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家族が亡くなると自らの指を切り落として死者に捧げるダニ族の儀式(インドネシア)※閲覧注意 : カラパイア

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 インドネシア・西パプア州の標高1.6キロの場所には、ダニ族の住む集落がある。その集落には25万人のダニ族が暮らしているという。

 この部族には変わった儀式がある。家族が亡くなると、その度に女性は必ず自分の指を関節から切り落とす。亡くなった人の人数分切り落としていくので、一度に数人亡くなったら、数本分の指を切り落とさなければならない。
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 指切りは、精神世界へと旅立った故人に「尊敬」の意を表す為の重要な儀式である。指を切断することで得た痛みは最愛の家族を失くした心の痛みの象徴とされている。また、血を流すことで災いをも洗い流すという意味がある。

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 高齢者ほど指の数は少ない。全部失ったものもいる。指切りの儀式は細い紐で1時間半近く指の血流を止める所から始まる。そして切断された後、切断された指を使った儀式が行われる。指は乾燥させ、その後燃やされる。生み出された灰は墓にお供えされるのだ。

 現在では禁止されているこの儀式だが、その伝統は今でも垣間見る事が出来る。高齢のダニ族の人々(特に女性)出会うと指が数本無くなっている事に気付くだろう。
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 しかし、死にまつわるダニ族の儀式は指切りだけではない。もう一つの儀式はそれよりも幾分か理解しがたいものだ。部族の中でも特に位の高い人物が亡くなるとその遺体は数週間かけて煙で燻製状態にされる。そして燻製にされたその遺体は、時にこの地に来た外部の人に見世物とされる事もある。

 木材やワラの屋根で出来た家に住む彼らだが、決して外界と連絡を取っていないわけではない。むしろ、村の人口の少数は近代的な衣類を好む者もいるという。

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 ツアー旅行者もよく訪れる為、ダニ族は、近隣のヤリ族とラニ族と一緒に「バリウム・バリー・カルチャーフェスティバル」という大きな祭りを25年前から開いている。この祭りは外部の人々と接触して関係性を持つ為の大事な祭りなのだという。

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 今後もツアー旅行者の数は増えていき、ダニ族の奇妙で興味深い伝統は語り継がれる事だろう。しかし、彼らもまたツアー旅行者に影響を受け、徐々に近代化しているのだ。その例として指切りの廃止があげられる。こういった影響力も我々は考えなくてはならない。

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 しかし、それ以上にダニ族の大きな問題となっているのがマラリアの流行だ。こいにも、こういった地域に暮らす人々にも、少しずつではあるが、治療薬が届けられている。

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 だが近代化の波の影響を受けても、彼らはダニ族のしきたりを忘れる事は無い。彼らは誇り高きダニ族であるからなのだ。


Dani Tribe - Papua- New Guinea
via:scribol・原文翻訳:riki7119


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コメント

1

1.

  • 2015年03月27日 21:07
  • ID:2OrGV2kQ0 #
2

2.

  • 2015年03月27日 21:09
  • ID:w7Y5BIZ.0 #
3

3. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 21:10
  • ID:dIbQMmP40 #

外部のツアー客を受け入れて人に見せるお祭までするってすごい。
誇り高い部族であってほしい。
マラリアはしょうがないけど外部からの感染症にはちゅういしてもらいたい。

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4. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 21:33
  • ID:BzhwCaFR0 #

伝統は大事だし外部の人間が自分の価値観だけでああだこうだ言うべきものでも無いのかもしれないけど廃止されて良かったと思ってしまう…やっぱり見てて痛々しい

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5. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 21:40
  • ID:HZCdDSK70 #

こういう記事を読む度に、自分が日本人で良かったって思う。
指なんか切り落としたら、ピアノも弾けないやん(涙

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6. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 21:54
  • ID:FVL11Dus0 #

指を切り落とすという儀式になる前は殉死の風習があったのかもな

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7. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 22:13
  • ID:xK53aBiu0 #

いくらしきたりとは言え、こんな習慣嫌だ〜😱。筋もんさんもびっくりって感じですね。この指詰めしかり、割礼しかり…外国にはなんでこんなに「痛い」儀式があるんだろう?怖すぎる。

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8. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 22:25
  • ID:rVDzE2rs0 #

日本にもあった殉死みたいなものか
メラネシアって戦時中米軍が持ち込んだ西洋文明から
カーゴカルトが生まれたり独特の信仰があって面白い、
水木しげる御大がニューギニアに惹かれたのもこういうのなのかね

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9. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 22:29
  • ID:dPqEPa1j0 #

うぐぐ、色んな文化があっていいと思うけど、こういう痛い儀式のあるところに生まれなくてよかった…

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10. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 22:53
  • ID:88TM07940 #

諸星大二郎のマッドメンに指を切ったお婆さんがでてきたなぁ

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11. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 23:13
  • ID:RnY3q63j0 #

何にせよ、女性だけというのが嫌すぎる。その時点で嫌悪感しか湧かない。

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12. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 23:18
  • ID:AFfW5j400 #

※7
痛みは「強さ」を表す最もシンプルな表現なんだと思う。
現代人のような複雑に絡み合った社会とは違い、古代の生活が根付く民族ほど、
道具を必要とせず、自分自身の肉体のみで示すやり方になるのだろう。

このダニ族は、家族を亡くす悲しみの「強さ」=指を切り落とす「痛み」となった訳だが、
例えば、アマゾンの部族には、男性が成人と認められる為の儀式として、猛毒アリがびっしり詰まった袋の中に手を突っ込んで丸一日続く痛みを、数年間続けるというものもあるそうだ。
その場合、大人になる為の「強さ」=猛毒アリによる「痛み」に耐える力ということになる。

また痛みに耐えた後は必ず”傷”が残る。
そしてその傷は決して無くすことのない”証明書”にもなるという考えは正に、道具で溢れている私達とは異なる文化なのではないでしょうか。

と言うのが私個人の考えです。

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13. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 23:20
  • ID:.2Vkv0Uy0 #

海外で夫が死んだら残された妻を焼き場にぶち込む儀式あったけど
どこにでも外部にはわからない風習あるようだな

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14. 匿名処理班

  • 2015年03月27日 23:20
  • ID:a0Icmwmm0 #

大切な人を喪ってすごく辛い時に、自分にも痛みを与えることで心が安らぐっていうのはあるかもしれないね、これだけのことをしたよ、あなたを愛してたよーって
儀式だから仕方なくやるのか、そういった気持ちで行うのかきいてみたい

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