スパコンを駆使して副作用のない「がん治療」に挑む
進行がん細胞を狙い撃ち。
そんな治療法の開発に挑む東京大学先端科学技術研究センター・児玉龍彦教授のインタビューが「無限大(mugendai)」に掲載されています。
現在行われている抗がん治療では、抗がん剤が、がん細胞に届くまでに体中を回ってしまうため、正常な細胞への悪影響が避けられません。そこで考案されたのが、人工的に設計した抗体と低分子化合物を使って薬を患部に直接運び、がん細胞を狙い撃ちするという方法なのです。
考案者である児玉教授は「がんの薬は、吐き気、抜け毛、食欲不振、全身の倦怠感などの副作用が出て体力が落ちます。がんそのものへの恐怖だけでなく、こうした治療への恐怖心をも患者さんに抱かせ苦しませてしまいます。何とかしてこうした副作用をなくし、がん細胞だけをピンポイントで狙い撃ちできるような治療ができないかという発想が出発点です」と語ります。
しかし、抗体と低分子化合物の設計には膨大で複雑な計算が必要とされます。これをどう処理するか? そこで活躍したのがスーパーコンピューターでした。
「無限大(mugendai)」で紹介されているスーパーコンピューターを駆使した創薬の取り組み、また、それを人間に適応させるための試行錯誤の様子を読むと、進行がん治療への有効な手だてとなることを期待せずにはいられません。実用段階に入るときが待ち遠しいです。
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source: 無限大(mugendai)
(奥旅男)