幸子「ボクはカワイイから友達がいないのは仕方ないですね!」
幸子「だって教室を見てくださいよ!」
幸子「女子グループが3つできているのわかりますよね?」
幸子「そして当然、ボクよりカワイイ子がいませんね!」
幸子「もし、その中どれかのグループにボクが入るとどうなるかわかりますか?」
幸子「そう!!」「一瞬で顔面のグループバランスが崩れます!」
幸子「女子グループ・・・しかも中学生となればいかに上位のグループに存在できるかが肝になります」
幸子「極論、中学時代の3年間を有意義に過ごせるかは「どのグループに属しているか」といっても過言ではありません!!」
幸子「そしてそのグループで生きていく・・・そのためにはバランスが重要になってきます」
幸子「そのグループでブスすぎてもハブられ、かわいくてもハブられる・・・」
幸子「平均を保ち続ける必要があります」
幸子「では、もしグループから離れてしまったら?」
幸子「それはこの先の中学生活において「死」を意味するでしょう」
幸子「この先の行事において、必ず複数人での作業が要すり場面は必ず発生します」
幸子「1人で過ごしていくにはあまりにも過酷・・・学生生活にもはや勉学以外に価値はないでしょう」
幸子「しかし、このまま友達がいないままの中学生活なんてボクもいやですからね!」
幸子「そのために本を買ってきましたよ」
(人に好かれる技術)
幸子「まぁ・・・あくまで参考程度に・・・ですがこの本に書いてあることを実践したいと思います」
幸子「ふむふむ・・・単純接触法?」
幸子「どんな他愛ない会話でも同じ人と繰り返し話すことで、親睦を深め仲良くなることができる、もっともスタンダードな方法」
幸子「なるほど、単純ですが・・・いや単純だからこそぬけのないストレートな良い方法ですね・・・」
幸子「・・・では早速試してみましょうか」
幸子「しかし、もうすでに完成してるグループの一人に声をかけるというのは至難」
幸子「いかに自然に、二人の状態で話せるかがポイントになりますね・・・」
幸子「偶然を装うのは3流でしょう・・・」「不測の事態を演じるというのは素人には難しい上に、ばれるリスクが大きい」
幸子「なのでここは、どうしても接触しなければない本当の理由をもとに接触し、会話をつなげるのがベストですね」
幸子「幸いボクは図書委員なので・・・そうですね」
幸子「そういえば、クラスの子でまだ本を返してない子が・・・」
幸子(よし・・・今は一人みたいですね!)
幸子「・・・・・・あの・・・すいません」
A子「?」
幸子「A子さんまだ本を返してませんよね?」
A子「あー、なに・・・返却期限きれてた?」
幸子「いや!大丈夫ですよ、ちょっとくらい遅れても」
A子「チッ・・・じゃあいちいち催促すんなよ・・・」ボソッ
幸子「え」
A子「別に、なんでもないし。じゃ、代わり返しといて」
幸子「・・・・・・」
A子「あ、B子!ちょっとやばいんだけどー!」
A子「なんか急に輿水さんに話しかけられたんだけどー」ボソボソ
B子「は・・・うわ、まじA子気に入られたんじゃね?」ボソボソ
A子「うわっ、マジやめてよー!」キャハハハハ
幸子「・・・・・・」
幸子「迂闊でした・・・」
幸子「そうです、ボクは世界一カワイイんです・・・」
幸子「もしそんな世界一カワイイ ボクと話しているところを誰かに見られたら・・・」
幸子「裏切りにも近いタブー」
幸子「即座無視するか、同じグループの人間に見られていた危険性を考えた場合、ボクに対し攻撃的な
態度をとることで仲間グループへの結束の証明を図る・・・」
幸子「ボクはなんて馬鹿なんてしょう・・・」
幸子「ボクがカワイイことはわかっていたのに・・・」
幸子「とにかく教室に戻りましょう・・・」ガラガラ
女子「・・・ナンカB子ガー、Aコガハナシカケラレテー」ヒソヒソ
幸子「噂がもう広まってる・・・いやまぁこれは予想内です」
幸子「しかもなにが一番の問題かというと、話しかけた相手がクラスの最上位グループの女子だったことです」
幸子「仮にほかのグループの女の子に話しかけた場合、ボクが最上位グループの女の子から嫌われている以上、ボクに話しかけられた女の子は
最上位グループの女子からのいじめを意識し、接触を拒んでくるでしょう」
幸子「・・・ボクはもうしばらく友達作りをしない方がよさそうですね」
幸子「それにこれ以上、最上位グループ女子に反感買うようなマネをすれば、次はひとりぼっちでは済まされませんからね」
幸子「ここは安静に・・・」
イケメン男子「輿水さんってここのクラスにいるー?」
幸子「!!!!」
イケメン男子「あ、えーと・・・俺知ってる?・・・じゃなくてちょっといいかな・・・」
幸子(ああああ!女子たちの視線が貫くように痛いです!!)
幸子「な・・・なんでしょう」
幸子(しかもこの人は、読者モデルをやっているという学校の有名人じゃないですか!)
イケメン男子「とりあえず、こっちきてもらっていい?」
幸子「・・・・・・はい」
*
幸子(紅潮した頬・・・そして体育館裏・・・これはもう十中八九あれですね)
イケメン男子「俺と・・・付き合ってくれない?」
幸子(もう友達作りの道は閉ざされましたね・・・これは・・・)
イケメン男子「どうしたの?」
幸子「ご・・・ごめんなさい」
イケメン男子「え・・・え!?」「なんで?付き合えないってこと!?」
幸子「はい」コクリ
イケメン男子「・・・・・・ちなみに理由は」
幸子「実はボク、ほんと最近ですがアイドルを始めたんです」
イケメン男子「・・・・・・は?」「アイドル?」
幸子「346プロとういう会社で・・・まだできたてで、小さなアイドルグループですがそこで活動しているんです」
幸子「だから・・・ごめんなさい」
幸子「色恋沙汰がばれるわけにはいかないんです」
イケメン「・・・あ、そうなんだ」
イケメン「いや~、マジふられたこととかなかったからさ~」
イケメン「へー、アイドルね」「うん・・・まぁじゃあ、頑張って・・・」サヨナラ
幸子(今もしボクが告白を受け取っていたら、ボクは一気に学校の上位グループに入ることができたでしょう)
幸子(でも、それは好きでもない彼を利用するだけの行為で、そんなことボクにはとてもできません)
幸子(もしそんなことをしたら、自らの地位を守るために平気で人を傷つけるあいつらと同じだから)
幸子「・・・・・・だからこれで・・・いいんです」
幸子「」
幸子「」グスッ
*
A子「あ、輿水さんおかえり~」
B子「帰ってきてすぐで悪いんだけど~・・・ちょっと相談いいかな?トイレで聞きたいことあるから」
幸子「・・・・・・はい」
6人1組の女子グループに連れて行かれる
*
B子「告白されたの?」
幸子「・・・いや、まぁ・・・その」
B子「うじうじしてねぇではっきり言えよ!!」ダン!!!
幸子「ひっ・・・!」
B子「ってか、今日A子に話しかけてただろ。あれ、A子がイケメン男子のこと好きなの知ってたから話しかけたの?」
幸子「え、どういうこと・・・」
B子「だから、今日お前は告白されることを知ってて、そしてA子もイケメン男子のことが好きなのを知っていた!
だからA子に話しかけたんだろって言ってんだよ!!」ダン!!
幸子「な・・・なんのためにそんなこと・・・」
A子「私のことそんな嫌いだった?」
幸子「?」
A子「輿水さんいつもひとりだもんね」「そんな人からしたら友達といっぱい話してる私なんか目障りだったんでしょ?」
「おかしいと思ったの」「急に話しかけてくるからなにかなって?」「あれは、私に対する嫌がらせだったんだね」
幸子「・・・ちがっ!」
ダンッ!!
幸子「ひぅ・・・!!」
A子「B子やめときなって・・・仮にももうイケメン男子の彼女だし」「・・・あんまやりすぎると」
幸子「・・・・・・」
B子「チッ・・・むかつくわ」
幸子「・・・・・・」
A子「もういこう・・・しょうがないよ」
ポーン
B子「・・・・・・ちょっと待って」
B子「こいつ付き合ってない」
A子「・・・・・・は?」
B子「断ったって」
B子「ラインで回ってきた・・・」
幸子「・・・・・・」
A子B子「・・・・・・」
B子「座れ」
B子「…なんで断っ・・・いやそれはもうどうでもいいや」
A子「じゃああんたは別に彼女でもなんでないんだね」
幸子「そ・・・そうです!別になんの関係も・・・だから!!」
B子「A子・・・」
A子「うん・・・顔はだめだよ」
幸子「え」
幸子「ま、待ってください!!なんで羽交い絞めに・・・!?」
B子「腹に力入れろよ!」
幸子「まっ・・・!!待って待って待って!!」
ドゴッ!!!
幸子「・・・うぐ!!」
幸子「・・・・・・オエッ」
A子「・・・・・・」
A子「輿水さん・・・一つ聞いていい?」「もしあの時話しかけたのが嫌がらせじゃないなら、なんだったの?」
幸子「・・・・・・」
幸子「・・・・・・別に・・・図書委員の仕事をしただけですよ・・・」
A子「強がらなくてもいいんだよ」
A子「ほんとは友達がほしかったんだよね?」
幸子「・・・!!」
A子「わかるよ、私もそういうことあったから」「でもダメだよ」「友達になりたかったらちゃんと言わなきゃ」
A子「・・・輿水さん」
A子「私と友達になろうか?」
幸子「!?」
A子「だから言わなきゃね輿水さん・・・友達になってくださいって」
幸子「・・・・・・」
B子「早くいえよ」
幸子「・・・ボクと・・・
コメント一覧
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- 2015年05月02日 23:46
- 幸子ォ!…………幸子ォオオ!(頭を撫で回しながら)
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- 2015年05月02日 23:47
- 幸子は可愛いなぁ(無言の腹パン)
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- 2015年05月02日 23:52
- 実際アイドルの皆さんは学校ではどんな感じなんだろね
14歳組とかまともな学校生活送れてるんだろうか
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- 2015年05月02日 23:59
- (´;ω;`) 幸子・・・・・・
-
- 2015年05月03日 00:00
- ※この物語は、小林幸子の物語です。実在の人物、団体、モバマスの輿水幸子とは関係ありません
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