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響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」|エレファント速報:SSまとめブログ

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響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」

1: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:02:52.63 ID:oekffFfr0

最初に言っておく! なのです。

こちらは艦これ公式四コマと仮面ライダー響鬼のコラボSSです。前4作とはまったく世界観等は無関係で続編でも何でもないです。
あと、か~な~り~響鬼さんがおかしい!

です。
一人前のレディーにはか~な~り~早すぎるかもしれないのでご注意ください。
・・・ハラショー


前作

祥鳳「私が轟沈・・・?」 剣崎「ウゾダドンドコドーン!!」

弦太朗「俺は全ての艦娘と友達になる男、如月弦太朗だ!!」

比叡「カレーができました!」橘さん「これ食ってもいいかな?」

睦月「私は最強だー!」 上城睦月「艦娘?」



2: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:03:49.17 ID:oekffFfr0

暗い、暗い海。銀髪の少女は突如その海のど真ん中に立っていた。

そこに灯る光は、ただ赤い炎だけ。


響は辺りを見回した。闇に覆われた海原に、三つの光が見えた。



三つの駆逐艦、いや艦娘が燃え上がり、今にも沈もうとしていた。



「次に生まれてくる時は…平和な世界だといいな…」
優しき少女が静かに来世を願い、倒れる。


「こんなところで沈むの・・・、いやだよぉ・・・」
朗らかな少女が恐怖に狂い泣き叫ぶ。


「・・・どこ……?もう、声が聞こえないわ・・・!」
淑女を目指した少女が無音の絶望に震え、苦しむ。



みんなみんな、どこかへ沈んでゆく。暗い暗い深淵に。


(いや・・・。みんな、いかないで・・・!)


響は手を伸ばした。

でも届かない。

誰にも手は届かない。

みんな静かに、深い闇に沈んでゆく。


まただ。

また自分だけが、生き残ってしまう。

ひとりぼっちになる。



3: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:05:07.42 ID:oekffFfr0

「やめて、いかないで・・・!」





「・・・っ!」


声にならない悲鳴をあげ、響は目覚めた。嫌な汗が身体を伝う。

響はうんざりした。

「また、あの夢か・・・」彼女は夢の神を呪った。

まるで悪夢は不死鳥のように蘇る。こんな苦しみを味わうならば、「不死鳥」の二つ名なんて要らない。

響は布団の隣を見つめた。

彼女の姉妹、電、雷、暁の三人が、気持ちよさそうに眠っていた。

いつもそばにいてくれる、優しくて暖かい姉妹達。

彼女達の寝顔を見て、響はホッとした。

でも、あの夢が脳裏に浮かび、その安心はいつも霧散してしまう。


響は思った。

あんな悪夢を見るのも、私が弱いせいだ。

私がもっと強くなれば、もう暁や雷、電を失うことなんてない。

ヴェールヌイじゃ足りない。

もっと強くなりたい。みんなを二度と失わないために。

あの悪夢から逃れるために。

「強く・・・なりたいな・・・」

響は誰にも聞こえないよう、静かに呟いた。

その目に涙が滲んだことを、眠り続ける暁たちは知らない。



4: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:06:13.24 ID:7uE2/9QY0

「よ~し! 今日は軽空母の先輩達に対空演習に付き合ってもらいまーす!」
教師として駆逐艦娘を指導する伊勢が景気よく言った。その日は軽空母の艦載機を使った対空演習だった。

普段は加賀や赤城達が演習の手伝いをしているが、この日は二人とも出撃で留守だった。そのため、代理として軽空母二人が呼ばれた。

「祥鳳先輩、瑞鳳先輩、よろしくお願いします!」

駆逐艦の少女たちが深々と頭を下げ、敬意を示した。

「はい、よろしくお願いします!」

「よろしくね~」

軽空母の祥鳳と瑞鳳が彼女達に倣って頭を下げる。

「そいじゃ二人ともあとよろしくね~」

挨拶を終えた後、伊勢はどこかへ立ち去ろうとしていた。

「ちょっ、伊勢先輩どちらへ!?」

「今日は私の出番がないんで寝ます」

枕まで用意して寝ようとする伊勢に、「寝ないでくださいっ!」と瑞鳳が怒り出す。

小柄な少女に枕を海へと投げられ、更には耳まで引っ張られて渋々伊勢は立ち上がった。

「イタタ・・・。た、対空演習、始め!」



5: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:08:00.76 ID:7uE2/9QY0

「攻撃隊、発艦始めてください!」

「さあ、やるわよ! 攻撃隊、発艦!」

祥鳳と瑞鳳が弓から何本も矢を放つ。放たれた矢が艦載機へと変わり、駆逐艦達を襲い始める。

無論模擬弾ではあるが、当たるとそれでも多少は痛むし汚れもする。駆逐艦娘達は必死になって空爆を回避し、模擬弾を当てようと機銃を構える。

その中でも、響の奮戦は凄まじいものがあった。フィギュアスケートの如く海を滑り、爆撃を回避しながら次々と艦載機に弾を浴びせてゆく。気がつけば、あっという間に艦載機達は響によって全て撃ち落とされた。

「響ちゃん、最近頑張って演習してるのです」
落ちた艦載機達をトンボ釣りしながら電が言う。彼女は姉妹艦の活躍に素直に感心していた。

「なんか切羽詰まってるようにも見えるけどねー」と雷。
彼女は響がまたヴェールヌイに戻るのではないかと心配していた。当の響は何も言わず、無言でトンボ釣りをしている。

「響、悩み事なら私を頼ってくれていいのよ? なんせ私が一番上のお姉ちゃんなんだからね!」と暁。
長女らしく振る舞い、妹の肩を優しく叩いた。

「う、うん・・・。ありがとう、私は大丈夫だから・・・」
姉にそう言い残すと、響は再び海原へ躍り出た。

次は軽巡との訓練を始めた。明らかに格上の相手だったが、響はそれでも引けを取らない。

暁達は、どこか必死の様相を見せる響を不安そうに見つめていた。



6: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:11:04.91 ID:7uE2/9QY0

その一方、隣の重巡洋艦用の演習場から快活な叫びが海原に響き渡る。

「よっしゃあぁぁぁぁ!! 絶好調よ、あたし!」

ガッツポーズを取り、足柄が狼の如き咆哮をあげた。彼女は演習相手を完膚なきまでに叩きのめし、勝利の雄叫びを上げていた。

「・・・あの人は相変わらず戦闘狂ですね」と吹雪。

「やっぱり足柄さんって、戦ってる時の方がホント生き生きしてるし、輝いてるよね」初雪も賛同した。

演習を切り上げ、一息ついていた祥鳳と瑞鳳も、幼い駆逐艦の後輩達の様子がヘンなことに気づいていた。

「ねぇ祥鳳、響ちゃんのこと・・・気付いた?」

「えぇ・・・、響ちゃんどうしたのかしら・・・?」

軽空母の二人にも、明らかに響は焦っているように見えた。

軽巡洋艦に単身挑む響を二人は心配した。



7: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:11:37.78 ID:7uE2/9QY0

「たいへんなのです! たいへんなのですっ!」

数日後、吹雪達は半泣きの電の言葉を聞き、驚愕した。

突然、響がいなくなっていたのだ。さらに本人の机には、このような書置きが残されていた。



『しばらく修行の旅に出ます。探さないでください。提督によろしく   響』



「えぇぇぇぇぇっっ!?」

吹雪をはじめ、駆逐艦娘の全員が驚愕した。

「ひっ、響ちゃん・・!?」

「とにかく探しに行くのですっ!」

「もしかして、また昔のこと思い出したのかしら・・・!?」

「探しに行きましょう!」
雷達は脇目もふらず、吹雪達の静止も聞かずに響を探しに駆け出した。

どこにいるのかアテもないが、彼女たちは海原へと走り出した。



8: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:12:24.74 ID:7uE2/9QY0

その頃、響は山を流れる川を遡上する鮭の如く進んでいた。

修行すれば強くなれる。きっとあの悪夢も見なくて済む。

とりあえず山奥に行くことにした。修行といえば山奥。漫画で読んだことがある。厳しい山奥で修行すれば、きっと強くなれる。そんな単純な考えに支配され、響は山奥へと入った。

「暑いな・・・」

どちらかといえば寒さに強い体質なので、蒸し暑い森の中は彼女にとってやや耐え難い。木漏れ日が彼女の雪のように白い肌を照らし、ジリジリと痛めつける。

「暑い・・・」

とにかく、滝でも見つけて修行しよう。暑さに耐えるのも修行かもしれないけど、まずは滝に打たれてからにしよう。

そう思って汗をぬぐい、川を辿っていると、突如水面が揺れだすのを目にした。

「なに、これ・・・?」

危機を察した響が川から離れると、突然、水しぶきをあげて巨大なカニが現れた。

(朧だったら喜んだかもしれないな・・)

濡鼠になりながら響は思った。だが、そんなことを考えている余裕はなかった。巨大な赤いハサミを振り回し、バケガニは響を切り刻もうと近づいてくる。

響は何とか攻撃を避けつつ、手持ちの機銃から弾丸を発射する。

手応えあり。弾丸も確実にハサミに直撃した。

にも関わらず、バケガニはその傷をものともせずに襲いかかってくる。穴のあいたハサミもすぐに傷が塞がってゆく。

「くっ・・・!」

マズい・・・。このままじゃ負ける・・・!



9: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:14:03.61 ID:7uE2/9QY0

そう思っていたその時だった。

「ようお嬢さん。こっからは俺に任しとけ」

突然、木の上から中年の逞しい風貌の男性が現れた。彼は懐から小さなかんざしのような金属物を取り出し、腕に打ち付ける。

キィィィン・・・

清らかな音色が鳴り響いた。男性が金属物を額に打ち付けると、その体は音に包まれ紫色の炎が発生する。

「ハァッ・・・!!」

紫の業火に包まれた男性は、筋骨隆々の角の生えた異形、鬼の姿に変化していた。

「俺は響鬼、よろしく、シュッ・・・!」

その鬼、響鬼は響に向かって指を振り、巨蟹へと向かった。


これが響鬼である。厳しい修行によって心身を鍛え抜き、異形の戦士「鬼」へと変わる能力を体得した男だ。



10: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:15:58.48 ID:Vfj3ufUq0

響鬼は音撃棒を振るい、カニのハサミを叩き落とした。その直後、カニの腕が届かない死角へと跳躍し、あっという間に背中へと辿りついた。

頂上へと昇った響鬼は、腰帯から丸い紋章、音撃鼓・火炎鼓を取り出し、バケガニの背中へめり込ませた。苦痛に暴れだし、響鬼の背中が揺れる。だが、響鬼は動じることなく、音?棒・烈火を手に取り、火炎鼓に向かって振り下ろした。

「火炎連打!」

掛け声とともに、太鼓のごとく何度も何度も音撃棒を打ち込む。

「てえやぁぁっ!!! はぁぁぁぁ・・・!」
打、打、打!!! 

「ハァッ、ハァァァァァ!!」
打、打、打!!!

打ッ、打ッ、打ッッ!!!

バケガニの身体に多量の清めの音が打ち込まれた。打ち込まれるたび、バケガニの身体が崩れ、その体内から光が漏れ出す。

「おりゃああああ!!」

トドメの一撃。打ち込まれた霊気が邪気を清めてゆく。そして、バケガニは断末魔の悲鳴をあげ、土塊となって辺りに飛散した。

土塊がただの土に還り、全ては大地に還った。小川も静寂を取り戻し、鳥たちのコンサートも再開された。

「ハ、ハラショー・・・」

響は驚愕とともにそう呟いた。あんな巨大な怪物を苦もなく倒せるなんて、すごすぎる・・・。



11: ◆li7/Wegg1c:2015/04/28(火) 21:18:10.24 ID:Vfj3ufUq0

「もう大丈夫だ、お嬢さん」

響鬼は顔のみを人のそれに戻し、呆然としていた少女に手を差し伸べる。

響は暫くどう対応すべきか分からなかった。だが、先程の彼の勇姿を思い出し、彼女はいきなり立ち上がり頭を下げた。

「お願いします、私を弟子にしてください・・・!」

「えぇ・・・?」

ヒビキは戸惑った。何度も人を助けてきたが、いきなりこんなことを言われるのは滅多にな
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年04月29日 23:39
      • 椎茸入れんな!(あ、ssは面白かったです。)

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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