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【VIP】ある日、ケーキ屋の娘に恋をした。 てんこもり。


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【VIP】ある日、ケーキ屋の娘に恋をした。

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/16(日) 01:01:37.74 ID:6FH1lNzy0

結婚式が近づいて過去を振り返ってたら
わりとネタ人生だったのでまとめてみた。

スレが立ったらぼちぼち書きこんでく。



4: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:05:29.38 ID:6FH1lNzy0
立った。スレ立ては初めてなので文章稚拙だがスマソ。名前は全部(仮)。 

すべてのはじまりは、とあるデパ地下の寿司屋でバイトを始めたことだった。 

いや、すべてのはじまりは「NO」と言えない性格に育ったことか…。 

何となく高校を卒業して可もなく不可もない大学に入学した俺。

5: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:07:56.02 ID:6FH1lNzy0
便所飯するほどじゃなかったが友達と呼べる友達もおらず 
大学とバイト(当時はピザデリバリー)の往復だった四年間。 

就職活動もロクにせず、何となく「公務員にでもなるか」と思い、卒業してから勉強を始めた。

6: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:10:25.51 ID:6FH1lNzy0
まあしばらくニートできるくらいの貯蓄はあったんだよ。 
大学時代どこにも出かけてないからなって言わせんな恥ずかしい。 

真剣に勉強してないから当然受かるはずもなく 
だらだらと勉強してるようなしてないような 
八割方ニート生活を送って早三年が経とうとしてた。 

ここで人生を大きくかえる出来事が起ろうとは…。 




7: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 万太郎 ◆YUoooooooo 投稿日:2011/10/16(日) 01:10:47.46

ふむ

10: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:17:32.51 ID:6FH1lNzy0
ある日のこと。 

もはや2ch閲覧グッズと化していた鳴るはずのないiPhoneが鳴った。 

知らない番号からだった。 

「もしもし?林くん?」 

「えっ、あっ、はい……??」 

間違いなく林は俺なのだが、相手は知らない女の子の声だった。 

「わたし、佐藤でーす。覚えてないよねー?^^:」 

佐藤…………………知らん。
 

9: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:16:36.34 ID:6FH1lNzy0

だが会話という会話は【母としこ】と【妹めぐみ】のみの生活だった俺には、
女の子と言葉を交わすということが非日常的すぎてだいぶ混乱気味だった。

「ご、ごめん、えと、あの、」

「三年生のときゼミ一緒だったんだヨー^o^」

話の内容によると、久しぶりに大学の女友達で集まったら、
思い出話になって俺の話になって俺と話したくなって電話したらしい。

「それでね、よかったら今度、林くんと会いたいナーって^^*」

なに?なんなの?俺の時代はじまっちゃうの??

魔法使い覚悟してたけど勇者になっちゃうの??


12: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:21:35.80 ID:6FH1lNzy0

そして、二人で会うことになった。デートだ。人生初のデートだ。

俺はこの日のためにわざわざ服を買いに行ったぐらい興奮していた。


ぶっちゃけ佐藤さんはめちゃくちゃ可愛かった。


俺はキモくならないようにドモらないように必死に振舞い、
笑顔の彼女に癒されながら思い出話や近況を楽しく話した。

「すごい、すごいよお、夢を叶えるために勉強頑張ってるなんて><*」

「いや、そんなことないって…俺頭悪いから…。」

俺は相当現状を美化して話していた。


13: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:24:44.20 ID:6FH1lNzy0

一通り話して落ち着いたところで、彼女は立て続けに言った。

「今日、会えてよかったぁ。わたし、感動しちゃった」

「それでね、わたしも林くんの夢を支えられたらなって思ったの」

「うんとねでもね、あたしの口からちょっと説明しづらくて」

「ほら、あたしって口下手だから変な誤解与えちゃいそうで怖いんだぁ」

「近くに友達が来てるんだけど、その人すごいベテランの人だから、その人の話聞いてみて!」

「いま近くにいるみたいなんだけど呼んでも平気?」

そして、あれよあれよという間に佐藤さんより少し年上の女性が現れた。


14: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:27:07.27 ID:6FH1lNzy0

すでにおわかりいただけたであろうか。

プギャーしていただいて構わん。

俺は化粧品やサプリメントに35万もつぎ込んでしまった。

いわゆるデート商法でありネズミ講にハマってしまったのだ。
(彼女はネズミ講とはまったく違うと終始主張していたが)
↑ネットワークビジネスというらしい


15: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:29:37.08 ID:6FH1lNzy0

母としこに嘆き悲しまれ、妹めぐみにバカにされ
自分自身もそんな古典的な手に落ちてしまったことが悔しくて
大量の化粧品とサプリメントを前に生きる気力を失いかけていた。

だが貯蓄も尽きはじめ歳も無駄に食ってもう半ニートはしてられなかった。

しかしバイト探しも面倒くさい。

「榎本さんにお願いしといたから!面接いっといで!!」

そのとき、母としこが助け舟を出してくれた。


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/10/16(日) 01:32:35.31

大変だったな


17: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:33:00.38 ID:6FH1lNzy0

榎本さんというのは、かつて母としこがパートで働いていた、とあるデパ地下の寿司屋の店長だった。

あまり気力が出なかったがせっかく斡旋してくれたので言われるままに面接に行ったら

「おお、君が啓介か!うん、としこさんから聞いてるよ。うん、で、いつから来る?」

と陽気なおっさん(といってもギリギリお兄さんライン)にいきなり言われ、
面接という名の顔合わせのような感じでいきなり採用が決まり働くことになった。


19: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:37:37.65 ID:6FH1lNzy0

えのサン(榎本さん)はスゲーいい人で、歳の離れた兄貴みたいだった。

ミスしても「あとでぶっとばす!」と言いながらフォローしてくれたし
パートのおばちゃんたちも、まるで息子のように可愛がってくれた。

俺のすさんだ心も少しずつ回復してきて、普通にレジに立つこともできるようになった。

ただそれ以外に、もう一つだけ俺の心を癒してくれるオアシスがあった。

それが、隣のとなりのケーキ屋さんの山本さんだった。


21: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:41:20.71 ID:6FH1lNzy0

隣のとなりのケーキ屋さんは、たまに廃棄品をおすそ分けしてくれた。

彼女はいつも笑顔で「ちょっとですけど、どうぞ^^*」と笑顔で持ってきてくれた。

「おっ、山本ちゃんいつもありがとね!!」

えのサンがそう言っているのを聞いて名前を知った。

山本さんは完璧美人ではなかったが、いつもニコニコしていて、
「あ、ど、ドモ…」と俺が挙動不審にしても笑顔で会釈を返してくれた。


23: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:45:39.10 ID:6FH1lNzy0

でも、半年間経っても一年間経っても交わせるのは挨拶だけ。

もうちょっと、ほんのちょっとでいいから進展が欲しかった。

それでもマルチにひっかかって女の子に対してビクビクになった俺にとって
そして女子と会話を交わす経験なんてほとんどなかった俺にとって
自分からきっかけを作るなんてのはとても無理な話だった。

でも想いは募るばかり。
もはや一年も片思いしてると我慢の限界だった。


24: 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 投稿日:2011/10/16(日) 01:49:37.75

支援あげ


25: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:50:02.77 ID:6FH1lNzy0

「榎本さーん、おつかれさまでーす!」

「おっ、ゆうた~サンキュウな!!」

ケーキ屋には、ただひとりだけ男の子が働いていた。
歳はまだ二十歳かそこらだと勝手に思っていた。

えのサンがゆうたと呼ぶこの男の子も、たまに廃棄ケーキを届けてくれた。

(……これだ!!)

俺は一世一代の勝負にでることにした。


26: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:54:11.77 ID:6FH1lNzy0

「あの、森くん、よかったら、あの、よかったら今日終わったら呑み行こう…。」

廃棄ケーキを届けてくれたあとにひっつかまえて小声で誘ってみた。

『森』というネームプレートを付けた、そのゆうたという男の子は
一瞬びっくりしたような顔をしたが「いいですよ。」と了承してくれた。

この子に話すキッカケを作ってもらえれば…きっと何か動き出すはずだ。

(頼むよ…!)

俺は年下の子にすがる想いでそうお願いした。心の中で。


27: 1 投稿日:2011/10/16(日) 01:57:22.39 ID:6FH1lNzy0

居酒屋で生とタコわさをつっつきながら、とりあえず世間話をした。

森くんは22歳で、ケーキ屋と介護職のかけもちをしてるらしい。
俺はマルチのことは伏せたが公務員浪人からいまの仕事に就いたことを話したりした。

「で、どうしたんです急に。」

そりゃ聞かれるわなと思いながらも、ここで言わなきゃ男がすたると思い

「う、うん、そうだよね急に、ごめん、あの…」

ためらいながらも山本さんのことを話した。

そしておそるおそる出した俺の気持ちは
森くんのストレートパンチを受けることになる。


29: 1 投稿日:2011/10/16(日) 02:00:08.72 ID:6FH1lNzy0

「山本さん、彼氏いますよ。」


うわあああああああああ


「たしか、付き合って三年くらいですよ。」


うわあ
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