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「Pepper」の進化と人型ロボットがもたらす、私たちとの関係性とは? : ギズモード・ジャパン

「Pepper」の進化と人型ロボットがもたらす、私たちとの関係性とは?

2015.03.24 22:00
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感情認識パーソナルロボット「Pepper」がいよいよ手元に!

世界初の感情認識ロボットとして一躍話題をかっさらった「Pepper」。インストールするアプリ次第で機能を拡張でき、ペットロボットや掃除ロボット、介護ロボットなど…まさに「目の前にある未来」といった面持ちです。

今年も開催されたPepperアプリのアイディアを競う「Pepper App Challenge 2015」では、大人から子供までが参加し、作られたアプリは認知症サポートから手品ロボットなど、「Pepper」のさまざまな可能性を垣間見ることができました。

「Pepper」は日々進化している、そんな印象です。

一般販売も近づいているなか、今後「Pepper」はどんな進化を遂げ、日々の生活に役立っていくのでしょうか? そんな「Pepper」の今を知るべく、「Pepper」のコミュニティの成長を間近で見てきたGoogle Expertの安生真さんに、「Pepper」が持つ可能性と未来に関してインタビューを行いました。


ロボットが身近にあるときに僕らがどう変わっていくのか?


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ーーまず、一般販売で今後さらに認知度が上がっていく「Pepper」が、どう進化していくとお考えでしょうか。

安生真さん(以下:安生):昨年の発表されたものよりCPUのコアが増えていたり、センサーが良いものになっていたり、ファンが増えていたり、「Pepper」が機械としての機能が追加されていくことは今後もあると思います。ただ一般販売された時に、「Pepper」自身の進化よりも、ロボットが身近にある状況になったときに僕らがどう変わっていくのかに興味がありますね。

ロボットというと、小さい頃に漫画や映画、アニメで接してきた自分なりのロボット像が皆さんにあると思うんです。で、そのロボットが横にある。どう接すればよいのか、イメージ通りなのか、想像と違うのか、そういうことに自分が気付くんです。初めて「Pepper」に触れる人を見るとき、どういった反応なのかがとても興味深いですね。

ーー安生さん自身もロボットに対する接し方や考え方が変わりましたか?

安生:そうですね。エンジニア的に見たら、素の「Pepper」だとプログラミングしていかないと、思ったようなリアクションをしない状況なのは分かります。でも近くに「Pepper」がいるとうっかり話しかけてしまうことがあるんです(笑)。女の子がヌイグルミに話しかけるのと全く同じ状況だと思います。こちらが勝手に人物像キャラクター性を持たせちゃってるんですよね。

ーー話しかけてしまう瞬間は、開発されるものと開発するものの関係ではなく、相方や同居人のような存在に?

安生:不思議とそうなってしまいますね。だからエンジニアとして戸惑いはあります。今までのソフトウエアエンジニアというと、基本的に画面に絵や音を出すのがメインなんですが、「Pepper」の場合、人型プラットフォームで、モニター自体はサブ要素なので、「Pepper」に何を喋らせるか、どういう動きをさせるか、それがメインになってくるんです。

「Pepper」を動かすときは専用のコードをひたすら書いていく作業なので、これまでウェブ系をやってきた人ならすんなりとアプリ開発ができちゃうんです。

ただ彼らが人型の何かを作ったことがあるかといえば、ないんです。「作り方は分かった、でも何を作ればよいのだろう? 人型のインターフェースで何をやるべきなのか?」と大概の人は考え込んでしまうんです。

ーーもしかするとプログラミングなどの専門的な知識がない人の方が面白いことができるということもありうるわけですね?

安生:実際そうですね。僕も今までハッカソンやカンファレンスなどを行っていますが、モバイル関係の仕事をしてますとか、ウェブ系の仕事をしているけどアプリもやってみたいとか、そういった近しい人たちが集まるんです。でも「Pepper」のハッカソンを見ていると、参加者にそういう一貫性みたいなものが全くないんですよ。

プログラマーじゃない人が常に3割くらいいるし、デザイナーやプランナー、会社経営者の方など、この世界に近しい人も多いんですが、普段は農業やってますとか、マジシャンの方とか(笑)。つまりそういう方々でもある程度は「Pepper」の開発ができるようになっているんです。


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ーー開発者の目線でいうと、そういう方々のプログラミングはめちゃくちゃなわけですよね?

安生:もちろんそうですね(笑)。プログラミングを組む時に、アクションの分岐のさせ方だとか条件定義だとか、プログラマーならキモになるところに初めはよく引っかかるんです。ただ「Pepper」の場合、やらせたい事を線をつないでいくだけなので、ハードルは高くないんです。

ーー何度かハッカソンを開催されているとのことですが、コミュニティの現状や成長に関してはいかがでしょうか?

安生:何度か足を運んでくれている人同士が顔見知りになって、チームを作り始めつつある状態ですね。この前の「Pepper App Challenge 2015」でも何チームかはハッカソンを通じて生まれたものなんです。



ーー先日の「Pepper App Challenge 2015」ではどれくらいの応募があったのでしょうか?

安生:100くらいですね。コンテストなのに少ないと思うかもしれませんが、募集し始めたのが1月で、そもそも「Pepper」を持っている人が200くらいなんです。つまり2人に1人は何かを作ったってわけです。


現場とエンジニアのコラボレーションで生まれるもの



ーー「Pepper App Challenge 2015」で登場したPepperを見て率直にどう思いましたか?

安生:最終的に残った作品ですが、本業がエンジニアじゃない方もたくさんいてバラエティに富んでましたね。大賞は介護系の方だったんですが、具体的に介護でこういう風に使えるんだというのはエンジニアだけでは分からないんです。現場が興味を持ってくれてエンジニアがそれを制作する、そういうコラボレーションはとても面白いと思います。


便利なロボットではなく、コミュニケーションできるロボット


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ーーアプリ開発が簡単で、誰でも「Pepper」を育てていけるわけですが、一方でクリエイティブな面にどのような未来を感じますか?

安生:いろいろな可能性を感じますが、想定外のことをしてくる人も多いんです。「もはやそれはソフトウエアエンジニアリングではない」というところで、まずは装飾から始める人がいるんです(笑)。「Pepper」はキャラクター性を感じないような素体になっているのでその気持ちも分からなくはないですが…。

あと「Pepper」には手がついているのですが、握力はほとんどないんです。200gくらいのものでも落としちゃう可能性もあります。だから結束バンドで無理やり何かを持たせるなんて解決方法をしてる人もいました。

ーー機能としてはかなり限られているわけですね?

安生:そうですね。便利なロボットではなくて、コミュニケーションできるロボット。それがコンセプトなんです。今後はどうなっていくか未知数ですが、AIとつながっていくと違う便利さは出てくると思います。


どのSFがどう実現されるか、それを考えるだけでも面白い


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ーー今後さらに「Pepper」が普及していくと、人とロボットのコミュニケーションがどのように深まっていくと思いますか?

安生:「Pepper」はワトソンと繋がってAIが使えるようになれば、人間の記憶の補佐くらいは簡単にできるようになると思いますよ。「Pepper」が近くにいることで、過去何時何分何秒にどんな発言をしたか覚えてくれているわけです。それだけでだいぶ鬱陶しいのですが(笑)。その先がどうなっていくかはSFの世界。どのSFがどう実現されるか、それを考えるだけでも面白いんです。

ーー安生さんが考える「Pepper」の最終形態はどういうものでしょうか?

安生:「Pepper」はこのまま「Pepper」だと思うんです。利便性を考えるともっと小さくなるでしょうし…まぁ、僕的には空を飛んでほしいですね(笑)。そうなると映画「ベイマックス」の世界ですけども。

ーーどんなところでどう活躍するのか、分からないというのも「Pepper」の面白さかもしれませんね。

安生:そうですね。つくる側も何ができるのか改めて考えてしまう、それはつまりいろいろな選択肢があるということでもあるんです。最初はユニークな動きをさせると思うんですが、「これならこういうこともできるな」と芋づる式に発想が出てくると思うんです。


また新しい何かが生まれてくる楽しみ


ーーデベロッパーとしての面白みはどういうところにあると思いますか?

安生:ロボット関係のエンジニアリングをしている方は全体の数%で、クローズドな世界なんです。でも「Pepper」なら簡単に人型ロボットでいろいろなことができる、そういう状況は単純にとても面白いと思う。エンジニアの人はたくさんいますが、改めて自分が何をするのか考える時期でもあると思うんです。今まで画面に出していたものを人型のロボットにどう反映させるか。考えれば考えるほど面白いんです。


ーー次に何か「Pepper」で行なう予定はありますか?

安生:定期的にハッカソンをやっていきます。「Pepper App Challenge」でユニークな作品も増えたので、これからまた違ってくるんじゃないかなと思います。実際に「Pepper」の台数も増えているので、作る人たちもこなれてくるはずです。そうするとまた新しい何かが生まれてくる楽しみもあります。

それと同時に「Pepper」自身のアップデートもあり、更に可能性が広がるはずです。ハッカソンなどを通して情報交換をしつつ、「Pepper」との生活を楽しんでいきたいと思います。


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今回の取材を通して、「Pepper」がSFでしかない世界の訪れを感じさせてくれる、そう思いました。人型ロボット? そんな単純なものではありません。

そんな世界に少しでも触れてみたいと思ったなら、「Pepper」のアプリ開発の基礎が学べる「アルデバラン・アトリエ秋葉原 with SoftBank」を訪れてみてはいかがでしょうか? 開発経験者はもちろん、開発初心者やアイディアで勝負という方もワークショップをはじめ、「Pepper」のタッチ&トライ、ハッカソンなどさまざまなイベントが無料で体験できるスペースなんです。

公式サイトでPepper Creator登録を行なうと「Pepper」の最新情報が受け取れることもお忘れなく!


source: SoftBank , Pepper

(ホシデトモタカ)

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