貴音「うっうー! お帰りなさいプロデューサー!」ガルーン
P「 」
― 765プロ事務所 ―
貴音「ハイ、ターッ……あれ? どうしたんですかプロデューサー?」
P「……」
貴音「――はわっ! もしかしてプロデューサーじゃなくてお客様でしたか!?」
貴音「うぅ……すみません。視界がぼやけてて、あんまり見えないんです……」ジー
P「――ちょ待って貴音!/// 顔が近い近い!///」
貴音「よかったー。その声はプロデューサーです!」
P「急にど、どうしたんだ貴音!? やよいのモノマネでも練習しているのか?」
貴音「モノマネじゃないですよー。私は高槻やよいです!」
P「……あみまみ毒電波の影響でも受けたのか?」
貴音「あープロデューサー。私の話……信じてないかも」
P「いやだって、現にやよいは今そこのソファーに座って――」
やよい「鵜川立ち、取らさむ鮎の しが鰭は 我れに削き向け 思ひし思はば」
やよい「……もう少し文字は柔らかく書いた方がいいでしょうか?」
P「 」
律子「お帰りなさいプロデューサー」
P「おい律子なんだこれ?」
P「俺が知っているやよいはあんな優雅に和歌を嗜むような娘じゃないぞ!?」
P「もっとこう……無邪気で屈託のない笑顔で周りの人々を幸せにする感じなんだよ!」
P「あんな凜とした雰囲気はまだ彼女には早すぎやしないか!?」
やよい(はっ! プロデューサーが手にしている箱から香るこの匂い……これは)
律子「そりゃそうですよ。今、こちらに熱い眼差しを向けているやよいは貴音ですから」
P「へっ?」
律子「そして今、そこで無邪気な笑顔で手を振っている貴音がやよいです」
貴音「♪」ニコッ
P「えーと……」
律子「二人の人格が入れ替わりました」
P「うそ……だろ……」
P「――って、そんなSFラブコメの定番みたいな話信じられるかよ!?」
P「どうしてこうなった!?」
P「二人一緒に階段から転げ落ちたとでも言うつもりか!?」
律子「それなんですけど……どうやら、これが原因みたいなんです」
P「ん? なんだこれ?」
律子「小鳥さんがネット通販で購入したそうなんですけど……当人は風邪薬って言っていました」
P「確かに見た目はバ〇ァリンみたいだが……」
P「製造元は……なんて読むんだこれ。はちい製薬?」
律子「恐らく八意(やごころ)って読むと思うんですけど、インターネットで検索してもヒットしないんですよね」
P「猛烈に胡散臭いな……」
律子「二人とも少し体調が悪いって言うから小鳥さんがこの薬を半錠ずつ与えたんです」
P「ふむ。それで?」
律子「二人の人格が入れ替わりました」
P「八意製薬すげーな」
P「で、でもさ。その話が本当なら、なんで律子はそんなに冷静でいられるんだ?」
P「流石に律子だってこんな状況に陥っていたら慌てるだろ普通?」
律子「……私だって」
律子「私だって二人の人格が入れ替わったときはめちゃくちゃ焦りましたよ!!」
P「!?」
律子「怪しい薬を飲んだ瞬間、貴音がいきなりうっうー!って言い始めたんですよ!?」
律子「あれ、もしかして壊れた?……って誰だって思いますよ!!」
律子「しかもやよいはやよいで、悟りを開いたような立ち振る舞いですし!!」
律子「すべては……すべてはあの事務員のせい……すべてはあの事務員のせい……」ブツブツ
P「よーしよしよし! と、とりあえず落ち着こう、な? お願いこの通り!」
P(り、律子のこの取り乱しよう……嘘ついているようには見えない。しかし……)
P「……よし、大体の話はわかった」
貴音「それじゃ、私たちの話を信じてくれたんですねプロデューサー!」
P「すまん……実はまだ完全に信じきれてはいない」
貴音「えーそれじゃ、どうやったら信じてくれるんですか?」
P「そうだな……ん?」
やよい「……」ジー
P「と、とりあえずみんなにドーナツ買ってきたからこれ食べながら話を再度整理しようか」
やよい「やはり、その箱の中身はどーなつでしたか! 私はぽんで〇んぐが食べたいです!」
P「お、おう……今日はやたら食い付きがいいな、やよい」
貴音「うぅ……プロデューサー。だから今は私が高槻やよいなんですってば……」
P「た、貴音もそんな泣きそうな顔するなよ!」
貴音「だって……」
P「オーケーわかった!」
P「例えば、俺とやよいしか知らない思い出エピソードが一つや二つあるだろ?」
P「もし本当に貴音と入れ替わっているというなら何か一つこの場で、やよいが印象に残っているエピソードを話してくれないか?」
貴音「私とプロデューサーしか知らない印象に残っている思い出……あっ!」
貴音「この間、プロデューサーのお家へお掃除しに行ったときに小学生の女の子が――」
P「!?」
貴音「たくさん載っている本がいっぱ――」
P「ちょっと待ってお願いほんとちょっと待って」
貴音「?」
P「あははっ何言ってるんだよびっくりしたなー。こんな適当な嘘ついちゃいけないだろ?」ナデナデ
貴音「えー嘘なんかじゃないですよ! この本どうやって捨てようか困ってるって言ってたじゃな――んむぅ!」
P「あははっこら。こんな悪いお口にはチャックつけちゃうぞー?」
P「ほんと〝やよい″は困ったちゃんだなー。律子もそう思うだろ?」
律子「……」
やよい「……」
P「……」
律子「……」
やよい「……」
P(あかん、吐きそう)
律子「……とりあえず、これで貴音とやよいが入れ替わっていることが理解できましたか?」
P「そ、そうですね……はい」
P「つまり、そこにいるやよいは実は貴音で……」
やよい(貴)「はい」
P「こっちの貴音はやよいであるわけか……」
貴音(や)「はい!」
P「……」
P「どうすんだよこれ!? やばいよやばいよ!!」
P「やよいは明日、〝お料理さしすせそ″の収録があるじゃないか!」
P「貴音だって〝ラーメン探訪″の収録どーすんだよ! 律子どうしよう!?」
律子「それは私が知りたいですよ!」
やよい(貴)「それは心配に及びません」
やよい(貴)「私はどんな姿、形になろうとも〝らぁめん探訪″の収録は必ず成し遂げて見せます」
P「言っていることはめちゃくちゃかっこいいけど……」
P「〝メンカタカラメヤサイニンニクマシマシ″なんて言っているやよいのドヤ顔ってどーなの!?」
やよい(貴)「プロデューサー、それは違います」
P「えっ? まさかこの困難を打ち破る奇策でもあ――」
やよい(貴)「それを仰るなら〝めんかたからめやさいだぶるにんにくあぶらましまし″です」
やよい(貴)「僅かな言い間違いかもしれませんが、出来上がるらぁめんは全く別ものになってしまうではありませんか!」
P「あ、うんごめん」
P「……なぁ? それより、この問題を引き起こした張本人は今どこにいるんだよ?」
律子「小鳥さんなら今……ちょっとおつかいに行ってもらっています」
P「おつかいって……そんなペナルティだけで許したのか律子?」
律子「そんなわけあると思いますか?」
律子「勿論……めちゃくちゃ説教〝も″しましたよ?」
P(い、今の律子に音無さんの話を振るのは止めよう)
P「や、やよいも学校とかどうするんだ?」
貴音(や)「……」パクパク
P「貴音の姿のままで学校に行くわけにもいかないだろ?」
貴音(や)「たぶんそれは大丈夫かなっーて。だって私は今、成長期ですから!」パクパク
P「いや、成長期ってレベル超えてるから……髪の色違うし」
貴音(や)「……」パクパク
P「……」
P「やよいー? みんなの分のドーナツも食べちゃってるぞー」
貴音(や)「――はわっ!? す、すみません!」
貴音(や)「なんだか無意識に体が勝手に目の前にある食べ物を食べちゃうんです……」
P(と、いうことは……)チラッ
やよい(貴)「うっ! この私がどーなつ一個で満腹になるとは……こんな屈辱は初めてです!」
P(あかん)
P「律子……ダメだ俺いま泣きそう」
律子「しっかりしてくださいプロデューサー」
律子「とりあえ
コメント一覧
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- 2015年03月13日 22:47
- 真美と入れ替わりたい
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- 2015年03月13日 22:49
- 八意製薬って何のネタやろ思ってググったら東方かよ…。
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- 2015年03月13日 22:54
- ツカミが凄く良かったのに、序盤終わった途端説明がヘタでグダる
まあ後半も悪くはないんだけどな
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- 2015年03月13日 22:54
- 亜美真美が入れ替わってPが気付くかテスト
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- 2015年03月13日 22:55
- えーりん産の薬かぁ。別に普通の通販の薬でもよかった気はする
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- 2015年03月13日 23:08
- あずささんに使うか苦悩するちーちゃん
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- 2015年03月13日 23:21
- 真面目に聞きたいんだけど東方ネタが出たって事はどっかにネタとしてかかってるんだよね?
薬以外のどこに東方要素があったか教えてくれない?
-
- 2015年03月13日 23:26
- 千川製薬?
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- 2015年03月13日 23:29
- 導入が長い
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- 2015年03月13日 23:32
- ふっつーの料理にアレンジを加えようとして
なぜかマヨネーズとケチャップをぶちまけた感
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- 2015年03月13日 23:35
- なんでお姫ちんの先生がお姫ちんのこと高槻って呼んでんだよwww
ていうかそもそもお尻ちんって学校行ってたっけ
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- 2015年03月13日 23:42
- うーん 可もなく不可もなくって感じだな
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