昨年公開された日本初のシンセドキュメンタリー映画『
ナニワのシンセ界』が DVD になりました。発売日は3月27日で、現在は予約を受け付けています。
映画『ナニワのシンセ界』 DVD発売
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7 枚
ここ数年、MOOG がキース・エマーソンモデルの
巨大モジュラーシンセや
System 55 /System 35、Model 15 を復刻したり、KORG が
MS-20 を自作キット化するなど、アナログシンセサイザーの復刻が盛んになっています。
今年1月には世界最大規模の楽器見本市 NAMM 2015 で、 KORG と Behringer が同時に
ARP Odyssey の復刻版を発表するのではといった噂が話題となりました。
一方、日本でもシンセサイザーをテーマとしたイベントが各地で開催されるなど、シンセ好きなマニアを中心とした活動が活発化しています。映画『ナニワのシンセ界』は国内でもユニークな大阪のアナログシンセ界隈に棲む人々を追ったシンセサイザードキュメンタリー作品です。
映画本編に登場するのは、まさに個性的な人ばかり。たとえば毎年 NAMM ショウにも出展するシンセサイザーメーカー REON の荒川 伸 氏は、シンセサイザーとの出会いや MOOG 3C のレプリカ「REON IIIc」自作のいきさつなどのエピソードを紹介。
さらに、毎日の仕込みとして ARP 2600 のパッチングを行うという「電氣蕎麦」の店主や、神楽とシンセが融合した音楽を追求する神職ミュージシャン、大阪でシンセ女子として活動するアイドル歌手などがが次々と現れては興味深いエピソードを語ります。
登場人物がシンセサイザーを心底楽しんでいる雰囲気もよく伝わるため、見終わる頃には視聴者自身もシンセサイザーに触れてみたくなるかもしれません。
映画は昨年8月、渋谷で初の
上映会が開催されました。遅れて9月に大阪で行われた上映会では REON の荒川氏が REON IIIc の実物を持ち込み、他のゲストも持参のシンセで参加したミニライブは大盛況だったようです。また大阪ではその後も複数回にわたり上映が行われたほか、今年に入って2月にはドイツでも上映会を開催しています。
DVD『ナニワのシンセ界』 の発売日は3月27日。現在は製作会社「スタジオねこやなぎ」のサイトで
予約を受付中です。
なお、映画を製作した「シンセ監督」こと 大須賀 淳 氏によると、現在シンセサイザー映画第二弾を準備中とのこと。アナログシンセサイザー
Prophet-5 を開発し、グラミー賞も受賞した デイブ・スミス 氏へのインタビューなどをすでに撮影済みで、『ナニワのシンセ界』からうってかわって国際的な題材も扱ったものとなりそうです。