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ウールピットのグリーンチルドレンは都市伝説なのだろうか?実話なのだろうか? : カラパイア

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 時代は12世紀頃、イングランド、サフォーク州ウールピットの村に、どこからともなく男女の子供が現われた。しかし、彼らは普通の孤児とは違っていた。ふたりはまったく未知の言語を話し、奇妙な服を着ていて、生の豆しか口にしない。そして緑色の肌をしていた。
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 このグリーンチルドレンは、危険なオオカミをおびき寄せて捕える罠の穴から現れた。収穫をしていた人がふたりを見つけて村へ連れ帰り、サー・リチャード・ド・カルンが住む場所を提供した。いつしか、緑色だった肌の色も薄れ、食べ物もいろいろ食べられるようになったが、男の子のほうはだんだん塞ぎ込むようになり、具合が悪くなって死んでしまった。

 女の子は英語を覚え、自分は兄と一緒に地下世界にある聖マーティンという国からやってきたと説明した。そこはなにもかもがグリーンで、常にぼんやりとたそがれているのだという。

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 この話にはいくつかバージョンがある。

 まずは、兄妹が父親の家畜の番をしていたとき大きな音が聞こえ、気がつくとオオカミの穴の底にいたというもの。もうひとつは、兄妹が群れを追って洞窟に入り込み道に迷ってしまった。鐘の音のするほうをたどって洞窟から出ると、そこは聖マーティンではなく、ウールピットだったというもの。

 歴史家たちは、このウールピットの物語について、年代記作者で聖職者のコゲシャルのラルフが書いたものと、ニューバーグのウィリアムの記録を照らし合わせている。どちらもグリーンチルドレンの事件が起こったときに直接現場にいたわけではなく、また聞きで聞いているので、細かい個所は違うが大筋は同じだ。ラルフはコゲシャルの6代目修道院長だったので、近所に住んでいたし、サー・リチャード・ド・カルン本人から繰り返し話を聞いていた。

 彼は1189年頃、Chronicon Anglicanumの中でこの話を書いた。僧侶で歴史家であるニューバーグのウィリアムもやはり、『英国事件史』(Historia rerum Anglicarum)の中でこの子供たちの話を書いたが、やがて実質的に削除されてしまった。ウィリアムのバージョンは1220年頃に出版され、多くの信頼できる情報源から出典されているという。

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 この出来事は単なる伝説なのか、それとも実際に起こったことをつなぎ合わせてできた話なのだろうか?この話が実際に起こった出来事をベースにしているのなら、緑色の肌について可能性のある説がいくつかある。

 まず、子供たちは砒素中毒だったのではないかという説。そこから、ふたりの世話をしていたノーフォーク州のある伯爵が、サフォークとの州境近くの森の中にふたりを置き去りにして殺してしまおうとしたのだという話が発展した。もうひとつは、ふたりは鉄分の欠乏が原因で顔色が緑色になる萎黄(いおう)病ではないかという説もある。

 そのほかにも、兄妹は1173年のフォーンハムの戦いで殺されたフランドル移民の子供だという説もある。フォーンハム・セント・マーティンは、ウールピットと川を隔てた近くの村で、たびたび大きな音で鐘を鳴らしていたベリー・セント・エドムンズの村から数マイルの場所にある。孤児になった子供たちが飢えに苦しみ、ふらふらと彷徨っているうちに、鐘の音に導かれるようにして、フォートハム・セント・マーティンからウールピットに迷い込んでしまった可能性はあった。
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 子供たちがどこからやって来たとしても、最終的には女の子はイングランド社会に溶け込んだ。彼女は洗礼を受け、ヘンリー2世の特使と思われるキングスリンの男性と結婚したと言われている。しかし、彼女はルーズで身持ちが悪い女になったという、まったく正反対の話もある。彼女はアグネス・バリーという名前をつけてもらったというが、グリーンチルドレン話の内容と同様、はっきりした根拠はない。

via:mentalfloss・原文翻訳:konohazuku


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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 21:05
  • ID:cB2.OQ9q0 #

ピッコロかな?

2

2. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 21:13
  • ID:sUTN006n0 #

タマネギ333号が逃がしたのか?

3

3. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 21:34
  • ID:UuqAtOTg0 #

ナメック星人だったんだろ

4

4. 空缶

  • 2015年04月21日 21:36
  • ID:iHyGFNcy0 #

「おむすびころりん」が怖くて仕方ない空缶には
夜には読みたくなかった話ではあるw

ハーメルンの笛吹男とかこの話とかゾクゾクする。
歴史の薄明の中にちらっと現れ消えていった謎の存在。

5

5. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 21:49
  • ID:cb79WUGz0 #

パタリロにそんなお話があったね
植物から進化した人間だったっけ

6

6. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 21:53
  • ID:53wh5Y1K0 #

「いおう病」ってのがどのくらい見た目緑になるんかと検索してみたが、イチゴやらキャベツやらしか出てこんかった。

7

7. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 21:53
  • ID:dF0polY.0 #

イインダヨ!

8

8. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 21:58
  • ID:AiHVL9Yp0 #

こういう話は大好き

9

9. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 22:03
  • ID:TaQMKjnL0 #

緑色の人間て、マーベルコミックの影響じゃない?

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10. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 22:34
  • ID:tR6LAmun0 #

全身が青くなった人もいるし、緑がいてもおかしくないね

11

11. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 22:39
  • ID:JLY611mv0 #

物語の思想的背景として、聖マルティヌスの日には収穫祭があること(農夫も収穫しているときに子供たちを見つけた)、植物的表象としての緑の肌、生の豆しか食べないことやオオカミ罠から見つかったことと聖マルティヌスが家畜の守護聖人であることの関係性を併せて考えるべきだと思う。

12

12. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 22:48
  • ID:6MX.OSXb0 #

※1・※3
付近に宇宙船があったに違いない。

13

13. 匿名処理班

  • 2015年04月21日 23:16
  • ID:7DyzvEW10 #

森の民はいるね、
歴史には描かれないね、
ちょっと怖いね、

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