ってたのに、やっぱり仕事終んないんで帰れないって」

妹クス

兄「・・・・・・おまえも久しぶりに母さんに会いたかっただろ?」

妹「そうだけど・・・・・・。今日は一人じゃないし」

兄「・・・・・・そか」

妹「ねえ」

兄「うん?」

妹「いつまで家にいるの?」

兄「来年学校が始るまで」

妹「そうか。よかった」

兄「・・・・・・」

妹「大晦日とかお正月とか一人で家にいなくていいんだ」

兄「ああ・・・・・・。初詣とか一緒に行くか?」

妹「それはいい」

兄「え?」

妹「・・・・・・多分、お兄ちゃんは妹友ちゃんに誘われると思うから」

兄「あ。うん・・・・・・」


自宅


妹「お風呂沸かすから先に入っちゃって」

兄「ああ」

妹「その間に乾燥機でお兄ちゃんの布団を暖めておくから」

兄「・・・・・・いいよ、そんなの」

妹「2月以上使ってないからそうしないと」

兄「悪い」

妹「お兄ちゃん、着替えとかアパートから持ってきたの?」

兄「ああ、そういや何も持ってきてないな。明日にでもアパートに行っていろいろ持って来ないとな」

妹「今日は家に置いて行った服とか探しておくから」

兄「あ、ああ」

妹「洗面所に予備の歯ブラシ出しておくから」

兄「・・・・・・うん」