暁「とある司令官と電のケッコン」
暁「ふわぁ……眠い……。今日みたいに穏やかな日は、何だか久しぶりね」
暁「電達を連れて、間宮さんの所にパフェでも食べに行こうかな……」
<おっおー!
暁「ん……?なんだか曲がり角の向こう、騒がしいわね……何だろう」
島風「提督おっそ~い!早く早くぅ!」
司令官「こら島風!廊下は走るな、危ないだろう!」
島風「大丈夫大丈夫!おっおお~♪……お゛ぅっ!?」
暁「ふぇ?」
ドンガラガッシャーン
司令官「ちょ、何だ今の音!……あちゃー」
司令官(尻餅をつく暁と島風、そして周囲にぶちまけられた大量の改修資材)
暁「いったぁい……もう、なんなのよぉ」
島風「うぅ、いてて……はっ!暁ちゃん!?」
司令官(ああ、これは派手にぶつかったんだろうなぁ)
島風「ご、ごめんね。怪我はない?」
暁「だ、大丈夫よ、これくらい……へっちゃらだし……」
島風「そっか……良かった……」ホッ
司令官「暁、立てるか?ほら……」
暁「あ、ありがと……よいしょ」
司令官「大事が無くて良かったけど……島風、次からは廊下を走らないこと。良いね?」
島風「はい……ごめんなさい」
司令官「よしよし」ナデナデ
島風「んっ……」
司令官「暁も、災難だったな。涙目になっているけど、本当に大丈夫か?」ナデナデ
暁「大丈夫だってば、ちょっとおしりを打っちゃっただけで……」
暁「って!なでなでしないのー!!」!カスンプ
司令官「はは、大丈夫そうだな、良かった良かった。……さて、このネジを拾わないと」ヨッコラセ
暁「あっ!暁も手伝うわ。でも、こんなにたくさんのネジ、どうするの?」
司令官「ちょっとね。とある装備を改修しようと思ってさ、島風と一諸に明石の所へ行くとこだったんだよ」
暁「ふーん。……ねぇ、その装備って――」
島風「てーとく!集め終わったよ!」
司令官「おおう、さすが早いな。じゃあ暁、そういうことで明石の工廠に行ってくるよ」
暁「あ、うん」
島風「提督遅いよー!」
司令官「こらこら、早歩きなら良いってもんじゃないんだぞー」
暁「……。行っちゃった」
暁「いつも、改修資材が足りないって泣いてるのに。あんなに何に使うのかしら」
電「あれ、暁ちゃん?」
暁「あ、電。丁度よかった。ねぇ、これから一諸にパフェを食べに行かない?」
電「間宮さんですか?食べたいのです!」
暁「よーし、じゃあ行くわよー!」
電「なのです!」
甘味所 間宮
暁「でね、それで走ってきた島風とぶつかっちゃって」
電「はわわわ!暁ちゃん、怪我はなかったのですか?」
暁「ちょっと痛かったけど……ほら、暁はもう練度93だから。全然へっちゃらなのよ」
電「れ、練度は関係ないような……電ももう98だけど、痛い時は痛いのです」
暁「98……そっかぁ。しかももうすぐよね、99。何だか最近司令官も張り切ってるし。」
電「思えば、練度90を超えてるのは電と暁ちゃんだけなのです。駆逐艦なのに、戦艦や空母の艦娘さん達より練度が高いのは、何だかちょっとこそばゆいのです」
暁「何でなのかしらね。一人前のレディとしては、練度は高い方が良いけど!」
間宮「ふふ。それはきっと、二人が司令官にとって思い入れの強い艦娘だからでしょうね」
電暁「間宮さん!」
間宮「はい、パフェおまちどおさま。……電ちゃんはこの鎮守府の初期鑑で、ずっと旗艦を努めている。暁ちゃんも電ちゃんの直ぐ後に着任して、一緒に戦ってきた」
間宮「今の鎮守府があるのは、元を辿れば二人のお陰だもの。提督さんも、二人を特別に思っているのよ」
電「はぅ……な、何だか照れくさいのです」
暁「あ、暁は分かっていたわよ!司令官が暁を頼っていたことくらい!司令官が……暁を……えへへ」ニコニコ
電間宮(可愛い)
間宮「とにかく。この鎮守府最高練度の四人、第六駆逐隊の中でも特に練度の高い二人なんですもの。これからも、この鎮守府のみんなと、提督さんを宜しく頼むわね?」
電「なのです!」
暁「当然よ!」
暁「はむっ……ん~~~っ!おいしいっ!やっぱり間宮さんのパフェはピカ一ね!」
電「ほわぁ……えへへ、甘くてとっても幸せなのです」ホワワワ
暁(目の前に天使がいる)
暁「けど……珍しく今日は人がいないわね。みんなどこにいるのかしら」
電「んー、響ちゃんも雷ちゃんも、見かけなかったのです……」
青葉「号外号外~!青葉新聞、大ニュースですよぅ!!」
青葉「ってあれ、人少ないですねぇ。ま、それもそっか」
暁「青葉さん?」
青葉「おお、暁ちゃんに電ちゃんじゃないですか!2人は、執務室へ行かないの?皆さん集まってますよ!」
暁「えっ、執務室に?今日って何かあったかしら。電は知ってる?」
電「さぁ……今朝は特に何もなかったような……」
青葉「なんと!まだ知らないんだね!ではこの青葉新聞をどうぞ!」
暁「また司令官の冤罪記事を載せてるんじゃないでしょうね……」
青葉「いやいや~、今回ばかりは本物ですから!執務室に証拠だってありますし」
暁「ふ~ん。えっと、何々……『司令官、ついに結婚か!?机の上に指輪の小箱が!』……え?」
電「……ふぇ?」
電暁「ええええええぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
暁(司令官が、結婚……?)
電(そんな……そんな……)
執務室
榛名「大丈夫……はい、榛名は大丈夫、大丈夫です……はい……」ブツブツ
瑞鳳「あんなに格納庫まさぐっておきながら……そんな……」シクシク
多摩「ふしゃーっ!」
卯月「お、落ち着くぴょん!見えない相手に威嚇してどうするぴょ~ん!ぷっぷくぷぅ~!」
19「提督……イ、イクだって、本当は、本当は……ううっ……」
ガチャ
電「はわ、本当に人がいっぱい集まっているのです」
暁「ええと、例の物は……」
響「暁、電。2人も来たんだね」
暁「響も雷も、執務室にいたのね」
雷「ええ、そうなのよ。響が司令官を訪ねて執務室を訪れたらとんでもない物を見つけたって言って……」
響「こんなに騒ぎ立てるつもりはなかったんだけれど……青葉さんが通りかかったのは誤算だったよ」
暁「なるほど、それで一気に情報が鎮守府内に広がったのね……。」
暁「で、そのとんでもないものっていうのは、やっぱり……?」
雷「机の上に置いてあるわよ。……指輪の入った小箱がね」
初春「こういう物をしまわず放置しておく殿方は、でりかしーという物が欠けておるわ……」ハァ
電「しかも開けっ放しなのです……」
那珂「あ、ごめん!それ開けたの私!」
暁「ええっ!勝手に開けたの!?」
那珂「だってぇ、本当に指輪が入ってるだなんて、那珂ちゃんこれっぽっちも思わなかったんだもん!」
雷「まぁでも、こんな風に置いてあったら本当に指輪の小箱だとは思わないかも知れないわね」
那珂「でしょー?」
金剛「結婚……テートクが、結婚……」ズーン
一同「……」
暁「……、でも司令官、さっき明石さんの工廠に行く時は全然そんなそぶり見せなかったけど……」
金剛「明石の、工廠……?」ピクピク
金剛「提督はそこにいるのデースね?テートクウウゥゥゥゥ!!」ダッ
雷「な、何だか凄い勢いで行っちゃったけど」
響「……私達も行こう。あの状態の金剛さんが何をするか分からない」
暁「そ、そうね!行くわよみんな!」
電「はわわ!ま、待って~!」
明石の工廠
明石「どういうことですか、それ!私は何も聞いていませんよ!?」
島風「提督、結婚しちゃうの……?ど、どうして何も言ってくれないの?ねぇ!」
司令官「い、いやその、これはだな……」
金剛「ヘーイ提督ゥ!一切合切洗いざらい、話してもらうネー!」ブンブン
司令官「こ、金剛!頼むから身体を揺らさないでくれええぇ」オエェ
響「遅かったか……」
雷「金剛さん、『提督!勝手な結婚は許さないネー!』って叫びながら来たものだから、青葉さんの新聞と相乗効果で更に多くの人が知っちゃったわね……」
司令官「た、たのっ!助け……っ!」
暁「こ、このままじゃ司令官がシェイクになっちゃう!」
響「取り敢えず、金剛さんを離すよ」
電「なのです!」
司令官「っはー、はー……助かった……」
金剛「提督!」机バァン
司令官「ひぇっ!?」
金剛「相手は誰なのデース?舞鶴のぽちゃ子さん?ラバウルのロリ美ちゃん?……ま、まさか一般市民の方とか……」
司令官「え、えっとだな。みんな、何を勘違いしてるか分からないけど、僕は結婚なんてしないぞ?」
金剛「じゃあ――」
暁「じゃああの指輪はなんなのよ、司令官!」
司令官「指輪……?」
金剛「ツッキー?」
暁(あ……。何故だろう、自然に口が開いちゃった……。しかも、食いかかるように……)
司令官「……あっ!もしかして、机の上に指輪を置きっぱなしに……」
金剛「イエース!あんなもの見せられたら、気になって仕方がないネ」
司令官「ふぅ……。まぁ、ちゃんとした説明は必要か。電、鎮守府内の全艦娘に招集を掛けてくれ」
電「は、はいなのです!」
大広間
一同「ケッコンカッコカリ!?」
司令官「そうだ。今説明した通り、この指輪は練度99という上限を更に上げるための物。艦娘と強い絆を結び、次のステップへと続く物だ。結婚ではなくケッコン……しかもカッコカリだからな」
金剛「oh、取り敢えず提督が結婚する訳じゃなくて、一安心デース」
司令官「結婚なぁ……まぁ少なくとも他所の鎮守府や一般人との縁談は、今は全然考えられないからな……」
瑞鳳「あのー、提督?ひとついいかな」
司令官「お?どうした、瑞鳳」
瑞鳳「さっきの提督の説明をまとめるとさ……まるで、艦娘と結婚し、強い絆……愛し合うことで、私達が更に張り切って強くなれて、次のステップ……その、共に鎮守府での結婚生活を送っていく、とも聞こえるんだけれど……」
一同「」ガタガタッ
司令官「は、いや、ちょっと待て!今は指輪は一つしかないけれど、大本営に言えばいくつでも支給してもらえるし別に一人だけと決まった物でもないんだ!た、確かに読みはケッコンと付いているが、結婚ではないんだよ!」
霧島「お言葉ですが司令。他鎮守府によってはケッコンカッコカリした艦娘と挙式を上げ、挙げ句の果てにはその、子をなしている例も聞いております。それに、一夫多妻が禁じられているのはあくまで人と人……人と艦娘が一夫多妻の関係になってはならないという法律はありませんし、そもそも人と艦娘が夫婦になってはならない、といった法律もありません」
司令官「霧島、お前どこからそんな情報……というかケッコンカッコカリについて知ってたのかよ、なんか論
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金剛の練度で吹いた