アーニャ「早春の息吹身に染む今日此頃」モバP「どうしたアーニャ、言葉遣いが変だぞ!?」
※当SSはロシア語の初歩をちょっとまじめに、楽しく勉強しようという趣旨のSSです。
※目安のためにロシア語にはカタカナ表記をつけています。大体伸ばし棒(ー)のついている部分にアクセントがあります。
例:Анаста́сия → Анастасия(アナスターシヤ)
アーニャ「藪から棒な話で恐縮なのですが、実はですね」
P「はぁ」
アーニャ「ロシア語を忘れてしまいまして」
P「」
アーニャ「まさしく青天の霹靂ですね」
P「いやいや」
アーニャ「プロデューサーとしては寝耳に水な話かもしれませんが」
P「いやいやいやいやいやいやいやいや」
P「……美波?」
美波「ビクッ」
美波「すいません!プロデューサーさん、わたしが悪いんですっ」
P「いやぁ……、なにをどうしたらこんなことになるんだ?」
美波「実は昨日、アーニャちゃんと日本語の勉強をしていて……」
P「勉強しすぎてロシア語を忘れたって?」
美波「はい……」
P「マジかよ……」
美波「アーニャちゃんってすごく物覚えがいいから、すぐ色々覚えちゃって」
アーニャ「美波の教え方がうまいんですよ。孟母三遷の教えですね」
美波「いやいや、まさに矯めるなら若木のうちというように」
P「美波、うつってる! うつってるぞ!」
美波「ああっ! つい!」
美波「すいません、私も一緒に勉強していたものですから」
P「う~~~ん、しかし、それは困ったなぁ」
アーニャ「そうですか? 私としては日本語が上手になって非常に喜ばしいのですが……」
P「確かに日本語が上達するのは嬉しいけど……、今やっとロシア語キャラが定着してきたところだからな」
美波「キャラは大事にしたい、ってことですか」
P「たとえばラジオで『情熱的に愛の告白をお願いします』ってリクエストがきたとして、『月が綺麗ですね』とか答えるわけにもいかな
いだろうよ」
アーニャ「その日本語、とても美しいですね。今度使ってみます」
P「覚えるな覚えるな!」
美波「急に日本語が上手くなったら『これまでのキャラは嘘だったのか!』ってなりますよね」
P「そうだな。さすがにそれは避けたい」
アーニャ「キャラというのは難しいものなのですね……」
美波「アーニャちゃんはキャラなんて意識してなさそうだもんね」
P「ん、逆に美波は意識してるのか?」
美波「えっ? わ、私はいつも自然体ですよっ」
P「ふ~ん、アーニャ的にはどうなの?」
アーニャ「キャラと言っていいかどうかわかりませんが、ときどき美波がおかしなことをする時はありますね。昨日なんか」
美波「ぎゃーっ! 流暢な日本語でそれ以上喋らないで、アーニャちゃん!」
P(な、なにがあったんだ!?)ドキドキ
P「ま、まぁ、とにかく」
アーニャ・美波「「はい」」
P「アーニャにはロシア語を勉強し直してもらおう」
アーニャ「そうなりますか」
美波「でも、今度は誰も教えられませんね」
P「そんなこともあろうかと!」バッ
アーニャ・美波「!?」
P「実はこっそりロシア語を自主的に勉強していたのだッ!」ドサドサ
アーニャ「ロシア語の教科書がたくさん……」
美波「なんで勉強してたんですか?」
P「最初アーニャに『貴方ロシア語分からないんですか? 私に声かけたのに?』って言われたのが悔しくて……」
美波「……」
アーニャ「遺憾です」
――その日の午後
P「アーニャと学ぶ」
美波「ロシア語講座!」
アーニャ「第一課でございます」
P「アーニャ、そこはロシア語でУрок один(ウローク アジーン)だろう……」
アーニャ「すいません、つい」
P「とりあえず会議室を借りてみたんだが」
P「美波も一緒に勉強するんだな?」
美波「はい、私も一度ロシア語を勉強してみたかったんですよ。それに、私はアーニャちゃんと一緒の仕事が多いですから」
P「アーニャがオフのときは美波もオフってことか」
アーニャ「美波と私は一心同体、刎頸の交わりなのです」
美波「そう、交わっているんです」
P「……あえてつっこまないでおこう。それじゃ、テキストを開いてくれ」
アーニャ・美波「「はい」」
АБВГДЕЁЖЗИЙКЛМНОПРСТУФХЦЧШЩЪЫЬЭЮЯ
абвгдеёжзииклмнопрстуфхцчшщъыьэюя
P「まぁ、とりあえずこれがロシアで使われてるアルファベット、キリル文字だ。なにはともあれこれを読めるようになってもらおう」
美波「うわぁ……、全然読める気がしないです」
アーニャ「アー、ベー、ヴェー……」
P「お、少しは思い出したか? アーニャ」
アーニャ「そうですね。Алфавит(アルファヴィート)……、文字くらいなら、読めそうです」
美波「ロシア語を思い出したら少しカタコトに戻りましたね」
P「日本語はまた忘れるのか……まぁそれでいいんだけど」
P「一応、読み方はこんな感じだ。順番通り暗記しておくと辞書を引いたりするときに便利だぞ」
Аа:アー Бб:ベー Вв:ヴェー Гг:ゲー Дд:デー Ее:イェー
Ёё:ヨー Жж:ジェー Зз:ゼー Ии:イー Йй:イークラートカエ
Кк:カー Лл:エル Мм:エム Нн:エヌ Оо:オー Пп:ぺー
Рр:エル Сс:エス Тт:テー Уу:ウー Фф:エフ Хх:ハー
Цц:ツェー Чч:チェー Шш:シャー Щщ:シシャー Ъъ:トヴョールドゥイ・ズナーク(硬音記号)
Ыы:ゥイ Ьь:ミャーフキー・ズナーク(軟音記号) Ээ:エー Юю:ユー Яя:ヤー
美波「プロデューサーさん」
P「先生と呼んでくれ」
美波「……先生、この『硬音記号』と『軟音記号』ってのはなんなんですか?」
P「この二つは他の文字と違って特殊な使い方をするんだ。とりあえず硬音と軟音という概念をマスターしてからまた後で解説しよう」
P「まずは母音だ。АОУЫЭの五つを『硬母音字』という。アーニャ、お手本を頼む」
アーニャ「はい。アー、オー、ウー、ゥイ、エー」
P「Ыだけちょっと難しいな。これはイとウの中間の音で、ドイツ語でいう『ü(ウーウムラウト)』に似てるかもしれない」
美波「いー、ういー、う、うぃー……、難しいですね」
P「まぁ『うぃー』でも通じることは通じるし、今のところはそれで大丈夫だ。ほんでЯЁЮИЕの五つは『軟母音字』と呼ばれている」
アーニャ「読みますね。ヤー、ヨー、ユー、イー、イェー」
P「これらは硬母音字の頭に短いイをくっつけて発音したものだ。基本的に軟音=短いイがくっついているもので、硬音=そうでない
ものという分け方だ」
美波「アーよりヤー、オーよりヨーのほうがやわらかいわけですね」
P「まぁそんな感じ。子音にも硬子音と軟子音があるので、おいおい説明しよう」
アーニャ「『オイオイ』……、新宿に、そんな名前のУнивермаг(ウニヴィルマーク)……百貨店がありますね」
P「アーニャ、それは『マルイ』だ」
P「あとЙ(イークラートカエ)は半母音といって、要するに短いИだな。айで『アイ』、ойで『オイ』みたいに発音する」
アーニャ「アイ……、覚えていますか……」
美波「アーニャちゃんったら、それじゃ初代マクロスの劇場版じゃないの」
P「え、美波はマクロス知ってるのか?」
美波「はっ! いえ、違うんですよ。ラクロスと発音が似てたから手に取ってみただけで」アセアセ
アーニャ「ヤック、デカルチャー」
P「アーニャに布教してんじゃねぇか!」
美波「あうあうあう……」
P「まぁいいや……、んじゃ次は子音ね。子音は無声子音と有声子音の二種類があって、ПТКСФが無声で、БДГВЗが有声」
アーニャ「ペー、テー、カー、エフ、エス、ベー、デー、ゲー、ヴェー、ゼー……、日本語でいう、『か』と『が』、のような違いですね」
美波「確かに蚊はプ~ンって感じで、蛾はバサバサとかモゾモゾって感じですね」
P「……俺はつっこまないぞ。大体発音は英語と同じだが、ДとТは舌を前歯の先につけて発音する子音で、ДиやДеは『ジー』『ジェー』って感じの発音になる」
美波「じー、ぢー……、つい『ディー』と発音したくなりますね」
P「通じることには通じると思うが、一応正しい発音は知っておいたほうがいいな」
美波「ちなみに先生、無声・有声の違いに意味はあるんですか?」
P「これも後で教えるけど、無声化・有声化という現象があるから、できれば覚えてほしい。それが起きない子音に関しては気にしなくてもいいけどな」
アーニャ「美波は○クロスの最中によく声を出してますが、私は気にしてませんよ」
美波「もちろん伏字の中身はマ、じゃなかった、ラクロスです!」
P(つっこまない、つっこまない……)
P「……えーと、あと残りの子音ね。一応ХМНは無声で、ЛРは有声だ」
アーニャ「ハー、エム、エヌ、エル、エル」
P「Хは日本語の『は』とは違う音で、ドイツ語の『ch』に近いな。喉の奥をかすらせるような音で、『ク』を発音する位置に息を通す感じだ」
美波「ハァー……、実際に発音を聞いてみるとわかりやすいですね」
P「うむ。ハーはハーでも、和田アキ子の『ハーッ!』みたいな」
美波「え?」
P「すまんなんでもない」
美波「そういえばロシア語に、日本語の『は』に当たる子音はないんですね」
P「最近は『は』の音はХを使って表すことが多いが、たとえば横浜なんかはロシア語で『Иокогама(イオコガーマ)』というそうだ」
アーニャ「『ワ』の音も、ありません。代わりにВ(ヴェー)を、使います」
美波「珠美ちゃんの苗字が『Вакияма(ヴァキヤマ)』になったりするんですね」
P「なんか蘭子が喜びそうだな……」
P「Лは英語のLとほぼ同じで、Рはいわゆる巻き舌だ。結構巻き舌ができない人はいるらしいから、そういう人は日本語の『ら』行と同じ発音で構わない。Лと区別することが大切だ」
美波「大丈夫です、こう見えても英検一級ですからね!」
P「まず巻き舌の努力をしろよ!」
美波「……できないんですもん、巻き舌。
P「アーニャはよく巻き舌で人を呼んでいるな」
アーニャ「ルァンコ、プルォデューサー……、つい巻き舌に、なってしまいます」
美波「私は名前に『ら』行がないから大丈夫なんです!」フフン
P「なにを誇らしげに……」
P「まだまだ子音はあるぞ。次はШЖЧЩЦだ。Жだけ有声ね」
アーニャ「シャー、ジェー、チェー、シシャー、ツェー」
美波「しゃー、ししゃー……、この二つの違いは少しわかりづらいですね」
P「Шは英語のshに似た音で、Щは静かにしてほしいとき
コメント一覧
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- 2015年03月31日 20:48
- すまねぇロシア語はさっぱりだ
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- 2015年03月31日 20:51
- そりゃ蘭子も困惑するわ
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- 2015年03月31日 20:52
- これで音声付きなら良いのに
発音記号も見たい
-
- 2015年03月31日 20:55
- 困ったときはイチゴパスタを食べれば問題ないとあの娘が
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- 2015年03月31日 20:59
- 熊本弁のほうが簡単
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- 2015年03月31日 21:11
- 春からもう1回やるロシア語の復習になりました
スパシーバ、先生
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- 2015年03月31日 21:21
- ロシア語どころか英語すら分からない俺に分かる筈もなかった
というか序盤のアーニャの日本語でさえいくつか意味が分からなかった
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- 2015年03月31日 21:38
- このウォッカ美味しいですね、体の感覚がなくなってきました
フフ... (チョロロロロ)
-
- 2015年03月31日 21:39
- 日本語の解説まであるのに微塵も理解できない件
-
- 2015年03月31日 21:43
- これに熊本弁も混ぜてみよう。
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- 2015年03月31日 21:53
- 蘭子「煩わしい太陽ね。」
杉田「早朝であることに同意する。」
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- 2015年03月31日 22:02
- そのオチは読めていたw
あとこの新田ちゃんいろいろ混ざりすぎぃ!
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- 2015年03月31日 22:15
- ※13かな子P
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- 2015年03月31日 22:17
- ※13ミス
※11かな子P!? かな子Pが何故ここに!? 逃げたのか? 自力で海底から?
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- 2015年03月31日 22:23
- もうちょっと普通の方言喋るアイドルがいてもいいと思うよ?
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- 2015年03月31日 23:07
- ※15
奥山「」
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- 2015年03月31日 23:09
- アーニャは元々日本語ペラペラだもんな。
ソースは劇場初登場シーン
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- 2015年03月31日 23:15
- ※15
上田しゃん「」
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- 2015年04月01日 00:01
- ※16
奥山さんの方言は秋田弁とは別物だからね、しかたないね
○クロス君ほんとすこ
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