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そこに銃があるから・・・常々、武器を持っている人間はそれを使いたくなるものだと言われてきたが、銃を持つことが合法とされているアメリカの場合どうなのか?こんな研究結果が発表となった。
新たな研究によると、成人アメリカ人のおよそ9%が、カッとしたはずみで銃に手を伸ばしたことがあるという。さらに、成人のおよそ1.5%の人が衝動的な怒りを感じることがあり、銃器類を家の外でも持ち歩いていることもわかった。
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デューク大、ハーバード大、コロンビア大の共同研究によると、怒りにかられて銃に手を伸ばす人の多くは若者か中年男性で、彼らはカッとして我を忘れると、物をぶっ壊したり、殴り合いの喧嘩をしたりすることがあるという。6挺以上の銃器を持っている者は、1〜2挺の銃を持っている人に比べて、外でも銃を持ち歩き、喧嘩っ早い傾向があるという。
キレやすい人に対しての銃の抑制がなされていない
研究を進めているのは、デューク大医学部で精神医学と行動科学を専門とするジェフリー・スワンソン教授。「精神疾患をもつ人たちに関しては、憲法で保証された人権とほかの市民の安全のバランスをとるために、これまでの法律では、自分では意識せずに犯罪を犯してしまうかもしれない精神疾患の患者には銃器は持たせないようにする措置をとってきた。しかし、精神疾患がなくても危険因子をもつ多くの個人に関しては、現行の法律が銃器を遠ざけているとは必ずしもいえない」。と語る。
研究者たちは、2000年代初めハーバード大が主動してできた国の精神疾患調査機関NSC-Rで、5563人の被験者と直接面接して得たデータを解析した。この調査で、深刻な精神疾患を抱える人と、衝動的な怒りにかられて銃に手を伸ばしたことがある人はほとんど重なることはないことがわかった。
「銃による暴力と深刻な精神疾患は、確かに重要なふたつの要素だが、市民の安全を確保するにはそれだけでは不十分である」。とスワンソンは言う。
キレやすい人が銃を所持した場合、人格障害、アルコール依存症、不安症、心的外傷後ストレスなどごく一般的な精神症状が原因でその危険性はぐんと高まる。一方で、おもな精神疾患である精神分裂症や躁うつ病のような障害が急性の場合はその影響はごくわずかだ。
精神疾患者よりも危険なキレやすい人
怒りの衝動で銃に手を伸ばす人で、精神疾患や依存症で入院していたことがあったのは、10人にひとりもいなかった。結果として、現行の精神衛生に関連する規制のもとでは、個人の病歴だけでは、法的に銃を購入するのを止めることはできないということだ。「無意識のうちに犯罪を犯してしまうかもしれない障害をもつ人たちでも、法的に銃を買うのを禁止されることはほとんどない」ハーバード大の医療政策担当教授であるロバート・ケスラーは言う。
銃を購入する見込みのある者の、暴力や飲酒運転などのさまざまな軽犯罪歴を調べることは、精神疾患の治療歴をベースにふるいにかけるよりも、銃暴力の抑止力があるとケスラー、スワンソンらは考えている。
すでに銃器を所持していて、いつでも使える状態にある人については、こうしたデータはコネチカット州やインデイアナ州、カリフォルニア州が制定しているような危険人物から銃を排除する法律を支えることになるかもしれない。こうした法律は、家族や警察がすぐに銃を取り上げられる法的手段になり、暴力予備軍の人が銃や武器を買うことを阻止できる。
米疾病対策センターによると、2012年の意図的な銃器の使用による負傷者は5万9000人以上にのぼり、死亡者数は1万1622人。
デューク大、ハーバード大、コロンビア大の分析結果は、精神疾患と銃暴力に焦点を当てた『Behavioral Sciences and the Law』誌に掲載された。記事では、まずは精神疾患があるなしに関わらず、銃をすぐにでも使える者と、キレて衝動的な行動にでたことがある人の数を見積っている。
via:sciencedaily・原文翻訳:konohazuku
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コメント
1. 匿名処理班
ま、減らず口を引き金ひとつで黙らせられる魔法の道具だしなぁ
その誘惑たるや半端なものではないだろう。
2.
3. 匿名処理班
うーん…怖いねこれは
性格テストなりを義務付けて銃を持っていいかどうかぐらいの制限も出来ないのかなあ
やっぱり自分の身を守る権利には敵わないのかね
4. 匿名処理班
「お前はキレやすいから銃を持つな」って言われたら「なんだと!」ってキレそうだよね
5. 匿名処理班
日本だと銃を持つ奴は特殊な職業以外持てないので
安心だが、それでも木刀や軍用ナイフなど一般に入手可能な
武器を持つ奴増えてるので他人事じゃないな
6.
7. 匿名処理班
アメリカの銃社会って、傍から見るとあまりに危険で不合理で
創作ならちょっとリアリティがないって思われるかもね
8. 匿名処理班
1*の方が書いてるように、本当すごい誘惑だと思う。「殺したい」と思ったときにすぐ殺せるというのはとても危険なことだと思う。自分だとしても。
9.
10.
11. 匿名処理班
10%って銃を所持していない人も居ると考えると。かなりやばい確率だと思うんだけど。
12. 匿名処理班
国の成り立ちが銃でネイティブから土地を奪う事から
始まった国。もはや銃の存在は否定できるわけがない。
国の記念碑を作るなら人間の像ではなく銃を飾った方が適切。
銃社会を否定しているのはパフォーマンス。大統領を守るのも
暗殺するのも銃。銃社会なんて存在しない。銃で成立している
今の社会がアメリカにとっての一般的な社会。
アメリカの政治が凶暴に思えるのは実際に凶暴な思想で支えられているから。
13. 匿名処理班
割と理性的な人でも瞬間的には振り切れるから
遠距離のヒト ゴロシ手段なんか手軽に持つべきじゃない
14. 匿名処理班
怒って銃に手を伸ばすたび5セントもらってたら今頃大金持ちだ
15. 匿名処理班
全米ライフル協会が無ければ、ここまでにはなってなかったかもね。
16. 匿名処理班
ピースメーカーだもんね
17. 匿名処理班
※3
そんなテストやってもガバガバだろうな。所持禁止、没収にして違反すれば極刑くらいやらないと無くならない
18. 匿名処理班
グリップの手触りを物凄く気持ち悪くしてみたらどうだろう
19. 匿名処理班
こういう奴は仮に銃が無くてもそこらの鈍器で殴りかかるだろう
犯罪に対する抑止力が足らない
20. 匿名処理班
※8
しかも手軽ですからね。 たとえば包丁でも殺したいと思えばすぐに実行に移せますが、銃と比べると近接しなくてはいけないゆえに反撃されるリスクなどもあって結構大変です。 ところが、銃は離れたところから「指先一つでダウンさ〜♪」なんですよね。
日本でも銃刀法で刃物は規制されていて、いろいろありますけど、人間が今のような生き物である以上、銃を持つ自由は制限されていてもやむなしと思います。
21. 匿名処理班
※19
いや、「近くにあった鈍器をつかんで相手に殴りかかる」のと「近くにあった拳銃で撃つ」
のとではだいぶ隔たりがあるよ。
某漫画のセリフを引用するが
『銃の利点は、殺す事と殺意と罪悪感の簡便化』
22. 匿名処理班
銃を使った事件が起きた時に、
銃の使用者に100%の責任があるんじゃなくて、銃を設計した人、工場で生産した人にもいくらか責任を問うべきだと思う。
包丁やバットは、たしかに使用者によって凶器にもなり得るけど、設計者と生産者にはまったく殺人の意図がない。
でも、銃は、設計者も生産者も使用者も、ひたすら殺人を意図してそれに関わってる。
設計者や生産者が、自分たちのしていることは殺人につながるのに、その責任から逃れて利益だけを得られる仕組みになってるのがおかしい。
23. 匿名処理班
ついカっとなってゲームキューブを手にしてしまうのが日本
24. 匿名処理班
※11
アメリカの成人男性の所持率は47%くらい
実験が事実なら銃所持者に限れば2割がそういう傾向があるということになる
25. 匿名処理班
荒んだ心に武器は危険なんです!
26. 匿名処理班
銃社会でまともにやっていけてるアメリカはすごいと思うよ
日本で銃所持が合法になったとしたら、まともにやっていける気がしない
27. 匿名処理班
乱れ撃ちは駄目。ワンショット・ワンキルを極めたら弓道と同じ。
狙撃手は我慢強い人じゃないとなれないから、、、。
28. 匿名処理班
銃社会は米国の宿命。
29. 匿名処理班
※26
日本同様銃規制が厳しく、アメリカの兄弟国とも言えるイギリスの殺人発生率は日本の三倍以上だけどね。