戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://famicoroti.blog81.fc2.com/blog-entry-1701.html


CASIO「ゲーム電卓」の軌跡 ~電卓とゲームの数奇な世界~
 

CASIO「ゲーム電卓」の軌跡 ~電卓とゲームの数奇な世界~


 電卓とゲーム。

 この似て非なるものが、急接近した時代がありました。それは1980年、CASIOのMG-880から始まったと言います。CASIOはこの機種によってゲーム電卓という、魔訶不思議なジャンルを切り拓いていったのです。



 

 当時の時代背景としては、まず1978年7月にタイトーより発売された『スペースインベーダー』がたちまちブームを巻き起こし、日本中の100円玉が消え失せるほど、人々はインベーダーに熱狂しました。しかしこのブームは1年後には早くも下火となり、(というか下火となるからこそブームなんですけども)、次に人々の心をわしづかみにしたのは1980年4月に任天堂より発売されたゲーム&ウォッチでした。
 カシオはそんな波に乗り遅れまいと、この「デジタルインベーダー」なる電卓を開発したのでしょう。年末にはカードタイプのMG-770も発売されました。


casio カシオ MG-880 デジタルインベーダー ゲーム 電卓 稀少


casio カシオ MG-880 デジタルインベーダー ゲーム 電卓 稀少 - ヤフオク!


 サムネイル画像:ヤフオク!

 MG-880は一見、ただの電卓のように見えますが、数字をインベーダーに見立てて倒していくゲームが内蔵されておりました。これがすべての第一歩だったのです。

 今回は直近のヤフオク!落札データを参照しつつ進んでまいります。



CASIO カシオ BOXING GAME BG-15 電卓型ゲーム ウォッチ

カシオ BOXING GAME BG-15 電卓型ゲーム ウォッチ - ヤフオク!

 サムネイル画像:ヤフオク!


 続いてCASIOが世に送り出したゲーム電卓は意外にもボクシングゲーム。発売された1981年は奇しくもあのモハメド・アリが引退した年でもありました。このBG-15は主に文房具店などで流通しており、玩具店ルートで販売されたBG-15Tという機種も存在します。つまりCASIOはちゃっかりと販売ルートを拡大していったわけです。
 こちらもカードタイプのBG-8、画面を大きくして電子ゲームに近づけた仕様のBG-15と、様々なラインナップがありました。




 このゲーム、スタミナやパンチ力といった概念があったり、階級があったり、対戦相手も100人いたりと、ゲーム画面からは想像できないくらい奥が深かったそうです。職場にやたら計算したがるやつが続出したとか、隠れてゲームやってたら上司に見つかって、自分がK.O.くらったって話もあったとか、なかったとか……



◇CASIO カシオ BASEBALL GAME BB-9 電卓型ゲーム機 美品


◇CASIO カシオ BASEBALL GAME BB-9 電卓型ゲーム機 美品 - なんだ屋分店オークション - ヤフオク!


 サムネイル画像:ヤフオク!


 CASIOがボクシングの次に題材に選んだスポーツは野球でした。発売は1982年。星野仙一が引退を発表した年でしたね。(なんだこの、ちょくちょく入る引退情報) 型番であるBB-9は野球用語のBB9に由来するのでしょうか。ちなみにより電子ゲームに近づけた仕様のBB-10という機種もあります。

 当時のCM↓



 ゲームは勝抜き戦で、進むにつれ相手が強くなっていきました。バッティングは計算機チームが投げる球種を読んでタイミングよくキーを押す。ピッチングは球種キーを押す長さによってスピードが変わる仕様で、なんと36球種もありました。

 素晴らしいですね。これを持って球場に行けば、野球を見ながら野球ゲームができて、さらに打率とか防御率が計算できるという(笑)



CASIO ゲーム電卓 MG-777 動作OK -ゲームウォッチ

CASIO ゲーム電卓 MG-777 動作OK -ゲームウォッチ - ヤフオク!

 サムネイル画像:ヤフオク!


 MG-777(トライスリー)は3種類のミニゲームが楽しめる機種。発売は1981年となります。当時はまだまだ貴重だった液晶画面が、惜しげもなく4段使いとなっているのが特徴です。

 「All Same」はキーを押すと一定の法則によって変わる数字を、すべてそろえるゲーム。「Stop The Seven」はスロットマシーン。「Hit and Hit」はモグラ叩きでした。一番出来が良かったのは「All Same」でその頃、流行していたルービックキューブを意識してつくられたんだそうです。

 当時のCM↓



 篠沢教授に全部!


 さて、1982年には後続機としてMG-888(インターバルアタック)が発売されました。こちらの機種にも3種類のミニゲームが用意されていました。



 機種名にもなっている「Interval Attack」は数字ミサイルを飛ばし、邪魔してくる数字衛星を避け、あるいは粉砕しながら標的に当てるゲーム。「Shift Puzzle」はいわゆる15パズル(スライドパズル)のようなゲーム。「Lucky Dice」は右下に表示されている2つのサイコロを振り、合計数に該当する3×3マス内の数字を消していくゲームだったそうです。



CASIO カシオ サッカー GAME SG-12 電卓型ゲーム機 動作OK

CASIO カシオ サッカー GAME SG-12 電卓型ゲーム機 動作OK - ヤフオク!

 サムネイル画像:ヤフオク!


 ゲーム電卓が思いのほか好評だったCASIOは、やがて、より電子ゲームに近い電卓をつくり始めます。こちらは1983年に発売されたサッカーゲーム付き電卓SG-12。完全に電子ゲームなSG-11という機種も存在します。




 ちなみに、さっきから海外の動画がやたら多いのには理由があって、CASIOの電卓は当時、海外にも輸出されており、その中でもゲーム電卓は、海外で人気があったようです。
 このサッカーゲームはフランスでは、Olympiaというメーカーが正規代理店となって、FT-1という機種として販売していたようです。

 フランスといえば、1983年はかつてサッカー日本代表チームを指揮していたフランス人監督フィリップ•トルシエが現役引退した年でしたね。(引退ネタ、引っ張るなあ)



カシオ CASIO PG-200 パチンコゲーム 電卓 動作品

カシオ CASIO PG-200 パチンコゲーム 電卓 動作品 - ヤフオク!

 サムネイル画像:ヤフオク!


 CASIOはスポーツ系ゲームの他にも、囲碁(TG-2)、オクトリバーシ(CG-8)といったテーブル系ゲームも手がけていきました。こちらのPG-200はパチンコ型です。エレメカでもそうですが、パチンコ系ゲームはどうしても玉の音がうるさいという問題がありました。お好きな方は「あれが粋なんだ」と言うんでしょうけども、この機種もそんな声を反映してか、電子音のくせに調節が効かなくて、大変風流だったそうです。

 なお、この機種にも電卓がついてないタイプのPG-500がありました。潔く電子ゲーム一本にしちゃえよなんていうツッコミが聞こえそうですが、やっぱり電卓にこだわるCASIOさん、素敵です。
 このあたり、いつまでもROMカセットにこだわった任天堂に通じるものがありますよね。え、ディスクシステム?なんですかそれ。


●腕時計●CASIO カシオ 電卓 ゲーム デジタル CA-901●

●腕時計●CASIO カシオ 電卓 ゲーム デジタル CA-901● - ヤフオク!

 サムネイル画像:ヤフオク!


 CASIOといえば腕時計タイプも忘れてはいけません。



 電卓付きの腕時計は日本では安っぽいイメージがあるかもしれませんが、海外では今でも根強い人気があります。僕も学生の頃、持ってましたね、こういうの。「ボタンが多い=かっこいい」みたいな時期、ありました。
 サイバーチープとでも名付けましょうか。
関連記事
[ 2015/03/07 02:19 ] レトロゲーム | コメント(0)
 ブログパーツ このエントリーをはてなブックマークに追加このエントリーを含むはてなブックマーク
たった一人のファミコン少年タイトルGIF
 コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
プロフィール
 管理人:オロチ
取材、執筆、写真提供などの依頼は、こちらまでお気軽にお問い合わせ下さい。(取材歴等

ネタ募集中!!

過去の記事
(ランダム表示)
Powered by 複眼RSS
ファミコンユーザータグ