みく「みくは自分を曲げないよ!」悠貴「……!」
~事務所~
ガチャ バタン
浅利七海「おはようございます~」
P「おう、おはよう七海。その荷物はなんだ?」
七海「実家から送られてきた、白魚の佃煮れす~。みんなにも分けてあげようと思って持ってきたの~♪」
P「そいつはいいな!みんな喜ぶぞ。……多分、一人以外は」
七海「ああ~、みくさんれすか~?」
P「そう。猫キャラのアイドルなんだから、できれば魚を食べられるようになってほしいんだけどな」
七海「あんなにおいしいのに、もったいないれすね~」
P「まったくだ。……ところで、白魚ってどんな魚なんだ?寿司ネタでしか知らないけど」
七海「白魚はれすね~、とってもか弱いお魚なんれすよ~。網で上げても、空気にふれるとほとんど死んじゃうんれす~」
P「へえ~……知らなかった。七海は魚のこと、本当によく知ってるな」
七海「七海はお魚大好きれすから~」
P「なるほどな。……なら、みくも猫に詳しいのかな」
七海「さあ、どうれしょうね~?」
ガチャ バタン
前川みく「おっはにゃ~っ☆」
乙倉悠貴 「おはようございますっ」
七海「おはようございます~」
P「おお、噂をすれば。二人ともおはよう」
みく「噂? Pチャン、みくたちの噂してたのかにゃ?」
P「たちっていうか、みくの話をしていたんだ」
みく「みくの?」
P「ああ。……魚が食べられない猫アイドルの話をな」
みく「えっ? みくがお魚嫌いなのは、Pチャンしか知らないはずじゃ……」
P「あのな……もうみんな知ってるぞ。みくの普段の言動を見てればすぐわかるしな」
みく「うっ……だ、だってしょうがないでしょ!嫌いなものは嫌いなのにゃ!」
P「お前は小学生か……」
悠貴「……あのっ、みくさんの気持ちわかりますっ。私も、生野菜苦手ですから」
七海「お魚アイドルなのに、泳げない七海はダメダメれすか……?」
みく「ほらねPチャン? みくだけじゃなくて、みんな好き嫌いや得意不得意があるのにゃ! 不公平にゃ!」
P「そりゃそうだが……」
七海「ダメダメなんれすか……?」ウルウル
P「いや、ダメダメなんてことはないよ」
七海「……そうれすか~、よかったれす~♪」
悠貴「……そういえばっ、七海さん。その荷物は……?」
七海「あ~、そうそう、みくさんと悠貴ちゃんに渡したいものがあるんれすよ~。七海からのプレゼントみたいなもんれす~」ゴソゴソ
悠貴「ホントですかっ? ありがとうございますっ、七海さん!」
みく「ありがとにゃ、七海チャン!」
P「俺にも、あるのかな……?」
七海「もちろん、プロデューサーの分もあるれすよ~」
みく「ふーん! みくたちに意地悪するPチャンになんて、あげなくてもいいにゃ!」
P「むっ……ふふふ、いつまでそんな余裕でいられるかな?」
みく「? どういう意味?……ってそれは……」
七海「みくさん、悠貴ちゃん、白魚の佃煮どうぞれす~♪」バーン
みく「なんでにゃ!」
悠貴「ありがとうございますっ……ふっ」
みく「あーっ、悠貴チャン笑ったでしょ!」
悠貴「す、すみませんっ。コントみたいな流れだったので……」
P「七海からのプレゼント、しっかりいただけよ?」
みく「嫌だにゃ!みくはお魚食べられないのにゃ!」
七海「……やっぱり、そうれすよね……」ショボン
みく「!?」
七海「……七海からのプレゼントなんていらないれすよね……ごめんなさい、みくさん……」グスッ
みく「い、いや七海チャン。そういうわけじゃないのにゃ!」
P「おい、みく」
悠貴「みくさんっ……」
みく「う……た、確かに今のはみくが悪かったにゃ。せっかく七海チャンがくれるっていうのに……ごめんね、七海チャン」
七海「……いえいえ~♪ はい、どうぞ~♪」ケロッ
みく「立ち直り早いにゃ!? お、お魚……」フラッ
みく「お魚……お魚……おいしくないにゃ……食べられないにゃ……」ブツブツ
悠貴「みくさん……」
七海「生気が抜けてるれすね~」
P 「……」ウーム
P「……みく。ちょっとこっち来てくれるか? あと、二人も」
悠貴「は、はいっ」
七海「はいれす~」
みく「……なに?」
P「……あのな。俺は、みくが魚嫌いなのも、悠貴が生野菜苦手なのも、七海が泳げないのも知ってる。だから、今までそんな仕事は一度もとってきてない」
P「みんなが嫌がることを、無理矢理になんてやらせたくない。わかるな?」
みく「……うん」
P「ただ、それがいつでも通用するわけじゃない。思い通りにいかないことなんて日常茶飯事だ。どうする? そんなとき」
悠貴「……」
P「それにな。俺は、やっぱり逃げてちゃダメだと思うんだ。……大好きになれとまでは言わないけど、なにか努力をしたか? 少しでも、好きになるために」
P「努力をして、それでも、どうしてもダメなら仕方ない。……でも努力もせず、いつまでも駄々をこねているのは、子供すぎると思わないか? みく」
みく「……みくはもう、子供じゃないにゃ」
P「……そうだな。三人とも、説教じみたこと言って悪かったな」
悠貴「い、いえっ。そうですよねっ……私ももっと努力しますっ」
七海「七海も泳げるようになりたいれす~」
みく「うん……Pチャンの言うことは確かにわかるにゃ。でも、どうすればいいの? せめてそれだけでも教えてほしいにゃ」
P「そうだな……助っ人を、呼ぶか」ケータイトリダシポパピプペ
悠貴「助っ人、ですかっ……?」
P「ああ。……努力は一人でやるものだけじゃない。時には、手伝ってもらうことも大切だ」
七海「……誰なんれすかね~?」
ガチャ バタン
西島櫂「おっはよー!プロデューサー、手伝ってほしいことってなに?」
首藤葵「料理の作り方やったら、いつでも教えてあげるっちゃ!」
P「おう、二人ともおはよう」
みく「な、なるほどにゃ……」
悠貴「水泳部と若女将……」
七海「おお~、確かに適任れすね~」
櫂「ん? 珍しい顔ぶれだね」
葵「みくさん、悠貴ちゃん、七海ちゃん……で、櫂さんとあたし……あ、もしかして」
P「そう、櫂には泳げない七海に指導を、葵には悠貴とみくに美味しい料理を作ってほしいんだ。……二人の苦手な食材を使ってな」
葵「おお~っ、腕がなるっちゃ! 」
櫂「なるほどね、それで適任ってことか。……ん? 前は茜ちゃんに任せてなかったっけ?」
P「あれは茜の熱意に負けてな。……それに茜に任せていたら、幸子が死にそうになって帰って来たんだ」
櫂「ああ……」
みく「幸子チャン……」
七海「あれ~? 周子さんも泳げないんじゃないれすっけ~?」
P「周子はな……うん……周子だし」
七海「?」
P「……さて、そろそろ始めようか。まず、櫂と七海は346プロ内のプールに行ってくれ。あとの三人はここに残って……って」
P「聞いてなかったけど、みんなやるんだよな……? もし、どうしても無理なら……」
みく「み、みくは……みくはやるにゃ!」
悠貴「私もやりますっ」
七海「七海も、泳げるようになりたいれす~」
P「……決まりだな。じゃあ、二人ともよろしく頼んだぞ」
櫂「プロデューサー、どっか行くの?」
P「これからちょっと用事があってな……すまないな、俺の方から呼んどいて」
櫂「いいよいいよ。今日はなにもなかったしね」
葵「これくらい、なんでもないっちゃ!」
櫂「そうそう。よしっ、じゃあ行こうか七海ちゃん!」
七海「はい~。櫂さん、よろしくお願いしましゅ~♪」
ガチャ バタン
P「……俺も行かなきゃな。悠貴、みく、頑張れよ」
悠貴「はいっ!」
みく「もちろんにゃ!」
ガチャ バタン
みく「さてと……葵チャン、よろしくね?」
悠貴「よろしくお願いしますっ」
葵「おう、任せとき! 最高の料理を作るけん、二人は大船に乗ったつもりでゆっくりしてるっちゃ♪」
悠貴「ありがとうございますっ、葵さん!……ところで、なにを作るつもりなんですかっ?」
葵「ふっふっふー、それは見てのお楽しみっ! じゃあ、作ってくるね~♪」タタタッ
悠貴「……」
悠貴「大丈夫、ですよねっ……」
みく「みくは、葵チャンを信じるにゃ……」
~しばらくして~
葵「お待たせ~!」
みく「……! ついに来たにゃ……」
悠貴「……っ」ゴクリ
葵「しめ鯖、鯖の味噌煮、鯖の塩焼き。どれも腕によりをかけた料理だっちゃ!」
悠貴「わあ~っ、みんな美味しそうですねっ!」
みく「……鯖ばっかりだにゃ」
葵「あはは……実は、鯖しか冷蔵庫に入ってなくて……」
葵「でも、味はあたしが保証するっちゃ! どうぞ、召し上がれ♪ 」
みく「うぅ……いただきますにゃ」
悠貴「……あれっ? 葵さん、魚料理だけなんですかっ……?」
葵「ああ、悠貴ちゃんのは……」
葵「はい、これ!」つキュウリ
悠貴「……えっ?」
みく「…………ぷっ」
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