米国のスタートアップ Novum Analytics が、スマートフォンのカメラとライトを使い、お化け屋敷と化した自宅を探検する AR ゲームアプリ Night Terrors を発表しました。現在クラウドファンディングサービス Indiegogo で製品としての制作資金を募っています。
AR(Augmented Reality、拡張現実)といえば、カメラや各種センサーを備えるスマートフォン/タブレットと相性の良い技術。しかし、大抵の AR アプリはカメラで写している映像に何か情報を記したタグが現れたり、何らかのキャラクターが表示されてゆらゆらとアニメーションする程度で、すぐに飽きてしまった人も多いはずです。
Novum Analytics が発表した Night Terrors は、AR 技術が持つ「そこにないものを映し出す」というリアルでない特性を、「リアルな映像」のために使った初めてのアプリかもしれません。
プレイ中の画面にはスマートフォンの LED ライトに照らしだされた宅内がうっすらと浮かびあがり、ふと向きを変えた時、廊下の奥などへ AR 技術で幽霊や怪物の映像を映しこむことでユーザーの恐怖心を誘います。AR オブジェクトとして現れる幽霊などは CG ではなく、特殊メイクを施した役者が演じるなどリアリティの高さが特徴です。
暗い家の中というシチュエーションだけで怖い人もいるはずですが、アプリではライトを点滅させたり、壁にかけてある額縁が落下するように見せかけるといったポルターガイスト的小ワザを織り交ぜ、さらにステレオヘッドホンに最適化した SE などを効果的に使うことでリアル感を増す工夫が加えられています。音声にはマイクから拾った音もミックスされるので、ヘッドホンをしていても周囲の音は聞こえます。