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「人間の寿命は500歳まで伸ばすことが可能である」。巨額の資金を有するグーグルの投資部門がそう発表したというニュース(関連記事)をお伝えしたが、その続編となる
では実際に今、どんな不老不死の技術が注目されているのか?大富豪やIT企業はどの研究に巨万の富を投じているのか?開発が進められている6つの不老不死のテクニックを見ていくことにしよう。
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1. DNAの書き換え
グーグル傘下のカリフォルニア・ライフ・カンパニーのシンシア・ケニオン女史は、遺伝子工学によって、通常の10倍の寿命を持つ回虫を作り上げた。これはdaf-2という遺伝子の働きを部分的に停止させることで実現された。面白いことに、100歳まで生きる人は、この遺伝子が突然変異を起こしていることが多い。ケニオン女史は「これがいつの日か若さの泉となる」ことを信じている。
さらに同社は、投薬によっても寿命を伸ばすことができると考えている。人間には成長を制限する遺伝子があるが、実はこれは長寿とも関連している。そこで、この遺伝子を模倣する薬を開発しようというのだ。
アフリカで発見されたハダカデバネズミというネズミの遺伝子の秘密を解き明かすことも、加齢の謎を解明するうえで重要な課題である。この変わった風貌のネズミは癌に対して免疫があり、一般的な地中で暮らすネズミの10倍以上の寿命(30年以上)を持つからだ。専門家の見解では、これは地下のトンネルには呼吸する酸素がほとんどないことと関係しているという。このため、代謝が非常に遅く、細胞の加齢と死の確率を大幅に低下させているようなのだ。
2. ナノロボット
グーグルの技術部門のディレクター、レイ・カーツワイル氏によれば、2030年までには無数の超小型ロボットが登場するという。このナノロボットを含んだ錠剤を飲むと、血流に乗って人体に行き渡り、内部から補い始める。免疫系を加速し、化学療法の副作用を抑えたりと、分子レベルで健康を維持してくれるのだ。動物実験ではナノロボットによる糖尿病の治療に成功している。
3. ペトリ皿の永遠の生命
幹細胞を使った可能性を追求するのは、カナダの大富豪ピーター・ナイガード氏だ。幹細胞は様々な人体繊維へと変化するため、劣化した細胞や器官のスペアとなる可能性がある。ナイガード氏は、年に4度ペトリ皿で培養した自分の幹細胞を注射している。「これは状況を一変させ、あらゆる病気を根絶する可能性を秘めています」とうそぶく同氏によれば、寿命を伸ばすだけでなく、若返りの効果も有しているそうだ。
4. 新たな血液の研究
新鮮で若い血液こそが長生きの秘訣と考える者もいる。マウスの実験では、若いマウスの血漿によって年老いたマウスの精神活動が回復することが証明された。これは元々は並体結合という手法で実現したことだ。その手法では、年老いたマウスと若く健康なマウスの脇腹を縫い合わせ、年老いたネズミを健康にし、反対に若いネズミの老化を進ませている。スタンフォード大学の実験では、アルツハイマー病患者が若い人から輸血を受けると、類似した効果が得られることが判明した。
5. クローン技術
薄気味悪さを感じさせる別のアプローチとして、衰える人体組織をクローンや機械に交換するというものがある。ディストピア的未来を描いたカズオ・イシグロの小説『わたしを離さないで』は、自分が金持ちの体の交換部品として、やがて殺されることに気がつく若者たちを描いているが、現実はそこまで残酷ではない。科学者が既に実現しているのは、3Dプリンターで腎臓や肝臓を作り出すことだ。死にかけた人がいれば、新しい臓器が”食塩冷水蘇生法(cold saline resuscitation)と呼ばれる手法で移植される。
6. 半人間、半機械
ロシアの大富豪ドミトリー・イツコフ氏は、人間の脳とその意識を機械の”アバター”に移植するプロジェクトに巨額の資産を投じている。彼の予定では1万年間多様な趣味を堪能するのだとか。グーグルのフューチャリスト、レイ・カーツワイル氏も「不死は手に届くところにある」と確信する1人で、2045年までにはコンピューターに意識をアップロードできるようになると予測している。そのときにはカーツワイル氏は97歳となっているが、人類進化の新しい段階が訪れるその日まで絶対に生きると決意しているようだ。
via:dailymail・原文翻訳:hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
カーツワイル先生もそうだけど
「ある人物が『不死が実現する』と主張する未来はその人の寿命にほぼ等しい」
という法則があって。
これが破られない限りは不死はまだ先なんじゃないかなあ
2. 匿名処理班
クラゲが出てくるかと思ったら居なかった。
色々ロマンがあるなあ。
ハダカデバネズミの団体様の画像とか。
3. 匿名処理班
どれもいや(;ω;)
4. 匿名処理班
コンピューターにアップロードして人格を再現できても、それは自分といえるのか
IT時代のモスマン、可能性あるだけに怖い
5. 匿名処理班
いつも思うんだが、
人間の精神をコンピューターにコピーしますよ。でも人間のほうが残ってると同一性がおかしくなるから、元の方は殺しますよ。
っていうのは、意味ないよね。元の方からしてみれば、気づかないうちに死んだだけだから。コピーしますって伝えておいて、本当はしなくても本人にはわからない。
でも、ただコピーしただけだったら、自分が長生きしたんじゃなくて、パソコン内に変なプログラムが居てモガモガしてるだけって見えてしまうわけだし。どう考えても本人が長生きしているようには感じられないに違いない。パソコン内の意識はまた別だろうけど。
結局、本体が心置きなく死ねるためのまやかしか、家族の慰みにしかならないんじゃないかと思うんだが、コピーしたい派の人たちはどのように考えているのか、誰か教えていただけないでしょうか。
6. 匿名処理班
500歳まで生きられるようになったら
475歳まで年金払い続けて480歳から受給か・・・
やってらんねーな
7. 匿名処理班
サムネのイラストが素敵、けど永遠じゃなくて500年くらいは生きてみたいと思う
8. 匿名処理班
胎盤の幹細胞を注射するのはいけるかもな・・自分のじゃ老化異常があるかもしれんし。
9. 匿名処理班
記事とは関係ないけど、自分的にはとりあえず不老不死にしといて、交通事故とかで突然死ぬまで待つのが一番いい生き方だと思う
10. 匿名処理班
そんなに長生きして何するの?
11. 匿名処理班
そんなに生きたくねぇよ!
12. 匿名処理班
ジョン・コフィーの電撃に打たれるがないのが残念だ。まったくユーモアが感じられん。なあ、ミスター・ジングルス。
13. 匿名処理班
「超長寿は不幸だ」とか「不老不死は空しい」とか
だれもまだ体験してないのにネガティブに結びつけるのは
手が届かないから諦めるためという側面は絶対あると思う
「酸っぱい葡萄」の寓話と同じだよ。
仮に人間が最初から30年しか生きられないなら
今の寿命は長く空しく感じると思うか?
15年が人間の寿命だったら、40年の長寿は空しく感じるか?
じゃあ10年だったら?1年だったら?
自分はずーっと生きたい、1,000年でも1万年でも生きたい!
空しくて死にたくなるかどうかなんて、
それだけ生きて自分で決めたい。
14. 匿名処理班
不老不死って、数千年前の世界から現代まで共通する欲求で、平均寿命は延びたとはいえ、本質的にはほとんどそのころから進歩がないんだよね。だから、これらの話も、始皇帝が徐福を不老不死の仙薬探しに派遣したのとあまり変わらない胡散臭さがある。
15. 匿名処理班
エースコンバット3の世界がすぐそこにあるのかもしれない。
16. 匿名処理班
攻殻機動隊的な世の中になって
そろそろ病気も末期になっちゃって死ぬぜ、という状況になった時に
ネットゴーストになりたいかどうかと考えると
少し考えてしまうな
17. 匿名処理班
生まれる前の段階で遺伝子治療を施すか、肉体を捨てて情報生命体となるか、本当の意味での完全義体になるか、クローン体に脳の構造をコピーするか、しか出来ない気がする。
18. 匿名処理班
>コピーしたい派の人たちはどのように考えているのか、誰か教えていただけないでしょうか。
コピーじゃなくてムーブなの。
例えば脳細胞10個を取り出して、同じ機能を持つボットに置き換える。そしてなじむまで待つ。これを繰り返すの。ほとんど新陳代謝と同じでただコンピューターに置き換えていくだけだから「自分」は一つのまま。
無論、置き換えられた側を一つにしてコピーを作ってもいいけど、それはもはや「自分」のクローンですし。
19. 匿名処理班
※10
そんなの生きてから考える、
今なんで生きてるの?今してる事をするために生きてるの?
それが終わったら死んでもいいの?って言われたら答えられる?
20. 匿名処理班
飼い猫の寿命を伸ばしてくれるなら嬉しいが、残されちゃったりするレベルだと悲しい。
自分は70歳くらいまででいいな。
残すものがなければ近い将来でもいいくらいだ。
長生きしても明るい未来が見えない
21. 匿名処理班
不老不死とか500年生きるとか、
想像しただけでつらくて悲しくて自分はいやだ
でも何百年かごとに少しだけ意識が戻って、
どんな時代になったのか見てみたいという興味はある
22. 匿名処理班
長期的な寿命+人の精神の改造も可能になれば良いな
既存の社会というか、世界は問題が多すぎるし
現状の状態を維持するより、現状の倫理観に反しても
新しい世界に移行する方が夢がある
俺は新しい世界を見る前に寿命が尽きるだろうけど
23. 匿名処理班
なんにせよとにかく、まず、まーずー、脳を維持する技術をちゃんと確立してからにしてくれ
ボケた老人に元気に跳ね回られたら、介護する方が先に心労で死ぬっつーの
24. 匿名処理班
遺伝子と、再生医療が行くとこまで行けば
不老不死なんて簡単にできると思う。
25. 匿名処理班
長生きしたくない自分には理解できない。
そこまでして生に執着する理由は何?
パッと美しく咲いて、パッと美しく散る桜に憧れる。
26. 匿名処理班
寿命が破格的な延びようが、その人物の人格・知識・身体機能がそのままって補償は無いよな。
27. 匿名処理班
「自分」というものがこんなにも曖昧なのに
それを継続させたいとかコピーしたいとか思うならば
マネキンに名前をつけてそれを自分だと思えば良いんだよ。
死んだ後もそれはしばらく残るだろう。
28. 匿名処理班
日本には回帰水がある
29. 匿名処理班
人間は運命が在るから、それを抜きにした不老不死論はナンセンス!
30. 匿名処理班
コンピューターに意識をアップロードできるようになっても、
フィクションのように瞬時にできるようになるのは更に先なのであって、
何年も時間をかけてアップロードして行くしかないだろうからな
脳を機械仕掛で拡張して、生体脳よりも電脳の方が容量が大きくなってしまって戻れなくなるって形が最初だろう
31. 匿名処理班
もう賢者の石錬成しようぜ
32. 匿名処理班
ハダカデバネズミは哺乳類にしては珍しく変温動物らしいけど、それはさすがに人間には応用出来ないんじゃないかなぁ。
脳味噌が耐えられないのでは?