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アプリの未来が垣間見えた「APPLICATION DEVELOPER FESTIVAL 2015」潜入レポート : ギズモード・ジャパン

アプリの未来が垣間見えた「APPLICATION DEVELOPER FESTIVAL 2015」潜入レポート

2015.04.16 22:00
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楽しいこと濃縮100%!

従来のプログラミングコンテスト(プロコン)の概念を打ち破った、フェス型プロコン「CODE FESTIVAL」を開催したリクルートが、2015年3月28(金)〜30日(日)、東京・恵比寿のIndeed Tokyo 新オフィスで新しいイベントを開催しました。その名も「APPLICATION DEVELOPER FERTIVAL 2015」(ADF2015)です。

このイベントは「アプリケーションエンジニアが楽しい!と思えることだけを凝縮」したもの。同世代のエンジニアが仲良くなれる機会というのは普段はなかなかありません。そこで、このイベントを通じて学生アプリエンジニアが仲間を見つけ、刺激し合い、絆を深めてもらおうという企画なのです。

そこでギズモード編集部はこのイベントに潜入。3日間のイベントの様子をお伝えいたします。学生エンジニアの楽しいは凝縮されているのでしょうか?


イベントの根源は「学生さんたちに喜んでもらいたい」


参加した学生は92名。このほか、運営スタッフとして25名ほどの学生がイベントの準備や進行管理を担当しておりました。


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このイベントの発案者はリクルートホールディングスの庄田一郎さん。「とにかく学生たちに喜んでもらいたい」という思いから、開催までこぎつけました。


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会場はワンフロアになっており、そこにA、B、Cの3つのエリアが用意されています。それぞれのエリアで3日間、さまざまなイベントやコンテストなどが行なわれます。参加は自由。自分が楽しみたいイベントに参加すればOKです。


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畳やバランスボール、ビーズクッションなどもあり、かなりリラックスできる環境。窓からの眺めもいいんですよ(会場は32階)。


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ADF2015の特徴として、FeliCaが導入されていることが挙げられます。参加者は初日にチームに分けられます。そして、各イベントやコンテストに参加するごとに、FeliCaでポイントを貯めていきます。

2日目の最後にチームごとにポイントを集計し、ポイントの多いチームは賞品がもらえるというシステム。そしてこのシステムを作ったのも学生だというから驚きです。

このシステムにより、参加は自由といっても何かしらポイントを貯めなければチームの勝利に貢献できません。個人メインのイベントですが、チーム戦でもあるのです。


学生エンジニアが集う出会いの初日


さて、初日は13時から開始です。開会式の後は、それぞれのフロアでイベントが開催されました。


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エリアAでは、プログラミング自己紹介のあと、参加学生や社会人によるライトニングトークが行なわれました。


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エリアBではゲームプログラミングのハンズオンを開催。1日目はUnityのハンズオン、2日目はリレー形式でのUnity実装を行ないます。


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エリアC最新技術体験・電子工作ブースGoogle GlassやエプソンのMOVERIOOculus Riftといったウェアラブルガジェットに、Fx0Open Web BoardRaspberry Piなどの開発環境、3DプリンタやKORGのlittleBits、Raspberry Piで動くロボット「Rapiro」などが置いてあり、自由に触ることができます。


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また、Google GlassとFx0に関してはデモンストレーションが行なわれていました。興味津々の学生たちが、食い入るように聞いていたのが印象的でした。


コンテストで腕を競い合う2日目


2日目です。今日は朝10時から開始です。


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エリアAではまずバグフィックスコンテストを開催。iOS用アプリ×1、Android用×1、Webアプリ×2のアプリのバグ取りを行なうというもの。


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制限時間は3時間。参加者にはAndroidユーザーが多かったようで、iOSアプリのバグ取りを行なっているユーザーが極端に少なかったようです。


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ちなみに、バグ取り用アプリは学生スタッフが作ったもの。それぞれのアプリにレベルの違うバグを10個程度入れているそうです。

バグフィックスコンテストの後は、API実装タイムアタックコンテストが行なわれました。タイムアタックということで、正確さとスピードが必要となります。


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さてエリアBですが、2日目は3つのブースに分かれ、ゲームAIハンズオンショートコーディングビジュアルプログラミングのハンズオンが終日行なわれました。


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ゲームAIハンズオンでは実際のボードゲームが題材。ボードゲームを使って戦略を立て、ゲームのAIをプログラミング。作成したプログラムはエキシビジョンマッチで戦わせます。

そのAIエキシビジョンは、エリアAで夕方から開催。AIプログラミングは、プログラム能力だけでなく戦略を練るための知力も必要。なかなか高度な頭脳戦が繰り広げられていました。

AIエキシビジョン終了後は、学生や社会人によりライトニングトークが行なわれました。


共にアプリを作り上げる3日目


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そしていよいよ、3日目に突入です。3日目はエリアAでハッカソンが行なわれます。このハッカソンでは、初日にハッカソン用に決めた4人一組のチームで、自由にアプリを開発します。制限時間は7時間。テーマは「技術を使って世の中をオモロくするもの」です。


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それぞれのグループごとにホワイトボードが用意され、それぞれアプリの設計などについて書き込んでいます。なかにはエリアCに展示されていたハードウェアを使って開発をしているチームもいます。


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午前8時から午後4時までがアプリ開発。そしてその後は発表です。持ち時間は1チーム5分。時間の関係上アプリが完成していないチームもありましたが、どのチームも個性的でおもしろいアプリを開発していました。


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このハッカソンには、コメンテーターとしてリクルートライフスタイル荒川裕紀さんと、タレントの池澤あやかさんが参加されていました。Twitter上では会場参加者から「Rubyの女神キタ!」「池澤教に入信します!」といった書き込みも見られましたよ。池澤さん、大人気です。

全チームの発表後、参加者全員がよいと思ったアプリを開発したチームに投票。休憩後結果が発表。上位2チームが表彰されました。


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第2位は「リア充メガネ」。これはエプソンのウェアラブルグラス「MOVERIO」を使ったもの。誰かに声をかけられたときに相手の名前が思い出せないというとき、このメガネをかけて相手を見ると、相手の情報が表示されるというものです。


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顔認識機能を使って顔を認識すると、相手の名前や最近のアクティビティがMOVERIOのディスプレイ部に表示されます。なかなか顔が認識されないため、「もっと近くに来て」「暗いなー」などのやりとりがしばらく続くというアクシデントがありましたが、それが逆におもしろく印象に残りました。


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お次は「池澤あやか賞」の発表です。池澤さんが選んだのは、Facebook Messngerでイラストなど好きな画像をスタンプとして送信できるアプリです。


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いつも同じようなスタンプを送ってばかりでは飽きてしまいがちですが、このようなアプリがあればバリエーションが増えて、メッセージの送受信が楽しくなることでしょう。なお、Android用アプリとして開発していましたが、池澤さんがiOS版を要望したことにより、この後iOS版の開発もするとかしないとか……


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そして第1位は「GoogIe」です。


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Google(グーグル)ではありません。「GoogIe」(グーギー)です。最後から2つ目の文字が「l」(小文字のエル)ではなく、「I」(大文字のアイ)なんです。わかりづらい……。


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基本となるのはカメラ。リコーのTHETAをサンダルに仕込んだ「iWacth」。決して悪用してはいけません。これを操作するアプリのインターフェイスがこちら。


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画面上部のアドレスバー部分が撮影した写真の一覧表示、下の部分は全面シャッター。す、すごいシャッターが押しやすいですね(汗)


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そして、レゴのマインドストームに何やら長いアームを付け、THETAを仕込んだロボットも登場。このアームは上下に動きます。どうやら、ひらひらするものに自動的に進んでいき、アームを上下して写真を撮るというものらしいのですが

このほか、前方に障害物があると自動的に後退するという安全面にも配慮した機能が搭載されていたりと、とにかくおもしろいプレゼンでした。

このハッカソンで、3日間行なわれた「APPLICATION DEVELOPER FESTIVAL 2015」はお開き。3日間参加した学生エンジニアは、とてもリラックスして楽しそうに過ごしていたのが印象的でした。

3日間、お疲れ様でした!


発案者&運営スタッフに直撃インタビュー


150407ADF2015-28.jpg写真左:三上航人さん。美大でOpenFrameworkなどを使うビジュアライズプログラミングを独学で学び、HTMLやマッピングの仕事を受けつつ起業。現在は動画や3DCGの仕事をしつつ学生生活を送っている。ADFではハッカソンやビジュアルプログラミング、エリアCを担当。
写真中央:庄田一郎さん。リクルートホールディングス所属でADFの発案者。
写真右:石丸翔也さん。大阪府立大学の大学院1年。ウェアラブルセンサーを使って人の行動を認識する研究をしており、ドイツへの留学経験もある。ADFではライトニングトークのほか、全体のバックアップを担当。


これまでにない、エンジニアのためのフェス「APPLICATION DEVELOPER FESTIVAL 2015」。終了後に発案者である庄田さん、学生スタッフの三上さんと石丸さんにお話を伺いました。

庄田さん:僕自身、今回のようなイベントを主催するということが初めてだったもので、正直不安な部分もありました。ただ学生スタッフの力を借りることで、ここまで大きなイベントの運営ができたと思っています。今回のイベントを通じて、コンテストとハッカソン一体型イベントの可能性を感じることができました。参加した学生同士が、今後もめちゃくちゃ仲良くなっている状況が作っていけたらいいですね。

三上さん:僕も同じ学生なので、企画段階では自分に置き換えながら「何が楽しいだろう?」と考えていました。展示するハードウェアの選定も担当していたのですが、みなさんにエリアに来てもらって、「こんなのあるんだ」とか「触ったことがないから見られてうれしい」と言ってもらえたことにはすごく満足感がありました

石丸さん:全体的に楽しかったとは思うんですが、もっと参加者同士が交流する機会は作れるはずだと感じました。休憩時間を長めにしてお互いが話せる時間を作るとか。僕らも初めてイベントの運営で、何をしていいのかわからない部分がありましたが、1回経験したので次はこうしようというアイデアが湧いてきて、次回はより全体の雰囲気を作れるようにしたいなと思います。


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ギズモードでは、プロコンの取材も長い期間行なっていますが、今回のADFはまた少し雰囲気が異なるなと感じました。参加人数が100名前後ということ、会場がワンフロアで出入りが自由なこと、主催者側の学生の運営スタッフもハッカソンに参加していたことなど、とてもアットホームな印象でした。

また、1日目に自己紹介やライトニングトーク、2日目にバグフィックスコンテストやAIチャレンジといったコンテスト、3日目にハッカソンというように、「お互いを知り、闘うことでさらに理解を深め、一緒に何かを作り上げる」というストーリーがあったのも特徴的でした。


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これまで、どちらかというとビジネス寄りなイメージのあったアプリケーションエンジニアの勉強会やハッカソン。しかし、今回のようにエンターテイメント性やストーリー性をイベントに付加することにより、参加者がより楽しめるものになったと思います。

庄田さんは「ここで仲間になった人たちが、会社を起こしたりしてもいいんじゃないでしょうか。また、すごいエンジニアが現れて、実はADFに出ていたんだということになればうれしいですね」とも語っていました。

今後も、ADFは開催されるはず。もし、エンジニア志望の学生さんがこれを読んでいたら、ぜひ次回は参加してみてください。日本全国のアプリケーションエンジニアと交流できる、またとないチャンスです。

そして、そこから新しいストーリーが生まれるかもしれませんよ!


source: APPLICATION DEVELOPER FERTIVAL 2015

(三浦一紀)

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