火星探査車「オポチュニティ」がフルマラソンを完走、タイムは11年と2ヶ月
NASAは24日(現地時間)、火星表面で活動しているマーズ・エクスプロレーション・ローバーB (通称オポチュニティ)の走行距離が、フルマラソンに相当する42.195kmを超えたと発表しました。火星到着から、地球時間で足掛け11年2ヶ月での記録となります。
2004年1月、オポチュニティは火星の赤道付近に位置する「イーグル」クレーターの内部に着陸。オポチュニティの想定稼働期間は90火星日ほどに設定されていましたが、車輪のスタックや太陽電池の機能低下など数々の困難を乗り切り、着陸から12年目に突入した現在も探査活動を継続しています。
イーグルクレーターを後にしたオポチュニティは、「エンデュランス」「ビクトリア」といった二つの小クレーターで探査を行なった後、2011年に直径およそ22kmのエンデバークレーターの外輪部に到達。蛇行するように進み続け、昨年9月には地球外の走行距離で新記録(約40km)を達成してました。
現在オポチュニティは、エンデバークレーターの端部にある「スピリット・オブ・セントルイス」という小さなクレーターを調査中です。このエリアでは、過去に探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」によって水分を含んだ粘土鉱物の存在が観測されていることから、オポチュニティのサンプル分析結果によっては、この場所にかつて水が存在していた証拠が得られるものと期待されています。
▼オポチュニティの走行ルート。
当初想定の10倍以上の期間を超えてもなお活動を続けているローバーの姿には何か凄まじいものを感じますが、今後も可能な限り火星の「生の姿」を地球へ送り続けてくれることを願わずにはいられません。
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著者
企業の研究所でR&D業務に携わっておりましたが、2013年4月をもって退職し、当サイトの専属となりました。ソース明示とポイントを押さえた解説を心がけてゆきたいと思います。
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