とんかつQ&A「ガソリンスタンドのアルバイト」
ロースおじさんの期間工のアルバイトの話、経験者としか思えない具体的なもので大変参考になりました。僕が今考えているバイトはガソリンスタンド（理由としては家の近くにあるから）なんですが、おじさん、まさかガソリンスタンドで働いた経験はないですよね？
お名前:NO futureさん
A
「ガチャマン」って知っとる？ あ、下ネタやないで。ガソリンスタンドで注文する時って普通「レギュラー満タンで」とか言うと思うんやけど、この時に「レギュラーガチャマンで」って言うとええんよ。給油の時って、店員さんが入れてくれる場合はガソリンのノズルを自動給油状態にして、その間に窓を拭いたりするのが普通なんやけど、ノズルを給油口に差し込んだまま放っておいても、センサーが油面を感知して勝手に「ガチャッ」て止まる仕組みになってるんよね。この「ガチャッ」って鳴るところまで給油をするんが「ガチャマン」っていう入れ方。
本当はガチャマンの時点からもう2〜3リッター給油できるのが普通やねんけど、例えばレンタカーを借りて返却する時、「満タンにしてから返してね」って言われるよね？ でも実は「ガチャマン」の状態でも、車のメーター上では「満タン」と表示されるから、ガチャマンの上の2〜3リッター分は「入れなくてもいいガソリン」なんよ。だから「ガチャマン」と言えば、燃料代を300円ぐらいは節約できるってわけ。
おじさん、今日はこの情報をどうしてもみんなに伝えたかったから、ご質問とは関係なく冒頭に言わせてもらったよ。みんな、レンタカー屋に返す車は「ガチャマン」で給油してな。で、ガソリンスタンドのアルバイトのお話ね。なんか自動車工場の期間工の話をしてから、急にアルバイトに関する質問がたくさんき始めたんやけど、おじさんこれでもれっきとした経営者やで？ もっと起業とかベンチャーキャピタルとかに関する質問を送って欲しいところやね。小学4年生の子供さんの上履きを顔面に装着できるウェアラブルデバイスを引っさげて、シリコンバレーを2秒で叩き出された記録を持つおじさんやから、そっち系の質問も期待しとるよ。
まぁせっかくやから一応答えさせてもらうけど、ガソリンスタンドのバイトで、しかもできるだけ楽をしたいと考えとるなら、国道沿いとか交通量の多い場所はNGね。特に「フリート」って呼ばれる運輸業者の受け入れをしとる広いスタンドは、かなりの仕事量が求められるから、ダルがりの人には向いてないね。あとは外から見た時に、店員さんが店内や犬走りの椅子に座って待機しているスタンドは、基本的に仕事も少なく、しばりがゆるいと考えてオーケー。
でもせっかくガソリンスタンドでバイトするなら、楽をすることばかり考えず、少しでも車に関する知識を身につけようって姿勢で入った方が、仕事も楽しく感じられてええと思うよ。ガソリンスタンドは黙ってても多種多様な車が行き交う「無限ショールーム状態」の場所やから、車に関する生きた知識を身につけるには持ってこいや。特にアガるのは、フェラーリとかBMWとか高級外車の洗車を頼まれた時ね。お客さんから車を預かって、洗車機まで移動させる十数メートルの間、自分でフェラーリを運転できるんよ。わずかな距離とは言え、“跳ね馬”のオーナー気分が味わえるこの体験はなかなか楽しいもんやで。若者たちの購買意欲を喚起させるためにも、たっかいたっかい車のオーナーの人には、どんどんガソスタで洗車をして欲しいところやね。あとワイパー、オイル、タイヤなどの油外商品もどんどん買って欲しいところや（これに関してはスタンドごとに毎月のノルマが決まってるから）。
他にガソリンスタンドで働いていて良いことと言えば、「燃料油脂新聞」がタダで読めることね。これは業界最大の石油専門誌なんやけど、普通に生きてたら一生触れないで過ごすであろう石油業界の動向を、微細に知ることができる唯一の紙媒体なんよ。ちなみに「月刊ガソリンスタンド」っていう業界紙もあって、こっちもこっちで「ガソリンスタンドで働く店員の自慢の愛車」とか、「我がスタンドが誇る看板娘」のインタビューとかが読める貴重な媒体やで。うん、この話は別にしなくてもよかったかもしれないね。まぁ声量も上がりまくるし、四の五の言わずぜひ一度働いてみてや。最後におじさんから、ガソリンの知られざる性質について一言。
しぶきが目に入ると、むっちゃくちゃ痛い。
以上です。
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