ころばし屋「本当にころばす覚悟はあるか?」
ドラえもん「秘密道具の点検をしなきゃいけないけどめんどくさいなぁ……」
ゴロン
ドラえもん「とりあえず全部出してみようかな」ヨッコラセ
ドラえもん「それっ!」
ボトボト
ゴチンガツン
ドラえもん「ふ~。結構入ってるもんだね」
ドラえもん「……一旦お昼寝してから整理しようかな」
ゴローン
ドラえもん「んー……」
ドラえもん「Zzz……」
「……」
ムクッ
ころばし屋「……」
ビコーン........
ガチャッ!ドタドタドタッ!
バンッ!
のび太「ドラえも?ん!!またジャイアンに……」
のび太「ドラえもん?」
のび太「……ドラえもんいないのかな」
のび太「も?、タイミングが悪すぎるよ!ドラえもんのひみつ道具で仕返ししてやろうと思ってたのに」
ゴツッ
のび太「痛っ!?足元に何か……」
コロッ
ころばし屋「……」
のび太「これは……、ころばし屋だっけ?」
ヒョイッ
のび太「でもなんでこれがここにあるんだろ?ポケットに入れ忘れてたのかな?」
のび太「!」
のび太「そうだ!これを使ってジャイアンに仕返ししてやろう!」
ころばし屋「ほう、俺の出番か」
のび太「そうだよ、てっ!?」
ころばし屋「ならば10円入れるが良い」
のび太「しゃ、喋った!」
ころばし屋「喋っちゃ悪いか?」ギラッ
のび太「べ、別に……」ビクッ
のび太(何かちょっと怖いなぁ……)
のび太「聞いてたの?」
ころばし屋「あぁ、」
のび太「う、うん。じゃあジャイアンをころばしてくれないかな」
ころばし屋「ジャイアンだけでいいのか?」
のび太「えっ?」
ころばし屋「今なら30人まで全てまとめて10円でころばしてやることができるが」
のび太「そうなの?」
ころばし屋「俺はロボットだ。嘘をつくようなプログラムはあいにくされていない」
のび太「ふーん」
のび太(何かのキャンペーンかな)
ころばし屋「で、どうする?」
のび太「じゃあ、他の人もころばしてもらおうかな……」
ころばし屋「そうか」ギラッ
のび太「え、名前を言うんじゃないの?」
ころばし屋「30人全ての名前を暗記しろと?」
のび太「ご、ごめん」
ころばし屋「まあ、覚えられんこともないが、一応リストは持っていた方が確実な仕事が出来るからな」
のび太「へー」
のび太(最近のころばし屋は結構しっかりしてるんだなぁ……)
ころばし屋「これがペンだ。書け」
のび太「分かったよ」
カキカキ........
のび太「……思いつかないよー!」グテッ
ころばし屋「……」
ペラッ
ころばし屋「なんだ、まだ半分も書けてないじゃないか」
のび太「うーん、ころばしたい人なんてそんないっぱいは浮かばないよ?」
ころばし屋「少し待ってろ」
のび太「?」
ころばし屋「……」カチカチッ
ピッピッピピ
ころばし屋「まだこのリストには載って無いようだが、出来杉なんてどうだ?」
のび太「えっ!?なんでころばし屋が出来杉くんの名前を知ってるの!」
ころばし屋「依頼人の関係者程度なら簡単に調べられれる」
のび太「っ」ゾッ
ころばし屋「どうする?書くか?」
のび太「べ、別に出来杉くんには何もされてないから……」
ころばし屋「源静香」
のび太「!」ピクッ
ころばし屋「おまえの大好きな源静香をたぶらかしている出来杉をおまえは黙って見てるだけで良いのか?」
のび太「そ、それは……」
ころばし屋「おまえの恋路を邪魔する出来杉に少しお灸を据えてやらないか?」
のび太「……」
ころばし屋「……」
のび太「……分かった。書くよ」
カキカキ
ころばし屋「そうか」
ころばし屋「こんな感じで書いていけば自然と埋まってくるだろう。例えば母親とか、父親とかな」
のび太「ママにはこないだ忙しいのに買い物を頼まれたなぁ……、パパは欲しかったゲームを買ってくれなかったなぁ……」
カキカキ
ころばし屋「……」
ころばし屋「ほう……」スッ
ペラッ
ころばし屋「……このモブ澤はどうしてころばしてやろうと思ったんだ」
のび太「こないだのテストでモブ澤くんが2点ぼくより上だったせいでぼくがドベだったから」
ころばし屋「……」
のび太「ダメ……、かな……?」
ころばし屋「別に問題無い。おまえがころばしたいかどうかだ」
のび太「そうなんだ」
ころばし屋「……なぁ、1つ聞いていいか?」
のび太「ん?」
ころばし屋「おまえは人を『ころばす』覚悟はあるか?」
のび太「覚悟?」
ころばし屋「そうだ。おまえには覚悟はあるか」
のび太「ころばすことに覚悟なんているの?」
ころばし屋「……聞いただけだ。別におまえが良ければそれでいい」
のび太「……」
のび太(そこは普通なんだ……)
のび太「よし、じゃあお願いするよ」スッ
ころばし屋「……」
のび太「……」ゴクリ
チャリン
ころばし屋「確かに10円承った」
のび太「よろしく頼むよー」
ころばし屋「……」ゴソゴソ
のび太「?」
ころばし屋「これを」スッ
のび太「スイッチ?」
ころばし屋「もしも、途中でキャンセルしたくなったらそのスイッチを押して呼んでくれ。キャンセルの取り引きをしてやる」
のび太「分かったよ」
ころばし屋「では行ってくる」
のび太「行ってらっしゃーい」
ガチャ
バタン
のび太「……じゃあ、ぼくは昼寝でもして待っておこうかな」
ゴロン
のび太「……」
のび太「Zzz……」
ころばし屋「悪いがころばしてやろう」
ターンッ!
――――――
―――
―
チュンチュン........
のび太「うーん……」
ゴロン
のび太「……ん」
のび太「!」
ガバッ
のび太「今何時……!」
ドタドタ
のび太「も、もう、朝!?」
のび太「早く学校に行かないと!」
ダッ
のび太「ママー!行ってきまーす!」
シーン
のび太「ママ……?」
のび太「まだ寝てるのかな?」
ガチャ
タッタッタッ........
シーン
ヒョコッ
ころばし屋「……」
ズルズル........
ガララッ!
のび太「ま、間に合った……」
しずか「のびたさん!?」
のび太「あ、しずかちゃん。おはよう」
しずか「無事だったのね!」
ギュッ
のび太「えっ!?無事!?な、なんのこと?」アタフタ
しずか「のび太さん聞いてないの?」
のび太「な、何を?」チラッ
のび太(あれ?もうこんな時間なのに人が全然いないような……)
しずか「実は昨日たけしさんが亡くなったの……」
のび太「えっ……」
しずか「それだけじゃないの。クラスの男の子が半分以上昨日だけでも亡くなったの」
のび太「な、ななな、なんで!?」
のび太「そんな!みんな集まっているところに車にぶつかったとかなの?」
しずか「それが……、みんな違う場所で亡くなってるの」
のび太「ぐ、偶然にしては……!」
しずか「死因は様々だけど、1つ分かっているのが、何らかの形でみんな転んでいるの」
のび太(……!!)
しずか「たけしさんは急に橋から滑ってそのまま川に落ちて、モブ崎くんは何かに躓いた拍子に車道に出てそのまま車に……」グスッ
のび太「そんな……そんな……!」
のび太「!す、スネ夫は!?」
しずか「スネ夫さんはさっき連絡があって、暫く家に篭ってるそうよ」
のび太(まだ無事だった!)
しずか「やっぱり呪いなのかしら……」
のび太「呪い?」
しずか「さっきからみんなが言ってるの。これは呪いだって」
しずか「だって1日で私たちのクラスメイトの半分近くが亡くなっているんですもの……。呪い以外では説明できないわ」
ガララッ!
タッタッタッ!!
しずか「のび太さん!」
「私たちこれからもどうなるんだろ……」
「もうお終いだ……!みんな死んでしまうんだ……!!」
「嫌だー!嫌だー!死にたくないぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃいい!!!」
「死にたくないよぉ……」グスッ
ガララッ!
スタスタ
教頭「……」
ザワザワ
教頭「君たちの担任の先生が先ほど転落して亡くなったと病院の方から連絡があった……」
キャー!
しずか(のび太さん……!)
ダッ!
のび太(間違いない!あいつだ!あいつ、ころばし屋だ!)
のび太(みんな転んで、そしてそれが原因でしんだんだ……!)
のび太「ここなら……!」
ガサゴソ
のび太「あった!」
ピッ
ヒュオン
ころばし屋
コメント一覧
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- 2015年04月21日 23:29
- 依頼主との齟齬を放置し任務を遂行するころばし屋、無能
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- 2015年04月21日 23:36
- FじゃなくてAみたいな内容だな
-
- 2015年04月21日 23:43
- これはFじゃない
Aの仕事だ
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