シャープが大幅赤字で希望退職者を急募することを決定しました。
画像:【シャープ本社】
http://ja.wikipedia.org/wiki/シャープ
14日、同社は主力事業の液晶事業が採算悪化し、今年3月期の最終損益が2203億円の赤字である
と同時に国内の希望退職者3500人を募ると発表。
また今後3年間で広島県福山市に現在4つある電子工場を1つに統合し、海外でのテレビ事業については
オーストラリアなどから撤退し、メキシコ工場を廃止する検討をするとしました。
そして、財務基盤を強化するため、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行から総額2000億円の融資を受け、
企業再生ファンドから250億円の出資を受けるとのこと。
高橋興三社長は
「抜本的な構造改革の断行によって安定的な収益基盤の構築を目指し、復活に向けた再スタートをきりたい」
と語っています。
同社の液晶事業については約10年前、世界で液晶テレビ出荷数がシェア1位を獲得し、5年前には大阪・
堺市に4300億円をかけて当時世界最大の液晶パネル工場を設立。
画像:【シャープ大阪工場】
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/091001-a.html
しかし、韓国メーカーに押され、世界シェアが急落。
スマートフォンの液晶が好調で一旦は持ち直しましたが、国内外のメーカーとの競争が激化し、こちらも採算
が悪化。
赤字に陥りました。
シャープがここまで経営悪化した原因について、一橋大学大学院の楠木建教授は
「世界のテレビを液晶にするために一生懸命、投資した分、手を引くのが遅くなり液晶1本足になってしまった。
歴史的な事業の成功体験があったことが、そのような判断ミスの要素になったのではないか。
この2、3年で言えば判断が誤った、遅れたと言えると思う」
「国際競争力を高めるためには他企業が簡単に真似できないノウハウをもつことが必要だ」
と語っています。
まさかシャープが・・という印象が強いですが、非常に大きな企業なだけにかじ取りを誤ると影響も大きかった
ようです。