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許嫁「私が幸せな理由」|エレファント速報:SSまとめブログ

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許嫁「私が幸せな理由」

1: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 20:31:41.71 ID:GQKtbZc30

許嫁「深呼吸……深呼吸です」

許嫁「大丈夫、寝ている男子を起こすことくらい、漫画によくいる幼馴染なら誰でもやっています」

許嫁「結婚の約束までしている私なら、ちょちょいのちょいです。そうに決まっています」

許嫁「では失礼して……おじゃましまーす」

男「zzz」

許嫁「ぐっすり寝てますね。ふふ、かわいらしい寝顔です」

男「むにゃ……いいな、ずけ」

許嫁「っ」

許嫁「びっくりしました……起きてはいませんよね」

男「でか……いな」

許嫁「何がでしょう。背は低いですし……や、やはりこの胸でしょうか」

許嫁「男さんに喜ばれるんでしたら……母に言われ、早寝早起きを徹底した努力が報われましたね」

男「ケツ……」



2: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 20:36:24.21 ID:GQKtbZc30

許嫁「……」

許嫁「…………」

許嫁「朝です朝です起きてください」

許嫁「べしべしべし」

男「ん……んんっ?」

許嫁「朝ですべしべし朝ですべし」

男「痛……いてえ! 何だ朝っぱらからっ」

許嫁「あら男さんべしべしおはようございべし」

男「どうして顔をビンタされまくってんだよ俺!?」



3: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 20:41:03.74 ID:GQKtbZc30

男「うぅ……顔がひりひりする」

男母「ったく、ようやく起きてきた。ごめんなさいね許嫁ちゃん、手間かけさせて」

許嫁「大丈夫ですよ。これからずっとしていくことですしね」

男母「ところで、うちのどら息子の顔はどうして爆弾岩みたいになってるの? メガンテでもするの?」

男「聞いてくれよババア……許嫁が、俺をビンタしまくったんだ」

男母「誰がババアよ、マホトーンしてからたこ殴りされたいの?」

男母「おおかた、寝ぼけたあんたが許嫁ちゃんに抱きつきでもしたんじゃない?」

男「なるほど……そうだったのか。悪かったよ許嫁」

許嫁「いえ、その。私こそごめんなさい」

男「?」

男母「よしご飯完成っ。早く錬金しなくちゃ!」

許嫁「錬金……? あ、ゲームの話でしたか」

男「ダメだ許嫁、見るんじゃない。家事をおざなりにしてゲームに熱中する主婦なんて存在しないんだ……!」



4: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 20:44:58.71 ID:GQKtbZc30

    ◇学校

女「おはよー……ってうわ!? 男の顔が白子の怪物みたいになってる!?」

男「キモい例えすんな。おはよう」

許嫁「おはようございます」

女「んー、ねえねえ許嫁ちゃん、こいつどうしたの?」

許嫁「実はその、ちょっとやりすぎてしまいまして」

女「あーなるほどね。男がセクハラしたんでしょ? こいつってばほんと変態だから」

男「違う、寝ぼけてたんだ、俺は悪くない」

女「小学生のころ、クラスの女子全員のスカートをめくったやつが良く言うわー」

許嫁「男さん……ふふ、ふふふ。私に内緒でそんなことしたんですか」ゴゴゴ

男「許嫁さん!? 目も口も頬も笑ってません!」

女「大丈夫、言葉だけは笑ってるでしょ?」



5: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 20:52:01.31 ID:GQKtbZc30

男「しくしく」

許嫁「さあ男さん。どうしてそんなことをしたのですか? 私というものがありながら」

男「ち、違います! 若気の至りだったのです!」

女「ほんとよ、信じられないわ。いくら王様ゲームでスカート20人めくれって命令されたからって」

男「命令した悪魔は女じゃねえか!」

女「でも楽しかったでしょ?」

男「まあな!」キラ

許嫁「男さんっ!」

男「ごめんなさいごめんなさい! 今後は許嫁のスカートしかめくりません!」

許嫁「それならよ……くないですっ! 恥ずかしいからやめてください!」

男「…………」ピラ

許嫁「い、いやああーー!!」

男「女」

女「何よ」

男「天国は桃色をしていた」

女「地獄に直結してるわよ、あんたのいる天国」



6: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 20:56:46.84 ID:GQKtbZc30

許嫁「信じられません……こんなことされたら、私、どこにも嫁に行けません」

男「俺以外の誰のところに嫁に行くんだよ」

許嫁「そ、それは……」

男友「……」チラッ

男「……」

許嫁「……」

男友「……」チラッチラッ

男「おーい女友ー。男友が許嫁に色目使ってるぞー」

女友「なんですってー!?」

男友「ちょ、ば、男てめえ!」

許嫁「三枚目の役柄って大変ですね」

男「まあ幸せそうだしいいんじゃないか」



7: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:02:52.94 ID:GQKtbZc30

男友「  」

女友「浮気者、ここに眠る……っと」

許嫁「不名誉な墓銘が刻まれましたね」

男「南無」

男友「死んでたまるか!」

女友「しぶといわね」

男友「当たり前だ! オレはこれから、女友とあんなことやこんなことをしたいんだあ!!」

女友「大声で何を言うわけ!?///」

男「俺と許嫁ってさ、あいつらのおかげでバカップル扱いされずに済んでるよな」

許嫁「得難い友人ですね」



9: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:08:52.66 ID:GQKtbZc30

女「ほー? つまり許嫁ちゃんは、男とバカップルなりかけなのは認めるんだー?」

許嫁「ち、違いますっ。言葉の綾です!」

女「違うの? なら男、わたしとバカップルになろうよ」

男「冗談は胸だけにしてくれよな」ハハ

女「男……あんたってやつは」ゴゴゴ

許嫁「だめ、だめですっ。男さんは私の……っ」

許嫁「うぅ」

男「大丈夫だって許嫁」

許嫁「男さん……」

男「あまり言ってこなかったけどさ、俺、許嫁のこと、好きだぞ」

許嫁「わ、私も……男さんのことが、その……」

女「わたしの存在を踏み台にして盛り上がるの、やめてくれないかなあ」



10: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:15:11.79 ID:GQKtbZc30

女教師「よーしお前ら席に着け……ぉぅわっ! どうしたんだ男! 顔が花崗岩みたいになっているぞ!?」

男「もっとましな例えはありませんでしたか?」

女教師「そんなことはいい! それよりどうした、イジメか!? 先生が放課後の保健室で相談に乗ろうか?」

女「何するつもりよ二九歳」

女友「必死すぎてちょっと引くわよね……」

女教師「うるさいな! わたしはもう後がないんだよ!」

許嫁「だからって人の婚約者に粉をかけるのはやめてください」

女教師「おっかしいな……どうしてわたしの人生には婚約者が現れなかったんだ?」

女「日頃の行いとかじゃ?」

女教師「……ところで女、あんたそのグループで一人だけフリーだったな? 先生が放課後の保健室で相談に乗ろうか?」

女「わたしに何するつもりですかっ!」

女教師「いやほら、同性愛者だったら結婚しない理由として親に話せるし」

男「ご両親が泣きますよ」

許嫁「ちょっと重たいカミングアウトですものね」



12: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:21:12.96 ID:GQKtbZc30

女教師「ま、冗談はさておき進路調査票を配るぞ。来週頭が期限だから、遅れないよう提出するようにな」

男友「なあ、女友はどうするんだ?」

女友「ちょっとは余裕を持って入れそうな大学。あんたは?」

男友「ぎりぎり入れそうな大学を狙う。……悪い、学校は別々だと思う」

女友「しょうがないわよ。あんたのが頭いいんだし」

男友「たださ、できるだけ女友の大学と近いとこを探すよ。一緒にいる時間、できるだけほしいしな」

女友「も、もう……」

男友「――――」ジッ

女友「――――」ジッ

女教師「見ない見えない見えてない。ああそうだわたしは見えてないぞー!」



13: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:27:36.92 ID:GQKtbZc30

女「先生、一枚足りませーん」

女教師「おっと、悪かったな」

男「さて、俺もどうするか」

許嫁「男さん、行きたい大学は決まってませんでしたか?」

男「第一志望はな。この近くで理学の専攻科があるの、一つしかないし」

女「えーっと……書き書き」

男「でもこれ、一応第五志望まで埋めないとだろ?」

許嫁「どうせなら遠方の大学も検討してみては?」

男「んー、親がなんて言うかわからないからな」

許嫁「私と一緒に住むということでしたら、多少は生活費も安くあがりますし」

女「よしできた」

許嫁「教員免許が取れるなら、私は大学にこだわりがありませんしね」

男「……ん、そうだな」

女「これをこっそり許嫁ちゃんのやつと入れ替えて、っと」



14: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:31:30.05 ID:GQKtbZc30

男「そうだ、女はもう決まってるのか?」

女「わたしはまだだよ。……ねえ許嫁ちゃん。わたしと一緒に進路調査票を書こうよ」

許嫁「いいですよ。大学を調べなが……ひぅ!?」

男「ひぅ?」

女「おやぁ、どうしたの許嫁ちゃん? あらあらー! もう、許嫁ちゃんってば大胆なんだからっ」

男「んー? ……おい許嫁。男のお嫁さんとか書いてあるの、見間違いか?」

許嫁「わ、私が書いたんじゃありませんっ」

女「でもそれじゃあ提出できないよ? はいこれ。さっき一枚余分にもらったんだー」

許嫁「っ! 女さん、計りましたね!?」

女教師「もうやだこのクラス」



15: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:35:08.25 ID:GQKtbZc30

許嫁「そろそろ次の授業が始まりますね」

男「だな。ほら許嫁、教科書」

許嫁「私からもどうぞ」

女「……二人ってさ、授業前によく教科書を交換しあってるけど、それって何の儀式? イチャイチャ獣の召還?」

許嫁「いえ、あの、そういうイチャイチャとかではないです……」

男「今日やるページの空いた部分に、前回の復習をかねた問題を作ってるんだよ。で、お互いにそれを問き合ってる」

許嫁「勉強になっていいですよね」

女「砂糖吐きそう……」



16: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:40:23.57 ID:GQKtbZc30

    ◇授業後

女(しかしこんなことでへこたれる女さんではありません)

女「許嫁ちゃん、ちょっと教科書貸してー。イタズラ書きを消してたら、教科書破けちゃって」

許嫁「もう、仕方ないですね。自分の教科書だからって、あまり落書きしちゃダメですよ?」

女「わかってるよ。ありがとねー」

女(よし、もう問題が書いてある。綺麗な字だな、うらやましい)

女(とりあえず、女の子らしい丸文字で書き足して……っと)

女(教科書、この後は見ないまま男に渡してくれるよね?)

女「もう大丈夫、ありがとね」

許嫁「いえ、どういたしまして」



18: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:45:04.20 ID:GQKtbZc30

~~~

    ◇次回授業時

男「っ!?」ガタッ

女教師「どうした男? わたしに惚れたか?」

許嫁「……先生。そういう冗談はよくないと思いますよ。男さんは別ですが、勘違いする男子が現れるかもしれません」

女教師「安心しろ。彼女にベタ惚れしてる男子相手にしか言わないから」

許嫁「それならいいんですが」

許嫁「……ちょっと待ってください! 変なこと言わないでくれませんか!?」

男「…………」

男(び、びっくりした……許嫁、こういうこと書いてくるやつじゃないと思ってた)

『愛してますよ男さん(ハート)』

男(ちょっと無神経すぎたな……俺も返してやるか)



19: ◆AYcToR0oTg:2015/01/02(金) 21:49:25.78 ID:GQKtbZc30

    ◇次々回授業時

許嫁「ひぅ!?」

女教師「……最近、わたしの授業を邪魔するのが流行っている
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      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年04月27日 00:00
      • 良い名付け

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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