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麗子「私の作りたいもの……?」|エレファント速報:SSまとめブログ

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麗子「私の作りたいもの……?」

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 05:54:53 ID:g9L0suQM

両さんと麗子が結婚して地味な夫婦生活を、という派手なところが何も無いお話です


・・・ある日のよろずや・・・

両津「檸檬、味を見てくれ」

檸檬「うむ……モグモグ……」

麗子「……ドキドキ……」

檸檬「ゴックン……よい味じゃ」

麗子「良かった……」ホッ



2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 05:56:13 ID:g9L0suQM

両津「さすが麗子だ、檸檬に認められるとは」

檸檬「しっかりとよろずやの佃煮の味を再現できている…が…」

麗子「が?」

檸檬「それだけじゃ。せっかくそれだけの腕を持っておるのじゃ。得意なものや作りたいものをアレンジしてみるのも良いじゃろう。そうだ、勘吉、イナゴの中に殿様バッタを混ぜたな?」

両津「な、何でわかった!?」

檸檬「バッタは、稲以外の草も食べているからエグ味が出るのじゃ」



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 05:57:15 ID:g9L0suQM

麗子「両ちゃん!何でそんなくだらないことするの!ゴメンね、檸檬ちゃん」

檸檬「まあよい。それより勘吉をよろしく頼むぞ」

麗子「ええ、まかせてね」ニコ

檸檬「では、帰る」テクテク…ブィーン

麗子「すごい迫力ね。幼稚園児とは思えないわ」

両津「確かに。ジャガーが似合う幼稚園児なんて檸檬ぐらいだろう。一度、海原雄山と戦わせて見たい……
でも麗子すごいじゃないか、三ツ星レストランのシェフだって檸檬にほめられることはめったに無いんだぞ」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 05:58:26 ID:g9L0suQM

麗子「だけど真似してるだけって」

両津「しょうがないだろう。佃煮なんて作ったこと無いんだから。そういえば得意なものを作ってみろっていってたな。麗子が得意な料理って言ったら……」

麗子「どちらかって言えばフレンチかしら」

両津「フランス料理に佃煮ってあるのか?」

麗子「あるわけ無いでしょ」

両津「じゃあ、どんなものが作りてえんだ?」

麗子「私の作りたいもの……作りたいものってなにかしら……あ……」



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:01:16 ID:g9L0suQM

・・・翌日・・・

両津「新しいメニューのことなんだが……地球に貢献してみないか?」

麗子「地球に貢献?」

両津「ああ。この間、テレビで見たんだが昆虫食は地球環境に優しいらしい」

麗子「じゃあ、イナゴの佃煮?」

両津「それはもうあるだろう」



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:02:11 ID:g9L0suQM

麗子「だったら、何?テレビの罰ゲームみたいにサソリなんて嫌よ?」

両津「まあ、待て。これを食ってみろ」

麗子「ざざむし?なにこれ、両ちゃんが作ったの?」

両津「馬鹿言うな。長野のほうでは高級品なんだぞ」

麗子「ふーん……パカッ……うわっ!結構グロテスク。小さいムカデみたい……本当に食べ物?」

両津「心配するな。ちゃんとした商品だ」



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:04:03 ID:g9L0suQM

麗子「あんまり気が進まないけど……パクッ……あら、意外と普通ね。イナゴより少し癖がある感じだけど。じゃあ、これを素材に?」

両津「いや、これだと原価が高すぎて儲けが出ない。素材はこっちのかごの中に準備してある」カサカサ

麗子「なに?………きゃああああああああああああああああああ!!!!!」

両津「どうした?」

麗子「どうしたじゃないわよ!ゴキブリじゃないの!そんなもの食べられるわけ無いでしょ!!さっさと退治して!!」



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:04:47 ID:g9L0suQM

両津「まあ、そうきめつけるな。おまえだって海老やカニは食うだろう?」

麗子「……まあね」

両津「昆虫も海老も甲殻類ということに違いはあるまい」

麗子「そうだけど……」

両津「言ってみれば、オージービーフと黒毛和牛みたいなものだ」

麗子「うーん……」



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:07:26 ID:g9L0suQM

両津「さっき食べたざざむしに較べればよっぽどスマートな形じゃないか。アブラムシの足をとったら柿の種と歌にもなっている」

麗子「”あのねのね”の歌ね。派出所に配属されるちょっとまえぐらいに流行ってたわね」

両津「そういうことを言うんじゃない!!年齢設定がおかしくなるだろう!!」

麗子「ごめんなさい」

両津「まあいい。よーく見てみろ。機能美に満ち満ちているじゃないか」

麗子「……ジー……」



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:08:09 ID:g9L0suQM

両津「ジウジアーロのデザインしたスポーツカーを彷彿とさせるだろう。近くで見てみろ、この触覚なんかまるでダリの髭のように見えて……」

麗子「見えるわけ無いでしょ!!ゴキブリはゴキブリよ!近づけないで!」ガシャン

両津「かごをおとすな!あ、逃げ出した!!」

ゴキブリ カサカサ

麗子「キャー!、天井に集まったわよ」



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:09:02 ID:g9L0suQM

ゴキブリ「カサコソ……タ・ベ・ル・ナ」

麗子「うわっ!ゴキブリが字の形に集まったわ。ひょっとして両ちゃん、ゴキブリと話せるの?」

両津「ニコニコ寮で長いこと同居してたからな」

麗子「ダメでしょう、お友達を食べようとしたら」

両津「友達じゃない!わしの部屋に勝手に住み着いていただけだ」



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:09:50 ID:g9L0suQM

ゴキブリ「カサコソ……レ・イ・コ・サ・ン・キ・レ・イ」

麗子「あら、ありがとう」

両津「ゴキブリの分際で媚売りやがって。こいつらの取り柄はゴミをやっとけば勝手に増えることぐらいだからな、ただ同然で食材として安定供給が可能だ」

ゴキブリ「カサコソ……リ・ョ・ウ・ツ・バ・カ」

両津「うるさい!こいつらなんか食い物になるぐらいしか社会に貢献できん」

麗子「でも、昔バラエティー番組でゴキブリを食べた人が死んじゃったって」

両津「それは都市伝説だ。ピンピンしてる」



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:10:44 ID:g9L0suQM

麗子「そんなこと言ったって、お話できるものを調理するのって抵抗があるわ」

ゴキブリ「カサコソ……レ・イ・コ・サ・ン・ア・イ・シ・テ・ル」

麗子「ゴキブリさんに愛されるって言うのはうれしいようなうれしくないような……でも、どっちにしろ食べるのはちょっと……」

両津「そうか、食材にはやっぱり向かないか」

麗子「いくらなんでも無理よ」



14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/03(火) 06:11:52 ID:g9L0suQM

両津「なら、お前らに用は無い。死ね」  ゴキジェットーー!!

麗子「キャッ、人殺し!」

両津「人じゃない!それにさっさと退治してくれって言ったのは麗子だろう」

麗子「そうだけど……」

ゴキブリ「カサコソ……コ・ノ・ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ」 ポタッ

両津「魔太郎か、お前達は。麗子、片付けといてくれ」

麗子「もう、めんどくさい事はみんな私に押し付けるんだから。ゴキブリさん、ごめんね」サッサ



18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/08(日) 10:36:50 ID:ZPa3Mfuo

・・・翌日、お茶の間・・・

両津「麗子、お茶……」

麗子「はいはい」

両津「麗子、みかん……」

麗子「それぐらい自分でとれば良いじゃない。はい」

両津「麗子……」

麗子「今度は何が欲しいの?」

両津「膝枕してくれ」



19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/08(日) 10:38:43 ID:ZPa3Mfuo

麗子「嫌よ。両ちゃんの頭、重いしチクチクするんだもの」

両津「良いじゃねえか。麗子の太ももすべすべして気持ち良いんだ」

麗子「しょうがないわねえ、ちょっとだけよ」

両津「サンキュー」ゴロ

麗子「ほんとに重いんだから、足がしびれちゃう。どうせだから、ついでに耳かきしてあげるわ…コショコショ…今度は、反対側するから私の方向いて」



20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/08(日) 10:40:14 ID:ZPa3Mfuo

両津「そうか…ゴロリ…間近で見るとすごいボリュームだな」

麗子「なにが?」

両津「胸」

麗子「エッチ。そんなとこばかり見てるんだから」

両津「前からデカイと思ってたが、下から見るとおしつぶされそうだ」



21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/08(日) 10:41:35 ID:ZPa3Mfuo

麗子「もう、言い方ってものがあるでしょう。そういえば、最近ちょっとブラが苦しくなってきて。両ちゃんにいたずらされて少し大きくなったのかしら……
そうだ、仕事中に私の胸にいたずらするのやめて。いくら夫婦だってセクハラよ」

両津「お前だって喜んでるじゃねえか」

麗子「……よ、喜んでなんかいないわ。部長さんに気が付かれたらいけないと思って、声を抑えるのに必死なんだから」

両津「何もしなかったらさびしいだろ?」

麗子「そんなことないわよ!」

両津「ちょっと突っつくぐらいなら?」

麗子「それぐらいなら、まあ……それより、この間言ってた作りたいものなんだけど」



22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/08(日) 10:42:22 ID:ZPa3Mfuo

両津「思いついたか?」

麗子「赤ちゃん」

両津「美味いのか」

麗子「食べるわけ無いでしょ」

両津「ほ、本当の赤ちゃんか!?」ビクン

麗子「だめよ、耳かきしてるときに急に動いたら。鼓膜破れちゃうじゃない」



23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/08(日) 10:57:36 ID:ZPa3Mfuo

両津「檸檬がいったのはそういう意味じゃないだろう!」

麗子「それはわかってるけど……つくりたいものって考えたら、赤ちゃんが頭に浮かんで離れなくなっちゃったの」

両津「欲求不満なだけじゃないのか?」

麗子「そんなこと無いわよ。両ちゃんが夜だけじゃなくて朝まで求めてくるから、出勤のときいつもへとへとなのよ」

両津「お前だって朝しないで行くと物足りない顔してるじゃねーか」
 
麗子「だって、習慣になっちゃったんだもの……そんなことはいいの。両ちゃんだってそんな若くないでしょ」

両津「まあな」



24 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/08(日) 10:58:42 ID:ZPa3Mfuo

麗子「それにね、お父さんがもう一人孫の顔が見れますようにってお参りしてるのたまたま見ちゃって……」

両津「あの、オヤジが……そろそろ、そういうことも考えなきゃいけねえか」

麗子「うん。たぶん、来週の後半ぐらいが排卵日だと思うから……」

両津「そうか、じゃあそれまではしちゃいかんのか?」

麗子「そういうわけじゃないわ。両ちゃんがしたいって言うのなら、しても大丈夫だけど」

両津「わしはどっちでも良いぞ。麗子はどうなんだ?」

麗子「私は別に……」



25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2015/03/08(日) 10:59:37 ID:ZPa3Mfuo

両津「じゃあ、1週間ガマンするか」

麗子「え、なんで?」

両津「なんかそっちのほうが濃くなって、一発で妊娠しそうな気がするだろ」

麗子「あんまり確率は変わらないらしいけど……」

両津「そうなのか。でも、まあ無理して……痛えっ!何でいきなりつねるんだ!」

麗子「素直に”したい”って言いなさいよ!」



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      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年03月10日 18:52
      • ベストカップルやー
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年03月10日 18:52
      • 小梅とか懐かしすぎてワロタ
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年03月10日 18:55
      • 犬嫌いを克服したとは言えゴキブリも手なづけるとは
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年03月10日 19:58
      • マリア「」

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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