女提督「甘えさせたり甘えたり」
百合成分しかないです。
不定期更新、女提督は『提督』と表記します。
提督「はぁ……今日も一日疲れたなー、っと…」
コンコン
提督「はいはい、今行きますよー…」
ガチャ
提督「どちら様…ってあれ、ん?」
電「………」
提督「電?こんな時間にどうしたの?」
電「あの……その、司令官さん」
提督「?」
電「…一緒に寝ても、いいですか?」
提督「………おおう!?」
提督「そっかそっか、暁がねえ」シャッ
電「はい…電の布団にまで入ってきたのです」
提督「ふふふ、一人前のレディーになる日はまだ遠いね」シャッ シャッ
電「………」ジー
提督「……?ああ、櫛?髪梳きたいの?」
電「えっと……」
提督「…わかった、髪梳いてほしいんでしょ」ニヘ
電「…なのです///」
提督「おー、綺麗な髪」
電「そ、そうですか?」
提督「うん、というか電が髪下ろしてるところ見るのってなんか新鮮だねえ」
電「は、恥ずかしいのです…」
提督「ふふ…可愛いよ」
電「はわわ……///」
提督「そんなに照れなくても…電は恥ずかしがり屋だねえ」
電「……うー…」
提督「でも、可愛いのはほんとだよ?なんならそのままにしておけばいいのに」
電「司令官さんがそう言ってくれるのは嬉しいけど、やっぱり動く時には邪魔になるのです…」
提督「あー、確かに…駆逐艦はよく動くしね」
提督「……ふふ…」シャッ
電「どうしたのです?」
提督「なんか、こうしてると母さんに髪梳いてもらってたの思い出しちゃって」スー…
電「お母さん……」
提督「…よし、整ったよ。ほら、もう遅いし、寝よ?」ポンポン
電「あ……は、はいなのです」モソモソ
提督「はー……電、今日もお疲れ様」
電「あ、ありがとうございます…//」
提督「……おやすみ」
電「………」
提督「………」
電「………」
提督「………」
電「………」ジー
提督「………」
電「………」ジー
提督(…すごい胸見られてるんだけど……どうしたんだろ…)
提督「…い、電?」
電「は、はいっ!」
提督「…寝ないの?」
電「えっと…あの……」
提督「……大丈夫だよ、悩みがあるなら言ってごらん?」
電「は、はい……」
電「あの……司令官さん」
提督「うん」
電「……お母さんって、どんなものなのですか…?」
提督「え……?」
電「電は……司令官さんや他の人間と違って、この姿のまま生まれて、生きているのです……お姉ちゃん達はいるけど、お父さんやお母さんがどういうものなのか分からなくて……」
提督「うん……」
電「もちろん、お姉ちゃん達と一緒にいると楽しいのです……でも…何か、何かが足りないような…そんな気がするのです…」
提督「……そっか、電は寂しいんだね」
電「寂しい…?そんなことは………。……いや、多分そう…寂しいのです」
提督「そうだよ、私だって電ぐらいの歳の頃は母さんに甘えてばっかりだったもん。そりゃそうだよね、電達はまだ子供なのに…甘えられる存在がいないなんて寂しいに決まってるよね」
提督「……電、おいで」
電「え……?でも、電は戦う存在なのに…甘えるのはダメなのです」
提督「電は遠慮しすぎなんだってば。確かに電を含め、ここにいるみんなは戦う存在だけどそれ以前に私と同じ、意思を持って生きてるんだから。誰かに甘えるのなんて、悪いことじゃないよ」
電「…………」
提督「ほら。ね?」
電「………司令官さん…」ギュウ…
提督「よしよし…じゃ、今度こそもう寝よっか…」ギュッ ナデナデ
電「はい……なのです…」ウトウト
提督「……ふ〜ん…ふふふ〜ん…ふ〜ふ〜ん……」ポン…ポン…
電「ん……すぅ………」
電「すぅ……すぅ………」
提督「…………」
提督(はあ、やっと寝付いた……)
提督(子供寝かしつけるのって大変なんだなあ…)
提督(…明日、加賀になんて言われるだろう)
提督(……でも…)
電「……zzz…」
提督(ふふ…なんだか、娘ができたみたい)
提督(暁の寝相が悪いなんて、バレバレの嘘ついちゃって…)
提督(……甘え下手な電らしいなあ)
電「……おかあ……さ…」
提督「よしよーし……ここにいるよー……」ナデナデ
電「にゃ……」
提督「ふふ……おやすみ、電…」
電「……えへへ………zz…」
ーーーーーーー
ドタドタ……
\しーれーーいーーかーーーーん!!/
ドタドタ
ザザッ
バンッ
雷「司令官、大変!電がいないの!……ってあれ?」
提督「zzz………」
雷「……?この不自然な膨らみ…もしかして……」
バサッ
電「すぅ………」
雷「………はあ。もう、幸せそうな顔しちゃって」
雷「ふふふ…今回だけだからね」
提督「んん……zz…」
電「むにゃ……すぅ………」
提督「ん〜……んぐ…?」パチッ
提督「んあ…あれ…電……?」
「おそようございます」
提督「ひょわあ!?かっ、加賀!」
加賀「ずいぶん遅いお目覚めね。もうお天道様は高く上っているわ」
提督「えっ?うわ、ほんとだ!ごめん!」
加賀「そう慌てないで。提督がやるべきことはもう電がやったから」
提督「へ?電が?」
加賀「ええ、みんなより少し遅れて起きた後、いつもの恩返しですと言って張り切っていたわ」
提督「そうなんだ…電が…」
加賀「…あの子となにかあったの?」
提督「えっとね……」
提督「…ってことがあってねー」
加賀「そう……なんでもいいけど、そろそろ起きましょうか」
提督「あっ、そうだった」バッ
加賀「はい、着替え」
提督「うん、ありがと」
加賀「食堂に作り置きのカレーがあるから。それを食べたらいつも通りに勤めて」
提督「はーい。じゃ、行ってくるね」
加賀「ええ」
バタン
加賀「…………」
加賀「…………」
加賀「提督と一緒に……」
加賀「…………」
加賀「……何を考えているの、私は…」
加賀「まだあの子は子供じゃない……」
加賀「…そもそも提督は警戒心というものが………もっと一人の軍人として…」ブツブツ
食堂
提督(…ありゃ、やっぱりもう人少ないなー)
提督「おはよー」
雷「あっ、司令官!おはよう!」
提督「おはよう雷。ごめんね、寝坊しちゃって」
雷「ううん、そんなこと気にしなくていいわ、司令官はいつも頑張ってるもの!」
提督「そうかな?」
雷「そうよ!」
提督「そっか…うん、ありがと」
グゥ
提督「おっと」
雷「司令官、お昼まだなの?」
提督「あはは…本当にさっき起きたばっかりだから…」
提督「加賀にカレーがあるって聞いたんだけど…」
雷「ええ、あるわ。鳳翔さーん!カレーあっためてー!」
\はーい/
提督「ふふふ、カレーかあ…」
雷「司令官、嬉しそうね」
提督「うん、カレー好きだもん」
雷「そうなの?じゃあ、今度とびきり美味しいのを作ってあげるわ!」
提督「やった!」
鳳翔「はい、出来ましたよ」コト
提督「おっ、ありがと鳳翔」
鳳翔「いえいえ」
提督「鳳翔はもうご飯食べたの?」
鳳翔「はい、みんなと一緒に」
提督「そっか。いつも美味しいご飯作ってくれてありがとうね」
鳳翔「ふふ…そう言っていただけると、作りがいがあるというものですよ」
雷「司令官、冷めちゃうわよ?」
提督「あ、そうだった。いただきます!」
鳳翔「はい♪」
提督「んー……やっぱり鳳翔の作るカレーは美味しいなあ」
鳳翔「ええ、自信作です」
提督「毎日食べたいぐらいだよ」
鳳翔「あら、お望みなら毎日作って私が食べさせてあげますよ?」
提督「そう?うふふ」
鳳翔「ふふっ…」
雷「しーれーいーかーんー?」
提督「ごめんごめん、冗談だよ」
雷「ならいいけど…」
鳳翔「結構本気なんだけどなあ…」ボソッ
提督「……女の子が簡単にそういうこと言っちゃダメだよ」
鳳翔「!? は、はい…//」
鳳翔(聞こえてた…)///
雷「?」
提督「んーん、なんでもない」
提督「ふー、ごちそうさまー」
鳳翔「はい、お皿片付けておきますね」
提督「ありがとねー……はぁ…」
雷「司令官、どうしたの?」
提督「ん?うーん…いや、なんでもない」
雷「……もしかして、疲れてる?」
提督「………」
雷「今日もお昼までぐっすりだったし…あ、そういえばどうして昨日は電と寝てたの?」
提督「へっ!?み、見てたの!?」
雷「見てたもなにも、毎日起こしに来てるじゃない」
提督「あ…そ、そうだった」
雷「で、なんで電と寝てたの?」
提督「んー…詳しいことは聞いてないんだけど、なんだか寂しかったみたい」
雷「やっぱり…」
提督「やっぱり?心当たりでもあるの?」
雷「うん…あの子、みんなと一緒にいても時々寂しそうな顔してたから」
提督「そうなんだ……でも、なんで私に甘えてきたのかな」
雷「そうね…司令官、甘えやすそうな感じするし