1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:18:22.793 ID:vnq1VYObM.net
少女「これまでの人生、感謝されたことしか無かった」
男「そう。でも、それはいいことなんじゃない?」
少女「私だって、たまには人に恨まれたい。思い切り、罵詈雑言を浴びてみたいんだ」
男「そうなんだ。じゃあ>>5をしてみるとか」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:28:07.960 ID:ZsKBnt3t0.net
自殺
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:32:27.059 ID:vnq1VYObM.net
少女「自殺?」
男「うん」
少女「私は悪事が働きたいのよ?」
男「人に恨まれたいんだろ? 自殺すれば、君の近しい人が、きっと恨みごとを言ってくれるはずだよ」
少女「そういうものかしら」
男「少なくとも、僕は言うね。『なんで死んだんだ』ってさ」
少女「なるほど。分かったわ。それなら私、>>9で自殺する」
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:33:49.220 ID:QkdlrleM0.net
大通りで脱糞
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:35:02.219 ID:zu7qzXry0.net
>>9
興奮した
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:38:18.041 ID:vnq1VYObM.net
男「なんでそんなに奇抜な方法に? 普通に首吊りとかでいいんじゃない?」
少女「ダメよ、そんなんじゃ。せっかく死ぬんだもの。私の人間としての価値を最大限に貶なきゃ。
そうした方が、死んでいった私に対して、みんな何か言いたくなるものなんじゃないかしら」
男「そうかな。僕には分からない」
少女「分からないでしょうね。人に恨まれたいがために、これから死んでいく人の気持ちなんて」
男「今からでも考え直さないかい」
少女「それは無いわ。じゃあ、そう言うことだから」
そう告げると、大きな通りの方へ向けて、少女は歩き出した。
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:39:04.946 ID:zu7qzXry0.net
ひどすぎる
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:44:26.609 ID:vnq1VYObM.net
〜大通り〜
少女「さすが日曜のこの時間ね。人通りも、車通りも普段より多いわ」
誰に言うとでもなく呟くと、少女は下半身の衣服と下着を脱ぎ去り、その場にしゃがみ込んだ。
通り行く人が数人、はたと足を止め、奇行に走る少女へと戸惑いの視線を送る。
少女「……っ!」
下腹部に力を込めると、大便の前にまず尿が出た。
それは濡れた地面を流れ、雨とともに歩道と車道の間の排水溝へと吸い込まれていく。
通行人「おいおい。何やってんだ……? あの子……」
好奇の目を向ける者。不快に顔を歪める者。スマートフォンと取り出す者。
遠巻きに見ている人々の反応は、様々なものがあったが、
少女はそれが目に入っていないかのように、手際よく排便行為を済ませるのだった。
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:49:52.316 ID:vnq1VYObM.net
通行人「うっ……。何食ったらこんな匂いになるんだよ……」
イヤラシイ笑みを浮かべていた数人も、少女の便の排出が始まると、
一様に鼻をつまみ、不快感をあらわにした顔を背けるのだった。
少女「……三日ぶりなんだもの。しょうがないでしょう」
これから死のうと考えている人間にも、多少の羞恥心はあるようで、
別段誰かに伝える気もないのに、ついと口をついて言い訳の言葉が出た。
遠くの方で、サイレンの音が聞こえる。
少女は慌ててお尻を拭くと、下着とプリーツスカートを身に着けた。
彼女がその場から立ち去ろうとしたとき、ちょうど一台のパトカーが現場に到着した。
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:53:28.886 ID:vnq1VYObM.net
警察「ちょっと待ってねー。君、いったい何してるのー?」
少女「……離してください」
パトカーから降りた2人の警官に脇を挟まれ、少女は身動きが取れなくなってしまった。
警察「そうはいかないんだよねえ。ちょっと通報があってね」
その頃にはやじうまの数は相当なものになっていたし、
警察の登場で、さらにその数を増しているようだった。
少女「私は死にたいんです! 離してください!」
少女は小さな身体を振って滅茶苦茶に暴れるが、
鍛えているであろう男二人の力にはかなわなかった。
警察「死にたい? それなら余計に離すわけにはいかない。君は>>18」
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 16:57:05.512 ID:iuS4JFkzM.net
俺が殺す
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:03:03.080 ID:vnq1VYObM.net
そう言った警察の一人が、腰に差した拳銃を抜いた。
黒光りするそれは、ホルスターとコードで繋がっていて、
『まるで、昔の電話機みたいだな』と少女は場違いにもそう思った。
警察「じゃあね。君には自殺させてあげない」
一発の銃声と、大勢の上げる悲鳴と怒号。
それらが混じり合うようにして、銃口の先から伸びる硝煙と共に、灰色の雨空に吸い込まれていった。
こめかみのあたりから鮮血を吹き出しながら、少女は水溜りの上に倒れ込んだ。
激しく飛沫の上がる音と、たくさんの足音が聞こえる。
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:06:57.959 ID:vnq1VYObM.net
――どうして、あんなことをしたのか。
そう問われると、警察は青ざめた顔で、
――分からない。
とだけ答えた。
一人の少女の命を奪った正義の使者は、
自責の念に駆られたためか、裁判の進む最中、自らの命を絶った。
彼の遺書はといえば、
『なんであんなことをしたのか、自分でもわからない』
そんな言葉で埋め尽くされていて、結局のところ、最後まで、真実は誰にも分からずじまいだった。
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:10:26.825 ID:vnq1VYObM.net
男「どうだった? うまいこと、人の恨みは買えたかい?」
少女「ダメだったわ。恨みを買ったのは、私とは違う、別の人だったみたい」
男「そう。それは残念だったね」
少女「ええ。とっても。恨みごとどころか、同情されてしまったわ」
男「だから『簡単な方法で自殺しろ』って僕は言ったんだよ。
変に気取ったことするから、おかしなことになるのさ」
少女「そうね。それは悪かったわ」
男「じゃあ次は、君の望みとは逆になってしまうけど、”償い”をしないとね」
少女「償い?」
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:15:13.997 ID:vnq1VYObM.net
男「ああ。君のせいで人が死んだ。君が殺したようなもんさ」
少女「あら。私だって彼に殺されたのよ?」
男「君が自殺を望んだからね。彼は被害者だよ。市民からの人望も厚い、真面目な警官だったのに」
少女「そうね。あなたはそうやって、全部私のせいにするのね」
男「君は悪人になりたいんだろう? 夢がかなって良かったじゃないか」
少女「こういうのじゃないのよ。私がなりたいのは」
男「まぁいいよ。君のわがままにいつまでも付き合っていられない。
君は、彼を殺した責任を負わなきゃいけないんだ。償いのために>>24するべきだよ」
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:33:57.266 ID:UIgGXAjf0.net
平穏な幸せを手に
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:38:05.042 ID:vnq1VYObM.net
男「君はね、平穏な幸せを手にするべきなんだ」
少女「えー、と。私の言っていたこと、もう忘れちゃった? 私はね、悪人になりたいのよ」
男「ああ、知っているさ。だからこそ、幸せに、平穏の中で生きて行くんだ。死んでいった彼のためにね」
少女「分からないわ。あなたが何を言っているのか」
男「頭の固い君に説明してあげるよ。
非難を受ける人というのはね、負のエネルギーの受け皿なのさ。
それとは逆に、幸せを振りまく人は、正のエネルギーの供給源なんだ」
少女「自分の考えを押し付けるのはやめて。あなたの方こそ頭が固いわ」
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:45:08.269 ID:vnq1VYObM.net
男「じゃあ分かりやすい例を挙げよう。
死んでいった彼は、頭のおかしな殺人者として世間に非難されているよね」
少女「そうね」
男「結局のところ、彼は君のわがままに巻き込まれただけなわけだけど、
それってどういうことだと思う?」
少女「さあ。質問の意図が見えないわ」
男「世の中の人に負の感情を植え付けたのは、他でもない君のわがままだ」
少女「だから私は悪人だって? そんなのは詭弁よ。
私を非難している人なんて誰もいないじゃない」
男「そこまでは言ってないよ。だから、君には償いが必要だって話さ」
少女「……ごめんなさい。言っている意味が、全く分からないのだけど」
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:53:36.600 ID:vnq1VYObM.net
男「じゃあ言い方を変えよう。自分の命を奪った君が幸せになったら、彼はどう思うかな」
少女「きっと、許せないんじゃないかしら」
男「そうだね。それで君は笑ってやればいい。悪人らしくね」
少女「へえ」
男「君は悪人になれる。償いもできる。まわりも幸せになる。誰も損しない、いい提案だと思うでしょ?」
少女「……あなたの口車に乗るようで、あまりいい気はしないけど」
男「そこが君の悪いところだよね。もうちょっと素直になりなよ」
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 17:58:39.509 ID:vnq1VYObM.net
少女「分かったわ。私、笑って、幸せに生きる。彼のためにもね」
男「うん。いいんじゃないかな」
少女「死んだ人間のために笑うって、ひどい悪人だと思わない?」
男「そうだね。ひどい悪人だね」
少女「ふふ。やったわ。私もようやく悪人になれた」
男「おめでとう。協力できたようで、僕もうれしいよ」
少女「ありがとう。これで長年の夢がかなったわけだけど、ついでに、もうひとつだけいいかしら」
男「なんだい。もうここまできたら、わがままがひとつふたつ増えようが構わないさ」
少女「あら、あなたも優しいところがあるのね。今、ふと思ったんだけど」
男「うん」
少女「私ね、善人になりたいの。どうしたらいいかしら」
終わり
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 18:01:04.641 ID:vnq1VYObM.net
読んでくれた方、レスくれた方、ありがとうございました。
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 18:04:53.699 ID:V4pGalVTd.net
乙
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/05(日) 18:19:21.408 ID:UIgGXAjf0.net
お疲れ様です
幸せになってもらいたいものです
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