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ISS 補給船プログレスが制御不能。テレメトリーに障害、地上管制は復旧作業を継続中 - Engadget Japanese
 
4月28日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた国際宇宙ステーション(ISS)の補給船「プログレス M-27M」が、軌道に到達したあと、制御不能となりました。下の動画では完全にコントロールを失いきりもみ状態になった補給船からの映像が確認できます。
問題が発生したのはプログレス補給船が軌道に到達し、ソユーズロケットから分離したあとのこと。このとき地上の管制室はプログレス補給船が ISS へのドッキングに用いる Kurs システム用のアンテナ展開と、推進装置の起動完了を示すテレメトリー信号を確認できませんでした。さらに送られてきた映像からは機体が激しく回転してしまっていることがわかります。
 

この事態を受けたロシア連邦宇宙局 Roscosmos は、4月28日で終わる予定だったミッションを急遽延長、4月30日に ISS へドッキングするバックアッププランの適用を目指して補給船のテレメトリー制御の回復にあたっています。しかし記事執筆時点では補給船のコントロールを取り戻すには至っていません。

通常、補給船が軌道へ到達した後は Kurs と呼ばれるドッキングシステムで ISS に接続します。Kurs は全自動でドッキングを完了しますが、非常事態の場合には ISS 側から遠隔操作でドッキングさせることも可能となっています。しかし今回の場合は仮にテレメトリーが復旧しても、推進装置にも障害の可能性があり、問題は根深そうです。

現在、ISSにはロシア、アメリカ、イタリア各国のクルーが滞在しています。NASA の広報担当は「ISS にはまだ4か月分の備蓄がある」としており、たとえ今回のミッションが失敗に終わったとしても6月に予定される次回の補給ミッションが成功すれば、クルーに危機がおよぶことはなさそうです。ただ、今回の補給船には水や食料、実験や修理用機材などのほかに、クルーの家族が託した手紙などもあるため、なんとか無事に ISS へ届けてほしいものです。

ちなみにタス通信が伝えたところによると、日本時間4月29日午前11時ごろに実施した通信回復の試みは失敗に終わったとのこと。それでもロシアの地上管制室はまた諦めておらず、次のテレメトリー回復のチャンスを伺っています。また補給船は現在、安全な予備軌道上にあるため、制御不能とはいえ ISS にぶつかってしまう心配はありません。
ISS 補給船プログレスが制御不能。テレメトリーに障害、地上管制は復旧作業を継続中

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