デルが新XPS 13こと『New XPS 13 Graphic Pro』に、QHD+解像度(3200×1800ドット)タッチパネル液晶搭載モデルを追加しました。日本ではこれまでフルHD液晶・非タッチ仕様のみだったため、米国などで先行販売されていた高解像度版がついに発売された、という流れです。
価格は16万9980円と高価ですが、これはCPUがインテルCore i7-5500Uに、SSDが256GBになっているなど、基本性能も高い構成となるため。ちなみに同一仕様の米国版は1599.99ドルと、単純にドル円レートだけ見れば非常にお得感があります。
特徴は13.3インチの液晶パネルとしては珍しい解像度の高さ。このサイズのモバイルノートは高解像度版モデルでも(W)QHD、つまり2560×1440ドットに留まるモデルが多いのに対して、本機は3200×1800ドットとさらに上回ります。
パネル仕様はIGZO技術採用のIPS方式。公称の視野角は最大170度で、400nit(400cd/m2)という最大輝度の高さなどのメリットも、従来機(フルHD・非タッチ仕様)と共通です。13.3インチの液晶パネルでは解像度が高いだけあり、画素密度は276ppi。この点では新MacBook (12インチ2304 x 1440)の226ppiや、MacBook Pro Retina 13インチ (13.3インチ2560 x 1600 )の227ppiを凌ぎます。
また、高解像度化と同時にタッチパネルが搭載されたため、保護ガラスとしてコーニングのゴリラガラスNBTを採用し、同時に従来機では非タッチ仕様のため段差のあった液晶パネル面と額縁部がフラットになりました。
ただしこの分重量は非タッチ版に比べて増加し、1.27kgに。増加分は90gなので健闘してはいますが、従来機に比べるとデメリットではあります。
また、もう一つ従来機に比べて不利な点は、バッテリー駆動時間が短くなったこと。公称バッテリー駆動時間は最長11時間と、従来モデル(最長15時間)と比べて4時間ほどの不利です。
その他の特徴は従来機と共通。おさらいを兼ねて紹介すると、最大の特徴は本体サイズの小ささ。デル曰く「13.3インチ液晶搭載機としては世界最小」となる、304×200×9~15mm(幅×奥行き×厚さ)です。
これは新MacBookの280.5×196.5×13.1mmにこそ負けますが、MacBook Air 11インチモデル(300×192×17mm)と比べると、画面が大きいにもかかわらず奥行きが8mmほど大きいだけで、薄さなどは有利という仕様。
この本体の小ささを実現したポイントが、液晶パネルの額縁部(上側と両サイド)が5.2mmと細いこと。これは同時にデザインの面でも目を惹くところとなっています。
また本体の素材とデザインは、外装のCNC削り出しアルミ素材でシルバーの仕上げ。対して中を開くと、パームレストとキーボード面周辺に設けられたいわゆるカーボン調の網目柄が目を惹くという凝った設計。
見た目だけではなく実際の素材もカーボンファイバーをソフトタッチペイントで仕上げた仕様で、手触りも良質です。
モバイルノートPCでは外装がカーボン調というモデルこそありましたが、内側がそれというのはレア。金属筐体のライバル機とは一線を画するだけでなく、遊び心もあるデザインです。その他の詳細な点に関しては、下記の非タッチ仕様版実機レポを参照ください。
デル新XPS 13実機インプレ。驚きの狭額縁で小型大画面、カーボン素材パームレストに興奮
主な仕様は、
- ディスプレイ:13.3インチQHD+(3200×1800ドット)、IPS液晶
- CPU:Core i7-5500U (2コア4スレッド、基本クロック2.4GHz、ターボ時最大3GHz)
- GPU:インテル HDグラフィックス 5500 (CPU内蔵、実行ユニット24基)
- メモリ:8GB (DDR3L-RS 1600、拡張不可能)
- ストレージ:256GB SSD
- バッテリー駆動時間:11時間
- バッテリー容量:52Wh
- 無線接続:IEEE 802.11ac(2x2)+Bluetooth 4.0
- ディスプレイ出力:Mini DisplayPort×1
- 拡張端子:USB 3.0×2、SDカードリーダー、ヘッドセットジャック×1
- 本体サイズ:304×200×9~15mm(幅×奥行き×厚さ)
- 重量:1.27kg
- OS:Windows 8.1(Windows 8.1 Proも選択可能)
- その他:Adobe Photoshop Elements 13とAdobe Premiere Elements 13使用権付属
さらに従来機からの隠れた特徴である「キーボード配列が無償で英語配列に変更可能」という点も継承します。昨今のモバイルノートPCでは交換不可能なモデルや可能でも差額が必要なモデルが多いため、英語キーボード派からの支持が厚いポイントです。
このように、XPS 13 QHD+モデルは、モバイルノートPCとして重要な本体の小ささと、群を抜いた解像度の高さを併せ持つ点がポイント。それこそMacBookシリーズにもない魅力となっています。非タッチ仕様と比べた場合は若干高価で(ただし液晶分の差額は2万5000円と、比較的リーズナブル)、バッテリー駆動時間も落ちますが、解像度の高さはそれらに対しても十二分なメリットと言えるでしょう。
新MacBookが以前のうわさよりも高価な高級機だった点や、エントリーである MacBook Airの実質値上げなどから、ライバルとなるモバイルノートが改めて再評価されそうな動きがありますが、ここのQHD+モデルもそうした動きをほぼ間違いなく受ける存在となりそうです。