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新サラウンド規格 DTS:X 正式発表、Dolby Atmosに対抗。対応AVアンプは年内発売 - Engadget Japanese
 
DTS が、新しいサラウンドフォーマットDTS:Xを 正式発表しました。1月のCES 2015 で概要を発表していた技術で、Dolby Atmos と同様にオブジェクトベースのサラウンド音声再生技術を採用する点が特徴です。対応する AV アンプを使えば 5.1ch、7.1ch といったスピーカー構成でも最大のサラウンド効果を引き出せるほか、将来的には 32ch のスピーカーにまで対応します。
「柔軟性のある没入型のオブジェクトベースオーディオ」と表現される DTS:X は、サラウンドの原理としては Dolby Atmos とほぼ同じ方式です。従来のように固定のチャンネルごとに音声信号を送るのではなく、音声ストリームにメタデータとして空間情報を挟み込んでおり、音を発生するオブジェクトの位置や移動幅を演算して、リアルタイムにサラウンドスピーカーへ「レンダリング」して再生します。
 
 
規格としては家庭向けの「DTS:X」と劇場向けの「DTS:X CINEMA」を用意しており、家庭向けの DTS:X では、すでにある 5.1ch /7.1ch といった構成のスピーカーをそのまま利用可能(AV アンプは DTS:X への対応が必要)です。DTS によれば、現在開発が進められている DTS:X 対応 AV アンプでは最大で 11.2ch までのスピーカーに対応するとのこと。また将来的には最大で 32ch 構成まで対応する予定です。

音声ストリームは DTS HD Master Audio との互換性を保持しつつ、高品位再生のためのロスレスエンコードをサポート。音声サンプリングレートはステレオ/マルチチャンネルベースで最大192kHz、オブジェクトベースの場合は 96kHz に対応します。ただし、高ビットレート再生が困難なシーンがあった場合は自動的に不可逆圧縮再生に切り替えられます。

DTS の発表文では、世界中の AV アンプ/サウンドプロセッサーメーカーのおよそ90%が DTS:X 対応製品を開発予定。デノンは5月下旬発売予定の AV アンプ AVR-X7200WA に対し、対応ファームウェアを提供すると発表しています。ほかにも日本のメーカー/ブランドではマランツ、オンキヨー、パイオニア、ヤマハなどが2015年内に対応機種の発売を計画しています。
 

一方、DTS:X CINEMA はオープンプラットフォームな劇場向けオーディオシステム MDA(Multi Dimentional Audio)に取り込む形で展開しており、デジタルシネマソリューションの GDC Technology やオーディオシステムの QSC、再生用チップ設計の USL などと協力して劇場への導入を拡大予定としています。なお、アジア地域では GDC によって2015年5月からおよそ350か所の劇場に導入される計画です。


蛇足ですが、オブジェクトベースのオーディオフォーマットとして先行している Dolby Atmos は、劇場への導入こそ順調なものの、家庭向けでは対応 BD ソフトがあまり増えていません。ためしに日本のアマゾンで検索したところ、バージョン違いを除けば10タイトルほどしかありませんでした。国内初の対応作『ネイチャー』の発売からまだ5か月とはいえ、劇場公開時は Dolby Atmos に対応していた映画でも、BD 化の際にはスルーされることが多いのは残念なところです。
新サラウンド規格 DTS:X 正式発表、Dolby Atmosに対抗。対応AVアンプは年内発売

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