上海の百貨店に世界最大の「らせん」エスカレーター登場
えっ、らせん階段じゃなくて、らせんエスカレーター?
5月のグランドオープンを控え、現在プレオープン中の上海新世界大丸。屋内の吹き抜けでひときわ目を引くのが、美しくカーブしたスパイラルエスカレーターです。
アメリカでは、ウエストフィールド・サンフランシスコセンターやラスベガスのフォーラム・ショップス(シーザース・パレス)などに導入されているスパイラルエスカレーターですが、世界ではかなり珍しいもののようです。
そんな珍しいスパイラルエスカレーター、実は世界で唯一、日本企業の三菱電機が製造しているのです。1985年に初めて製造して以来、現在では日本国内36台、国外67台の合計103台が稼働しています。上海新世界大丸には、昇り降りあわせて12台が導入され、単独プロジェクトとしては過去最大規模だとか。
それにしてもこのエスカレーター、どういう構造になっているんでしょう? 三菱電機のプレスリリースによれば、スパイラルエスカレーターをつくるのは、ものすごく難しいのだそうです。
半円を描く水平方向の移動速度が一定であれば、同心円状を動かすことが可能ですが、傾斜部では垂直方向の移動が加わり水平方向の速度が遅くなるため、構造上の問題が生じます。そこで傾斜に応じて段階的に中心点を移動することでエスカレーター特有の動きを実現しました。
ステップを動かすためのチェーンには、さまざまな角度に対応出来る特殊なチェーンを使用しています。また形状が複雑で加工が困難なレールや手すりは、工作技術により3次元のねじれを加えながらも最終精度0.1mmを確保し、なめらかな動きを実現しました。
なるほど、0.1mmの精度...。日本国内でも各地に設置されていますが、関東では横浜のランドマークプラザや、意外なところでは門前仲町のパチンコ屋さんなどに設置されているそう。ちょっと乗り心地を試しに行ってみようかな。
Attila Nagy- Gizmodo US[原文]
(原田真理恵)
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