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不祥事ばかりが取沙汰されるが、警察官の中にも心をもって、信念に基づき人を救うためにその任務を全うしている人がいる。マニュアルに従えば逮捕するべき人物がいても、なぜその犯行を犯したかを考慮し、温情をかける場合もある。自らの財布からお金を出して困っている人を救う。
警察本部からしたら始末書ものの行為もあるが、彼らは警察官という身分よりも人間としての行動を重視した。「罪を憎んで人を憎まず」。警察官の暖かい心に触れた人々は、それに触発され、善意の輪が広がっていくようだ。
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1. 違反切符を切る代わりにチャイルドシートを購入した警官
ミシガン州フルーツポート・タウンシップの警官、ジェイソン・パブリッジとジェームズ・ホッジズは、ある夫婦の車を呼び止めた。母親が生後10ヶ月の赤ちゃんを腕に抱いて乗っていたのだ。だが、2人はすぐにこの夫婦にチャイルドシートを買う余裕などないことに気がついた。そこで、違反切符を切る代わりに、近くのウォルマートに連れて行き、チャイルドシートを購入すると、取り付け方を説明してその場を去った。
この出来事は感動したウォルマートの店員によって明らかにされた。インタビューを受けたホッジズさんは、「問題を解決するために必要なことをやろうと思っただけです」と語っている。
2. 万引きで捕まった母親に食品を買い与えた女性警官
スーパーから万引きの通報を受けたマイアミの女性警官、ヴィッキー・トーマスは、手錠ではなく財布を取り出した。
3人の子供がいるというジェシカ・ロブレスは36000円相当の食品を盗んだが、その理由を訊かれると、家に食べるものがなく、子供がお腹を空かせているからだと答えた。彼女の犯罪歴を調べると、目立った前科はない。そこで連行せずに、裁判所への出頭通知を渡すとともに、彼女が人を信じる気持ちを取り戻すような行為を行った。店の中に入ると、12000円ほどの食品を購入したのだ。「彼女を逮捕しても、お腹を空かせた子供がいるという問題は解決しませんから」とトーマス警官。
この話が広まると、南フロリダ中の有志から、ウォルマートの食品10万円相当の寄付が集まった。それだけではない、ある男性が彼女に電話をし、カスタマーサービスの仕事を紹介してきたのだ。もちろん、彼女はこれを引き受けた。
3. 10km走に挑戦する太目の女性を助けたケンタッキー州の警官
ケンタッキー州ルイビルで開催された10kmレースで、警官に支えられながらゴールする90kgの女性の写真が撮られた。この女性は、おまわりさんは”神様からの贈り物”と答えている。
アジア・フォードは、2度目の参加となる10kmレースで前回の記録を打ち破りたかったのだそうだ。かつて彼女と夫は体調を崩したことがあり、それ以来人生を変えようと決意していたらしい。夫は糖尿病のせいで手と足を失い、彼女自身も医師から膝の代替手術が必要だと言われていた。そこでフィットネスに詳しい友人に相談し、このレースに参加することになった。
しかし、レースが中盤になると、目眩がし、気分も悪くなってきたという。実は、彼女は肺炎が治ったばかりだったのだ。その後も懸命に走るが、残りあと僅かというところで、全身から力が抜け、涙が出てきた。「もうダメ、神様どうかあと数歩だけ足を動かしてください」と願ったまさにその瞬間、彼がやってきたのだ。
ルイビル・メトロポリタン警察に勤務するオーブリー・グレゴリー警部補のおかげで、昨年より3分早い、2時間7分という自己新記録を見事打ち立てることに成功した。
4. 貧しい10代の少年にベッドやテレビなどを自らのお金で買った警察官
サウスカロライナ州に住む13歳の少年、キャメロン・シモンズくんは、数週間前に母親と喧嘩をして警察に電話をかけてきた。シモンズくんは電話口でもう母親との暮らしはうんざりだと告げた。これを受けたガエターノ・アチェラ警官は、「君は恵まれているよ」と諭したが、気になるところがあったのでシモンズくんの自宅を訪問することに。
するとシモンズくんの部屋には何もない。テレビどころかベッドも机も何もなかったのだ。母親はどうやら育児放棄気味だったという。「気の毒になりました。彼が必要とするちょっとした物を私は与えることができたし、それで彼が幾分はマシになると思ったのです」とアチェラさん。
そして、彼は自分の小遣いでシモンズ君にベッドを買った。アチェラ警官がこの話を人に伝えたところ、寄付が集まった。そのお金で、テレビ、机、椅子、Wiiをシモンズ君に買い与えたのだ。
5. 車で寝泊まりする4人家族にホテルの宿泊をプレゼントした警官
路上での寝泊まりに疲れていたウッド一家だったが、お金を節約するためにその晩も車内泊の準備をしていた。だが、オレゴン州ユージーンの警官がそうはさせなかった。彼はホテルに一室を用意したのだ。
ウッド一家はアラスカからオレゴンへ帰る途中だった。ユージーンに到着したときはすでに夜も更け、ロバートさんと妻、2人の子供はアラスカからの道のりでそれまでしてきたように、シートで寝る準備を整えていた。
路駐する車を見咎めたデビッド・ナット警部補は、彼らに車を動かすよう告げようとした。だが、そこの2歳と4歳の幼い子供がいることに気がつく。そこで、彼らにホテルまで誘導し、その宿泊費を支払うことにした。実はユージーン警察には、困った人を助けるための寄付金が集まっていたのだ。体力が回復するまでホテルに宿泊させてもらったウッド一家は、今ユージーンに引っ越すための家を探しているらしい。
6. ホームレスの男性にブーツを購入したニューヨークの警官
その日は気温が1℃近くまで下がる寒い夜だった。ブロードウェイ、44thストリートの角で震えていたのは裸足のホームレスの男性だ。「すごく冷えていたから、何かしなければいけないと思って」。と、ニューヨーク警察署のローレンス・デプリモは語った。
デプリモはその晩、ミッドタウンでの任務に就いていたが、靴を履いていないホームレスを揶揄う声が聞こえてきた。その男性に近寄って、靴について尋ねると、「大丈夫さ、そんな物履いたことなんかないんだから。神の祝福を」。と返事をしたという。そこで付近の靴屋に行き、助けを求めると、店員がメーカー希望小売価格の半額でブーツを提供すると申し出てくれた。そして、靴下も数足購入し、男性に靴を履かせてあげた。
アリゾナからニューヨークを訪れ、偶々この現場に居合わせた救急隊員のジェニファー・フォスターはこの場面を写真に撮り、フェイスブック上で公開した。これがすぐさま評判となり、これまでに60万回の「いいね!」が寄せられ、25万回もシェアされている。
7. 子供のために卵を盗もうとした女性の家族に大量の食料を届けた警官
アリゾナ州の警官は、家族のために卵を盗もうとした女性を捕まえたあと、その家族のためにトラック2台分の食料を届けた。
地元のスーパーで万引きしようとしたヘレン・ジョンソンを捕まえたのはウィリアム・ステイシー警官だ。ヘレンには娘2人と姪1人のほか、1歳と3歳の孫が2人いた。家族が2日間何も口にしていなかったため、彼女はなけなしの150円ほどのお金を持ってスーパーへ出かけた。これなら卵1パックくらい買えるだろうと。しかし、税金分が足りないと気がついたとき、思わずポケットに卵5個を詰め込んでしまった。
通報されて駆けつけたステイシー警官は、逮捕せずに、二度と繰り返さないことを約束させたうえで、卵を買い与えた。驚いたことにその約束から間もなく、様々な人から連絡を受けるようになった。彼らは貧しいヘレン一家に食品やお金、衣服などの寄付を申し出てきたのだ。その量は膨大で、届けるために警察署の車を2台も使ったほどだったという。
8. 盗難の被害者に新しい自転車を購入した警察官
男の子にとって自転車は大切な宝物だ。13歳のJ・J・ウィーバーくんにとっても同様だ。しかし、2014年に自宅の前に停めておいた自転車が何者かによって盗まれてしまう。
「その日、自転車が盗まれてしまって、近所の人が警察に通報したほうがいいと教えてくれました」。と話すウィーバーくんは、そのアドバイス通りに行動した。ただそれだけだ。すると、これを担当したパーセル警察署のジョン・アイドレットが、新しい自転車を申し出てきたのだ。翌日、彼が約束の自転車を持ってウィーバーくんの家を訪れた。少年が元気一杯に自転車を乗り回すその後ろには、無名の英雄の存在がある。
9. 粉ミルクを盗もうとしたシングルファーザーを助けた警察官
万引きの通報を受けたケンタッキー州ロンドン警察署のロビー警官は、犯人に手錠をかけることなどできなかった。代わりに支援の手を差し伸べることにした。
その犯人が盗もうとしたのは、生後6ヶ月の息子に飲ませる粉ミルクだ。事情を知った店側が告発を望まなかったこともあり、ロビー警官はこれ以上は不問とすることにした。そして、手錠の代わりに、無口なシングルファーザーに粉ミルクの缶を数個手渡した。
「私も彼と同じ父親ですから。私たちはロボットではありません…この警察バッジをつけているのは人間なのですよ」。ロビーはそう言った。
via:oddee・原文翻訳:hiroching
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コメント
1.
2. 匿名処理班
>「この警察バッジをつけているのは人間なのですよ」
涙出た
3. 匿名処理班
素晴らしい
4. 匿名処理班
人を助けられるのは人だけだね
5. 匿名処理班
「この警官バッジをつけているのは人間なのですよ」
この言葉が心にガーンとぶつかってきた
なんだこの今まで感じたことのない気持ちは
6.
7. 匿名処理班
警官になった初心は、健全な国家であれば、だれもが同じであろう。
8. 匿名処理班
アメリカだと逮捕するかしないか警官が決められるのか
9. 匿名処理班
日本には無さそうな話だな
10. 匿名処理班
改心する人もほんとに助かる人もいるんだよなぁ
いい話だ
11. 匿名処理班
こういう義侠心に対して寄付が集まるのは、アメリカ的良心が未だに生き残っていることの証明だよね
12. 匿名処理班
や さ し い 世 界
13. 匿名処理班
アメリカは色んな意味で広いなあ。
国土も国民の懐も。
14. 匿名処理班
人間であるからこそ理不尽で悲劇的な出来事に最前線で向き合い続ける間に自分の心を守るために無関心で事務的になる警官もいるのに、目を逸らさず手を差し伸べる事ができたこの人たちはきっと強く優しい人なんだな……。(´;ω;`)
15.
16.
17. 匿名処理班
※12
優しい警察署もあれば、酷い警察署もある。私は、心療内科に通院しているだけで酷い事を言われ傷つき泣きました。
18.
19. 匿名処理班
善意を貰える機会が少ない社会とか、生活上やむを得ず人が犯罪に走ってる社会でなら十分アリだと思う
優しさに触れて心入れ替える人も居るかも知れん
半面、基本裕福な国ではあんまり効果ないかなあとも思う
20. 匿名処理班
警官の善意は単なる痛み止め
貧困という病気の治療も忘れてはいけないんだが
こういう美談を読んで安心して終わるんだよねあたしら普通の市民は
21.
22. 匿名処理班
きっと、みんな貧しい人や恵まれたい人を助けたいとは思ってるんだね。
でも、そういう人達がどこにいて助けを求めてるいるのか、どうすれば助けられるのかが分からない。
善意ある人はたくさんいるんだから、そこんところを何とかできるといいのにね。
23.
24.
25. 匿名処理班
※14
警察官ではないけど、仕事を続けるうちに心を閉ざす感覚は自分もわかるから、この人達が本当に出来た人たちだということは自分からも保証するよ。
26. 匿名処理班
もしヒーローだったらどう振る舞うだろう?って判断基準があるのかもね
アメリカ人ってヒーローへの憧れが強そうだし(先入観)
なんかひねくれたコメになったけど、本当いい話だ
27. 匿名処理班
「子供に食べさせる物がない」から盗んだ食料が36000円分てすごくない?
人様の物に手を付けるのが申し訳ないと思ってたらなるべく店側の被害が少なくて済む物を選びそうなものだが…。
28.
29.
30. 匿名処理班
そう 人間なんだよね
忘れそうになるときに思い出したい
31. 匿名処理班
※26それはあっているかもしれない
前聴いた話で国民性の違いについてこんなことがあった気が
アメリカ人を動かしたければ君はヒーローになれるといえばいい
日本人を動かしたければみんなやっているといえばいい
他にもあった気がするけど忘れてしまったすまぬ
32.
33. 匿名処理班
どれもこれも素晴らしい話だ
しかし魚の釣り方を教えるのではなく魚を与えてるだけに感じるのも否めない。
でも後で仕事を紹介する電話が来たり、引越し先を探すようになったりと好転した例があるのも事実。難しいなぁ
34. 匿名処理班
※13
個人主義的なのに利他的な行動もとれるんだよ。
35. 匿名処理班
ケチをつける気は全くないし、素晴らしい方々だと思う
ただ貧しい人のために何々を買ってあげたなんて話を聞くと、その人のもとに他の貧しい人が集まってきたりしないのだろうか、といつも思ってしまう
36. 匿名処理班
何かちょっと違うと思うの
37. 匿名処理班
※33
魚の釣り方を望む人も居れば、魚を与えられるのを望む人も居るし
釣り方を教えても、出来ない人は出来ない
魚を与えられたことで、魚を増やす方法を得ることもある
その人にとって変わるきっかけになれば
それがどんな行いであれ良いと思うんだ
38.
39. 匿名処理班
レ・ミゼラブルを思い出した
40. 匿名処理班
>33
確かに与えるだけでは未来につながらない。
けれども、私もそうなのだけれど、記事の状況の人たちに目を背ける人も多いと思う。
立場として規則を忠実に実行しなければならない人たちも多いと思う。
その様な中で「手を差し伸べられる」という経験は魚の釣り方を覚えるのと同じ位、彼らに生きる力を与えることもある。と私は思いたい。
41. 匿名処理班
昔厨二病だったころ人助けした友人にそのやり方は間違ってるとかぶちまけたことあるけど
「お前にもやれなんて言わないから俺の好きにさせろ」って返されて顔真っ赤になった思い出が蘇った
国単位でやってるわけでもなし、個人の親切に間違いも何もないわな
42.
43. 匿名処理班
罪を憎む正義の心が行き過ぎた結果になる一方 その正義が人を救うこともある
難しい話だね
不平等を招くから目の前の不幸を見過ごすか 不平等でも良心に従い行動するか
これもまた難しい