大和「私を愛して下さい」
提督「よし、これで午前の業務は終了だ」
提督「昼食をとってからまた戻ってきてくれ」
大和「はい」
大和「あの、提督?」
提督「なんだ?」
大和「その、一緒にお昼でも・・・」
提督「俺は個別にとる、別にお前と食べなくても良いだろ」
大和「・・・・・・」
提督「仕事上で行動を共にするが、そこまでは君達と関与したくはない」
提督「仕事に関係のない言動はするな」
提督「良いな?」
大和「はい、申し訳ございませんでした・・・」
提督「ふん、下がって良いぞ」
大和「失礼します・・・」
大和「(つい最近になって、提督が突然姿を消しました)」
大和「(原因もわからず、忽然と姿を消したので)」
大和「(私は泣くことと、疑問に思うことしかできませんでした)」
大和「(提督はとても優しい方でした)」
大和「(私達艦娘に対して、兵器としてではなく、自分と同じ人間として接してくれました)」
大和「(戦争は怖いですが、私は毎日が幸せでした)」
大和「(それが何故今になって・・・)」
大和「(提督、どうしていなくなったのですか? 私が悪いのでしょうか?)」
大和「(提督・・・どうして・・・お願いです・・・戻ってきて下さい・・・)」
大和「(先程私と話していた方は後任者)」
大和「(提督が失踪してから新しくこの鎮守府に配属になった方です)」
大和「(こう言ってはなんですが、とても冷たい目をしている方です)」
大和「(私達に無理をさせたり、暴行をすることはありませんが)」
大和「(必要以上に私達と関わることを避けています)」
大和「(毎日必要最低限の会話をして、機械的な業務をこなして・・・)」
大和「(それに、私を物として接しているようにも思います)」
大和「(この対応の方が、私達艦娘に対するものとしては正しいのかもしれませんが)」
大和「(やはり、正直寂しいです・・・)」
大和「(提督・・・)」
※これより、現在の提督に関しては『後任者』という名前になります
後任者「今日は清掃の日だな」
後任者「この鎮守府では、廊下や食堂、大浴場など」
後任者「みんなが利用する場所のみ清掃員が掃除をする」
後任者「執務室や艦娘の部屋は自分達で片づけを行う」
後任者「大和、君は執務室と自分の部屋の掃除をしなさい」
後任者「俺は自分の部屋を掃除する、くれぐれも近づかないように」
大和「わかりました」
後任者「・・・・・・」
大和「・・・・・・」
大和「」フキフキ
大和「(毎日こんな感じで生活しています)」
大和「(提督は異常に自分の部屋に入られるのを嫌がっています)」
大和「(プライベートなことですから、きっと何か見られたくないものでもあるのでしょう)」
大和「(しかし、私は怪しくて仕方がないのです)」
大和「(提督の原因不明の失踪、早過ぎる新しい提督の着任、そして提督の部屋・・・)」
大和「(提督が置いていた私物は、全て新しい提督に処分されました)」
大和「(戦争をほっぽり出して逃げるような腰抜けの物なんて、いらないと・・・)」
大和「(世間から見れば、正論なのでしょう)」
大和「(ただ、私、そしてみんなは知っています)」
大和「(前の、あの優しい提督は決してそんな人ではなかったと)」
大和「(提督が行方不明になったのも、何か裏があるのではないか)」
大和「(新しい提督が着任するまで、とんとん拍子に事が運んだこと)」
大和「(まるで無駄がなく、さも想定内のことだったように・・・)」
大和「(そして現在の提督の私室・・・絶対に何かあるように思えます)」
大和「(あそこには何かがある・・・そんな気がしてなりません)」
大和「・・・・・・」
大和「・・・道具を片付けてきますか」
『提督私室前』
大和「・・・・・・」
大和「(ここに・・・何かが・・・)」
扉『』ガチャ
大和「あ」
後任者「・・・・・・」
後任者「俺の部屋の前で何をしている?」
大和「いえ、あの・・・」
後任者「俺の部屋の前で何をしていると言ったんだ!!」クワッ
大和「ひっ!?」ビク
後任者「掃除が終わったらとっとと業務に戻れ!」
後任者「ここは俺が掃除をすると言っていただろ!」
後任者「お前は俺の言う通りにもできないのか! 能無し秘書艦め!」
後任者「余計なことをするな!!」
大和「す、すいませんでした!」
後任者「チッ・・・」
大和「うぅ・・・」ポロポロ
後任者「」カキカキ
大和「」カキカキ
大和「・・・・・・」
大和「(あの剣幕・・・あれは絶対に何か隠しています)」
大和「(でも、一体何を・・・?)」
大和「」カキカキ
後任者「」トン
大和「・・・・・・」
大和「(どうにかして、あの部屋に入ることができないでしょうか?)」
大和「(・・・・・・)」
後任者「(・・・・・・)」
『翌日』
後任者「今日は用があって外出する」
後任者「必要なことはメモに残している」
後任者「頼んだぞ、大和」
大和「はい、わかりました」
後任者「」
大和「(これはチャンスかもしれません・・・!)」
大和「(慎重に行かなくては・・・!)」
『提督私室前』
大和「暗証番号は・・・」ピッピッ
扉『』カチ
大和「よし・・・」
大和「(この前の掃除のときに、こっそり見ておいて良かったです)」
大和「」ガチャ
大和「・・・・・・」
大和「(特に変わったところはないようですが・・・)」
大和「(それにしても、必要最低限の物しか置いていない部屋ですね)」
大和「(寂しい感じがします・・・)」
大和「」スタスタ
パツン
大和「?」
大和「今、何かが切れたような音がしたような・・・?」
大和「・・・・・・」
大和「気のせいですね」
後任者「」スタスタ
ピー ピー ピー
後任者「!」バッ
後任者「・・・・・・」
後任者「誰か・・・入ったな・・・?」
大和「この大きな棚は・・・?」ガチャ
大和「」スッ
大和「?」ペラ
大和「何かの・・・書類・・・?」
大和「(おかしい・・・なんでこんなところに・・・)」
大和「!?」
資料『艦娘のクローン計画報告書』
大和「こ、これは!?」
後任者「・・・・・・」
大和「!?」バッ
後任者「」バチバチ
大和「うぐっ!?」ゴト
大和「」
後任者「・・・・・・」
後任者「知らなければ良かったものを・・・」
後任者「勘の良い娘は大嫌いだよ」
後任者「バカな奴め・・・」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大和「(・・・・・・)」
大和「(・・・・・・・・・)」
大和「う・・・うぅ・・・」
大和「(私・・・一体・・・?)」
???「気がつきましたか?」
大和「!?」
大和「だ、誰ですか!?」ジャラ
大和「!? (か、体が・・・!)」
???「一応貴女は艦娘ですからね」
???「失礼ながら、艤装を外して体を拘束させていただきました」
大和「貴方は誰なんですか!」
???「名乗る者でもございません、私はこのホシオカ研究所の研究員です」
大和「研究所・・・?」
後任者「やれやれ、とんだお荷物を持ってくるハメになってしまったな」
大和「提督・・・!」
後任者「お前が悪いんだぞ? 俺があれほど近づくなと言っておいたのに」
大和「提督! これは一体どういうことですか!」
後任者「・・・・・・」
後任者「まぁ、お前はもう一生ここから出られないしな」
後任者「最期に真実を話しておこうか・・・」
後任者「おい、こいつを少し連れて行く」
後任者「ナイトスティックを」
研究員「はい、どうぞ」スッ
後任者「来い!」グイッ
大和「きゃっ!」
後任者「お前には予め力が出なくなる薬を投与した」
後任者「無駄な抵抗をしてみろ、この電気棒でたっぷり痛ぶってやる」ニヤ
大和「くっ・・・!」
後任者「あ、そんな顔しても良いんだ」
後任者「ふんっ!」バチバチ
大和「あぁぁぁぁぁっ!?」
大和「ぐぅ・・・!」ガク
後任者「はっ! 良い様だ! ほら立て!」グイッ
大和「うぅ・・・」ヨロヨロ
大和「一体貴方は何者なんですか?」
後任者「俺はこの研究所に金を出してあげている者さ」
後任者「ある
コメント一覧
-
- 2015年04月12日 23:40
- シックスデイか何か?
-
- 2015年04月12日 23:50
- ※1
確かにシックスデイが最初に頭に浮かんだ
-
- 2015年04月12日 23:59
- ボンバーマンジェッターズかと思ったらシックスデイだった
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