桜田ジュン、千切れる。
- § 桜田ジュンの部屋
- 真紅「いや~、酷い目にあったわね」
翠星石「体中ずぶ濡れですぅ~」
雛苺「翠星石が調子に乗って立ち上がるからバランスが崩れたのよ」
翠星石「んなっ!? 自分の操舵ミスを翠星石のせいにするですかチビ苺!」
ジュン「っこらー! 何してるんだお前達!」
真紅「え?」
翠星石「お、いたですかチビ人間」
ジュン「いたですかじゃない! 何だその格好は! 全員びしょ濡れで帰ってきやがって!」
雛苺「近所のドブ川で川下りごっこをしていて落ちたのよ」
ジュン「落ちたのよ、じゃねえ! どうしてそのまま水を滴らせて家にまで帰ってくる!?」
翠星石「家に帰ることの何が悪いのですか!」
真紅「そうよ! お父様の課した過酷なアリスゲームに疲れ、社会にも見捨てられた私達が
落ち着ける場所は…、ジュン、あなたの待ってくれているこの家だけだわ!」
雛苺「うぃー! ヒナ達は心に傷を負ったイケイケ少女人形なの!」
ジュン「それを言うならイケイケじゃなくて『いたいけ』」
雛苺「そ、そうとも言うの」
ジュン「帰る、帰らないは問題じゃない! 問題は濡れたまま帰ってきたことだ!
部屋の中が汚れるだろ! せめて玄関で体をタオルで拭いてから上がれよ!」
翠星石「ちっ、水ごときで肝っ玉の小さい野郎ですぅ」
真紅「全くだわ。そこまで水を嫌がるのはジャミラぐらいのものよ」
ジュン「やかましい。今すぐ僕の部屋から出ろ。体を拭いてから戻って来い」
真紅「ふん、水ぐらいこの真紅様が本気出せばこの場ですぐ乾くわ」
ジュン「何?」
真紅「見てなさい。ハァァァァアアアアア」
雛苺「みょわわっ! 真紅から強烈なオーラが出てるの!」
翠星石「な、何ですかこれは!? 界王拳ですか?」
真紅「これぞ究極の少女だけがまとうことを許された聖光気アリスオーラ!」
雛苺「ありすおーら!?」
真紅「私の内なる闘気を解放すれば、濡れた体や服を乾かすことぐらい造作でもないわ」
翠星石「す、凄いですぅ真紅!」
真紅「さらに! 極めればこんな芸当も!」グオオオオオオオ
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雛苺「ああああっ! し、真紅が! 真紅が宙に浮いてるのーっ!」
真紅「あふれ出す闘気によって、自らの体すら浮かび上がらせる。これぞアリスオーラの神髄!」
翠星石「真紅どころか、近くにいる翠星石達の服までみるみる乾いていくです」
雛苺「温かいの! まるで真紅は太陽なのよー!」
翠星石「くっ! うらやましいですぅ! どうして真紅だけができて、翠星石には…!?」
真紅「ふふん、アリスオーラを持たぬ者には分かるまい。…しかしながら、このオーラ解放にも弱点はあるのだわ」
翠星石「なんと!?」
雛苺「じゃ、弱点! それは一体なんなの…?」
真紅「マスターであるジュンが細胞レベルで激しく疲弊するのよ」
ジュン「……」しおしおしお
翠星石「あああーっ! チ、チビ人間がスルメイカじみて、しおれているですー!」
雛苺「急に喋らなくなったから、おかしいとは思っていたのー!」
ジュン「……」へなへなへな
翠星石「どどど、どうするです真紅!? 服は乾いたですが、チビ人間が
ジョジョ第5部のソフトマシーンに刺されたみたいにペラペラです!」
真紅「しょうがない。私がマフラーとしてジュンを首に巻きましょう」しゅるる
ジュン「……」
雛苺「似合っているのよ真紅」
翠星石「マフラーとして巻くことで真紅からパワーがチビ人間に還元されるのですね」
真紅「いえ、こうすることに特に意味は無い」
翠星石「…っ」
雛苺「じゃあヒナも、それ巻く」グイッ
真紅「引っ張らないで頂戴。伸びちゃうでしょ、ジュンが」
翠星石「す、翠星石も巻きたいですぅ! むしろ翠星石こそがそのジュンマフラーを巻くべきドール…!」グイッ
真紅「翠星石まで…? 落ち着きなさい二人とも」
雛苺「真紅にジュンを独り占めされるなんてヒナも翠星石もイヤなのー」グイグイ
翠星石「勘違いするなですよ。翠星石はただ、そのマフラーに相応しいのは私だと言いたいだけで…」
真紅「ちょ、ちょっと! 本当にそれ以上引っ張らないで頂戴! なんかヤバイ…!」
翠星石「えっ?」グイーン
ビリッ ブチブチブチ ビッチーーーーーン!
真紅「あっー!」
雛苺「みょわわわ!」
翠星石「ふぉおおおっ!?」
真紅「ああああ、ま、まるで誰かが下痢便をぶちまけたかのような嫌な音とともに…」
雛苺「ジュンだったマフラーがバラバラに千切れちゃったの!」
翠星石「こ、これはかなりヤバくねーのです? チビ人間がバラバラですよ!」
真紅「おおおおおおおおお、落ち着きなさい二人とも! 私達はパニックという言葉を
知らない誇り高き薔薇乙女よ! 落ち着いてデロリアンを作成して過去を改変するわよ!」
翠星石「お前が一番落ち着けです真紅」
雛苺「みょぉおおおおっ! あんま~! ジュンが死んじゃったのー!
真紅と翠星石がバラバラに引きちぎって殺したのよーーー!!」
翠星石「自分だけ責任逃れをするなですチビ苺!」
真紅「落ち着きなさいって言ってるでしょ二人とも! ジュンは死んでいないわ!」
雛苺「えっ?」
翠星石「ほ、本当にですか? ピッコロさんでもマジで再生が無理な状態ですよ」
真紅「ジュンは生き続けている。私達の思い出の中で永遠に、そうでしょ?」
翠星石「なるほど~、ってそれじゃ何の意味も無いですよ!」
雛苺「翠星石がノリツッコミだなんて珍しいのよね」
真紅「落ち着いて考えれば、ジュンはそもそも枯れ果てて仮死状態だったはずよ。
それがバラバラになったところで真の死を迎えたとは言い切れないんじゃなくて?」
翠星石「む…?」
真紅「取りあえず時間を巻き戻して、マフラーとしての形を保っていた状態にまで戻しましょう」
雛苺「うぃ! そうすればジュンも復活なの!」
翠星石「まあ、それが最善の方法ですよね」
真紅「あああっ! し、しまった!」
翠星石「どうしたです真紅!?」
真紅「アリスオーラ開放でエネルギーを使いきったせいで巻き戻しの懐中時計を発動できないわ!」
翠星石「なんとーっ!?」
雛苺「それじゃあヒナ達はバンジージャンプなのよ!」
真紅「それを言うなら『万事休す』よ雛苺。けど、本当にどうしましょう…?」
翠星石「手縫いで直すですか?」
真紅「ちゃんと破れた箇所を元通りにくっつけて縫えるわけないでしょ。こんなにバラバラなのに。
それができるようなマエストロ級の技術を持つのはジュンだけだわ」
翠星石「ううむ…」
雛苺「ヒナ、適当にくっつけちゃいそうなの」
真紅「ドラえもんの分解ドライバーよりも凄惨な合体事故が起きるわよ」
翠星石「じゃ、じゃあ一体どうすればいいんですか!」
雛苺「いにゃーっ! 翠星石がミステリーなの!」
翠星石「それを言うならヒステリーですぅ! けど翠星石はヒステリーじゃないです!」
真紅「かっかしないで翠星石。こういう時こそ頭を冷やして私達で知恵を合わせなくてはいけない」
翠星石「な、なるほど、女三人寄れば文殊の知恵ですね。翠星石もつい熱くなってしまっていたようです。すまんこってすチビ苺」
雛苺「うぃ、ヒナはもう気にしてないの」
真紅「しかし翠星石だけでなく私もヒナも、ジュンがバランバランという未曾有の事件に
頭は煮詰まってきている。翠星石、窓を開けて頂戴。空気を入れ替えてクーリングダウンよ」
翠星石「ラジャーですぅ!」ガララッ
ピュオオオオオオオオオオオオオッ
翠星石「むおおおっ!? 春一番んんんんんんっ!!?」
雛苺「凄い突風なのーーー!」
真紅「あまりの風速で…、息もできないくらいの恋が始まりそうだわーーーっ!」
翠星石「ああっ!? チビ人間だった汚いボロクズの破片たちが風で飛ばされて窓の外にーーっ!」
真紅「ええっ!!?」
雛苺「あややややや! あ、あんまり遠くに飛んでいったりしたら巻き戻しの時計でも直せないかもなの!」
真紅「は、早く! ジュンだった汚らしいボロクズを取り押さえて飛ばないように…!」
翠星石「もう手遅れですぅ…。チビ人間だった破片は一つ残らず遥か彼方へ…」
真紅「な、なんてこと」
雛苺「こんなの、もう…集めて復活させようがないのよね…」
真紅「くっ…、さらばだわジュン。私達はあなたのことを忘れない。いつまでも」
翠星石「ですぅ」
真紅「とは言え、ジュン不在はヤバい。私達は今、エヴァで言ったらアンビリカルケーブルが切れた状態」
雛苺「え?」
真紅「出来うる限り飛び散ったジュンの干物を回収しなくては」
翠星石「で、ですが…! そんなのほぼ不可能」
真紅「この際、腕や脚の1~2本ぐらいは回収しきれなくてもいい。とりあえずジュンの命を最優先だわ!」
雛苺「全部を集めなくてもいいのなら、なんとかなるかもなのよね」
翠星石「よっしゃ! そうと決まれば、さっそく外に繰り出してチビ人間の欠片を探しに…!」
真紅「うぐっ!?」ガクッ
雛苺「うにゃっ!? どうしたのよ真紅ぅ!?」
真紅「な、なんてこと…! 活動限界だわ!」
翠星石「えええええーーっ!? なんですとー? ウルトラマンでももうちょい粘るですよ真紅!」
真紅「アリスオーラ開放で全エナジーを消費してしまったようね。
私は巻き戻しの時計を使う余力を残しておくためにも今から眠りに入るわ」
翠星石「え!?」
真紅「あなた達二人だけが頼
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- :黒い天使:2015/03/14(土) 23:46:00
- これだから赤は駄目ねぇ
ジャンクになったほうが良いわぁ
- :-:2015/03/14(土) 23:53:13
- 「桜田ジュン、切れる」に見間違えて「いつものことじゃん」と思ってしまったのは俺だけじゃないはず
- :-:2015/03/14(土) 23:55:11
- 今までで一番やばいwwwってかジュン人間やめすぎだろwww
ローゼンマイスターなんてなりたくないわwww